ファイアーエムブレム ー俺の謎ー   作:ユキユキさん

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今日も仕事前に。


第25話 ~俺はタリスでやり直す。

ーオルドレイクー

 

タリス王国の末席に加えて頂きたいと申し出た結果、タリス王とシーダ王女はかなり喜んでくれた。そういうわけで今日より俺はタリスの一兵卒、タリスの為に頑張ろうじゃないか。リンダとレナさんも自動的にタリス所属となってしまう、…勝手にすまないと謝れば二人は首を振る。俺に付いていくと決めた以上、俺が決めたことに口を挟むようなことはしない…と。

 

それに俺が二人を大切に思っていることを知っている、…少なくともこのことも私達のことを考えてでしょ? と問われれば頷くのみ。だとしたら私達も俺が大切だからって、…ずっと傍らで手伝いますと言ってくれた。…改めて思う、俺は信頼されているのだと。

 

…それに比べて俺は二人にも壁を作っていた、心の底では人を信じることが出来なかったからだ。故に二人が俺から離れられるよう頑張るつもりであった、安全が保証されれば俺と別れることになると考えていた。でも二人は本気で俺と共にあろうとしていたんだな? …なのに俺って奴は。

 

…だが今は違うぞ? もう一度信じてみようと、そう思っている。タリス王とシーダ王女に心を洗われた、俺はやり直すのだ。このタリスで生まれ変わる、いうなればNewオルドレイクだ。全身全霊を持って二人と共に未来を進もう、よろしく頼むぞ! リンダ、…レナさん!!

 

 

 

 

 

 

その後、予定通りに宴が行われた。そこでタリス王の口から、俺がタリス王国の所属となったことが知らされた。城仕えの者は勿論、近隣より集まった民達は俺を歓迎してくれた。………この光景、歓声を聞くと今は亡き領地を思い出してしまう。泣きそうになる自身を抑え、にこやかな笑みと言葉を発して(こら)える。…俺は自身が思っているよりも弱いようだ、…何とかせねばいずれ足を引っ張るかもしれん。

 

これより同じ国に仕える者として、先人であるオグマ達に挨拶をすれば、

 

「俺には空を舞う術はないがオルドレイク殿にはある。俺は地上よりシーダ様の為に剣を振るおう、オルドレイク殿はシーダ様と同じ空を翔る者。どうかシーダ様のことをお守りしてくれ、貴殿になら安心して任せられる。」

 

と未来の勇者オグマに頭を下げられた。だから俺は言ったのさ、

 

「お守りするのは当然だともオグマ殿、…私としても貴殿に頼みたいことがある。私が率いるオルドレイク隊は全てが歩兵なのだ、空を舞う私には全てを見ることが出来ぬと思う。故にせめて私が不在の時は気にして欲しい、レナさんがいるから大丈夫だとは思うが保険として。」

 

とね。そうしたらオグマは快諾、…彼とは良い関係が築けそうだ。互いに握手をし、軽く酒を(たしな)んで仲を深めた。

 

勿論忘れずにマルス王子へ挨拶をしたよ? 少しの気遣いを感じたけど、…先程の俺を気にしているのかね? 何か申し訳なく思ったよ。

 

 

 

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ータリス王ー

 

宴が終わった後、私は自身の寝室にて今後のことを考える。考えることはオルドレイク殿のこと、そしてシーダのことだ。

 

オルドレイク殿は私達を信用してくれ、自ら我がタリス王国へと仕官をしてくれた。彼が仕官をした結果、共にいるリンダ殿とレナ殿も併せて仕官をしてくれ、更にオルドレイク隊に所属している者達が加わるとその戦力は計り知れない。

 

…そんな彼を、彼等をどういった待遇で同盟軍へと参加させるべきか。色々と悩むところだが、実力を考えれば将軍待遇が最も相応しい。さすれば他国から参加した者に侮られることもなし、そしてアカネイアの者からも余程の愚か者ではない限りそれなりの対応を取ってくれるかと思う。

 

そして、将軍位を与える最大の目的はシーダである。我が娘は見る限り、まだ淡いがオルドレイク殿を好いている。その想い…定まり切ってはいないが、今回の出兵にて高まり自覚すると読む。…となればシーダを娶らせることを視野に入れ、オルドレイク殿を将軍とすることが最善であろう。

 

親の私が言うのもあれだが、シーダは気立ての良い美しい娘である。そして何より国内人気が凄まじい、…故に生半可な者には娶らせることが出来ぬのだ。それを考えればオルドレイク殿、彼に白羽の矢が立つ。此度の襲撃の際、国内の被害を最小限に抑えての解放。私は勿論、民達も彼には感謝をしている。先の宴の際に公表した仕官の話、皆は熱狂的に彼を歓迎した。オルドレイク殿であれば誰も文句を言わぬだろう、そして口を揃えて相応しいと賛同してくれるに違いない。

 

更に後押しとしての同盟軍参加、そこで手柄を立てればより確実となる。まぁ…後はあれだ、シーダの自覚と頑張りが必須となる。

 

それと忘れてはいけない女性が二人いる、リンダ殿とレナ殿だ。この二人は完全にオルドレイク殿を好いている、いや…愛していると言っても良いかもしれん。この二人に配慮しつつ、オルドレイク殿との距離を縮めなければならない。真摯に接すれば、彼女達との仲も深まろう。

 

……………シーダの件は私の願望ではあるが、きっと彼とシーダは良い仲になると確信している。

 

……と、もう夜も深い。私も休むとしようか、明日は同盟軍の旅立ち故にな。




このアンケートは今話まで。

あの二人、ジュリアンとナバールについて。

  • ジュリアンは知らない子。ナバールは○。
  • ナバール? 誰ですか? ジュリアンは○。
  • 二人共必要でしょうが!!
  • あえて二人共いらない。
  • 仲間になるがホモ臭い。

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