ージェイガンー
メニディ川の戦いにてコーネリアス様が討ち死になさった。そして瞬く間に裏切ったグラ軍がアリティアを制圧、リーザ様とエリス様の命により私はマルス様と騎士団の一部を伴って脱出をした。アリティアと友好関係にあるタリス王国へ、タリス王のご好意で三年間…雌伏の時を過ごす。
…三年後、海賊達がタリス王国を襲撃。シーダ王女の救援要請に対しマルス様は快諾、タリス王救出の為の戦いが始まった。この戦いをマルス様がアリティアを取り戻す為の、王になる為の試練と位置付ける。恩があるとはいえ、タリス王国にはアリティアへの踏み台となって貰わなければ。私が一番に考えなければならないのはタリス王国のことではない、あくまでアリティアのこと…マルス様のことだけである。
私は最低限のことしか助言をしない、戦いに犠牲はつきものである。マルス様は優しすぎる、故に人質の危うさには言及せず。早めに自身の無力さを知って貰い、それを乗り越えて王器に昇華して欲しい。しかしその目論みは失敗に終わる、…あの竜騎士達が現れたが為に。
私の目論みは失敗に終わったが、あの竜騎士…オルドレイク殿とレナ殿のお陰でマルス様は一皮剥けた。私とは違い犠牲をあえて出すのではなく、自らの行動と言葉でマルス様に自身の無力さを自覚させたのだ。…私は
自身の無力さを知ったマルス様は奮起、自ら先陣に立ちながら指揮を取る。僅かな時で少しの覇気を身に付けられた、間違いなくマルス様はコーネリアス様のお子。しかしながらまだまだ危なっかしい、老骨に鞭打ってでも私がお守りせねば。
…ほどなくしてタリス城を制圧。無自覚ながらマルス様はそのカリスマ性で皆を導いている、これを自覚した時にはコーネリアス様と並ぶ王器を、英雄となるであろう。オルドレイク殿の存在がマルス様覚醒の鍵となるか? 彼もまた英雄の器、…空の覇者という二つ名に偽りなし!
タリス城を制圧したことにより、この度の戦いは終わった…と皆は安堵していることだろう。しかし私の経験上…、終わりではないと断言出来る。考えて貰いたいのは何故、突然海賊達が襲撃してきたのか? ってことを。更に海賊が軍規模であったこと、海賊の規模と船の数が合わないということ。それらを合わせて考えれば自ずと分かろう、襲撃をしてきた者達は一部で本隊が何処かにいるということを。最悪、…背後に何者かがいる。私はそう確信している、…マルス様はそれに気付かれるか?
救出されたタリス王より発せられた解放宣言、それにより歓声が上がる。…マルス様にはまだ早すぎたか、…無粋であるが進言するしかあるまい。そう思った矢先に伝令が飛び込んできた、オルドレイク殿からの急報にマルス様が動かれた。その素早い対応に私は嬉しくなる、…本当に僅かな時間で成長なされた。
素早く兵を纏めたマルス様は出撃の下知を皆にする、それと同時に指示を飛ばし各々で進軍することに。私はカインとアベルを副官に騎馬隊を率いる、西方の村々を巡り騎馬隊の襲撃を未然に防ぐ為。私もマルス様と共に西方の地理を聞いている、故にこの指示は的確であると判断出来る。マルス様から離れる際、ドーガとゴードンにはしっかりと言い聞かせている。何がなんでもマルス様をお守りするようにと、…絶対厳守の役割だ。
…後はどの順で村々を巡るかと考えれば、時間等を考え…この順で巡れば騎馬隊とはあの辺りで………。
村々を巡り、その度に最低限の備えとして少数の騎馬隊を残しておく。そして予想していた通り、最後の村を発ち港町へ向かう途中…遭遇した。見たところ…数はあちらの方が上、されど統率されてはいない。港町にてオルドレイク殿に散々…追いやられたのであろう、故にあのような乱れた隊列で…。
…ふむ、なれば、
「私は単身にて突貫し一当てする、カインは私に続き奴等を更に乱せ! アベルは乱れたところに左翼から突撃、右方へ奴等を追いやるのだ! 隙あらば討ち砕くも良し、されど無理をすることは無し。…分かったな!!」
「「はっ!!」」
年老いたとはいえこのジェイガン、まだまだ現役よ! 軽く一当てし奴等を右方へ追いやりさえすれば、…後はマルス様が討ち取ってくれよう。…さて、参ろうか!!
何故かジェイガンの話。
主人公以外のオリキャラは必要か否か。…アンケート機能を試したいだけでもある。
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必要。
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否。
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原作の敵を味方にし、それっぽく使用。