ーオルドレイクー
シーダ王女と人質になっていた者達が奥へ消えた、もう少しでタリス王と再会出来るだろう。
俺の目から見てタリス王は民達から病的な程に慕われている、例え非情な判断を下したとしても。誰一人王家を責めることはない、今回のような襲撃に遭ったとしてもだ。多くの民達が海賊の凶刃に掛かり亡くなった、『何故守ってくれなかった!!』という声がなかった。逆にタリス王達の救出を願う、何ともいえない国民性よな。…アカネイアなんて少数とはいえ民達から恨まれてたぜ? …そう考えるとタリスは稀有な国だよな、…島国だからか?
まぁ俺の考察はどうでもいいとして、もう少しでシーダ王女達とタリス王が再会する。多くの命が散った中での再会、それはもう感動的なものになるだろう。そんな悲しみの中の再会を邪魔するってんなら俺が相手になろう、無粋なる海賊に死を贈らにゃならん。
…俺はティルフィングを構えて迫り来る海賊達を捉える。人質を使おうと思ったのか、上から降りてきた奴等は既に死んでいる仲間を見て激昂。その反応に何様だ? …と思った俺。お前らには激昂する資格なんざない、被害者面すんじゃねぇよ。ならず者の海賊風情が意気がるな、…死んでその命で全てに詫びるがいい!
ここへ来る海賊が多い、襲い来る海賊達を斬り伏せながら思う。やはり人質を使う為に? …となれば、あの砦からマルス王子達がタリス城へと攻め上がってきたと考えれば? 若しくは既に辿り着いていたり? 故に海賊達が焦って人質を使おうと地下へ。……たぶんそんな感じだな、…でそこにハンパない程の強者である俺がいた。うん、そんな感じだろうな。
…戦いながら周囲を確認、シーダ王女達にも聞いたが隠し通路や部屋は存在しない。ついでに抜かれず討っているから死体が多い、…ってこれは関係ないか。…とにかく様子見で前進しますかね、隠し関連がないのなら抜かれぬ限り安全だし。むしろ地下牢への階段を押さえるか? そっちの方が音や声で戦況が判断出来ると思うし。…うん、それがいい!
そうと決まれば前進あるのみ。立ち塞がる海賊共め、死ねぇーい!!
…立ち塞がってたのは俺か?
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ーシーダー
オルドレイク様が言っていた地下の最奥、薄暗い通路の先にある最も酷い死刑囚の牢。…その中に父様がいる、彼に渡された鍵を扉に差し込んで…ガチャリッ、そして勢いよく扉を開けた先には…、
「…父様っ!!」
壁に打ち込まれている枷に拘束されている父様の姿、力無く項垂れているその姿に悲しみが込み上げてくる。
私の声に反応した父様は顔を上げた。その表情は憔悴し切っており、僅か一日で人というのはこうも老け込むのか…と驚愕してしまった。その姿に驚きと悲しみ、生きていたという喜び、一気に色々な感情が私の中を駆け巡る。そんな私を視界に収めた父様は、憔悴から一転…破顔して、
「…おぉ、……おぉ! …シーダ、シーダよ無事だったか! …それにお前達もよく無事で!」
震えていたが喜色に満ちた声、その声を聞いた私は感情のあまり…涙が零れた。
私達は父様を拘束している枷を外し、その身を解放した。崩れ落ちそうな父様の身体を二人の兵士が慌てて支える、そして数人の兵士は自身の着ている上着を脱ぎ地に置いた。そこへ父様を座らせて一息、暫くしてから私は脱出後の経緯を話す。マルス様に助力を頼み、マルス様が立ち上がってくれたこと。旅の最中であった三人の勇士の助力、その一人の方が父様達を救ってくれたことを。
そして教えた、…彼の名を。その名を聞いた父様は、
「…オルドレイク? その竜騎士はオルドレイクと名乗ったのか…!?」
目を剥いて驚いた。やはりオルドレイク様はご高名な…、
「竜騎士オルドレイク。…私の知るオルドレイクであれば、…彼は元アカネイア貴族だ。」
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ーマルスー
カインとアベルの騎馬隊が合流し、四方八方に散った海賊達を個別に撃破。自身の持てる力を駆使しながら進軍、タリス城目前でリンダさんとも合流出来た。彼女と共にいたのは傭兵隊長オグマ、そしてサジ、マジ、バーツといったタリスでも名の知れた戦士達。まさかリンダさんがオグマ達を引き連れているとは!
リンダさんとオグマを筆頭に攻め上げている姿を見て僕は奮い起つ、…負けていられないと! 僕は皆に指示を出し攻城戦へ参戦する、…もう一踏ん張りだ!!
主人公以外のオリキャラは必要か否か。…アンケート機能を試したいだけでもある。
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必要。
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否。
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原作の敵を味方にし、それっぽく使用。