問題児と最強のデビルハンターが異世界からやってくるそうですよ?   作:Neverleave

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とりあえず続きをずっと書いてたけど、かなり長くなって思っていた以上に難航。
どうしたもんかと思っていたら、中間地点あたりでも十分に長いことが発覚、しゃあないから投稿することにしました。
なんだろうこの敗北感(´・ω・)
次は勝つ! 何にかはわからんけど! どうぞ!


Mission6・② ~鬼の森~

「外から見てもなかなかだったが、中に入ってみればこりゃまた衝撃的だな」

 

 門の中へと入ったダンテは、ゲームの舞台となっている居住区を一瞥して呆れたように息を吐いた。

 〝フォレス・ガロ〟の居住区は、今や光を遮るほどの密度で木々が立ち並び、とても人が住める場所には見えなかった。

 街路と思われるレンガの並びは下から迫り上げる巨大な根によってバラバラに分かれ、もはや人が通れるような道ではなくなっている。〝ノーネームの〟本拠地とは別の意味で崩壊を果たしていた。

 だがここは……人は住めないが、ゲームの舞台としては確かにうってつけだった。

 どこにでも隠れる場所があって、奇襲に最適なのだから。

 

「……ん?」

 

 と、戦場の分析を自分なりにしていたところで、背後から奇妙な音がしてくるのをダンテは聞いた。

 振り返ってみると、門が生い茂る樹木によって絡められ閉じていく。

 飛鳥達がこちらに入ってきたその直後のことから、門を通ることがゲーム開始の合図だったらしい。

 どうやら退路は断たれたようだ。もっとも、逃げる気などさらさらないが。

 それだけ確認すると、ダンテは己の嗅覚を用いて、近くに敵がいないか調べる。

 

(近くに悪魔は、いねぇな……まぁ、そうそう離れているわけでもねぇだろうがな)

 

 とりあえずこの近辺は安全であることは確認した。

 悪魔はともかく、動物一匹彼らの近くにはいやしない。とはいえ、油断は禁物である。近くにいないからといって、相手が何も仕掛けてしてこないとは限らないのだから。

 飛鳥達がこちらにまで近寄ってきたが、飛鳥とジンは周囲を警戒したままでいる。

そこで、耀が助言した。

 

「大丈夫。近くには誰もいない。匂いでわかる……ダンテ、そっちは?」

「こっちも何もないね。ところで前から聞いてみたかったけど、ワンちゃんのお友達でもいんのか?」

「うん。20匹ぐらい」

 

 ヒューッ、と思わず口笛を吹くダンテ。

 前回の白夜叉……グリフォンとのゲームでわかったことなのだが、彼女のギフトは獣の友人と同じ力を得ることだ。

 つまりそういった友達を作れば作るほどより強力になっていくギフトであり、その保有者である耀も無限に進化を続けていくことになる。

 犬だけで20匹以上友達がいるというのなら相当なものだが、他にもきっといっぱいいるのだろう。そうだとすれば、彼女の身体能力がずば抜けて高いのにも納得できる。

 五感ならばダンテや十六夜以上……下手をすれば、教えてやれば悪魔の存在も探知できるようになるかもしれない。

 

「お二人とも、あちら側の詳しい位置はわかりますか?」

「それはわからない。でも風下にいるのに匂いがないのだから、何処かの家に潜んでいる可能性は高いと思う」

「右に同じ、だな」

「ではまず外から探しましょう」

 

 四人は森を散策し始める。奇妙な木々は家屋を呑みこんで生長したらしく、居住のほとんどが枝や根に食い破られていた。昨日まで人の営みがあったはずの居住区は廃墟と化している。

 黒ウサギは〝フォレス・ガロ〟に大きなゲームを仕掛けるのは不可能だと言っていたが、たった一晩で奇怪な森を作り上げたガルドの力は油断ならないものだろう。

 

「彼にしてみれば一世一代の大勝負だもの。温存していた隠し玉の一つや二つあってもおかしくないということかしら」

「ええ。彼の戦歴は事実上、不戦敗も同じ。明かさずにいた強力なギフトを持っていても不思議ではありません。耀さんとダンテさんはガルドを見つけても警戒は怠らないでください」

「俺は別の方に気を張るさ。獲物を探すのはお嬢ちゃんの方がいいセンス持ってそうだし任せる」

 

 確かにダンテの嗅覚も優れてはいるが、おそらく耀の方が優秀だろう。獣の匂いなどを感知する力はきっとこちらが上だ。

 一方でこちらは悪魔を探知する能力が備わっているのだ。役割分担をした方が効率的でいい。

 周囲の警戒とともに、狩りの獲物を探すにはうってつけだろう。

 耀は一人、一番高い樹に飛び乗ってガルドを警戒し、残りの三人は散策するスタイルを取り続けた。

 

「…………駄目ね。ヒントらしいヒントは見たらないし、武器らしい武器も見つからないわ」

「もしかしたらガルド自身がその役目を担っているのかもしれない」

「だとしたらまたメンドーなもんだな。まずはあいつを見つけなきゃなんねぇってか」

 

 が、未だに進展はない。クリアのために必要なものがどこにもないのだ。

 ジンの推測通りだとすれば、ダンテの言うようにまずはヤツを見つけることを優先するしかない。

 虎穴に入らずんば虎児を得ず。まさにその通りなのだが、武器がなければ一方的に攻められてしまう。ダンテや耀がいるのでそれでも長時間持ちこたえられるかもしれないが、それではゲームクリアなどできはしないのだ。

 しかしそう易々と居場所をこちらに知らせてくれるようなこともないだろう、しばらくはダンテと耀の知覚に頼った地味な作業が続きそうだ。

 

「気が乗らないけど、方針を変えましょう。まずは春日部さんの力でガルドを探して」

「もう見つけてる」

 

 などということを考えていたとき。

 喜ばしいような、拍子抜けするようなことを頭上の耀が三人に知らせてきた。ジン達が樹の上に乗っている彼女へと目を向けると、耀は飛び降りて三人のもとへ着地する。

 鋭い五感を持った少女はレンガの残骸が残る街路を指し、

 

「本拠の中にいる。影が見えただけだけど、目で確認した」

 

 そのときの彼女の目は、普段の春日部耀のものとは違っていた。瞳の色は金色に輝き、猛禽類を彷彿とさせるような、鋭い目つきに変わっている。

 おそらくは、鷹などの大型鳥類が持つ眼だ。1500m先の動物すら視認することができる彼らの視覚を用いたのならば、それこそ屋内にいたとしても発見するのは造作もないことだっただろう。

 

「まさか鷹の友達もいるなんてな、こいつはまたすげぇ目を持ってるもんだね。羨ましいもんだ」

「でも突然異世界に呼び出されちゃ、友達も悲しんでるんじゃない?」

「そ、それを言われると…………少し辛い」

 

 飛鳥がふと思ったことを口にすると、目に見えて耀は元気をなくした。

 そう。世界の全てを捨てて、彼女はここへとやってきたのだ。当然今まで築いてきた友達の関係も例外ではない。

 そしてそれを、突然やってきた一枚の手紙によって別れの言葉を送ることも出来ないまま行ってしまったのである。

 ある程度踏ん切りをつけたのだろうが、それでもやはり応えてしまうものらしい。

 飛鳥はそんな耀に苦笑してパンパンと肩を叩く。耀もゲームの真っ最中であること、一度は自分の中で整理をした気持ちだったことから立ち直り、「大丈夫。ありがとう」と応えた。

 

「とにかく、あそこにガルドがいるのは間違いない……ダンテ?」

 

 耀がダンテに声をかけると、その言葉の裏に含まれた意味をくみ取った彼はスンッと鼻を鳴らす。

 

「ビンゴだな。あの野郎、テメェの家をゴミの掃き溜めにしてやがる。よくもまぁあんなとこにいて鼻が曲がらないもんだね、気絶でもしてんじゃねーか?」

 

 嘲るように鼻で笑い、皮肉を言い放つダンテ。

 しかし厄介なことになったものだ。開け放たれた空間ならばともかく、館の中がヤツらでひしめいているのなら少々戦いづらい。雑魚ばかりならばジン達もなんとか交戦できるだろうが、そこに指定武具でしか攻撃できないガルドまで合わさると話は別だろう。

 そこにいる敵は未知数、そしてハンティング対象である相手もどんな手札を持っているかわからない。なんとかして外におびき出せればいいが、どうしたものか。

 

(……あん?)

 

 と、そんなことを考えているダンテだったが、もう一度匂いに意識を向けてみたところでおかしなことに気付く。

 一つ……いや、かなり似ているが二つ。どこかで嗅いだことがあるような匂いをダンテは嗅ぎ取ったのだ。

 しかしどこで嗅いだものだっただろうか? かなり最近に嗅いだことのあるような気がする。

 思い出そうとしてみるが、なかなか頭の奥底に埋められた記憶を掘り起こすことはできない。それにまだここでは遠いから、匂いも薄い。ここからでは判別は難しいだろう。ともかく進むしかない。

 

「……ダンテ?」

 

 そのとき、不思議がるような声色で自分の名を呼ぶ声をダンテは聞いた。振り向いてみれば、耀が首をかしげながら自分を見ている。

 どうやらしばらくの間思考に没頭してしまったらしい。「なんでもねーよ」と言うと、そのままダンテは歩み始め、三人もそれに続く。

 

 

 

 そのままダンテ達はガルドのいるであろう本拠の館にまで警戒して向かっていた。

 館に通じる道もやはり大量の木々で侵食されている。侵入を阻むように互いに絡み合っているそれらは、まるで命令を受けているかのようだ。

 

(これだけの量を鬼化させるなんて…………まさか彼女が…………?)

 

 その道中で、一人の人物がジンの脳裏に浮かぶ。

 まるで本物の金を糸にしたかのような美しい髪。幼い少女のような容貌であるにもかかわらず、その佇まい方には不相応に思えるような落ち着きと大人びた雰囲気を持った彼女。

 かつて自分たちのコミュニティに在籍して力を振い、そしてそれ以前の時には元〝魔王〟として恐れられていた、あの――

 

 しかし、そこでジンは首を横に振る。

 あり得ない。まず彼女がこの場にいるはずがないのだ。そして自分たちに対してこのような仕打ちをする理由も道理も、彼女は持ち合わせていないはず。

 そして、何よりも彼に彼女が関与していることを否定させているのは、魔の眷属の存在だった。

 誇り高く、そして仲間を誰よりも大切に思う彼女が、箱庭の住人から忌み嫌われる魔の眷属を嗾けるはずがない。

 

(そうだ、彼女がそんなことをするはずなんて……しかし、この森は彼女でなければ……いや、でも……)

 

 一人、思考の迷路にはまってしまうジン。

 彼女がするはずがない。しかし彼女にしかできない。

 そんな答えの出ない無限ループに陥った彼は、ゲームの最中でありながら注意が散漫になってしまう。

 だから急にダンテが目の前で立ち止まったとき、ジンはそのまま彼の背中に顔からぶつかってしまった。

 

「わぷっ」

 

 背の低さが幸いしてか、背中にかけてあるリベリオンにはぶつからずダンテ本人にぶつかった。もしもうちょっとでも彼に身長があれば無骨な金属塊と顔面が衝突してしまったところである。

 鼻をおさえ、ジンは目の前にいる大男を見上げると彼に呼びかけた。

 

「ダ、ダンテさん。どうし――むぐっ」

 

 が、そこでダンテはジンの口に手をあてる。

 何事かと彼の目を見てみると、口に人差し指をあてて静かにするよう指示を出していた。

 肩越しに振り返ってはいるものの、ダンテの目はジンではなく周囲に向けられている。まるで何かを探しているかのようだ。

 

「…………何かいる」

 

 背後からボソリと耀もつぶやく。彼女も同じくして異様な気配を感じ取ったらしい。

 ダンテと同じように辺りを警戒し、襲撃に対して身構えている。

 

「音はするか?」

「とても微かだけど、感じる。詳しくはわからないけど、たくさん、それにすぐ近くにいる……これって……」

「ああ、おでましのようだ」

 

 ダンテが問いかけると、耀はコクリと小さく頷いた。察知した気配に違和感を感じたようで、ダンテに訊ねると肯定の回答が返ってくる。

 ――悪魔の襲撃だ、と。

 

 その言葉を聞いた途端、真っ先に動いたのは飛鳥だった。

 

そこに隠れている者達よ(、、、、、、、、、、、)出てきなさい!(、、、、、、、)

 

 どこから、何がいつやってくるかもわからないこの状況。普通であれば後手にまわるしかないその局面で、飛鳥は先手をかける。

 ヒュンッ! と。その瞬間、彼女の命令に従うように周りの木々から巨大な影が複数飛び出し、彼女らの目の前に姿を現した。

 

「ひっ!?」

 

 そしてその悪魔たちを見ると、思わず飛鳥は悲鳴をあげてしまう。

 それもそうだろう。ギフトを持っているとはいえ、それ以外は平穏を生きてきた普通の人間――ましてや女性なら、驚愕して当然だった。

 それは人間よりも大きな身体をした蜘蛛。

従来のものとはかけ離れたスケール、しかし八本の脚と二つの単眼、巨大な腹部はそれを彷彿とさせ、二本の前足は鋭い刃物のようにギラついている。

 口部を何度も開閉させて不気味な音を出しているそれは、『アルケ二ー』と呼ばれる悪魔だ。

 

 その悪魔のグロテスクな外見に衝撃を受け、飛鳥は数秒ほどだが怯んでしまう。

 その隙が、仇となった。『姿を現せ』としか命令を受けていないアルケ二ーは、彼女の言葉によって攻撃を抑制されているわけではない。

 一匹の蜘蛛が足をあげてのけぞると、肛門部から飛鳥めがけて白い糸玉を発射した。

 糸玉はさながら弾丸のような速度で直進し、彼女に命中――

 

 

 ドンッ!!

 

 

 ――することはなく、直前で大きく横へ弾道を反らされることとなった。

 吹き飛ばされた糸玉はやがて鬼化した一本の木へ命中すると、ビチャッ! と湿った音をたてながら弾けて絡みつく。

 ハッとして見てみれば、前方にいたダンテの右手には白銀の拳銃。そしてその銃口からは一筋の煙が立ち上っている。

 

「おいおい、うちのかわいいお嬢様においたしてもらっちゃ困るんだよ。お盛んな時期でも美女には優しくしてやりな」

 

 クルクルと手の中でアイボリーを回転させ、華麗に収納するダンテ。聞き分けのない子供を諭すような口調で彼は巨大な蜘蛛へ語り掛ける。

 しかし、下級悪魔であるアルケ二ーに言語を解する知能などなく、もちろん彼の言葉の意味など何も理解しはしない。

 

「キィ! キキキキキキ!」

 

 『食事』を邪魔され、憤慨するように鳴くアルケ二ー。

 腹立たしげに歯を何度もぶつけ、威嚇するように前足をあげて鋭い爪を見せるが、ダンテはそれを一瞥すると鼻で笑った。

 

「わりぃな。デカブツの蜘蛛にゃあ難しい内容だったか。ま、こんなもんもわからねぇようじゃしょうがねぇよな……」

 

 侮蔑の言葉を並べながら、ダンテは懐からギフトカードを取り出す。

 カードから光が現れたかと思うとそれはダンテの全身へと広がり、彼に鋼の輝きを与えた。

 

「……だったらよ――」

 

 衝撃甲・ギルガメスを装備したダンテは手を広げては握る動作を何度か繰り返す。

 正常に魔具が作動していることを確認したダンテはだらりと両手を下げて眼前の蜘蛛を睨む。

 そして。

 

 ゴゥッ!! と。

 地面を思い切り蹴り飛ばし、目にも止まらぬ速度でアルケミーへと接近した。

 

「ギィッ!?」

 

 驚嘆したように蜘蛛は声をあげる。

 しかし反応が遅すぎた。前足を防御のために構えようとするが、それよりも早くダンテはアルケ二ーを蹴りあげる。

 空中へ放り投げられたアルケ二ーを追うようにダンテは跳躍し、くるりと回転すると、

 

 

 

「――そのままくたばりやがれ、ゴミ野郎」

 

 

 

 無防備になった巨大な蜘蛛の顔面めがけて、強烈な踵落としをぶちこむ。衝撃が走り、痛快な炸裂音とともに蜘蛛の顔面が破壊された。

 アルケ二ーはそのまま地面に叩き落とされ、腹から固い土と衝突することとなる。

 巨大な蜘蛛は立ち上がろうとするが、もはやそいつはひどく弱っているのが見て取れる。足は震えうまく立てず、顔面は破裂し緑色の体液がこぼれ、鳴き声すらもう出せない。

 それでもやっと蜘蛛が力を振り絞って立とうとしたその瞬間。

 

 ――赤い魔人が、弱り果てたアルケ二ーを踏み潰すように落下する。

 

 ブチュッ! と嫌な音をたてて破裂するアルケ二ーの頭部。勢い余って地面にも大きなクレーターが生じ、土が飛び散る。

さらにダンテは残った腹部にアッパーカットを叩きつけるように殴り飛ばした。八本の足がすべて千切れ飛び、膨れた腹は爆発してその中身をあちこちへと飛散させる。

 バラバラになったアルケ二ーの亡骸は、そのまま溶けるようにドロドロになって消滅した。

 

 永遠のように感じられる、静寂の時間が流れる。

 ダンテが衝撃甲を装着してからの一連の攻撃……こんな低級層では見ることもできないような華麗な連撃が、まるで映画のワンシーンのように行われ、終結した。

 ここにいる全員が、白昼夢を見ているかのような心地だった。まるでこの光景に現実感がなく……瞬く間に粉砕されたアルケミーの死骸が、破壊の中心に立つダンテが、真実であるのだと飛鳥達には実感できなかった。

 何もかもが沈黙し、停止した世界の中で。赤い悪魔は己のコートを一瞥すると、

 

「……チッ、汚ねぇな。体液ついちまってんじゃねぇか」

 

 付着していた体液を忌々しげに払い落とし、他の悪魔たちへとその視線を向ける。

 そこには、あまりにも無慈悲な連撃を喰らわせ仲間を殺した、目の前の男を恐れる蜘蛛の集団――などはなく。

 

「キシィ! キシィィィアアアアアアアア!!」

 

 むしろ。無残に仲間を殺され激昂したアルケ二ーたちの姿があった。

 すべての蜘蛛は殺意の眼光を赤いコートの男へと向け、その四肢を引き裂き食いちぎるべく爪をこすり合わせる。

 こいつらはセブンス=ヘルと同じく下級悪魔にカテゴライズされる存在だが、実力は奴らよりも高い代わりに知能が低い。

 故に、己の危機というものを理解するだけの頭の良さがないのだ。

 自分が死ぬ未来像など見えていない蜘蛛の集団は、先ほどよりも大きな殺意をダンテに向けて放つ。

 だが最強の悪魔狩人(デビルハンター)はそんなものを受けても動じるどころか、むしろ嬉々とした表情で全員を眺め渡していた。

 

「害虫駆除なんてゲームでも仕事でも請け負った覚えはないんだがな……HA、まぁいいか。〝ノーネーム〟から〝フォレス・ガロ〟へ最初で最後のサービスしてやる、こいよ!」

 

 両の手に備わった鋼同士をぶつけ、ステップを踏むと敵を挑発するダンテ。

 言葉とは裏腹に喜びの響きが混じったその声を合図に、〝ノーネーム〟初の悪魔狩りが始まった。

 




親愛なる紳士諸君。お気づきだろうか。
あのままダンテが飛鳥に飛来した蜘蛛の糸を防がなければどうなっていたか。

まだ年端もいかぬ少女の顔に、服に、髪に、白くてねっとりしたものがべちゃあ……

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ダンテてめーよくも余計なこt……いいえナイスフォローですともだからそのアイボリーしまっ【バァン!!】

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