IS x W Rebirth of the White Demon   作:i-pod男

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セブンシンズ・ドーパント vs 仮面ライダーエターナル、遂に決着です!後一話位で本編は完結します。ここまで読んで下さった皆様、感想欄での励ましの言葉やアドバイス、リクエスト、評価などをして下さって誠にありがとうございます。

では、どうぞ。


恐るべきAの力/頂上決戦 part 2

『能力を、封じた?』

 

「ああ。だが、残念ながらどれを封じたかは俺も知らない。七つの能力の中のどれを、幾つ、どこまで封じたかなんて分かる訳が無い。この状態で、先に滅ぶのは俺か、お前か、俺達かだ。」

 

エターナルは地表に亀裂が入る凄まじい踏み込みでセブンシンズに一瞬で近付き、黒い炎を纏った右拳を繰り出した。対するセブンシンズはコピーしたライダーパンチで応戦する。二つの拳がぶつかり合った瞬間、凄まじい爆発が巻き起こり、何十キロ先からでも見える様な土煙の柱が立った。

 

「指し分けね。」

 

「ぬかせ。」

 

『Metal Maximum Drive!』

 

『Violence Maximum Drive!』

 

『Xtreme Maximum Drive!』

 

ぶつかったまま拮抗した状態にあった拳を押し切り、そのままセブンシンズの顔面に拳が減り込んだ。

 

「酷い人ね、女の顔を狙うなんて。」

 

『Zone Maximum Drive!』

 

超高速移動をしながら刃に変化させた右腕でエターナルに斬り掛かるが、高速を超える転移能力を持つゾーンメモリの前には意味を成さなかった。

 

「どうしたよ?そんなもんか?」

 

セブンシンズの目が細まり、今度は両腕を多数の銃身が付いたバルカン砲に変えた。吐き出される弾丸は着弾と同時に爆発を巻き起こしていく。

 

「怒ったか、スコール。怒れ怒れ!お前との馬鹿踊りもこれで仕舞いだ。」

 

『終わらせない。絶対に!この世界はっ!償わなければならないのよ!ISの所為で一体どれだけの人間が苦しんだと思ってるの!?貴方だけじゃない!貴方の友達も、家族も!皆が苦しんだ!それを終わらせようとするのに・・・・・何故邪魔するの!!』

 

エターナルの思考が分からない事に募った苛立ちが遂に爆発し、セブンシンズはあらん限りの力で腹の底から吠えた。

 

『Ocean Maximum Drive!』

 

『Xtreme Maximum Drive!』

 

「償わなければならないのは確かだ。だが、お前のやり方じゃ何も変わらない。人類全てが悪人ではない。」

 

鋭く空気が抜ける様な音と共に爆炎が鎮火した。分厚い球状の水に覆われながらエターナルが闊歩する。

 

『変わるわ!変えてみせる!』

 

スコールの皮膚が粟立ち、巨大なドラゴンに姿を変えた。口から毒々しい緑色の炎が噴き出す。それがエターナルを焼き尽くさんと迫って来る。

 

『その為に私はここまでやって来た!』

 

『Cyclone Maximum Drive!』

 

『Heat Maximum Drive!』

 

『Unicorn Maximum Drive!』

 

『Xtreme Maximum Drive!』

 

「ヘルファイヤー・ドライブ!』

 

サイクロンの強風にあおられ、ユニコーンの回転力に炎が混ざり、燃え盛る巨大なライフル弾がエターナルの手から噴き出した。緑色の炎は瞬く間に飲み込まれ、トライマキシマム『ヘルファイヤー・ドライブ』はセブンシンズが変化したドラゴンの顔面に命中した。

 

煙の中から激情に顔を歪ませたセブンシンズが現れ、エターナルに巨大なモーニングスターに変化させた左腕を叩き付けてくる。

 

『Metal Maximum Drive!』

 

『Skull Maximum Drive!』

 

『Xtreme Maximum Drive!』

 

だがそれは硬化した片腕で易々と打ち払われ、エターナルエッジがお返しとばかりに飛んで来るが、直線の軌道を描くそれを避ける事は容易い。クイッと僅かに首を反らすだけでセブンシンズを通り過ぎた。

 

「まだだぜ。」

 

『Puppeteer Maximum Drive!』

 

標的を失い、明後日の方向へと飛ぶエターナルエッジは百八十度向きを変え、再びセブンシンズを背後から襲った。まるで見えない戦士がそれを振るうかの様に。それは、複雑な指の動きを繰り返すエターナルの仕業だった。指先から伸びる無数の極細のワイヤーがエターナルエッジに巻き付き、軌道を操作している。

 

『小賢しい・・・・』

 

「お前に言われたくはないな。」

 

エターナルエッジに設けられたマキシマムスロットの挿入口にファングメモリを的確に投げ込んだ。

『Fang Maximum Drive!』

 

『Xtreme Maximum Drive!』

 

エターナルエッジがエッジモードから刃が伸びたカリバーモードに勝手に変形し、その伸びた刀身から枝分かれする様に新たな刃が幾つも伸び、ワイヤーに繋がれて行く。

 

「サウザンド・エッジ。」

 

『その刃は全て貴方に牙を剥くわ。』

 

だが、白き幾千の刃は主に逆らう事無く全てエターナルの意のままに動き、体中を切り裂いた。

 

「封印した能力の一つ・・・空想の具現化か。」

 

『お返しよ。サウザンド・エッジ。』

 

スコールの周りにも同じく白い刃が陣形を成してエターナルに襲いかかる。入り乱れる白い刃はまるで散り行く花弁の様に美しく、ぶつかる度に散らす火花もまたそれをより一層引き立てた。

 

『Joker Maximum Drive!』

 

『Xtreme Maximum Drive!』

 

「ライダー、キック。」

 

『ライダーパンチ。』

 

蹴りと拳がぶつかるが、競り勝ったのはエターナルの蹴りだった。ライダーパンチを繰り出したセブンシンズの右腕は肩から下が吹き飛んでいる。

 

『負けない・・・・私は、まだ負けない!』

 

セブンシンズの体は膨れ上がり、更に筋肉質な物に変わって行く。

 

「パワーはまだ上がるか・・・・」

 

そしてエターナルの視界は歪み、景色が変わり始めた。南極大陸ではなく、どことも知れない無人島だった。そしてその断崖絶壁には無数の十字架があり、人が両手両足に幾つもの錆びた釘を打ち付けられて磔にされていた。

 

箒、セシリア、鈴音、シャルロット、ラウラ、千冬、束、フィリップ、翔太郎、竜、亜樹子、マドカ、簪、楯無など、一夏と深い関わりを持つ人物ばかりだ。皆苦痛に顔を歪ませ、呻き、血に咽せ、エターナルに助けを求めた。

 

違う。これは違う。幻だ。偽物だ。本物は今IS学園で自分達に出来ることをしようとして言える。それでいて自分が生還するのを一心に祈っている。今この場にいる筈が無い。そうは自分に言い聞かせようとしても、五感や彼女らの存在感がそれを否定してしまう。

 

「くそっ・・・・!だがっ!!」

 

『Key Maximum Drive!』

 

『Xtreme Maximum Drive!』

 

キーメモリの策的能力によって既に鋭敏化された五感が更に鋭さを増し、幻影の中でも容易くセブンシンズの居場所を探し当てる事が出来た。

 

「そ こ か!!」

 

『Luna Maximum Drive!』

 

『Trigger Maximum Drive! 』

 

『Xtreme Maximum Drive!』

 

「トリガー・マキシマムフルバースト!」

 

メビュームマグナムにルナメモリとトリガーメモリを押し込み、直ぐにマキシマムを発動した。W LTのトリガーフルバーストを遥かに凌ぐ数の光弾がセブンシンズがいる所に向かって行く。だが着弾の音が全くしない。

 

『・・・・今のはちょ〜ッとびっくりしたわよ。』

 

「・・・・・暴食の吸収で自己再生しやがったか。」

 

見ると、吹き飛ばされた右腕は新しく生えており、体中に刻まれたサウザンドエッジの切り傷も全て塞がっている。

 

『これが無ければ恐らく今頃死んでるわね。ありがと。』

 

「・・・・だったら、こいつはどうだ?」

 

『Rocket Maximum Drive!』

 

『Accel Maximum Drive!』

 

『Dummy Maximum Drive!』

 

『Puppeteer Maximum Drive!』

 

『Zone Maximum Drive!』

 

『Xtreme Maximum Drive!』

 

「さて、百八連発のロシアンルーレット・ロケットバージョンは如何?言っておくが、この中の幾つかはダミーだ。したがって、吸収しても意味はねえぞ。」

 

『やるわね。面白いじゃない。』

 

「行くぜ。」

 

空中に浮かぶのは百八発のロケット弾はセブンシンズの周りに複雑な軌道を描きながら加速し、襲いかかり始めた。それもすれすれでワザと回避させたり、突如目の前に迫っている物がゾーンメモリの転移能力で消えたりと、思考と判断が追い付かない。セブンシンズは両腕を撓る鞭に変えてミサイルを叩き落とし始めたが、落とした二十発の大半がダミーだ。

 

『Sleight of hand・・・・・素敵よ。』

 

「残り八十八発だ!」

 

ミサイルを操作しながらも懸命に辺りを見回し、再び幻覚を見せられていないかを確認する。

 

「どうしたよ?動きが雑になって来たんじゃねえのかあ?」

 

『冗談にしても面白くないわ。』

 

背後から迫るロケットを右手で捉えたが、それは直ぐに消えた。ダミーだ。

 

『けどこうも外ればかり引くと、流石にショックね。私、くじ運は良いのよ?』

 

「これはくじ引きじゃない、『騙し』の手品だ。」

 

『サウザンド・エッジ!』

 

受けた技をコピーし、飛び回っていたミサイルも全て撃ち落とされたが、一つとして本物は無かった。その証拠に、爆発した物は一つも無い。

 

『どれも・・・・・どうなってるの?』

 

「これが俺のイリュージョンだよ。プロのマジシャンに弟子入りしてたんだ。俺のミスリード・テク、舐めんじゃねえぞ。」

 

エターナルが指を鳴らすと、ぽつぽつと雨が降り始めた。いつの間にか、そら似は巨大な黒雲が渦巻いている。

 

『ここで・・・・・雨?』

 

「ロケットに気を取られている間に、聞き逃したみたいだな?ウェザーの発動を。」

 

左腿のスロットは既にユニコーン、バイオレンス、エクストリームのメモリで埋まっている。だが更に一つスロットが埋まっているのに気付いた。メモリのイニシャルはW。Weather のWだ。

 

「ああ。二十六本もメモリを持っていながら、何の策もなしにお前とやり合おうとする様に見えるか?ヘルファイヤー・ドライブ、そして先程の二十発近くのロケット。あの爆発に巻き起こった強烈な熱風で、大気の温度を上げ、上昇気流を作った。今俺達の頭上では、積乱雲が出来ている。つまり、雷雲だ。他のメモリでマキシマムを連発してた所為で時間が掛かっちまったがな。ま、エくストリームがそこら辺を手伝ってくれた。」

 

そして荒れ果てた空で稲光があちこちで乱れ落ち始めた。

 

『Luna Maximum Drive!』

 

『Metal Maximum Drive!』

 

エターナルエッジを持った手が天まで伸び、そこに雷が集中し始めた。

 

『自分を避雷針に・・・・?!」

 

「幾らお前でも、ガイアメモリの力で作られた落雷は避けられねえし、吸収出来ねえだろ?なんたって、音速を超える千分の一秒で落ちてくる十億ボルトのエネルギーの塊だ。更に、」

 

『Zone Maximum Drive!』

 

『Accel Maximum Drive!』

 

『Bird Maximum Drive!』

『Cyclone Maximum Drive!』

 

『Dummy Maximum Drive!』

 

『Eternal Maximum Drive!』

 

『Fang Maximum Drive!』

 

『Gene Maximum Drive!』

 

『Heat Maximum Drive!』

 

『Iceage Maximum Drive!』

 

『Joker Maximum Drive!』

 

『Key Maximum Drive!』

 

『Luna Maximum Drive!』

 

『Metal Maximum Drive!』

 

『Nazca Maximum Drive!』

 

『Ocean Maximum Drive!』

 

『Puppeteer Maximum Drive!』

 

『Queen Maximum Drive!』

 

『Rocket Maximum Drive!』

 

『Skull Maximum Drive!』

 

『Trigger Maximum Drive!』

 

『Unicorn Maximum Drive!』

 

『Violence Maximum Drive!』

 

『Weather Maximum Drive!』

 

『Xtreme Maximum Drive!』

 

『Yesterday Maximum Drive!』

 

「A to Z、全てのメモリからエネルギーを引き出して、それを全て一点に集中し、お前に導くだけだ。食えるなら食ってみろよ。太り過ぎて内側から弾け飛ぶぜ?」

 

『そうかしら?』

 

「これでもし生きてたら・・・・・まあ、好きにするが良いさ。出来るかどうかは分からねえがな。『ブラッディー・ヘルブレイド・パニッシュ』。」

 

雷のエネルギーと共に緑色のエネルギー体『エターナルウェーブ』がエターナルの全身を覆い尽くし、目の輝きも強まった。それが全てエターナルエッジに注がれて行き、天をも穿つ巨大な刀身を作り出した。まるで地球その者を真っ二つにしかねないその刃をエターナルは真っ向から振り下ろす。只それだけの動きが、空気を振るわせ、地球その物に切れ込みが入り始めた。

 

セブンシンズはそれを両手で受け止め、エネルギーを全て食らい尽くそうとした。だが、これ以上持ち堪える事は出来ない。叫びながらも最後までその刃を受け止めようとして彼女は塵となって消えた。




以前IS x ライダー物はもうやらないのか?というメッセージが来ました。答えはノーです。まだやるつもりです。ですが、まだ先の話になります。現在執筆中の SAO x DMCのリメイク(GGO編までしかやりません)とあともう一、二作書いたら再開する事になると思います。

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