IS x W Rebirth of the White Demon   作:i-pod男

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長らくお待たせいたしました。こちらの方は若干スランプに陥っておりまして、どうすればセブンシンズの力が絶望感溢れる物になるかと考えてもあんまり上手く行かず・・・・・結果 SAO x DMCのリメイクの方が進んでいます。

ではどうぞ。

番外編でこう言うのを見たいと言うリクエストがあれば、どうぞお気軽にお願いします。


恐るべきAの力/頂上決戦 part 1

『あの蜘蛛は僕と翔太郎が対処する。特性はある程度分かっているからそこまで時間は掛からない筈だ。織斑マドカと照井竜は織斑一夏を援護してくれたまえ。』

 

『そうは行かないわよ?』

 

セブンシンズ・ドーパントの姿は見る見る内に姿形を変え、巨大な蜘蛛の巣の中心に居座ったままのアラクニド・ドーパントと鏡写しの巨大な蜘蛛になった。

 

「・・・・質量も無視か。反則じゃないかこれ?」

 

エターナルは仮面の下で余りにも多彩な能力を兼ね備え、その限界すら未知数なセブンシンズを相手にするのが笑えて来たが、堪えた。

 

「本物は俺とナスカに任せろ。スピードならば負けん。左、フィリップ、織斑、お前らはセブンシンズを分断しろ。」

 

「頼むぞ、マドカ。」

 

「任せてくれ、兄さん。」

 

『相談は終わったかよぉ、あ”ぁ!?』

 

アラクニド・ドーパントの腹から数十本の棘が四人のライダーに向けて放たれた。

 

『Cyclone Maximum Drive!』

 

だがそれらはエターナルが突風で吹き飛ばされる。

 

「あの棘・・・・恐らく何らかの毒物か劇物を含んでいる可能性が高い。気を付けて下さい。翔太郎さん、フィリップさん。」

 

『分かった。』

 

「おう。」

 

『Zone Maximum Drive!』

 

アラクニド・ドーパントに姿を変えたスコールとW、そしてエターナルはゾーンメモリの転移能力で砂漠へ————南極大陸へと飛んだ。

 

 

 

 

『あらあら、随分と味気無い所ね。バカンスならもう少し気温が低くて海が見える所が良かったのに。』

 

「バカンスならたっぷりさせてやるよ。幅四メートル、奥行き八メートルの独房でな。」

 

『あり得ないわね。だって、』

 

陽炎の様にセブンシンズ・ドーパントの姿も周りの景色すらも揺らぎ変わり始める。瞬きをした次の瞬間、エターナルはIS学園の自室に立っていた。そして目の前には、彼が愛する更識楯無の姿がある。

 

『一夏君は私を傷つけたりしない。私の事、愛してるから。そうでしょ?』

 

顔立ち、体型、歯並び、声音、どれを取っても本物と同じだ。違うと分かっていても、心がそれを否定する。無意識の内に手がどんどん下がり、棒立ちになり始める。

 

『織斑一夏、惑わされるな!彼女は、偽物だ。』

 

Wの右目が明滅し、フィリップが構えを解こうとするエターナルを叱咤する。

 

『彼の言う事を信じちゃ駄目。私は、貴方の味方よ。だから、やめて?そして、』

 

突如、Wとエターナルの視界から彼女が消えた。

 

『死んで頂戴。』

 

「速ぇっ!」

 

『Prism!』

 

擬態を解いたセブンシンズ・ドーパントの右腕の先が三つ又の矛に変わり、エターナルを背後から貫こうと伸び始める。だがWが間一髪で左手のビッカーシールドを投げつけ、更にプリズムソードの刀身から放った衝撃波で軌道をズラし、ようやく我に返ったエターナルも直ぐに飛び退いた

 

「そうだ、幻覚能力・・・・・てめえ・・・・・よくも・・・・・・刀奈の姿を・・・・俺の刀奈を、汚しやがったな・・・・?!」

 

一瞬にして頭に血が上ったエターナルはゾーンメモリで瞬間移動をセブンシンズの周りで繰り返し、エターナルエッジの一撃を浴びせた。だが、その刃は通る事無く肩口で止まったままだ。

 

『残念ね。貴方の武器じゃ私は切れないの。堅過ぎるから。それに、デコピン一発で貴方を吹き飛ばせるわ。』

 

腕を伸ばし、エターナルの額を中指で弾いた。大砲の様な轟音と共にエターナルは荒れ地を地面すれすれで数百メートル後方に吹き飛ばされて行く。

 

「フィリップ、どうするよ?流石にコイツはまずいんじゃねえか?迂闊にマキシマムを使えばコピーされて返されるんだぜ?」

 

『ああ。確かに、僕達で勝つ事は不可能だ。だから今僕達に出来るのは・・・・時間稼ぎ位だ。今は照井竜と織斑マドカがアラクニド・ドーパントを倒してくれるのを待たなければならない。』

じりじりと下がりながら翔太郎はフィリップに耳打ちしたが、突如周りの景色が歪み始めた。

 

「何だ!?」

 

『また幻覚が・・・・』

 

辺りを見回すと、Wは風都にある事務所に立っていた。何時も翔太郎が座っているデスクの後ろでは白いスーつに身を包んだ四十代の渋い男が足を組んで座っていた。コーヒーカップを片手に近付いて来る。鳴海探偵事務所初代所長の鳴海荘吉であった。

 

「お、おやっさん・・・!?違う・・・・幻覚だ幻覚だ幻覚だ!これは現実じゃねえ・・・!」

 

ソファーには対照的に黒一色の服装に身を包んだ女性がダーツをしている。つばの広い帽子をかぶり、顔には包帯を巻き、サングラスを着用していた。彼女は園崎文音。今は故人だが、フィリップ———またの名を園崎来人———の実母である。

 

『か・・・・母さんも・・・・!?』

 

『よう、翔太郎、フィリップ。』

 

『来人。こっちへいらっしゃい。』

 

だが、次の瞬間二人は激痛を背中と腹に感じた。後ろを見ると、いつの間に変身したのか、仮面ライダースカルがスカルマグナムの銃口をWに向けていたのだ。そして腹には文音が持っていたダーツの先端が深々と突き刺さっている。

 

二人は凄まじい激痛に仮面の奥で身を歪ませ、地面をのたうち回り始めた。

 

「不思議な物よね・・・・・ただのまやかしなのに、脳が本物と認知すればそれは現実になるなんて。ほんと、おかしいわ。」

 

『Joker Maximum Drive!』

 

「ライダー、パンチ。」

 

背後から紫色の閃光が迸り、その光を纏った拳がセブンシンズに迫る。これ以上無い絶好のチャンスだ。だが彼女は微動だにせず、当たった瞬間紫色の光はまるで水をかけられる焚き火の如く俄に小さくなり、やがて消えた。

 

「ちきしょう・・・・」

 

『ありがとう。頂いたわ。ライダーパンチ。』

 

セブンシンズの右腕が紫の光に包まれ、エターナルの腹に減り込んだ。あまりの衝撃に息が詰まり、呼吸も止まる。

 

「あの、やろぉ・・・・」

 

『このままじゃ、まずい・・・・・』

 

踞りながらエターナルは必死で考えた。このまま戦いが長引けば敗北は目に見えている。起死回生の一手は無い物かと脳をフル回転させた。エターナル、メモリ無力化、エクストリーム、メモリの王、まるでフィリップが地球の本棚で検索を駆けているかの様に様々なキーワードが彼の頭の中を飛び交った。

 

「これだ。」

 

今まで戦闘でやって来たギャンブルとは途方も無い位に大きいリスクを背負う事になる。勝率を上げる為に前借りした法外な利息を払い切る事はほぼ間違い無く不可能だ。代償として自分自身の体すら崩壊させるかもしれない。

 

この賭場は一度きり、賭けが出来るのも一度きり。そして相手は全てに勝るジョーカー。

 

『何をする気かは知らないけど、させると思ってるの?貴方は、そうね。マグマの中に落ちた事って、あるかしら?』

 

地面が真っ二つに割れ、ボコボコと泡立つ溶岩がこんこん戸泉から沸き出す様に溢れ出て来た。泡が弾けると同時に飛沫があちこちに飛んで行く。踞ったままのエターナルの首を掴み、片手で軽々と持ち上げる。

 

「ねえ、よ・・・・・一つ、言っていいか?」

 

『なあに?』

 

「人間は生まれながらに罪深いって言ったな。確かにお前の言う通りかもしれない。罪って物は、永劫消える事は無いだろう。永遠。エターナル。つまり、お前も(エターナル)の支配下にあるだけなんだよ。ドブスが。」

 

セブンシンズの手が喉から離れ、エターナルは溶岩の中へと真っ逆さまに落ちて行った。

 

『Eternal Maximum Drive!』

 

『Xtreme Maximum Drive!』

 

持ち上げられた時に手にしたエターナルメモリとエクストリームメモリをマキシマムスロットに押し込み、スタータースイッチを震える手で押した。

 

「まだだ!」

 

『Eternal Maximum Drive!』

 

『Xtreme Maximum Drive!』

 

落ちて行くエターナルの体から青白い炎が噴き出し始めた。それはやがて色が濃くなって行き、徐々に黒く染まり始めた。その炎が崖からチラチラ見え始める事に気付いた翔太郎はフィリップに耳打ちした。

 

「おい、フィリップあれ・・・・・」

 

『まさか・・・・強制的にメモリの能力を引き出して純正化しているのか?やめろ織斑一夏!!幾ら君の体でもソレには耐えられない・・・・肉体が崩壊するぞ!!大道克己はNEVERだったからこそ耐える事が出来たんだ!』

 

「俺は、その大道克己に・・・・認められた男だ。この力は、全てのメモリの頂点に立つ力。俺は、それを正式に受け継いだ。メモリの王は、この俺だ!!お前なんかじゃないんだよスコール!」

 

『Eternal Maximum Drive!』

 

『Xtreme Maximum Drive!』

 

『Maximum Drive!Maximum Drive!Maximum Drive!Maximum Drive!Maximum Drive!Maximum Drive!Maximum Drive!Maximum Drive!Maximum Drive!』

 

「てめえは俺がぶっ倒す!生きて、皆ともう一度笑って会えるなら、俺は、化け物にでも悪魔にでもなる。なってお前を倒す!俺を導け、エターナル!俺を、更なる高みへ!」

 

黒い炎はエターナルを覆い尽くし、エターナルローブは燃え失せてしまった。両腕の蒼いフレアマークも消え、炎と同じ黒い物に変わった。奈落の底の様な、果てしなく黒い炎に包まれた仮面ライダーエターナル・ダークフレアが腕を組んだままゆっくりと落とされた崖から浮かび上がって来る。そして浮かび上がった瞬間、亀裂が閉じ、マグマも消えた。

 

『レベル4・・・・・!!』

 

『あら、凄い。こんな切り札を持ってたなんて。』

 

「ああ。だがお前は分かっていない。エターナルメモリの真の力は、エターナルより低い順精度のランクを持つメモリの力を無力化する。永久にな。」

 

セブンシンズの肩越しに、変身が解除されて互いに肩を貸し合いながら立ち上がる翔太郎とフィリップの姿が見えた。恐らく竜とマドカ、そしてオータムの変身も解除されているだろう。

 

『私の変身は解除されていないわよ?』

 

「お前のメモリは特殊だからな。こんだけやっても能力の一部を封じる事で精一杯だ。翔太郎さん、フィリップさん、ごめんなさい。」

 

『Zone Maximum Drive!』

 

二人の姿は掻き消えた。

 

「地獄から迷い出た悪魔(お前)にはご退場願う。さあ、地獄を楽しみな!!!!」


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