IS x W Rebirth of the White Demon   作:i-pod男

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一週間以上もほったらかしにしていて申し訳ありませんでした。ようやく高校を卒業して格式張った行事の数々が終わり、色々と落ち着こうとしている合間に推敲を何度か繰り返しながら投稿までこぎ着ける事に成功いたしました。

クライマックスが間近になって来ましたが、上手い具合に原作同様全てを上手く締め括る事が出来るかどうか心配ですが、知恵を振り絞って完結まで持って行く所存です。


逆転のI /究極の頭脳戦

「ではこれより作戦を発動する。翔太郎、照井竜、織斑一夏、織斑マドカ、指示通りに行動してくれ。篠ノ之束、コンピューターを起動したまえ。」

 

「は〜い!ポチッとな。」

 

リボルギャリ—の格納庫の大半は束が改造した所為で格納庫よりも殆どがラボになっていた。そしてその改造された部分の四分の一を占めるのが四つのディスプレイと外付けハードドライブを持つ二台の大型デスクトップコンピューターだ。束は合計八つの画面に目紛しく現れるデータの羅列を読み取りながら素早くキーを叩いて行く。

 

「これは、僕と篠ノ之束が開発したスーパーコンピューター『オムニ』だ。ラテン語で『全』を意味する。これで、掌握された国を全て解放する。テラフロップレベルの演算能力を持った完成品と言ってもガイアメモリに太刀打ち出来るかどうかまだ分からないが。篠ノ之束、準備は良いね?」

 

「うん、オッケイだよぉ〜!」

 

「よし。来い、エクストリーム!」

 

金色の翼を持つ鳥形のエクストリームメモリが飛来し、フィリップをデータ化すると、そのまま壁にある一番大きな接続ポートに繋がれ、展開した。中心にある円状のタービン『エクスタイフーン』が回転し始める。

 

『ハードドライブの代わりに、エクストリームメモリをデータベースとして地球と直結、情報を読み込む。当然ながら情報の量が膨大過ぎるからデータ化した僕自身がフィルターとなって情報の統制、電脳空間へのダイブをする。しかし残念ながら、この間はオムニを出る事も変身する事も出来ない。』

 

エレクトリックグリーンの輪郭を持ったフィリップが画面に現れて言葉を続ける。

 

『当然だが、プロフェッサーと名乗るサイバー・ドーパントは全世界を網羅、監視もしている。僕達の存在にはほぼ間違い無く気付くだろう。だから、今回はそれを逆手に取る。どれかの国のデータベースを奪回しようとすれば、向こうは掌握したスパコンを全て使って対抗して来るだろう。全てを使えると言う事は、どこかしら全てのスパコンが繋がっていると言う証明になる。その糸口を見つければ、追跡が可能となる。一を特定した所で翔太郎、照井竜、そして織斑マドカにそれぞれシャルル・ドゴール空港、トラファルガー広場、クレムリン宮殿に飛んでもらう。今現在、そこに一体ずつドーパントが無差別な破壊活動を行っている。迅速に、無駄無く無力化しなければならない。移動手段は、織斑一夏のゾーンメモリを使う。」

 

「だが、もし失敗すれば世界が滅ぶぞ?」

 

『そうなる前に、僕と篠ノ之束が彼らの作業を遅らせてあわよくば止める。これ以外に有効であり成功率が一番高い対抗策は無いんだ。』

 

「待てよ。」

 

克己の人格が浮上し、会話に割って入った。

 

『大道克己・・・・』

 

「悪いが、お前ら二人では心許ない。目と手の数がとてもじゃないが足りない気がしてな。そっちのウサ耳変人女は兎も角として、お前は頭脳派で何方かと言えば防御に向いている。俺だけをデータに変換してその中に入れる事は出来ないか?」

 

(おい大道、お前何言って)

 

「織斑、何を勘違いしてるかは知らんがこれは俺の為だ。俺の存在を永遠にこの世に刻み付ける事が出来るなら他の事なんて正直どうでも良い。だが、刻み付ける物が亡くなっちまったら本末転倒だ。奴は邪魔だから消すってだけさ。出来るのか出来ないのか、答えろ、兄弟。」

 

あまりに傍若無人な物言いにフィリップは開いた口が塞がらず、竜は掴み掛かりそうになっていたが、翔太郎にあれは一夏の中にあるもう一つの人格で一夏の肉体を依り代としている彼を殴った所で何にもならないと必死に引き止めていた。

 

『・・・・可能だ。』

 

「よし、すぐにやれ。これで俺ともおさらばだな。」

 

エクストリームメモリから放たれる緑色のビームが一夏に照射され、オムニのスクリーンにNEVERの隊服を身に付けた克己の姿が現れた。

 

『後、最後にもう一つ。お前が求める『永遠』が何なのか分かったなら、それを貫き通せ。そして、死に物狂いで、明日を求め続けろ。お前は俺が会った中でも一番の『当たり』だ。精々殺されるなよ?現代(いま)の仮面ライダー。』

 

「お前もな。」

 

二人は画面越しに拳を突き合わせた。

 

『・・・では、僕は情報の統制とセキュリティーの制御等のディフェンス、大道克己には世界規模の国家機密レベルセキュリティーのクラッキングを担当してもらう。始めるよ。』

 

『臨む所だ。』

 

『情報共有リンクを形成、維持。完了まで後五秒。・・・・・リンク完了。これで君の動きが見える様になる。さて、お次は大道克己の攻撃用プログラム及びサポートプログラムの作成だ。』

 

両手をまるでオーケストラの指揮者の如く古い、指先も奇妙に曲げ伸ばしして行くと、克己の体の至る所に銃や手榴弾などの重火器が装備されて行き、隣に巨大なボストンバッグが現れた。中身もまた同じである。

 

更にサポートプログラムとして三人の男と一人の女、合計四体の人間が現れた。

 

『ほう、これは中々期待出来そうだな。』

 

克己の微笑はまるでプレゼントを前にした子供の様に広がり、満面の笑みとなった。それもその筈、四人は克己がまだNEVERだった頃行動を共にしていた仲間だったのだから。

 

『あくまでプログラムだが、地球の本棚で検索した情報を元に作り出された物だ。強さは保証するし、意思疎通も可能だ。後、言っておくが当然現実とこの電脳空間は似て非なる。』

 

そう言いつつフィリップはその場で飛び跳ねてみせた。大して高くは飛べず、重力に従って落ちて行き着地する。

 

『この様に、重力の様な常識的な法則は二つの世界と共通している。違いはコンピューターシステムの中では現実ではなし得ない事が可能になると言う事だ。現実では縛られる法則を曲げる事も出来れば、破る事も出来る。』

 

再びフィリップは垂直に飛び上がったが、まるで無重力な環境にいるかの様に十数メートルの高さまで飛び、再び着地した。

 

『成る程。つまりは現実のルールには従う必要が無い。理屈抜きの直感で戦えば良いと言う事か。俺の得意分野だ、分かり易いな。』

 

武器を適当に分配して準備が整うと、次の段階に移った。

 

『その通り。心を解放すれば、戦闘の幅が広がる。必要となる物資は随時僕が調達する。篠ノ之束、キーメモリをスロットに入れてくれたまえ。出入り口を作る。』

 

「了解。」

 

『Key!』

 

キーメモリをエクストリームメモリが接続された右隣のスロットに差し込んだ。

 

『ルート捕獲。ポータル、オープン。大道克己、向こうに逆探知されるのを防ぐ為に一瞬だけしか開かないから直ぐに飛び込んでくれたまえ。察知されるのは時間の問題として仕方無いが、向こうが後手に回るに越した事は無い。後、セキュリティーに引っ掛かるまでの間は僕の指示に従ってくれ。破壊工作(デモリッション)は君の得意分野だろう?』

 

『ああ。』

 

克己はNEVER部隊を引き連れ、オムニの電脳空間に現れた楕円型の穴を通り抜けて姿を消した。その直後に裂け目が閉じ、スクリ—ンの一つに彼の様子が映し出される。

 

『で?司令塔はお前だ。さっさと次の指示を寄越せ。』

 

『これは言うなればスニーキングミッションだ、避けられる破壊は避けてくれたまえ。使うルートをこれから送るから、その通りに進んでくれたまえ。幸運を祈る。篠ノ之束、ドーパント三体は移動したかい?』

 

「大丈夫、まだいるよ。」

 

『では、織斑一夏、早速三人を転送してくれたまえ。』

 

「了解。変身。」

 

『Eternal!』

 

翔太郎、竜、マドカもそれぞれ変身の手順を踏んだ。

 

「変身。」

 

『Joker!』

 

「変・・・・身っ!」

 

『Accel!』

 

「マドカ、ちょっと来い。」

 

「ん?」

 

エターナルはマドカを片手で抱き寄せ、髪をくしゃくしゃに撫で付けてやった。

 

「な、何を・・・・?」

 

困惑するマドカを見て、一夏は仮面の奥で笑った。

 

「兄貴らしい事、まずこれで一つ。残りは帰って来てからだ。気を付けろよ?」

マドカは頷き、今度こそ変身した。

 

「変身!」

 

『Nazca!』

 

「ではお三方、行ってらっしゃい。」

 

『Luna Maximum Drive!』

 

『Zone Maximum Drive! 』

 

メビュームマグナムから放たれた三つの銃弾が三人に命中し、その場から姿を消した。

 

「俺は、どうすれば良いんですか?」

 

『あの三体のドーパントの機動力を削いで、特定の国に留まらざるを得なくさせる。奴らは世界中のどこにでも現れる事が出来るが、あの三本のメモリの中でそんな事を可能とする能力を持った物は無い。つまり、別のドーパントが移動手段として活動している。光の力を持つフラッシュ・ドーパントだ。唯一有効な対抗策を持っているのは、アイスエイジのメモリで絶対零度に近い閉鎖空間を作り出せる君一人だ。今から位置を特定する、ゾーンメモリを持って待機していてくれ。』

「了解。」

 

オムニからフィリップの声が聞こえなくなってから約五分が経過した。

 

『見つけた。ドイツ、ベルリンのブランデンブルグ門だ。』

 

「行ってきます。」

 

『Zone Maximum Drive!』

 

視界がグニャリと歪み、エターナルは一瞬にしてブランデンブルグ門の前に降り立った。砂岩で出来た古典主義様式の門は聳え立つ26メートルの高さを誇り、天辺には四頭の馬に引かれる馬車とその馬車に乗った女神ヴィクトリアの像が鎮座している。その手には勝利を記念した鉄十字の紋章を取り付けた杖を天に掲げていた。

 

背後から殺気を感じ、エターナルはローブの片端を握って回転した。人差し指程の太さを持つ黄金の線がエターナル目掛けて飛んで来たが、それは直ぐに掻き消えた。更に十本同じ様に線が飛んで来たが、軽やかなフットワークでそれを回避する。その光が当たった所を見ると、地面に穴が開いており、溶けていた。

 

「おいでなすったな。」

 

ヴィクトリア像の上に立っているフラッシュ・ドーパントを仮面越しに睨み付けると、Qのイニシャルが描かれたガイアメモリをエクストリームメモリと共にコンバットベルトについたスロットに突き刺した。

 

『Queen Maximum Drive! 』

 

『Xtreme Maximum Drive!』

 

門を中心に半径十数メートルに及ぶドーム型の障壁が現れ、エターナルとフラッシュ・ドーパントを閉じ込めた。

 

「さあ、贖罪の前奏曲(プレリュード)を奏でろ。」

 

 

 

 

「ここがフランスかぁ。にしてもでっかい空港だなオイ・・・・うぉっとと!?」

 

飛ばされた場所をしげしげと観光客よろしく眺めていた仮面ライダージョーカー。光景としては中々シュールだ。だが、突如背後から飛んで来る殺気を感じて後ろに飛び退った。立っていた所には二の腕や肩に鋭い突起が幾つも付いた二足歩行をする黒い豹の怪人『ジャガー・ドーパント』が立っていた。

 

「出やがったな、猫のバケモンめ。さあ、お前の罪を数えろ。」

 

 

 

「ふざけるな・・・・・こんな事で世界を変えるだと?ふざけるな!」

 

トラファルガー広場は、まるで巨人にそこかしこを踏み潰されたかの様に破壊されていた。地面はへこんで亀裂が走り、噴水は壊れて破壊されて穴が出来た所から水が止めど無く溢れ出して行く。ホレイショ・ネルソンと四頭のライオンの銅像も踏み潰されたアルミ間の様に手の施しようがない無惨な姿となっていた。像を支えていた巨大な柱も砕けており、不幸にもその破片が当たって悲惨な最期を遂げた人々も多い。その中心に立っている大きな一本角を持った『ライノ・ドーパント』が蹄で地面を蹴り、仮面ライダーアクセルを威嚇していた。

 

「さあ、振り切るぜ。」

 

腰のアクセルドライバーを外して飛び上がると、アクセルはバイクモードに変形した。右のスロットルを捻って同じ様に挑発をすると、一台と一体は互いに向かって一直線で駆け出した。

 

 

 

 

モスクワ川に沿って建設された旧ロシア帝国のクレムリン宮殿は大統領府並びに大統領官邸が寺院や大聖堂と林立している世界遺産の一つに数えられる名所である。ここもまた例外無く破壊活動が行われ、二十六ヘクタールの総面積を誇る宮殿も瓦礫の山と化していた。城壁は戦車砲の雨に晒されたかの様に幾つもの穴が開通し、二十ある塔の半数以上は倒壊して他の建物を押し潰している。

 

「私は・・・・この様な事の片棒を担がされそうになっていたと言うのか・・・・?くぉっ!?」

破壊されたその場を見て注意が散漫になっていた所為で一瞬反応が遅れて対応が出来ず、仮面ライダーナスカは茂みの中から飛び出して来た獣人型のマカイロドゥス・ドーパントに仰向けにひっくり返された。マウントポジションを取られてしまった所を咄嗟に零距離で手から放った破壊光弾で吹き飛ばし、ナスカブレードを構える。

 

「アイ・・・・」

 

もう言葉も届かぬかつての味方に刃を向け、ナスカは下唇を噛み締め、鉄の味が口に広がって行くのを感じた。そして一陣の風がその場を駆け抜け、両肩のマフラーが棚引いた。

 

「お前の呪縛、私が断ち切る!超高速!」

 

仮面ライダーとファントムタスクの世界の行く末を賭けた戦いの火蓋が切って落とされた。




久し振りにようやく五千文字突破出来た・・・・

しかしこれが完結したら何を書くべきか・・・・?アイデア自体は別の文書に保存されているんですよ、新しく放送された番組やゲームに触発されたりして。

DMC x SAOのリメイク

意外とユーザーの皆様の間で好評だったのですが、書いて行くうちに段々とグダグダになって来た感じがして来たので始めから書き直してリメイクをしようと思い立ちました。登場人物の設定も新しく練り直したりして

〜ARROW〜 天臨騎士空狼討

アメリカのアメコミヒーロー『グリーンアロー』をアレンジしたテレビシリーズ(合計二期放送)のタイトルから名前を取りました。『魔戒ノ花』も、今の所中々面白そうですのでついつい・・・・

ゼロの使い魔:暗殺者の教義

三つ目に関してはアニメしか見ていないので漫画や小説のストーリーに沿った忠実な物は出来ません。『やってみようかな〜』程度に考えて設定を色々と考えたまでです。

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