IS x W Rebirth of the White Demon   作:i-pod男

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今回は皆さんお待ちかねの克己 vs 一夏、初代エターナルvs二代目エターナルです!結構頑張りました。知っている方々は知っている台詞も結構入っています。

では、Round 1 Fight!!

追記 1/21/14:何かBleachをパクリと思える程引用しまくっていたのでそこら辺をかなり調整しました。


激突するR達/First vs The Next

「何のつもりだ?」

 

『お前は人間が間違いから学べると言ったな?だが、俺はそれを只の戯れ言だと思う。どちらも正しいと思う、相反する意見。ほら見ろ争いだ。また小さな火種が生まれたな。』

 

一夏は無言で構え、流し目で克己が捨てたナイフと銃に意識を向けた。

 

『忘れる前に言っておく。もしこの場でお前が死ねば、お前の意識は二度と戻らない。』

 

「なっ!?」

 

予想通りの反応だとでも言わんばかりに、克己は笑った。再び背筋が凍り付く様な感触に襲われた。

 

「ゥァラアアアア!!」

 

その直後、繰り出されたのは腰の入ったキレのある弾丸の様な鋭い右ストレート。だがそのスピードに一夏は反応出来ず、喉を潰された。

 

「アグゥァ?!?!」

 

激しく咳き込み、膝をついた。更に脇腹に蹴りを食らい、ボールの様に跳ねた。

 

(な、何で・・・?!ナノマシンがあいつの動きについて行けてない・・・!?)

 

『何でナノマシンが反応しないか。それはここがお前と零式が作り上げた精神世界の中だからだ。つまり今お前は精神(こころ)だけここに在る。ISの装着、変身は疎か、ナノマシンも無い。あるのは丸裸のお前だけだ。』

 

咳の発作から立ち直り、再び構えを取った。

 

「舐めるな、俺だって生身の格闘戦ぐらい馴れてるさっ!!」

 

キックボクシングの鋭いジャブやフック、前蹴りを繰り出したが、克己はそれを悉く弾き、スウェーで躱すと右肩を前に出して深く踏み込み、側頭部に腰の回転を利用したムエタイのエルボー、そして両方の拳で一気に顎を打ち抜くハヌマーンを放った。衝撃で脳が揺れ、目の奥でチカチカと火花の様な物が見えた。

 

『確かにな。だが、お前は人を傷つける事に躊躇いと恐れを持っている。技だけでは何億回やろうとお前は勝てない。これは踊りでも、死神とのダンスだ。自分の持つ力を存分に振るう事を恐れていては、』

 

足が地面から離れ、浮き上がった一夏の胸にエルボーを叩き込み、落ちて行く所で背中に克己の膝が激突した。

 

『何も出来ないぞ。今のお前の醜態が良い例だ。』

 

倒れた一夏をまるで汚物の山から這い出た何かを見るかの様な侮蔑的な表情を浮かべて見下ろす克己は、ジャケットを脱ぎ捨てた。ボディービルダーの様に筋肉は肥大化していないが、彫刻の様に浮き出ている事がハッキリと視認出来る。無駄な脂肪を一切削いだ、正しく戦闘に特化した傭兵(マシン)肉体だ。

 

「アヴッ・・・・」

 

水の中にうつぶせに倒れた一夏は最早虫の息だった。戦闘の経験は人間でもドーパントが相手でもあり、勝利して来た。だがこの短時間で、あっと言う間にその培って来た経験の全てが打ち砕かれた。再び蹴り転がして仰向けにさせると、今度はマウントポジションを取り、顔と言わず腹と言わず、手が届く場所全てを手当り次第に殴り始めた。まともに顔を覆う事も出来ず、ただサンドバッグ状態になる一夏。

 

『恐怖とは意志力の天敵だ。意志力こそが生き物の原動力。恐怖がそれを止め、お前を弱くする。それを克服し、無視する事を覚えろ。恐れれば行動は出来ない。行動が出来なければ防御も反撃も出来ない。防御も反撃も出来なければ死あるのみだっ!!』

 

乱れた髪を整えた克己は立ち上がった。今の猛攻の後でも全く疲れている様子が無い。

 

『フフッ、無様だな。恐怖の臭いがプンプンするぞ。これが(エターナル)の継承者とは期待外れも甚だしいなぁ。俺はNEVERで、不死身だ。二度も死んだ。だから今更恐れる物等、何も無い。お前はやはりこの場で殺しておくべきか。お前の存在はエターナルメモリとその真の所有者に対する侮辱以外の何物でも無い。」

 

痛みに悶える一夏の耳に、彼の言葉は届いていない。克己は捨てた銃とナイフを拾い上げ、どちらも精神世界の青空から覗く日の光を反射して凶悪な輝きを放つ。

 

「さて、銃殺か斬殺か、あるいは殴殺か。好きな死に方ぐらいは選ばせてやる。どれが良い?」

 

「どっち、も・・・・断る!!」

 

『俺の足元で這い蹲って本当の自分を拒絶しているお前に選択権は、無い。』

 

ナイフの刃は左胸の一本目と二本目の肋骨の隙間へと吸い込まれて行く。確実に心臓を貫く為の動きだ。一夏はナイフの刃を握り締めた。血が手から流れ出し、水の中に混ざって行く。

 

「ほう、しぶといな。やはり死にたくはないか。ハハッ。」

 

刃が皮膚に到達するまで残り数センチ。いよいよ出血で手の感覚が無くなり始めていた。だが、克己はナイフに込めた力を緩めて飛び退くと、一夏の足元にベレッタを放り投げた。慌ててそれを拾い上げ、構える一夏。

 

『織斑一夏。俺とお前の違いは何だ?』

 

「は?」

 

ナイフを指の間で回転させる克己の突然の質問に一夏は思わずそう呟いた。

 

『「お前は死者で俺が生者』、「お前は傭兵で俺はIS操縦者」。そんな答えをお前がを言えば今すぐお前の目玉を抉ってから食わせ、首を掻っ切る。俺は元がつくがエターナルだった男、そしてお前はエターナルの力を手に入れた男だ。戦闘力もそうだが、それ以前にお前が持っていない物が決定的な差となっている。その差は、違いは何だと聞いている。答えは、欲望だ!』

 

ナイフを空に投げ上げてキャッチすると、再び突進して来た。フェンシングの様な素早い突きは眉間、目、喉、胸を狙って来る。まるで鎌首を擡げる毒蛇が急所を知り尽くした獲物を食らおうとするかの様に。

 

『エターナルメモリが俺を選んだ理由は、俺が永遠を求めたからだ。自分の存在をこの世に深く刻み付けるまで永遠に生き続ける為、その術とその力を求めた。お前の欲望は何だ!お前に取って未来永劫に渡り絶対に在り続けなければならない物は何だ!」

 

克己の言葉は一夏の心に深く突き刺さった。

 

(俺にとって永遠であり続けなければならない物・・・・?Eternal。永遠、永久に・・・・永久に何を・・・?)

 

『お前とドーパントとの戦いは全て観察させてもらった。お前は本来のエターナルの力を完全に引き出したつもりだろうが、それは大きな間違いだ!!エターナルとは全てのメモリの頂点に立つ絶対的にして最強のメモリ。高が三、四本のマキシマムを使った所でへばる様なゴミではない!!完全にその力を引き出すのに必要な物・・・それに必要な物は、只管に戦いを求め、力を求め、敵を容赦無く叩き潰し粉々に蹂躙する事だ!』

 

「そんな物、俺はいらない!そんな事をして何になるってんだよ!!」

 

『理想は高くとも力が無ければ何も変える事など出来はしない!力なき理想は、無力!無きに等しいんだ!!』

 

一夏の叫びに克己は負けじと吠え返した。

 

(ベレッタの弾数は十五発・・・・けどこの距離でも絶対に当たらない。相手は精神世界とは言えNEVERに変わりは無い。左手もボロボロだ。)

 

試しに二発程撃ってみたが軸足を回転させて容易く射線上から外れ、銃弾は明後日の方角へと飛んで行った。

 

『それに貴様からは全く感じられない!!殺意と剥き出しの本能って奴がな。理性で戦い、理性で(オレ)を倒そうとしている。銃をホルスターに収めたままで一体誰を撃てると思ってんだ?そもそも武器と言う物は、どれだけ綺麗事や理屈を並べた所で只の欺瞞だ。武器は殺す為だけに作られた物、凶器だ。人間の体も立派な凶器だ。』

 

更に三発発砲したが、あろう事か克己はその三発の銃弾の一発を左肩で受け、残りの二発をあろう事かナイフで叩き落とした。

 

『お前が俺に勝てない理由は、正にそれだ。だからお前は弱い。求めて何が悪い!?そして敵を前にして、本能を剥き出す事を躊躇うな!!さあ来い敵はここにいるぞ。俺を殺さなければお前は死ぬ!!』

 

再び突っ込んで来る克己に向かって残りの弾をぶちまけ、銃をトンファーの様に構えて振り下ろされるナイフを受け止めた。

 

「理性を失えば只の獣だ。俺は獣じゃない・・・・人間なんだ!!」

 

『人間も元はと言えば物言わぬ獣と変わり無い!!口を動かす暇があるなら俺を殺す方法を、探すんだな!!』

 

臑を使ったムエタイの上段回し蹴りを受け止めた。まるでプロの野球選手が金属バットをフルスイングしたかの様な衝撃に襲われ、左腕がだらりと下がった。運が良ければ罅しか入っていないだろうが、運が悪ければ恐らく脱臼または骨折しているだろう。

 

『お前が二代目の(エターナル)とは認めない。だが、お前が俺の運命を変えたメモリを引き当てたのは理由がある筈だ。だが弱者が力を持っていても意味は無い。いつまでも弱者のままでいると言うのなら、俺がお前を殺し、俺が『王』となる。』

 

(こいつが、『王』になったら・・・・・もう二度と会えなくなる。依頼(やくそく)も果たせなくなる!)

 

一夏の脳裏に、今までであって来た仲間達の顔が次々と浮かび上がって来た。

 

(千冬姉、束さん、翔太郎さんやフィリップさん、竜さんに亜樹子さん、フランク師匠にリリィさん、セシリア、鈴、シャルロット、ラウラ、山田先生、ロンさんとユエサン、弾に蘭、厳さんに蓮さん。そして・・・・・刀奈と、簪に、二度と会えなくなる。皆が悲しむ。千冬姉との約束も、束さんの依頼も果たせなくなる!!全部全部出来なくなる!!)

 

「俺は、勝つ。勝って生きる・・・・俺はお前と違って、待たせてる奴がいるんだよっ!!!!」

 

目から熱い涙が溢れ出し、一夏は死に物狂いで克己に飛びかかった。自分に出来る最高の攻撃を繰り出した。

 

『そうだ、それだ!!それで良い!!これでこそ真の戦いだ!!これこそが、真のエターナルのあるべき姿だ!!』

 

幾度もぶつかり合った所為で銃もナイフもボロボロになり始め、もう後二、三度打ち合えば壊れる様な状態だ。二人は武器を捨てて、再びぶつかり合った。拳と拳が、蹴りと蹴りが、頭突きと頭突きがぶつかり合う。その間二人は吠えた。一人は生き残らんが為、もう一人は探し求めた末ようやく見つける事が出来た快楽を余す事無く貪欲に味わわんとする為。

 

『これだ・・・・・この時だけ、生きている様な錯覚を覚えるぜ。』

 

「気味の悪い野郎だ。死ねええええええええ!!!!!」

 

『クハハハハッ!!無茶言うなよぉ、これ以上死ねるかぁーーーーーーーー!!!!!』

 

再び互いに向かって走り出した二人はラリアットを食らわせ、再び下がる。だが、一夏の左腕に衝撃が走った。

 

(っ・・・・!?さっきのキックを受け止めた所為か!?クソ・・・・タダでさえ掌がボロボロなのにこんな所で!!)

 

『終わりだ。』

 

克己の両掌が一夏の耳を強打し、頭が揺れる。そして襲いかかるストレート、ジャブ、そしてフリッカーの猛襲。止めにカポエラのサマーソルトからの踵落としで再びうつ伏せに水面に叩き付けられた。

 

「あ、ぅく・・・く、そぉ・・・・・!!」

 

『お前は、あの頃のあいつらとは違ってハズレだな。』

 

「あい、つ・・・・・ら・・・・・?」

 

『NEVERの奴らさ。結局は塵になって消えたがな。』

 

「あの島で戦っていた仲間か!!」

 

『・・・・・ああ、そうか。そう言えばお前も偶然見たんだったな、俺の記憶を。まあ、これからは俺が『お前』になる。ナイフも銃ももう使い物にはならない。絞殺に変更だ。心配するな。五秒もあれば死ねる。』

 

一夏の頭を掴んで引っ張り上げたが、突如動きを止めた。

 

『なん、だと・・・・・?!』

 

下を見下ろすと、ナイフの折れた刃が深々と胸に埋まっていた。一夏の左手の流血で倒れた時にカモフラージュしていたのだろう。

 

『・・・・フン、少しは持っている様だな。永遠にあって欲しい物が。』

 

徐々に克己の体が塵の様に分解し始めた。

 

『だが忘れるな、俺達の立場はいつでも逆転する。もしお前に少しでも隙があれば俺はお前の頭蓋を容赦無く踏み砕く!!それから、コイツは警告だ。本当にエターナルを使いこなしたければ、精々死なない様気をつけるんだなあ!!』

 

頭の半分しか残っていない所でそう言い終わり、一夏は虚空を見つめた。

 

「勝った・・・・・・勝ったぞ、大道克己・・・・!!俺の!!!!勝ちだ!!!!」

 

最後にそう叫び、一夏は落ちて行く様な感覚と共に意識が途絶えた。




如何でしょうか?やっぱり戦闘シーンて改めて難しいなと思いました。映像では簡単なのに・・・・

それはそうと、ようやく面倒臭い学校の行事が終わりました。週末を完全に消化してしまいましたけどネ。休みなんてあって無い様なもんですよマッタク。

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