転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0912話

 アルヌスの丘を占領してから数日後。会議の席でアルヌスの丘に基地を作るという意見を出したところ、ある意味予想通りではあるが全員が賛成したので、早速空間倉庫経由でメギロートやイルメヤを運び込んで基地建設を開始した。

 ちなみに当然の事ながら、ギアス世界、SEED世界、ネギま世界、マクロス世界から派遣されている部隊も基地建設の労働力として働いて貰っている。

 全く未知の世界に来たというのに、やっている事が基地建設。にも関わらず士気が落ちないのは、毎日自分達の世界に返って自宅で過ごせるからだろう。

 何しろ、門をくぐればそこは旧交流区画。で、その交流区画から転移区画までは自由に乗れるようになっているエアカーで向かえばそれ程掛からない。で、ゲートを使えばあっという間に自分達の世界まで帰れるのだから、里心とかそういうのは全く気にしなくてもいい。

 ああ、でもマクロス世界のみはちょっと違うな。惑星ミュートスにある、シャドウミラーが作った都市タンタシオン。そこで寝泊まりしている。

 ……まぁ、それでもマクロス世界だけに技術は発展しているから、少し時間が掛かるのに我慢出来ればフロンティア船団が着地した場所を中心にして作られている、ミュートスの首都まで戻る事は可能だが。

 そうそう、アルヌスに基地を作るのを他の世界の者達が賛成したのには、労働力はともかく資材はこちらから出すという条件になっているのも大きな理由だろう。

 その材料の殆どは現在も毎日の如くマヴラヴ世界から届いているBETAの死体だったりするのだが。

 この辺、BETAの死体を持ってきている国と取引をしても、こっちの取り分がかなり多いんだよな。その余分な材料や、あるいは他の世界としている産業廃棄物の類を引き取った物を使っての材料調達だ。

 

「……さすがにこう何度もやっていると慣れてくるな」

 

 アルヌスの丘で急速に作り出されている基地を眺めつつ、隣にいるコーネリアに声を掛ける。

 一応シャドウミラーの代表であり、異世界間連合軍の代表も務めているだけに、護衛が必要という名目でコーネリアが俺と一緒に行動していた。

 

「そうだな。幸い帝国からの攻撃がまだない。その間に基地を作り上げてしまいたいところだ」

「帝国でも……いや、帝国だからこそ、か。あれだけの人数をほぼ全滅に近い形で失えば、戦力を回復させるのにはかなり時間が掛かるだろうしな。その間にこっちはここを完全に基地化して、ついでに要塞化してしまえば、その時点で奴等はもう手も足も出なくなる」

 

 正直な話、今まで俺が行った世界の中ではマブラヴ世界が文明的に最も遅れた世界だったが、この門世界はマブラヴ世界どころではない程に文明が遅れている。間違いなくマヴラヴ世界の戦力を持ってきただけで、この世界は蹂躙されるだろう。

 それこそ今はもう実質的に消滅したが中国とか、あるいはソ連とかにしてみればいい餌でしかないだろう。

 それを知らないというのは、ある意味幸せな事だよな。

 無知の幸せ、か。

 

「アクセル?」

 

 物思いに耽っていると、コーネリアのそんな声で我に返る。

 

「いや、何でもない。それよりアルヌスの丘周辺の調査は進んでいるか? 今まで経験してきた世界とは色々と違うだけに、戸惑うところも多いと思うが」

 

 敢えて言うならネギま世界の魔法界が近いが、向こうの世界には進出していないしな。オスティア辺りを出歩くことはあるけど。

 寧ろ魔法界という意味では、修羅達の方が詳しいだろう。

 ああ、後は向こうで拳闘士デビューをしている円と美砂とか。

 そんな俺の質問に、コーネリアは問題無いと頷く。

 

「確かにこの世界はいわゆるファンタジー世界というものだろうが、そこまでファンタジー要素は強くないからな。アルヌスの丘周辺にしても、別にモンスターが大量にいる訳でもないし」

「そうか、ならいい。ただ、色々と興味深い世界であるのは確かだからな。出来ればワイバーンとかドラゴンのような類はなるべく確保しておきたい」

 

 ドラゴンを初めとしたファンタジー系の生物は、色々な意味で貴重だ。

 そっち関係のモンスターやらなにやらは、それこそネギま世界の魔法界に行けば大量に存在しているが……何しろ、余程の事がなければこっちに出てこられないからな。

 その数少ない例外が俺と召喚魔法の契約を結んでいるグリフィンドラゴンのグリだが、契約する際に俺の血に耐えられるかどうかで言えば、普通は耐えられないだろう。

 俺の高濃度な魔力の込められている血というのが原因である以上、ネギま世界以降ではPPを使ってSPを……つまり魔力を大量に上昇させている為、今ではグリと契約を結んだ時よりも更に血が劇物に近くなっている筈だ。

 いっそ血を希釈して契約出来るようにするべきか? とも思ったが、そうすると色々と魔法的な制約により召喚魔法の契約は出来ないらしい。

 つまり俺達がドラゴンのようなファンタジー系のモンスターを見るには、ネギま世界の魔法界に行くしかない訳だ。

 ……だが、この門世界は違う。普通にワイバーンを初めとしたモンスターが存在しているのだ。オークやゴブリンのような、典型的なモンスターの類も。

 それに捕虜から聞き出した情報によると古代龍と呼ばれている、いわゆるエンシェントドラゴンのような存在もいるらしい。

 ワイバーンとは桁違いの強さを持ち、非常に高い防御力を持っているらしいが……その辺に関してはこっちの攻撃力過多といえる現状では問題ないと予想している。

 寧ろどうやって殺さずに捕らえるかという方が問題だろう。

 無難に考えれば、帝国の騎士団を捕らえた時と同じくイルメヤのスパイダーネットだろうが……仮にも空を飛んでいるドラゴン相手だと、難しそうな気がする。

 BETAとかなら地上を移動するのしかいないから、それ程難しくないんだが。

 

「ドラゴンもそうだが、この世界の情報に関してはどうする?」

「ん? 帝国の捕虜から聞いただけじゃ足りないのか?」

 

 コーネリアの口から出た言葉に、思わず首を傾げて尋ね返す。

 実際、捕虜の数は100人や1000人どころではない。……オークやゴブリンを合わせれば、数万を優に超えているだろう。

 もっとも、オークやゴブリンの方とは言葉が通じないし、そもそも騎士達から聞いた話によると使い捨ての道具的な扱いらしいから、もし言語解析が出来たとしても碌な情報は得られないと思われる。

 ……いや、そもそも言語そのものがあるのかどうかも怪しい。

 ともあれ、帝国についての情報に関しては騎士やら傭兵やら戦士やら兵士やら。そんな捕虜達から十分に聞かされている以上、ある程度の量は集まっている筈だが。

 そんな俺の疑問を理解したのだろう。コーネリアは無言で俺の言葉に同意するように頷く。

 

「確かにアクセルの言いたい事も分かる。実際、ある程度の情報は集まっているしな。だが、この周辺の地域特有の情報……それこそ、どんなモンスターが姿を現すのかとか、あるいはどんな者達が住んでいるのか、とか。そういうのは殆ど得られていないのが現状だ。幸いにも地図に関しては、空を飛ぶ機体が多いから全く問題なく……いや、それどころかこの門世界のどこよりも精密な地図があるが」

「なるほど、現地調査か。確かに情報を聞いただけだと何らかの勘違いとか、あるいは思い込みとか、そういうのがあるかもしれない。なら、実地調査は必要だろうな」

 

 この門世界に派遣されている者達は、全員が翻訳機を配布されている。そうである以上、言葉に困るということはないだろう。

 となると、コーネリアの意見通り周囲に偵察というか、実地調査する部隊を出した方がいいのかもしれないな。

 それにこの世界特有の物質とかも見つけられるかもしれないし。

 まぁ、トロニウムやフォールドクォーツ、G元素といった世界特有の稀少物質は難しいかもしれないが、サクラダイトみたいにある程度量のある稀少物質が見つからないとも限らない。

 

「そうだな、なら明日にでもアルヌスの丘を中心にして全方位に偵察部隊を出してくれ。内容としては実地調査とかだな。後は村や街があったら情報収集を。その時の対価として、食べ物や酒を持っていってもいい」

 

 普通ならこういう時には情報料として使える金がベストなんだろうが、この世界で俺達の知っている金が使える筈もない。

 ならファンタジーって事で、食べ物や酒で代用出来るだろう。

 ……捕虜を見る限り、食べ物に関しては俺達と同じで問題はないようだし。

 

「了解した。だが、人員はどうする? さすがに量産型Wを送るわけにもいかないだろうし」

「その辺は他の世界の奴等を……いや、そうだな。ネギま世界からやって来ている魔法使いをメインにしてくれ」

 

 KMF、MSといったものは基地建設で活躍しているし、マクロス世界に至っては重機用のデストロイドまで存在している。だが、魔法使いはこの手の仕事にあまり向いていない以上、現状では基地の護衛としての役割しかないんだよな。

 いや、勿論魔法使いが無能だって訳じゃない。魔法だって使いようによっては十分基地建設に使えるというのも分かっている。

 だが他の世界が基本的に科学技術メインである以上、どうしてもそちらに偏らざるを得ない。

 下手に魔法使いと機械を一緒に仕事させて怪我をしたりしたら、色々と問題になるだろうし。

 それを理解したのだろう。コーネリアも頷き、その場を去って行く。

 明日の部隊編成に対して早速準備しに行ったのだろう。

 ……出来れば、俺が直接出向きたかったんだが。

 まぁ、その辺はさすがに人に任せることにする。

 

「……さて、こちらとしての行動は既に起こした。帝国とやらはどんなボールを投げ返してくるのやら。その辺を楽しみにさせて貰うぞ。……もっとも、どんなボールを投げ返してきても、叩き潰すのに違いは無いんだがな」

 

 奴等のやった事に対する落とし前は必ず付けて貰う。

 最後までこちらに抵抗するというのなら、それもまたそれでいい。

 その時は帝国という国その物を滅ぼすだけなのだから。

 

 

 

 

 

「じゃあ、アクセル。行ってくるぜ」

「ああ、一応言っておくが気をつけろよ、それとアウルのお守りも忘れずにな」

「アクセル、俺を何だと思ってるんだよ!」

 

 偵察部隊を派遣すると決めた翌日、俺はその偵察部隊の中の1つに向かって声を掛けていた。

 この部隊は、俺が声を掛けたスティング、そしてその内容に不満を告げたアウル、それとネギま世界から派遣された魔法使いの……

 

「大丈夫だよ、アクセル君。ああ、いや。ごめんアクセル代表だね。どうしても僕にとっては麻帆良時代を思い出すんだ」

 

 無精髭というのはいいのだが、ファンタジー世界にも関わらずくたびれたスーツ姿に咥えタバコ。その態度は柔らかいが、実力に関しては一級品の高畑だった。

 紛争地域で活動しているという事もあって、今回アウルとスティングのお目付役として出番が出てきた訳だ。

 こっちとしても、まさか高畑が出張ってくるとは思わなかった。

 俺としてはそれなりの人材とだけ近右衛門に希望したんだが。

 

「……まさか高畑が来るとは思わなかったな」

「何、僕らとしてもこの世界には色々と思うところがあってね」

 

 その遠い目に映っているのは、交流区画の戦いで死んだ麻帆良世界の住人か。

 あるいは、死体の判別が不可能になるまで肉体を破壊された為に、形式上行方不明になっている者の事か。

 

「ま、お前になら安心して任せられるしな。一応その2人もエヴァに鍛えられてそれなりに魔法は使えるし、身体能力も高くなっている。足手纏いにはならないと思うから。よろしく頼む」

 

 それでも円や美砂のコンビには白星がまだ1つもないんだけどな。

 さすがに魔法界で拳闘士デビューしただけあって、生身の戦いは滅法強い。

 勿論スティングとアウルの本領はパイロットだ。実際、生身での戦いではあまりに負けが込んでいたので、気晴らし的な意味も含めてシミュレータで対戦したら圧勝したし。

 専門が違うと言えばそれまでなんだが、それでも軍人でも何でもない女2人に負けるのは我慢出来ないらしい。……主にアウルが。

 スティングの方は、その辺きっちり割り切っているっぽいんだけど……

 

「ったく、アクセルは過保護過ぎるんだよ」

 

 そのアウルが面白くなさそうに呟くのを聞きながら、肩を竦める。

 

「お前達を預かっている身としてはな。何かあったらエザリアに合わせる顔がないし、イザークが怒り心頭になって、ステラが泣くだろ」

「……は、ははは。アクセルく……アクセル代表も大変なんだね」

「別に公の場じゃないんなら、前と同じでいいぞ」

「そうかい? それは助かるよ、ありがとう。……さて、スティング君、アウル君。そろそろ行こうか」

 

 そう告げ、ホワイトスターから持ってきたエアカーを起動させる。

 同時に浮き上がるエアカー。

 この世界の住人が見れば、マジックアイテムの馬車辺りと思い込むんだろうか。

 そんな風に思いつつ、去って行く高畑達を見送るのだった。




アクセル・アルマー
LV:42
PP:140
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1137

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