転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0769話

 ホワイトスターの格納庫でレモン他の機体を空間倉庫に収納し、影のゲートで全員纏めて再び転移区画へと戻ってくると、そのまま再び空間倉庫から機体を出してそれぞれが搭乗していく。

 本来であればこんな真似をしなくても、それぞれが自分の機体に搭乗して順番に転移区画まで移動すればいい。だが、そうすれば順番に移動する分、どうしても時間が掛かるのも事実だ。それ故、転移区画で自分の機体に乗って全機纏めてリュケイオスで転移という手段を選択した訳だ。

 

「さすがにシロガネのメンバーが集まるまでは待っていられないから、マリューにはこっちの方で戦力の補充を頼む」

『ええ、任せておいて。……こうなると、やっぱり魔法球を殆ど使えなかったのが痛いわね』

「そういえばさっきもそんな事を言ってたと思うが、何でまたそんな真似を? 別に俺がいてもいなくても、魔法球に影響を与える事はないだろ?」

『それがそうでも無いのよ』

 

 ニーズヘッグの中で機体を起動させ、他の面々を待っている間にマリューへと声を掛けると、こちらも機体の起動が終わったレモンが映像モニタに顔を出す。

 

「何がだ?」

『ほら、うちの魔法球は内部で時間の経過が無いように、エヴァが時の指輪を組み込んだでしょ?』

「ああ、だがそれが俺に何の関係が? 別に俺自身は時の指輪を身につけてないし、何か影響するような事があるとは思えないが」

『それがある……かもしれないって話だったのよ。時の指輪の起動はアクセルの魔力を使ってやったでしょ? で、そのアクセルがどことも知れない場所に転移して、ホワイトスターという世界から未知の世界に消え去った。それがどんな影響を与えるか分からない以上、迂闊に魔法球は使わない方がいいって事になってね。取りあえずアクセルの代理としてシャドウミラーを指揮する必要があったから、魔法球の使用を基本的には禁止したのよ』

「……また、随分と思いきったものだな」

 

 中の2日間が外の1時間。更にはエヴァの所持している魔法球とは違い、内部での年齢が加算されないという魔法球は、ある意味でシャドウミラーの根幹を支えていると言ってもいいだろう。事実、魔法球があったからこそニーズヘッグも予想よりかなり前倒しで出来たんだしな。

 

『ま、そう言う訳でアクセルが行方不明になっていた1年半の間に開発できた新技術は殆ど無いわ。基本的にはこれまでの技術の熟成を行っていたから』

『それに、使える物は全て使って開発している物があったから、それどころじゃ無かったと言うのが正しいでしょうね』

「使える物を全て使って開発? ……何だ?」

『それに関しては、この戦いが終わって一段落したら見せてあげるわ。アクセルもきっと気に入るだろうから、安心してちょうだい。ちなみにヒントはギアス世界ね』

 

 ギアス世界? 何を開発しているのかは分からないが、魔法球を使えない状況で開発していた以上は色々と大変だったのだろう。ただ、その辺は後回しだな。レモンやマリューにしても、ここでネタばらしをしたい訳じゃ無いだろうし。

 そんな風に考えていると、やがて全員の機体が起動完了したとの連絡が入る。

 レモンのヴァイスセイヴァー、コーネリアのラピエサージュ、スレイのゲシュペンスト・シャドウ、ムウのアシュセイバー、イザークのヒュッケバインMk-Ⅲ、オウカのヒュッケバインMk-Ⅱ、ムラタのトリニティゲイン、エキドナのヴァイサーガ、ギルフォードの量産型ヴァルシオン・改。

 まさに、シャドウミラーの特化戦力が集まっていると言っても過言では無いこの状況。出来れば、シロガネも欲しかったところだが……

 

『アクセル、向こうではやっぱり既に戦闘になっているみたい。メギロートとシャドウがゲートの周辺でバジュラとか言ったかしら? その敵と戦いになってるわ』

 

 向こう側のゲートと通信装置で連絡をしていたマリューからの報告。

 だが、やはりと言うべきかゲート周辺で戦闘になっているか。

 

「戦況は?」

『戦況に関してはこっちが圧倒的に有利よ。ただ、メギロートでは大きいバジュラの攻撃は耐えきれないみたい。何機か撃墜されているようよ』

 

 大きいバジュラ、重兵隊バジュラか。確かにあの背中から放つ重量子ビームは威力が高い。新統合軍の戦艦も1発で撃破する威力だしな。さすがにメギロートでは荷が重いか。

 

「T字型の頭をしているのが機動兵隊バジュラ、赤くて背中から角のような物が伸びているのが重兵隊バジュラだ。重兵隊バジュラはシャドウで対応しろ。メギロートは機動兵隊バジュラに回せ」

『安心して、もうそういう状況になっているから。それより数よ。こっちは急な出撃だったからあまり出せる機数がないの。勿論徐々に集まってきてはいるけど、それは向こうも同じ。このままだと泥沼の消耗戦になるわよ?』

「それはあまり面白くないな」

 

 幾らシャドウミラーが無人兵器のメギロートを大量に保有しているからと言って、わざわざバジュラの物量戦に付き合って消耗してやる必要は無い。

 デブリでも何でもあれば元素変換装置でもあるキブツのおかげで大抵の資源はどうとでもなるが、だからと言って無意味に消耗してもいいものじゃないしな。

 となると……やっぱり俺がやるべき事は女王級のクイーンを、それも俺が倒した準女王級ではなく本物の女王級を倒さないといけない訳だ。

 ただ、最大の問題は……

 

「敵のボスがどこにいるのか分からない事か」

『T-LINKフレームの方で何とか出来ない?』

「出来るかどうかで言えば、やってみないと分からないとしか言えないだろうな。マリュー、転移を開始してくれ。何するにしても向こうの世界に行ってからだ。全機、まずはゲート付近にいるバジュラを倒す。ああ、それとバジュラの体内にはフォールドクォーツって希少鉱石があるらしいから、一応気をつけてくれ」

『フォールドクォーツ?』

 

 興味が引かれたのだろう。レモンがそう尋ねてくるが……

 

「そっちに関してもこの戦いが終わってからだ。簡単に言えば色々と応用の利く素材だって事だよ」

『へぇ、それは興味深いわね。……アクセル、その辺の話はこの戦いが終わったらしっかりと聞かせて貰うわよ? 勿論、アクセルがこの世界で新しく作った恋人の件に関してもね』

「……了解」

 

 取りあえず技術的な話に関してはルカに一任すればいいだろう。ルカにしても、ソルプレッサについてかなり感心していたんだ。それを思えば、色々な世界の技術を収集している俺達シャドウミラーの技術班を率いているレモンと意見交換出来るというのは、それ程悪い事でも無いだろう。

 

『じゃあ、いいわね? 行くわよ?』

「頼む。ああ、それと一応念の為にシロガネのクルーに関しては集めておいてくれ。必要があるかどうかは分からないが、いざという時に使えないというのは困るからな」

『分かったわ。向こうの方で色々と忙しくしているから、それ程時間が掛からないで呼び戻せると思う』

 

 向こう? この戦いが終わったら、マクロス世界の情報を話すだけではなくこっちの世界で1年半の間にあった事もしっかりと聞かせて貰わないといけないか。

 にしても、1年半か。となるとあやか達も既に高校2年を半分程過ぎたところか。この戦いが終わったら会いに行かないとな。

 そのついでにシェリルやS.M.Sのメンバーくらいならネギま世界に連れて行ってみるのもいいかもしれない。特にアルト辺りは本物の空を見る事が出来て喜ぶだろう。

 

『じゃあ、行くわよ……転移フィールド生成開始』

 

 その言葉と共に、転移区画にいた機体全てを包み込むようにして光の繭が生成される。リュケイオスより作り出された転移フィールドだ。その光の繭が全ての機体を包み込んだ瞬間、マリューの声が聞こえてくる。

 

『転移開始』

 

 そして、次の瞬間には俺を始めとして転移フィールドに包み込まれていた全ての機体はマクロス世界へと転移を完了していた。

 同時に響いてくる爆発音。言うまでも無くバジュラとシャドウミラー先行部隊が戦闘をしている音だ。ニーズヘッグの映像モニタにはメギロートと機動兵隊バジュラが戦っている光景や、シャドウと重兵隊バジュラが戦っている光景が映し出される。

 全体で見る限りでは、互角と言ってもいいだろう。性能ではメギロートとシャドウが、数ではバジュラの方が勝っていた。

 

「コーネリア、指示を頼む」

『構わないが、アクセルはどうする?』

「まずは敵の数を減らす。バジュラだけにどうせすぐに補充されるだろうが、それでも一時的にこちらの態勢を立て直す事くらいは出来る筈だ」

『うわっ、気持ち悪いな。生々しい程に生物風だ。……本気でビームとかミサイルを体内から発射してやがる。どうなってるんだ?』

『虫くらい何だ、気持ち悪い敵ならアクセルの世界で散々体験してきただろうが』

 

 バジュラとメギロートの戦いを見ていたムウが気持ち悪そうに呟くと、それを叱咤するかのようにイザークが呟く。呟くのはいいんだが……それって何も知らない奴が聞いたら、色々と誤解しかねない台詞だぞ。

 

『ムウとイザークは元気が有り余っているようだな。ならお前達2人は左翼から回り込んで敵の横腹を突け。ギルフォード、エキドナ、ムラタ。お前達特機組は重兵隊バジュラとやらの相手を頼む。背中の角のような物から放たれるビームは威力が強いらしいので、その辺は注意しておくように。レモン、スレイ、オウカ。私達はそれぞれ量産型Wのシャドウとメギロートを指揮しつつ戦線を押し出すぞ。敵と戦うにしても何にしても、こうもゲートの側で戦うのは嬉しく……っ!? アクセル!』

 

 その瞬間、コーネリアが何かを言う前に俺はニーズヘッグを動かしていた。

 VF-25やYF-29とは違い、俺の反応速度についてこられる機体だったからこその動き。

 偶然にもシャドウの隙間を縫うようにして放たれた重兵隊バジュラの重粒子ビーム。放っておけばゲートへと命中しただろうそのビームの前に機体を出したのだ。

 

「各種防御フィールド、全開!」

 

 いちいち操作をしなくても、T-LINKフレームが俺の意思を感じ取って各種バリアを展開していく。

 まずはテスラ・ドライブを使ったEフィールドによってかなりの威力を減衰させられた重量子ビームは、それでもEフィールドを貫き、次の防御フィールドでもあるG・テリトリーへと命中。グラビコン・システムにより発生した重力フィールドに命中し……結局そのまま貫く事が出来ずに霧散する。

 ふぅ、さすがに重兵隊バジュラだな。Eフィールドは抜いてくるか。

 それでも2層目のG・テリトリーで攻撃を防ぎきったことに安堵の息を吐きつつ、機体の操縦を思い出すかのようにニーズヘッグを浮かび上がらせる。

 テスラ・ドライブ、T-LINKフライトシステムの両方が備わっているツイン・ドライブは全く問題なく起動し、俺がこのマクロス世界に転移する直前にニーズヘッグに増設された機体後部のエナジーウィングが念動力により出力を制御された状態で構成される。

 片方の翼が5枚のエナジーウィングで構成された翼が2枚。それらの推進力を使い、シャドウの間を縫うようにして前線へと躍り出る。

 

「はああぁぁぁっ!」

 

 そしてこちらへと重量子ビームを放った重兵隊バジュラの横を通り抜け様にエナジーウィングの外側に作り出されたエネルギーフィールドで斬り裂いていく。

 へぇ、実戦で使ったのはこれが初めてだが、中々に使い勝手がいいな。

 そのまま重兵隊バジュラの胴体を真っ二つにしながら進み、急停止。ニーズヘッグの速度での完全な急停止である以上、もしISCが装備されていたら、恐らく一瞬にして許容量を超える程のGが襲いかかる。

 それを無視し、ヒュドラに内蔵されているスラスターとテスラ・ドライブを使い空中で複雑な軌道を描きつつ、新たにこちらへと向かってきている機動兵隊バジュラ10匹へと向かってエナジーウィングを展開。そのまま刃状のエネルギーを無数に放つ。

 放たれた刃上のエネルギーは真っ直ぐに進み機動兵隊バジュラへと命中し……次の瞬間には身体を貫いて後ろにいるバジュラへと命中。更にその背後のバジュラの身体へと突き刺さる。

 おいおい、随分と威力が高くないか? 俺が知ってる限りだと、ランスロットのエナジーウィングはこれ程の威力は持っていなかった筈だが。

 いや、1年半もあったんだ、ロイドやセシル達も遊んで過ごしていた訳では無いのだろう。

 これまで乗ってきたVF-25とYF-29に合わせた反応速度から、ニーズヘッグへと適応させながら、武器を試す意味も含めてバジュラへと攻撃を仕掛けては撃破していくのだった。




アクセル・アルマー
LV:41
PP:875
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:1394
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1010

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