転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0766話

『さて、では早速だがお互いの条件やその他諸々を決めようか』

「条件?」

『ああ。何しろ、アクセル君が率いるのは異世界の国の軍隊だ。そうなれば、当然こちらとしても初めての対応になるのだから当然だろう?』

 

 確かにそれはそうか。特にシャドウミラーの主戦力が一見して虫のように見えるメギロートである以上、バジュラとの戦いではその辺は決めておく必要があるだろう。……まぁ、実際は無人機な上に大量に生産されまくっているんだから、多少撃墜されたとしても困りはしないんだが。

 ……ただ、残骸を回収されてこっちの技術を盗まれるというのは確かに困るな。

 

「そうだな、シャドウミラーの主戦力はメギロートという無人機だ。外見は虫……正確にはカブト虫に近いから、バジュラとの区別は若干付けにくいかもしれない。だが、今も言ったように無人機であるのを考えれば、多少の誤射は問題無いだろう。とは言っても、あまりこっちに攻撃されるような事があれば、AIの方がどう認識するか分からないが」

『……了解した。その辺については十分に注意しよう。ちなみに、あのバジュラ本星のそれぞれの権利についてだが、どのように考えているのかね?』

 

 さて、ここでまた難しい問題が出て来たな。実際問題俺達としては最悪フロンティア船団の作った都市の中に出張所的な扱いの場所があれば問題は無いと思っている。ギアス世界で陽光に行った手法だな。だがまぁ、俺がバジュラ本星に侵入して、更にはこっちが攻撃して敵の注意をシャドウミラー部隊に引き寄せるという危険を冒すんだ。それを考えれば……

 

「こっちの最低限の要請としては、住居に関しては都市1つ程度の面積があればいい。ただし、各種資源の採掘等に関しての優遇を求める」

 

 ぶっちゃけ資源に関しては元素変換装置でもあるキブツを使えば対応は可能だ。だが、キブツの特徴……と言うか欠点としてその世界独自の物質は作り出せないというのがある。OGs世界のトロニウム、ギアス世界のサクラダイトといった具合に。そして、当然マクロス世界にもその類の物はあるだろう。パッと思いつくだけでもフォールドクォーツは確実にこの世界特有の物質だろう。そして、純度の低いフォールドクォーツ、俗に言うフォールドカーボンも恐らくは同様にキブツで作り出す事は出来無いと思われる。

 特に俺がこの世界から取り入れたいと思っているフォールドに使われているフォールド機関の事を考えると、こちらの世界で自由に使える拠点は確実に必要だろう。同様に、恐らくその都市は異世界間貿易でマクロス世界での拠点になると思われる。

 それにシャドウミラーの独立都市という扱いになれば、防衛戦力についてもこちらでどうとでもなるしな。

 

『都市はともかく、資源……かね?』

 

 グラス大統領が難しい顔をするのも分かる。これからフロンティア船団があの星に移住を決めた場合は資源というのは幾らあっても足りないのだから。

 

「ああ。まぁ、その辺の詳しい内容については後日うちの担当の者と話し合って貰う事になる。それと今回の件でバジュラ本星に突っ込む事を考えると、YF-29に関しては無事に戻せるという保証も無い。いや、恐らく現状のままでL.A.Iに返すのはまず無理だろう。その辺を承知しておいて欲しい」

『いや、その件については私よりも相応しい者がいるだろう。そちらの彼と話して欲しい』

 

 チラリと画面越しにグラス大統領が見たのは、ブリッジの中でこちらを見ているルカの姿。……まぁ、YF-29を作ったのはL.A.Iであると考えれば、そっちと交渉しろというのは当然か。

 しかし、大統領はルカに視線を向けた後で再び口を開く。

 

『だが、YF-29は最新鋭機だと聞く。であれば、バジュラ本星に向かうのは別の機体を使ってもいいのではないかね?』

「残念だが、それはちょっと難しいだろうな。最新鋭機のYF-29ですらも俺の操縦能力に付いて来られていないんだ。一応バジュラ本星に向かう時はステルスを使って見つからないように向かおうと考えてはいるが、いざ何かがあった時の事を考えればこの機体は最低限必要だ」

『……分かった。詳しい交渉に関してはL.A.Iの方として貰う事になるが、それに関してはフロンティア政府が口出ししないというのは約束しよう』

「では、これで大まかな話は決まったな。惑星上の利権やら何やらに関しては、先程も言ったが詳しい交渉はあのバジュラ共をどうにかした後、改めて決めよう」

『うむ。それで実際の行動についてだが……その件に関しては、彼に任せてあるのでそちらと詳しい打ち合わせをして欲しい。何しろ、私は軍事については門外漢もいいところなのでね』

 

 その言葉と共に、映像モニタへと新たに1人の人物が姿を現す。

 オズマ程では無いが、どこか厳つい顔をした40代後半、あるいは50代前半くらいの男。その男は俺へと視線を向けて口を開く。

 

『バトル・フロンティア艦長のペリオ准将だ。今回の件ではシャドウミラーと作戦行動を共にする事になるので、よろしく頼む』

 

 ……へぇ。予想外だな。何が予想外と言えば、俺が15歳の外見にも関わらずきちんと今回の作戦の指揮官と見なしているところや、あるいは並行世界にある国家の代表というところに関しても内心はともかくとして怪しんでいる様子を見せていない点だ。……恐らくは、ランカのライブの時に俺が混沌精霊の姿になった映像か何かを見せたんだろう。もっとも、そうなると地球の方にも間違い無く俺の情報については渡っている筈だ。何しろこのペリオ准将とやらはフロンティア船団の人物であると同時に、新統合軍の准将でもあるのだから。

 となると、今はともかく今回の件が終わってバジュラ本星に移住を開始した後で何らかの接触を持ってくるのは確実、か。

 せめて、それが敵対的な内容ではない事を祈ろう。

 

「シャドウミラー代表のアクセル・アルマーだ。よろしく頼む。……さて、早速だが作戦についてはグラス大統領から大体は聞いていると思ってもいいのか?」

『ああ。まずアクセル大尉がYF-29を使って単独でバジュラ本星に潜入。その後、君の国とこの世界を繋げ、内部から攻撃。そして君達に対してバジュラが攻撃を仕掛けたら、私達が外側から攻撃を開始して、内部と外部の両方から攻撃を行う。……大まかにはこれでいいのだな?』

「問題無い。そちらの戦力に関しては特に制限はしないし、もし俺がバジュラ本星に突入した後で何も起きない……つまり、俺が撃墜されたと判断したら無理に攻撃を続行する必要も無い」

 

 もっとも、その場合はオズマやアルトがランカを助ける為にバジュラ本星に向かって突撃する可能性は高いが。

 

『ほう、随分と自信があるようだな』

「当然だ。俺達シャドウミラーは、今まで幾つもの並行世界の戦闘に巻き込まれ、その全てに勝利してきた。それを考えれば、バジュラ程度はそれ程脅威じゃない。実際に今までS.M.Sとして活動してきた俺自身が一番分かっているからな」

 

 まぁ、バジュラクラスの災厄と言えば、それこそOG外伝の敵として出て来た修羅王やダークブレイン、ネオ・グランゾン。それにOGsでの敵として現れたアインストを忘れちゃ駄目か。ああ、後は地球を支配しようとしてきたインスペクターも。

 ……こうして考えると、バジュラクラスの敵は全てがOGs世界の敵なんだな。

 

『……なるほど。了解した。アクセル大尉の自信が真実である事を祈っているよ。こちらも既に大統領から指示を受けていたので、新統合軍は殆ど全ての機体が出撃準備中だ。そちらは?』

 

 チラリ、とジェフリーへと視線を向けるペリオ准将。

 その視線を受け、ジェフリーは小さく頷く。

 

「うむ、こちらとしても既に整備員達に頼んで出撃の準備は整えている。アクセル大尉のYF-29にしても、スーパーパックを装備して既に出撃準備は完了している。後は実行するだけだ」

『ミス・シェリルに関しては?』

「そちらも問題はない。歌う為の装置各種に関しても、十分以上にこちらの準備は整っている」

 

 その言葉に、チラリと視線をシェリルの方へと向ける。

 俺の視線を受け止め、問題無いとばかりに頷くシェリル。

 どうやらシェリルも既に覚悟を十分以上に決めているらしい。この辺はさすがにシェリルらしいと言うべきか。

 

『では、作戦開始時刻に関しては?』

「……アクセル大尉、何時にするかね?」

 

 ペリオ准将の言葉を受け、少し考える。現在の時刻は午前11時過ぎ。となると……

 

「午後3時でどうだ? 既に大体の準備を整えているという話だし、4時間程度あれば問題は無いと思うが?」

 

 バトル・フロンティアを切り離し、マクロス・クォーターと共にバジュラ本星の近くまでフォールドする時間を考えても、十分間に合う時間の筈だ。幸いフォールド断層の類は無いらしいしな。

 後は、ついでに食事の時間というのもあるが……まぁ、S.M.Sにしろ新統合軍にしろ、これから出撃するというのを考えれば、ガッツリ食べるということはまず出来ないだろう。出来てもスープとかサンドイッチとかの軽いものだろうな。

 そんな俺の気持ちを感じ取った訳でもないだろうが、ペリオ准将は小さく頷いてグラス大統領へと視線を向ける。

 

『こちらとしてはそのスケジュールで構いません。バジュラ本星の位置に関しては、遠くからですがきちんと偵察に出したVF-171EXが見張っていますので、何かあったとしてもすぐに対応出来るでしょう』

『分かった。……他に、何か異論のある者は?』

 

 そう告げ、周囲を見回すグラス大統領だが、S.M.S側からも、新統合軍側からも、大統領府側からも、誰からも反対の声は出ない。

 当然、新統合軍にしても、大統領府にしても通信に出ている2人以外にも幕僚やら参謀やら秘書やらといった面々がこの通信を見てはいるのだろう。だが、それでも誰も反論をしてこないのは、純粋にこれまでに体験したことの無い作戦だからか。

 ……確かに普通は並行世界の国家と協力して戦うなんて思いもしないだろうし。

 

『どうやら誰もいないようだね。……では、これにて解散とする。それぞれ、作戦開始の時間までには準備を整えておいて欲しい。アクセル君』

 

 チラリ、とこちらへと視線を向けて来るグラス大統領。

 俺と視線が合ったのを確認し、噛み締めるようにして口を開く。

 

『君という存在がこのフロンティア船団に来てくれたのは、ある意味で運命だったのかもしれない。もしも君がいなかったら、恐らくフロンティア船団は色々と後が無い状況になっていただろう。それに、私も三島の手に掛かって殺されていたのは間違い無い』

 

 三島補佐官ではなく三島、か。いやまぁ、確かに既にあのキノコは犯罪者だからしょうがないんだけどな。

 

「俺としても事故とは言ってもこのフロンティア船団に転移出来たのは嬉しい誤算だったよ。……シェリルという存在とも巡り会えたしな」

 

 その言葉に、黙って話を聞いていた新統合軍の方の画面からざわめきが聞こえて来る。……まぁ、俺達と関わりが少なかった分だけシェリルという存在を身近に感じられなかったんだろう。

 

『ふふっ、そうか。それでは……武運を祈っているよ』

 

 その言葉と共にグラス大統領との通信が切れ、同時にペリオ准将との通信も切れる。

 それを確認し、ジェフリーは一同を見回して口を開く。

 

「さて、皆。いよいよバジュラ本星への攻撃準備だ。4時間程度の猶予しかないが、ゆっくりと鋭気を養ってくれたまえ」

 

 その言葉と共に、スカル小隊、ピクシー小隊の面々は散っていく。俺もまたシェリルと一緒に食堂へと向かう。

 ……尚、食事の際に他の面々からシャドウミラーに関しての話を色々とせがまれたのは鬱陶しかったが。

 

 

 

 

 

「……さて、そろそろ時間だな」

 

 コップに残っている烏龍茶を飲み干し、立ち上がる。

 それを聞き、周囲で話を聞いていたスカル小隊の面々、ピクシー小隊の面々、そしてシェリルがこちらへと視線を向けてきた。

 その瞳に映っているのは、希望……そして不安か。

 だが、そんな中で唯一信頼と愛情だけを瞳に浮かべて俺を見ているのは、隣に座っているシェリルだ。

 

「アクセル、あたしはアクセルが負けるなんて考えていない。いつでも最高の結果を出すと信じているわ。……このシェリル・ノームの恋人なんだから、そのくらいの格好いいところは見せてよね」

 

 その言葉とと共に俺の頬へとそっと手を伸ばし、唇を自分の唇で塞ぐシェリル。

 そのまま深いキスを30秒程続け、周囲から唖然とした視線を送られているにも関わらずそっと唇を話す。

 俺の口とシェリルの口を繋ぐ銀糸を見て、さすがに若干顔を赤くしながらも、小さく笑みを浮かべて口を開く。

 

「いい? あたしはマクロス・クォーターで歌う。歌い続ける。だからアクセルの格好いいところを特等席で見させて貰うわよ」

「ああ、任せろ。何としてもホワイトスターと行き来出来るようにしてみせるさ。お前の為にもな」

 

 そう告げ、触れるだけの軽いキスでシェリルの唇を塞いでから、空間倉庫から取り出したイヤリングを手渡して席を立つ。……が、そんな俺の手をシェリルが掴み、2つあるイヤリングのうち片方を手渡してくる。

 

「このイヤリングは2つで1つ。つまり、あたしとアクセルみたいなものよ。だから、こっちだけ貸してあげる。この戦いが終わったら返すのよ」

「……ああ」

 

 シェリルの言葉に頷き、今度こそ本当に食堂から出て行く。




アクセル・アルマー
LV:41
PP:725
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:1394
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:984

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