転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0751話

「さて、では以前からの約束通り君の話を聞かせて貰おうか」

 

 部屋の中にグラス大統領の声が響く。昨日のバジュラとの戦いで大統領府にも大きな被害が出たが、幸いこの部屋周辺はある程度無事だったらしい。そんな無事な部屋に俺は呼び出されていた訳だ。ある程度というのは、ネット関係が全滅しているという事になり、それはつまりグレイス対策としては逆に好都合だという事になる。

 部屋の中にいるのは、まず今回の件の主役とも言える俺、そしてフロンティア船団のトップであるグラス大統領、俺の事を元々ある程度は知っていたジェフリーにオズマ、ブリッジクルー兼グラス大統領の娘兼オズマの恋人としてキャサリン、スカル小隊のアルト、ミハエル、ルカ、ピクシー小隊からクラン。そして昨日一緒にいたということでランカとナナセ。最後に既に俺の事情を全て知っているシェリルの合計12人だ。

 グラス大統領は言うに及ばず、フロンティア船団の中のS.M.Sとしてはトップのジェフリーに、昨日の勝利をもたらしたランカと、本来であれば今は死ぬ程忙しいメンバーも揃っている。

 ちなみにランカのマネージャーをしていたグレイスは姿を消した。……キノコが捕まって自分にも手が伸びるのを危惧したか? もっとも、当然大統領は部下を動かしてグレイスを捜索しているらしいが。

 会議室の中でいわゆる教壇の位置に俺が座り、生徒達の席に座っているメンバーを眺めていた。

 そんな状態で小さく頷き、視線をオズマへと向ける。

 

「オズマ、映像データは持ってきてくれたか?」

「ああ、一応持ってきたが……ここには未成年も多い。色々と隠すところは隠させて貰ったが、構わないな?」

「構わない。流してくれ」

 

 隠すところ云々と言う場所で数人が妄想を働かせたのか頬を薄らと赤く染めていたが……まぁ、ある意味では間違ってないんだよな。俺がこの世界に転移してきた状況が状況なんだから。

 

「さて、俺がどこの誰なのかというのを話す前に、まずはこの映像を見てくれ」

 

 俺の言葉に合わせてオズマが機械を操作する。すると、会議室の中にあった映像モニタが起動し、とある映像を映し出す。そう、ジェフリーとオズマが2人で話している映像だ。

 その様子に何人かは訝しげな表情を浮かべていたが、特に声を出す事無く映像を見続け……次の瞬間、2人だけしかいなかった部屋の中に突然光の繭が作り出され、そして俺の姿が現れる。……まぁ、色々とモザイクっぽいのが掛かっていたりしたのは年齢制限上しょうがないんだろう。

 とにかく、俺が姿を現して気を失った場面で映像が終了する。それを見ていた何人かが口を開こうとしたのを制して、俺が先に口を開く。

 

「色々と言いたい事、聞きたい事があると思うがまずは聞いてくれ」

 

 そう告げ、俺の素性を話していく。並行世界、異世界間貿易、シャドウミラー、その指導者である俺。この辺は既にオズマやジェフリーには話してあった内容なので、その2人と全てを知っているシェリル以外は驚愕の視線を俺へと向けている。

 

「ほ、本当なのかね? 君が、その、並行世界の住人だというのは?」

「逆に聞くが、グラス大統領が見た様にこの世界には魔法という存在があるとでもいうのか? 少なくても俺は半年以上このフロンティア船団にいるが、見たことは無い」

「それは、確かにそうだが……」

「魔法、ね。昨日アルト達の報告で多少は話を聞いているが……本当に魔法なんてあるのか? アクセル、見せて貰えるか?」

 

 どこか疑わしげな様子で俺の方へと視線を向けて来るオズマ。確かに魔法と聞かされた時の軍人の反応としてはおかしくはないが、お前は実際に俺の空間倉庫を見ているだろうに。まぁ、キャサリン辺りは全く俺の事を知らないんだし、丁度いいと言えば丁度いいか。

 そう判断し、右手を挙げると白炎と化して小鳥の炎獣を10匹程作りあげて会議室の中を飛び回らせる。

 

「うおっ! 白い炎で出来た……鳥、だと?」

 

 いきなり目の前で飛び回った炎獣に驚きの声を上げるオズマ。いや、そちらはまだいい方なのだろう。キャサリンに関して言えば、驚きで口を覆っており声も出せない状態なのだから。ジェフリーは何も言わずに部屋の中を飛び回っている炎獣を眺めている。

 

「それと、こっちはそっちの3人に見せるのは初めてだったな?」

 

 呟き、身体全体を白炎で覆い羽、竜尾、角を生やした20代の姿へと戻る。

 その様子を見て、炎獣どころではない程に驚く3人。さすがにオズマやジェフリーにしても声すらも出せないで唖然としている。キャサリンは言うに及ばずだ。

 

「お、おい。……えっと、アクセル……か?」

 

 恐る恐る声を掛けて来たオズマに頷く。

 

「そうだ。一応俺の種族は人間でも、ましてやゼントラーディでもない。混沌精霊という種族でな。ある意味ではこれが俺の本性の1つと言ってもいいかもしれないか」

 

 羽を羽ばたかせて軽く風を巻き起こし、竜尾で床を小さく叩く音が響く。

 そのままの状態で様子を見、やがて再び身体を白炎で覆って15歳の姿に戻る。

 

「まぁ、そうは言ってもこのマクロス世界じゃこっちの方が見慣れているだろ?」

「いや、それはそうだが……じゃあ、お前の本当の姿ってのはどれなんだよ?」

 

 オズマの言葉に小さく肩を竦め、再び身体を白炎で覆う。そして10歳程の幼児へと。唖然と皆が見ている前で更に白炎で身体を覆い、20代の姿へと。そして最後には再び15歳の姿に。

 

「ま、見ての通りざっと4種類の姿になれる。ただ、この世界に転移してきた時は何故かこの姿だったから、一応今はこの姿で通すつもりだ。何しろ、もうこの姿がアクセル・アルマーであると色々な場所で認識されているしな」

「……確かに。今更20代のアクセルとかが姿を現しても誰? ってなるよな。……にしても、あの混沌精霊とかいったか? あの姿のお前って精霊っていうか悪魔って感じだったけど」

 

 俺の言葉に、周囲の空気を軽くしようとしたのかミハエルが肩を竦めてそう告げてくる。そんなミハエルの言葉を聞き、確かにと頷く一同。

 

「悪魔ね。大して間違ってはいないけど、随分と甘く見られてたものだな。一応あの姿は俺が魔法を習得した世界では大魔王として知れ渡っているんだがな」

「大魔王って……お前、一体何をすればそんな風に呼ばれるんだよ」

「簡単に言えば、魔法とかなんでもありのタッグトーナメントに俺1人で出場して、過去に世界を救った英雄と呼ばれている集団の1人と戦ったりとか、その英雄集団のリーダー格の男の1人息子を倒したりとか、色々だな」

 

 正確に言えば、最初に大魔王とか呼ばれたのは京都で俺の戦闘の容赦の無さを見た神楽坂が言ったのが始まりだったか? まぁ、広まったのは結局魔法世界なんだから、そう間違いでは無いだろう。

 

「魔法ねぇ。実際にこうして見てもまだまだ信じられないというか何と言うか」

 

 溜息を吐きながらキャサリンが会議室の中を飛んでいる小鳥の炎獣を眺めながら呟く。

 

「で、だ。さっきの映像を見て貰えば分かる通り、実はこう見えてシャドウミラーの代表だったりする訳だ」

「……シャドウミラーとやらの代表だってのは聞いてたが、その年齢でおかしいと思っていた理由がようやく判明したよ」

 

 恋人同様に溜息を吐きながら呟くオズマ。

 そんな風に溜息を吐いている2人を他所にして、グラス大統領が口を開く。

 

「なるほど、君の事情は大体理解した。それで聞きたいのだが、君達がやっている異世界間貿易というのは、この世界も対象になるのかね?」

「可能か不可能かで言えば、可能だろうな。特に俺達の本拠地でもある次元の狭間にあるホワイトスターには、キブツという元素変換装置があるしな。その世界独特の資源で無い限りは取引が可能だろう」

「ならば、是非ともフロンティア船団との貿易を検討して欲しい。昨日のバジュラの件でかなりの資源を消耗したのだ」

 

 身を乗り出してそう言ってくるグラス大統領。まぁ、実際フロンティア船団はほぼ自給自足を達成している船団だ。とは言っても、ほぼと言ってる通り完全では無いし、何よりもバジュラの襲撃により失われた資源もまた同様に大きい。それを考えると、補給が可能なら、是非とも補給したいといったところなのだろう。それは分かる。分かるんだが……

 

「悪いが、今は出来ない理由がある」

「その理由とは何かね? こちらで手を貸す事が出来るのなら、幾らでも手を貸そう」

「いや。そういう問題じゃないんだよ。シェリルとオズマ、ジェフリーの3人は知っていると思うが、俺の能力の1つに空間倉庫というのがある。具体的に言えばこんな感じでだ」

 

 そう告げ、脳裏に空間倉庫のリストを展開して超包子の肉まん……は数が少なくなってきてちょっと勿体ないので、アイスでも取り出す。勿論溶けていたりはしない、冷たく凍ったままのアイスだ。具体的に言えばチョコモナカ。

 そして人数分のチョコモナカを取り出してそれぞれに配っていく。

 

「これは……アイス? でも、冷たい」

 

 キャサリンがそう告げ、恐る恐るチョコモナカへと口を付ける。他の者も同様に食べているのを見ながら、俺も自分の分を口へと運びつつ説明を続ける。

 

「今感じて貰っているように、この空間倉庫という能力は中に入れておいた物の時間の流れが止まる。まぁ、これは今回あまり大事じゃないが……」

「ちょっと待って下さい! 時間の流れが止まるって……それが本当ならもの凄い事ですよ!? なのに、なんであっさりそんな!」

「落ち着けルカ。生憎とこの能力は魔法と違って俺の生まれつきの能力でな。他の者が使う事は出来無いんだよ。……で、だ。話を戻すと、この能力のもう1つの能力が容量無限に近いってのがある。そしてこの空間倉庫の中にゲートシステムという、俺の本拠地であるホワイトスターへと転移出来るようにする為のシステムがある。あるんだが……」

 

 そこまで告げ、小さく溜息を吐いてから再び口を開く。

 

「このゲートシステムの設置場所は空間的に動いていると色々と不味いんだ。具体的に言えば自転している地球とかになら全く問題無いが、フロンティア船団のように常に動いているような場所には設置出来ない。……そういう意味では、ガリア4は好機だったんだけどな」

「それでは、このフロンティア船団でそのゲートシステムとかいうのは使えないと?」

「まず無理だろう。もしどうしても使おうというのなら、フロンティア船団自体が動かず、このままここに待機している必要があるが……バジュラの事を考えれば、まず無理だろう?」

「……」

 

 そんな俺の言葉に無言を返してくるグラス大統領。バジュラから逃げた筈が、実際にはまだこちらを捕捉しているというのが昨日の戦いで判明したし、何よりもフロンティア船団の目的はホワイトスターとの異世界間貿易をする事ではなく、永住できる惑星を探し出す事だ。

 ……まぁ、最悪ネギま世界の火星に引っ張って行くというのもありかもしれないが、さすがに自分達の住んでいるマクロス世界から異世界に向かうのを嫌がる者もある程度の人数は出て来るだろう。しかも現在の火星はある意味で各世界をドロップアウトした者達の溜まり場に近い場所だし。

 修羅とか魔法使いとかと争うかもしれないと考えれば、決断できない者も多い筈だ。後はホワイトスターに移住……というのもあるが、もしそうなれば自動的にシャドウミラーに所属するか、あるいは支配下になる。それもまた難しい。

 あるいは一部の者だけが移住するとなると、その関係でフロンティア船団内で何らかの揉め事が起きるのは間違い無い。

 そして何より、俺としてもフロンティア船団というある意味で不安定な場所にゲートを設置するのは避けたいという思いもある。

 それらの説明をすると、さすがに色々と無理があると理解したのだろう。グラス大統領は小さく溜息を吐く。

 

「そんなにアイランド1の被害は大きいのか?」

「うむ。人的被害もさることながら、やはりアイランド1の内部にあれだけ無数のバジュラが姿を現したのが問題でな。戦闘に巻き込まれて壊された建物を始めとして、フロンティア船団が受けた被害は非常に大きい。やむを得ないとは言っても、建設途中の環境艦を破壊してしまったのが特に響いている。あの環境艦がそのまま使えていたとしたら、まだ随分と助かったのだがね」

 

 そうは言いつつも、あの環境艦を使わなかった場合はもっと酷い事態になっていたのは理解しているのだろう。マイクローン化していないゼントラーディの生活している場所であり、更には食糧自給率の問題も出て来ていたのだろうから。

 

「となると、俺が提供出来る手段としては早くどこかの惑星を見つける事だな。……とは言っても、この辺の惑星ともなるとバジュラが攻めてくる可能性が高いのを承知の上で、となるが」

 

 俺のそんな声が会議室の中に響くのだった。




アクセル・アルマー
LV:41
PP:685
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:1394
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:976

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