転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0661話

 マリーベルとの会談を終えてから30分後、俺を始めとするシャドウミラーのメンバーはシロガネに戻っていた。勿論、まだペンドラゴンの基地の中に停泊しているのだが。

 尚、星刻に関してはブリタニアとの降伏条件の摺り合わせをする為に早速陽光へと連絡をすべく、ターロンダンへと戻っている。

 そんな中、何故シロガネがまだ移動していないのかと言えば……

 

「アクセル隊長、お連れしました」

 

 量産型Wがシロガネのブリーフィングルームへとやってくる。当然1人では無い。その後ろには、ブラックリベリオン前に俺と顔見知りになった2人の技術者が存在していた。即ち、ロイドとセシルだ。

 スザクが戦場にいた以上、もしかしてロイド達も戦場にいてシュナイゼルの自爆に巻き込まれたかもしれないと心配したのだが、幸いペンドラゴンの中でランスロットの様子を見ていたらしい。

 もし戦場になったのがペンドラゴンの近辺で無ければ、ロイドの事だから恐らくアヴァロンに乗ってデータ収集に勤しんでいただろう。それを考えれば、戦場の選択は間違っていなかったという事になる。

 

「久しぶりだな、ロイド。セシルも」

「僕のランスロットを壊した人が何の用?」

 

 俺の言葉に、どこか恨みがましそうな視線を向けてくるロイド。

 セシルはそんなロイドの横でアワアワとして頭を下げている。

 

「言っておくが、ランスロットを破壊したのは俺じゃないぞ。いや、正確に言えば最後にフレイヤを使ったのはシュナイゼルだ、と言うべきだろうな」

「……まぁ、それは確かにそうだけど、僕のランスロットをあそこまで追い詰めたのは事実でしょう? 大体、君の機体は何なのさ。反則もいいところだよ。機体性能そのものがランスロットとは違うじゃないか」

「ちょっ、ロ、ロイドさん! えっと、その……コーネリア殿下にアクセルさん、お久しぶりです」

 

 ランスロット・アルビオンが消滅したのが余程堪えたのだろう。いじけた様子のロイドだったが、そこに言葉を挟んだのはセシルだった。セシルにしてもスザクの死亡という点ではショックを受けているのだろうが、取りあえず今のところは表に出していない辺りロイドとは違って大人の対応と呼ぶべきだろう。

 

「そんなに卑下するものじゃないわよ? あのランスロット・アルビオンとかいう機体も、この世界の機体として考えれば良く出来ていたもの。でも、私達の世界とでは技術レベルそのものが違うんだから、あの結果はしょうがないわ」

「……君は?」

 

 どこか上から目線のレモンの言葉に、ロイドが更に据わった目付きで尋ねる。だが、レモンはそんなロイドの態度に関係無く、値踏みするような視線をロイドへと向けながら口を開く。

 

「レモン・ブロウニングよ。アクセルの機体の設計者の1人でシャドウミラーの技術班を纏めているわ。それとそっちにいるのがマリュー・ラミアス。このシロガネの艦長で、私同様にニーズヘッグの設計者。……まぁ、ニーズヘッグの設計の時には色々あって忙しかったから、正確に言えばあの機体はシャドウミラー技術班全員が設計者と言ってもいいんだけど」

 

 その言葉がもたらした効果は劇的だった。いじけていた様子のロイドが1秒にも満たない間に激変して、鋭くレモンとマリューを睨みつけたのだ。

 

「君が……君達があの機体を?」

「そうよ。知ってると思うけど、私達シャドウミラーは幾つもの世界を行き来しているわ。世界ごとに独自の技術が発展してきているんだけど、それらを吸収して完成したのがニーズヘッグよ。実際に戦っている光景を見たのなら、嘲笑する虐殺者の名を持つのに相応しい機体だというのが分かるでしょう?」

 

 レモンの問い掛けに、無言でコクリと頷くロイド。その隣に立っているセシルも同意見なのだろう。特に口を挟む様子は無い。

 

「で、そんな私達は当然この世界の技術も吸収しようと思っている訳。それで貴方達2人に目を付けたのよ。……アクセルが、だけど」

 

 その言葉に、次に視線が向けられるのは俺だった。

 ロイドが逃がして堪るかとばかりに視線を向け、逆にセシルはどこか戸惑ったような視線を俺へと向けている。

 

「アクセルが僕に目を?」

「そうだな。実際、サクラダイトを使ったとは言っても、この世界の技術でランスロット・アルビオンという機体を作りあげたのは賞賛に値すると思っている。特にあのエナジーウイングは興味深い。それを開発したお前達2人をスカウトしたいと思ってな。正直、輻射波動の技術を持っているラクシャータ・チャウラーも魅力的だったが、残念ながら輻射波動は使用時に若干タイムロスがある。それを考えてお前達2人を引き抜きたいと思った訳だ」

「その……アクセルさん、ありがたいお話だと思いますが、それは断る事も可能なのでしょうか?」

 

 セシルの言葉に、隣のロイドが目を見開く。だが、それは取りあえず無視してその問いに頷く。

 

「ああ、どうしても嫌だと言うのなら無理にとは言わない。ブリタニアのKMF開発技術に関してはこちらでも接収する以上、時間が掛かるだろうが、ものに出来ないって訳じゃないからな。お前達が拒否をするのなら、次点という意味でラクシャータ・チャウラーを引き抜く事になるだろう」

 

 別にどちらか片方しか引き抜けないという訳じゃないんだが、ラクシャータの方がロイドを嫌っているからな。もっとも、紅蓮関係の技術に関しては従属国の日本からデータを得られるというのも事実だ。まぁ、それを言えばエナジーウイングを含むランスロット系の各技術も同様なんだが。後は純粋に技術者、開発者としての能力だな。ロイドとラクシャータが同等だとしても、その2人より若干落ちるというレベルのセシルが付いてくるというのはありがたい。

 ……別にロイドのストッパー役をやっているから、エキドナと一緒に技術班のお目付役に向いているかもしれない、なんて事は少しだけしか考えていなかったりする。

 

「ラクシャータを?」

 

 俺の言葉に、ロイドが呟く。

 紅蓮とランスロット。ラクシャータとロイド。どうしてもこの2人はライバル関係になるのだろう。なら、その辺を突かせて貰うか。

 

「ああ。ラクシャータ・チャウラーは紅蓮を見れば分かる通り黒の騎士団に協力していた。だが、本来の所属は黒の騎士団……引いては日本では無く、あくまでもインド軍区の技術者だ。そして、インド軍区はこの世界で陽光の次に俺達シャドウミラーと縁が深い。ブリタニアの臨時代表にも言ったが、一応陽光の従属国という扱いではあるが、実質的には同盟国と言ってもいい。そうなれば、当然お前達よりも俺達に近い位置にある。それを考えれば、次点という扱いではあるが選択肢に挙がってもいいだろう?」

「それはそうだけど……」

 

 ロイドの戸惑った様な表情というのも珍しいな。

 基本的に技術馬鹿といってもいいロイドだけに、間違い無く今は揺れている筈だ。なら、後一押し。

 

「言っておくが、ブリタニアに所属しているお前達にしてみればシャドウミラーに所属する事が出来るチャンスはそう多くないぞ? いや、寧ろこれが最後の機会という可能性もある。物理的な衝撃を一定値まで無効化するPS装甲、ブラックホールを動力炉とし、機体制御にも応用する技術、フロートユニットやエナジーウイングとは違い、ある程度重力を応用して浮遊するテスラ・ドライブ、念動力という一種の超能力を感知し、増幅するT-LINKシステム、そして全く未知の存在でもある魔法。更に言えば、俺達はこれから先も他の世界に積極的に赴くだろう。その際に得られる多種多様な技術。今のお前には、それに触れられる千載一遇のチャンスがある。良く考えて返事をしろよ?」

 

 その言葉にはさすがに無視出来なかったのだろう。ロイドの視線が更に強くなる。まぁ、テスラ・ドライブに関しては機体の解析はしていないがガーリオンをその目で見ているし、ランドリオンでも動力炉で核融合ジェネレーターといったものや、AM独自の武器であったりをその目にしている。それだけに、これだけの餌に引っ掛からない筈も無く……

 

「分かった。僕もシャドウミラーに参加するよ」

 

 至極あっさりと、こちらの希望する言葉を口にしたのだった。

 

「ちょっ、ロイドさん!? いいんですか、そんなあっさりと!」

 

 慌てた様子でセシルがロイドへと言い募るが、肝心のロイドは全く気にした様子も無く笑みを浮かべている。

 

「だってさ、考えてみたら彼の言っているのは至極事実なんだもん。セシル君だって彼等の持っている未知の技術には興味あるでしょ?」

「それは……でも、こんな簡単にブリタニアを裏切ったら……」

「あのねぇ。僕が今までブリタニアに所属していたのは、あくまでも研究をある程度自由にやらせて貰えたからなんだよ? でも、陽光とシャドウミラーに負けた今のブリタニアでは当然軍備に関してもある程度の制限が掛かるでしょ? それなら、勝者であるシャドウミラーに所属して思う存分好きな事に熱中した方がいいと思わない?」

「……そうですよね。ロイドさんはそういう人でした。分かった、分かりましたよ。私も一緒に行きます」

「あれ? いいの? 別にここで僕に無理に付き合う必要は無いんだけど」

「いーえ。ロイドさんを1人で好きなようにしたら、確実に騒動を引き起こすに決まっています。それが原因でブリタニアが巻き込まれるかもしれないと考えれば、誰かお目付役が必要でしょう」

「えー……お目付役とか」

 

 セシルの言葉に不満そうに口を尖らせるロイドだが、俺としては勿論問題無い。

 

「いや、シャドウミラーとしては歓迎する。元々エナジーウイングを開発した人物として引き込もうとは思っていたからな。シャドウミラーの機体にも色々と応用出来るだろう。それに……」

 

 視線をレモンの方へと向けると、そのレモンも口元に笑みを浮かべて頷いている。

 

「技術班の抑え役がエキドナだけだと力不足になってきたのよ。そういう意味でも貴方のような人の参加は歓迎するわ」

「え? え? 抑え役って……え?」

 

 自分が何を期待されているのか――それも、技術者として以外で――を理解したセシルが慌てたように周囲を見回すが、そこにあるのはマリューの笑みだったり、コーネリアの苦笑だったりする。

 

「うちの技術班は、ロイドと同程度に問題児なのが多いから、その辺の管理もよろしく頼むぞ。勿論お前1人だけでやれとは言わない。後で人造人間のエキドナって奴を紹介するから、協力して仲良くやってくれ」

「人造人間!?」

 

 俺の言葉に真っ先に反応するロイド。……KMFのような機体だけじゃなくて人造人間にも興味があるのか? まぁ、技術馬鹿のロイドらしいと言えばロイドらしいのだが。

 

「とにかく、最終確認だ。シャドウミラーに所属するかどうかを決めてくれ」

「はいはいはいはーい! 僕はシャドウミラーに所属しまーす!」

 

 ロイドが俺の言葉にそう宣言し、隣にいたセシルがどこか疲れたように頷く。

 

「何だか、ブリタニアにいた時よりも余程疲れそうですが……それでもロイドさんを1人で野放しには出来ませんからね。私も参加させて貰います。……その、エキドナさんという方に迷惑を掛ける訳にもいきませんし」

「そうか。ならこちらとしてももう1つシャドウミラーに所属する上でのメリットを教えておこう。ただし、このメリットはシャドウミラーの極秘事項と言ってもいいような内容だ。もし外に漏らしたりしたら、相応に厳しい処罰をする事になるから気を付けるように」

 

 そう言い、影槍を作り出してロイドとセシルの眼前へと突きつける。

 それでもセシルはともかく、ロイドが興味深い表情をしているのはその性格故なのだろう。

 

「シャドウミラーの秘密!? 一体どんなの!?」

「ちょっ、ロイドさん!」

「シャドウミラーに入ると決めた以上は、別に構わないさ。まずお前達にも影響するが、シャドウミラーの魔法担当の正真正銘、真祖の吸血鬼から魔法を習得する事が出来る。言っておくが、どこぞの自称吸血鬼じゃ無く、本物の吸血鬼だ。それと、魔法によって作られたマジックアイテム、外での1時間が中では2日として使えるものがある。こっちに関しては本来は加齢があるんだが、俺が使っているのは特別品だから加齢については気にしなくてもいいものだ」

 

 俺の口からでた2つの言葉に唖然とするロイドとセシルを眺め、笑みを浮かべながらこう告げる。

 

「ようこそ、シャドウミラーへ」




アクセル・アルマー
LV:41
PP:255
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:560

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