転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0651話

「さて、向こうが約束を守った以上はこっちも約束を守らなきゃいけない訳だが……誰を派遣する?」

 

 陽光に隣接する形で作られたシャドウミラーの基地。その中の会議室で幹部全員が集まって黒の騎士団からの協力要請についての話をしていた。

 以前までのエリア11であるのならナイトオブラウンズが3人いたという事もあって、こちらもある程度の本腰を入れる必要があっただろう。だが、今は違う。アーニャはこの基地で捕虜にされているし、ジノとスザクの2人に関してもエリア11を離れてブリタニアに戻っている。その結果、現在エリア11にはこれといった戦力がいないのだ。

 いや、もちろんある程度の粒は揃っている。グロースターを始めとしてサザーランドにもフロートユニットを装備させて空を飛べるようになっているし、あるいは少数ではあるが次期主力量産機でもあるヴィンセント・ウォードやガレスも配備されているらしい。だが、そのパイロットは普通の技量であり、操縦技術という点ではナイトオブラウンズには遠く及ばない。

 恐らくメギロートと量産型Wのシャドウであっさりと片が付くだろう。

 

「実際、ゼロからの要請は数を重視して欲しいとの事だ。……まぁ、この前の大戦で俺達が暁を撃破しまくってしまった影響だろうな」

「俺達がって言うか、主にお前だ。開戦直後にシステムXNで転移してフルバーストとか、普通初見で回避は無理だろ」

 

 俺の言葉に、苦笑を浮かべたムウがそう告げ、同感だとばかりにイザークやムラタ、更にはスレイまでもが頷いている。

 

「そんな、アクセルさんはあの時、敵に攻撃しただけじゃないですか! その、確かにいきなりあの攻撃はやり過ぎかな、とは思いましたけど、でもムウさんはちょっと言い過ぎです」

 

 ……いや、微妙にフォローになってないから。

 内心で思わずオウカへと突っ込む。

 だがまぁ、俺達との戦いで暁を大量に失ったのは事実だ。暁という機体そのものはともかくとして、パイロットは結構な数死んでいる筈だ。勿論コックピットブロックで脱出した奴は生き残っているだろうが。

 

「エリア11に関してはともかく、他の場所にも派遣しなければいけないと聞いたが?」

 

 珍しくムラタがそう告げてくるが、俺はそれに頷く。

 そう、何故こうして幹部を集めて会議をしているのかと言えば、単純に多数の勢力に手を出さなければならなくなったからだ。

 まず最優先すべきは世界最大のサクラダイト鉱脈があるエリア11、これはいい。そして他にもまだ中華連邦内で抵抗活動をしている諦めの悪い大宦官派に連なる者達がいるし、更にはEUとも敵対した以上、国境線にある程度の部隊を貼り付けておく必要があるだろう。あるいは、EUの国民を脅して世論を変えるという意味ではEU内部に攻撃を仕掛けるというのもありか。幸い、シャドウならASRSが装備されているしな。

 それと、忘れてはいけないのがブリタニア。連合軍との大戦でかなりの損害を与えたしダモクレスも破壊したが、だからといって放っておくのは色々な意味で危険だ。こちらもシャドウを数機派遣してブリタニア国内の軍事基地に対して攻撃するというのはありかもしれないな。

 このギアス世界で安心出来るのは、陽光と中華連邦時代から俺達に協力してきたインド軍区といったところか。ただ、そのインド軍区にしても幾つもの派閥が入り乱れていて完全に安心出来るというわけでもないのだが。例えば俺達に協力している派閥。ここは結果的に俺達の力を借りるという事に成功した為、現在の主流と言ってもいいだろう。そして中華連邦に協力していた派閥。こっちは現在落ち目ではあるが、それでも無くなった訳ではなく一定の勢力は保っている。この辺、俺としても不思議だが。まぁ、恐らくインド軍区内での伝統とか取り決めとかがあるんだろう。

 あぁ、それと黒の騎士団に協力している派閥もあるな。この派閥がラクシャータを送り込んでいる。他にもEUやブリタニアに協力している派閥もあるが、こっちも最近は落ち目と言ってもいいだろう。

 

「戦力を派遣する先としては、中華連邦、エリア11、EU、ブリタニアの順番に強くなっていく訳よね?」

 

 マリューの確認するような問い掛けに頷く。エリア11は所詮ブリタニアの植民地に過ぎない以上、その順番でいいだろう。

 

「となると、シロガネはブリタニアに行った方がいいかしら?」

「そう、だな。この中で最も高い戦力を持っているブリタニアだ。俺達の旗艦でもあるシロガネはブリタニアに向かった方がいいだろう。それとブリタニアということで、コーネリア、頼めるか? ここでお前に頼むのはちょっと残酷かもしれないが」

「いや、問題無い。今の私はシャドウミラーのコーネリアなのだからな」

「アクセル、姫様が行くのなら私も……」

 

 コーネリアの言葉を聞き、そう口を開いたギルフォード。だが、俺は首を横に振る。

 

「悪いが今回は別行動だ。ヴァルシオン改は特機だけに目立ちすぎるからな。ギルフォード、ムラタ、エキドナの特機組は全員エリア11行きだ」

 

 その言葉にギルフォードが不承不承頷き、ムラタとエキドナは問題無いと頷く。

 

「それと、スレイとオウカもエリア11組だ。ムウとイザークはEU、レモンは中華連邦内でまだ頑張っている残党達の鎮圧。これは陽光からも部隊を出す……というか、陽光がメインになる筈だから、レモンだけだな。それと、グラストンナイツはコーネリアと共にブリタニアを頼む」

 

 それぞれが俺の言葉に頷く。特にグラストンナイツはこれまで陽光の防衛が主な任務だった為か、かなり意気込んでいるように見えた。

 

「それで、部隊を分けるというのは分かったけど、アクセルはどうするの?」

 

 そんな中、レモンがそう尋ねてくると、他の者達も気になるのだろう。視線がこちらへと集まるのが分かる。

 

「残念だが、今回は俺がこの光明で留守番だ。メギロートやシャドウがあるから万が一って事は無いと思うが、それでもやっぱり何かあった時の為に誰かがいた方がいいだろうしな」

「アクセルの……と言うか、ニーズヘッグ程の戦力をここに置いとくってのは勿体なくないか?」

 

 ムウのその言葉に、同意見なのか頷いている者も多い。

 まぁ、言いたい事は分かるが……

 

「今回必要なのは基本的に広範囲に展開する能力だからな。もちろんメギロートを使えばニーズヘッグでも問題無いが……いざという時の為を考えると、やっぱりニーズヘッグを予備戦力として残しておきたいってのも事実だ」

 

 黒の騎士団は間接的にとはいってもこちらと手を結んだが、ブリタニアにはまだシュナイゼルがいる。……ダモクレスから脱出していたのは予想していたが、さすがにTVに出て来て自分の健在振りをアピールするとは思わなかった。こっちが暗殺とかの手段に出るとかは思ってないんだろうか?

 

「兄上か」

 

 俺の不安を感じ取ったのだろう。コーネリアが呟く。

 

「ああ。あのシュナイゼルだ。どういう手段を使うか分からないからな。フレイヤに関してはもう残っていないと思うが、万が一にでも光明にフレイヤを使われたりしたら洒落にならない」

 

 恐らくは無い。だが、その恐らくという部分を実現させるのがシュナイゼルなのだ。故に、ニーズヘッグはギアス世界での俺達の拠点となるこの光明で待機となる。

 ダモクレスの時もフレイヤの使用はあり得ないと判断したのにあの結果だったのを考えると、まだ何を隠しているのやら。

 その辺の事を説明すると、フレイヤという実物を見ているだけに納得して貰える。

 

「さて、じゃあそれぞれの派遣場所が決まったところで出撃準備を進めてくれ。特にエリア11は黒の騎士団と協力する共同作戦だから、向こうに足並みを揃えるように。戦力としては3つの中で一番高いだろうが、ゼロが妙な事を考えないとも限らないから油断しないようにな」

「……そこまでゼロを警戒する必要があるのか? アクセルが要求したという扇とかいう副司令もきちんと処断したと連絡が来ているし、問題は無いと思うけど」

 

 ムウの言葉に、イザークが頷く。

 にしても、この2人は何だかんだあっていいコンビだよな。よく2人一緒に行動いているし。

 それはともかくとして、ムウが言っているように黒の騎士団から扇を処分したという連絡は既に来ている。調べてみたところ、ブラックリベリオンよりも前からブリタニアの軍人、しかも純血派の女と関わり合いがあった証拠が出て来たらしい。

 実際、同棲していたのを考えれば当然なんだが。それに何故そんな相手と同棲していたのかと聞かれても、扇本人としては『ゼロの正体を探る為』と言える訳もない。その為、結局裏切ったという確実な証拠は無いものの、疑いを晴らすことは出来なかったらしい。限りなく黒に近い灰色であるとして処断されることになったとか。

 まぁ、処断とは言っても処刑とかそういうのではなく、副司令の座から補給を担当する部署の主任的な扱いの降格人事らしいが。

 とにかく、一度ブリタニアとの繋がりを疑われた以上、これからの活動には色々と目を付けられることになるだろう。ディートハルト辺りなら裏で手を回して監視とかしてそうだし。

 ああ、それとついでという訳でも無いだろうが、玉城が扇の部下として配属されたとか。……今回の報告については全く関係無い玉城が何故巻き込まれた感じになったのかは分からないが、能力の低さと高い役職を希望する玉城を持て余していたゼロがこれ幸いと押しつけたのか、あるいは扇を庇って巻き添えを食らったのか。その辺は分からないが、俺達シャドウミラーと協力関係になる以上は不確定要素を排除して貰ったのは助かる。

 

「そうだな、取りあえず今回のエリア11攻略戦で妙な動きをしないようなら、多少は信頼してもいいかもしれないな。その辺の見極めはエキドナに頼む。ゼロが意図的にこちらの不利になるような采配をするようなら、報告してくれ。こちらも相応の手を取る」

「はっ、了解しました」

 

 敬礼するエキドナを見て、他の者達も特に問題は無いと判断したのだろう。それ以上は特に何を言うでもなく、それぞれの準備を行う為に散っていった。

 こうして、シャドウミラーと陽光、そして黒の騎士団による4方向同時侵攻が開始されることになる。

 いや、そのうちの1つは中華連邦領土内なんだから侵攻というのはちょっとおかしいのかもしれないが。

 

 

 

 

 

 そして、その会議から数日後。

 

「アクセル、中華連邦内の反乱勢力はこれで全部潰し終わったわよ。さすがにヴァイスセイヴァーは例外としても、ガン・ルゥでメギロートやヴィンセント・ウォード、ガレスには対抗出来なかったみたいね」

 

 レモンが旧中華連邦領土内の反乱分子を全滅させ。

 

「EUから至急停戦協議を行いたいとの申し入れが来ている。どうやらEU内の奥深くにある軍事基地が連続して襲撃されたのが堪えたらしい。民衆からもかなりの突き上げを食らっていると報告が入っているしな。助かったぞ、アクセル」

 

 星刻からEUの実質上の降伏に近い停戦協議の申し入れがあったと報告があり。

 

「ブリタニア軍の基地を5つ程潰したわ。それでもまだまだ戦意が旺盛ね。どうやら皇帝と宰相閣下が協力して反攻作戦を準備しているみたい。あ、それとちょっとしたお土産をブリタニア軍の秘密基地らしい場所から手に入れたわよ。廃棄されたカンボジアのトロモ機関から持ってきたんでしょうね。あの、ダモクレスとか言ったかしら? あれの詳細な設計図を回収出来たの。後でレモンに伝えてちょうだい」

 

 マリューがほんの数日で幾つものブリタニア国内にある軍事基地を壊滅させ。

 

「エリア11……いや、日本の解放は完了した。この地を治めていた総督代理が最後まで抵抗の意志を示していたが、メギロートの群れの前には意味が無かったな。私の乗っているヴァルシオン改を始めとした特機も十分に威力を発揮した。……正直、グロースターがああも簡単に落とされているのを見ると微妙な気分になってしまったよ。日本の統治は黒の騎士団に任せてある。それと陽光の……正確に言えばシャドウミラーの傘下に入る条件でもあるサクラダイトの提供は今月から早速行うそうだ。心配されていたゼロの不穏な動きといったものは無かったな」

 

 ギルフォードからエリア11を解放して日本を取り戻したという報告を受け。

 こうして、世界は陽光とその同盟国であるシャドウミラーと、今尚抵抗の意志を諦めていないブリタニアの2つの色に分けられたのだった。




アクセル・アルマー
LV:41
PP:250
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:559

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