転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0617話

「……アクセル、もうちょっと場所を選べなかったの?」

 

 ギアス世界のゲートを設置してある無人島。そこで思わず俺の隣にいるレモンがそう呟くが……いや、俺に言われてもな。ゲートをこの世界に持ち込んだのはエキドナだし、実際にこの場所を指定したのはギルフォードだ。

 その為、視線をギルフォードの方へと向けると……

 

「私はまず人に見つからない場所を用意して欲しいという、そちらの要望に従っただけだ」

 

 特に動揺する様子も無く、そう呟く。

 

「まぁ、確かにこんな場所なら人に見つかる可能性は少ないでしょうね。……けど、こんなジャングルは魔法球の中だけでお腹いっぱいよ。早めにシロガネに乗り込みましょ」

「そうね、折角完成したんだし……出来れば早く動かしてみたいわ」

 

 レモンの言葉にマリューが笑みを浮かべつつ同意する。

 そう、結局半ば突貫作業だったとはいっても、レモンやマリューを始めとする技術班はシロガネの最終調整を完了させたのだ。これには正直驚いた。技術班の底力を見誤っていた感じだな。

 その為何だかんだとありつつも、現在のシャドウミラーはフルスペックといってもいいような状態でギアス世界へと赴いていた。

 今回ギアス世界へとやって来たのは、俺、レモン、コーネリア、マリュー、スレイ。実働班からはムウ、イザーク、ムラタ、ギルフォード、オウカ、エキドナ、そしてグラストンナイツの5人。技術班からはフィリオやマードックを入れた技術班全員。ぶっちゃけ技術班がこっちへと来た分、修羅の乱に参加した時よりも人数は多くなっている。そして200人以上の量産型W達。それとシャドウミラーのメンバーではないがオデュッセウスもいる。

 ホワイトスターに残っている主な人物は、エザリアとエヴァ。そして一応念の為にということで、ホワイトスターの護衛用に火星から呼び寄せたフォルカのみだ。その他の修羅の面々やフェイトは火星でテラフォーミング作業中だし、こっちにこれ以上人材を出す程の余裕は無いらしい。

 

「さて、まずは砂浜に出るぞ。この狭い場所にこの人数が集まっているのは、ただでさえ蒸し暑いこの島で、さらに不快指数が高くなるからな」

 

 そう告げ、全員を先導するように砂浜へと向かって行く。

 

「ギルフォード、一応聞いておくがこの島にはレーダーやら何やらは届かないんだよな?」

「ああ、離れ小島だからな。近くを偵察ヘリか何かが飛んでいれば別だが、取りあえずの心配は無い」

 

 ギルフォードの言葉を聞き、ギアス世界にやって来た全員が砂浜に到着したのを確認し、空間倉庫のリストからシロガネを選択する。

 すると次の瞬間には、砂浜と海に跨がるようにしてその巨大な艦体が姿を現していた。現在シャドウミラーの旗艦となっているシロガネだ。PS装甲になった為、起動していない現在の装甲色は灰色のままなのでシロガネという名前とはちょっとミスマッチだな。それとやはり一番変わったのは艦首モジュールだろう。ネオ・グランゾンの胸部パーツを組み込まれた艦首モジュールに変更されており、多重連装ビーム砲も新たに増えているから以前のシロガネとは大きく見た目が変わっている。

 

「じゃあ全員乗り込んでちょうだい。早速中華連邦に向かうわよ」

 

 レモンの指示に従い、200人を越えるメンバーがそれぞれシロガネへと乗り込んでいく。

 ……これを見て、シャドウミラーを率いているのが俺だと認識してくれる人がどのくらいいるんだろうな。

 

「ちょっと、アクセル。貴方も早く乗り込んでちょうだい。出発できないじゃないの。それと、格納庫の方にメギロート以外の機体を空間倉庫から出しておくのを忘れずにね」

「了解したよ、レモン隊長」

 

 思わず漏れたその言葉に、ニンマリとした笑みを浮かべるレモン。

 そのままタラップから降りてきて俺の腕へと抱き付いてくる。

 腕にグニュリとした感触を感じるが、それに対して何か言う前にレモンの方が先に口を開く。

 

「何をいじけているのかしら?」

「別にいじけてる訳じゃないんだがな」

 

 シャドウミラーを率いるのは俺じゃなくてレモンの方が相応しいんじゃないかと、ふと思っただけで。

 

「ま、何はともあれこれから忙しくなるんだし、変な事を考えている暇はないか。行くぞ、レモン」

「ええ。私は……私達は貴男といつまでも一緒にいるから」

 

 そう言い、俺の腕を抱きしめたままシロガネの艦内へと戻っていくのだった。

 

 

 

 

 

「星刻、今どこにいる?」

『ん? 今か? 今はまだエリア11だ』

 

 格納庫で機体を空間倉庫から出し、シロガネも起動して全ての準備が整ったのを見計らい、俺は星刻へと通信を送っていた。

 ちなみに現在のシロガネはASRSを使いながら、海中を潜航移動して中華連邦へと向かっている。

 

「……随分と悠長だな。もう少しで時が来るってのは分かっているだろう?」

『そうは言っても、今の私はあくまでも総領事館の大使代理だ。好き勝手に動く訳にはいかん。それこそ、今動けば私達に余計な目が向けられるからな。実際に時が来るまでは暫くこのままだろう』

 

 なるほど。そういう風に考えれば、確かに星刻の言う事にも一理あるか。

 

「分かった。だが、お前用にKMFを1機用意している。いざという時の為に操縦には慣れておいて欲しい」

『ほう、それ程の物か?』

「星刻なら乗りこなせると思うがな。ブリタニアの次世代量産型KMFの先行量産試作機だ。ブリタニアでは指揮官用として使われている」

 

 本当は神虎があればベストなんだが……まぁ、その辺は天子を連れ出す時にちょっと調べて……あぁ、そうだ。

 

「洪古から聞いてると思うが、天子を連れ出す時に説得する為の映像データは用意出来ているか?」

『ああ、既に洪古に渡してある。合流したら受け取ってくれ』

「そうか。なら数日中に天子の救出を実行しよう。その後は取りあえず安全を第一に考えてうちで預かるが、お前達が合流したら引き渡すから安心しろ」

『天子様を……頼む』

 

 それだけ言うと、数秒の間沈黙が周囲を満たす。そして沈黙を破ったのは、星刻からだった。

 

『……それよりも、お前達こそ今どこにいる?』

「海の底だよ。旗艦で海中を移動中だ。もちろんレーダーとかに捕まらないように対策はしてるがな」

『ほう。旗艦に関しては間に合わないとか言っていなかったか?』

「その辺はシャドウミラーの技術班の優秀さ故にとしか言えないな」

『さすがと言うべきか。……とにかく、洪古と合流していつでも行動に移せるように用意をしておいてくれ。それと以前約束したガン・ルゥのデータだが』

 

 ああ、そう言えば約束していたな。

 視線をレモンの方へと向けると、俺と星刻の会話が聞こえていたのだろう。笑みを浮かべて頷く。

 

「問題無いわ。設計データは用意してあるし、幾つか試作品もシロガネに詰め込んであるわ」

『今の声は?』

「技術班のリーダーだよ。聞いての通り準備は万端らしい」

『そうか、私は黎星刻だ。シャドウミラーの技術力に関しては期待しているから、よろしく頼む』

「ええ、よろしくね。KMFはガン・ルゥの他にギルフォード達が持ってきたデータの通りに作ったヴィンセント・ウォードやガレスもあるから、期待していてちょうだい」

『……助かる』

 

 その後、細かい打ち合わせを星刻として通信を終了する。

 

「で、今の声の持ち主に国を任せようとしている訳か」

 

 ブリッジの中で、今の通信をじっと聞いていたムウが口を開く。

 

「ああ。実際、傑物だぞ。生身での戦闘力はネギま世界の者達には敵わないだろうが、それを抜かせば恐らくトップクラスだ」

「……ほう。それは面白そうだな」

 

 壁により掛かるようにしていたムラタが、ニヤリとした笑みを浮かべる。

 まぁ、強さを求めるムラタにしてみれば星刻と戦ってみたいと感じるのはおかしな事じゃない。ただ……

 

「今の星刻は身体に病を抱えているからな。もし戦うんなら、治療を終えてからにしろ。……ただ、俺が星刻に期待しているのは戦闘能力じゃなくて政治の方なんだけどな。そっちに関してもかなりの能力を持っているから、出来ればシャドウミラーに来て欲しいくらいだ」

「お前がそこまでいうとなると余程の事なんだろうな」

「ああ。いつまでもお前の母親だけに負担を掛ける訳にはいかない。出来れば政治向けの人員を幾らか確保したいとは思ってるんだが……」

「確かに交渉を含めて母上に一任されている仕事量は多すぎる。それを考えれば、アクセルの言う事も分からないではないな」

 

 イザークが溜息を吐きつつ頷く。

 まぁ、忙しい分魔法球で頻繁に休憩を取っているから過労死するとかいうのはまず無いんだろうが……それでもエザリア1人に外交を任せるというのは厳しいのは事実だ。

 

「とにかくいつまでも海中でどうこう言っていてもしょうがない。中華連邦に向かって、洪古と連絡を取るぞ」

 

 俺の言葉で取りあえずこの話はお終いとなり、それぞれが自分の仕事をするべく担当部署へと散っていく。

 ……とは言っても、このシロガネは今回の改修でトライロバイト級を参考にして大幅に自動化されており、これまで必要だった10分の1程度の人員がいれば余裕で動かす事が出来るようになっている。その人員にしても、艦長のマリュー以外は量産型Wで十分なんだし。

 つまり何が言いたいのかと言えば……

 

「やる事が無い」

 

 それに尽きる。

 

「いや、そりゃお前さんはそうかもしれないけどな。でも他の奴は結構急がしそうにしているぜ?」

 

 シロガネの食堂で紅茶を飲みつつムウと暇潰しをしている訳だが、技術班の面々はシロガネの状態チェックや機体のチェック等で忙しいらしい。

 コーネリア、ギルフォード、グラストンナイツの面々はKMFの調整に引っ張りだこだ。……まぁ、シャドウミラーの中でKMFの扱いに長けているのはギアス世界出身者しかいないしな。

 オデュッセウスは部屋に籠もって何やらしているが……誘ってみても良かったかもしれないな。

 

「けど俺がやるべき事は、もう基本的に終わっているしな」

 

 お茶請けとして用意されたクランベリークッキーを口へと放り込みつつ、何となくTVのスイッチを入れる。

 

『現在、行政特区日本の式典予定会場へとやってきています。既に会場は綺麗に整えられており、2日後の式典を待つばかりです』

『そうですねぇ。けど、本当にゼロが……黒の騎士団が参加するんでしょうか? 正直、疑問しかありません』

『ですがゼロが自分の名に於いて協力すると言っているのですから、これで実は嘘でしたとなると黒の騎士団の信望は地に落ちる訳ですよね?』

 

 富士山麓の式典記念会場で、20代程の女アナウンサーと30代程の男のニュースキャスターが画面越しにそんな会話をしている。

 

「行政特区日本……か」

 

 ユーフェミアの念願を叶える為にナナリーは頑張っている。それをコーネリアはどう思っているのか。確かコーネリアもナナリーは可愛がっていた筈だ。それともルルーシュの妹という事で情を断ち切ったか? ……いや、あの情に厚いコーネリアだ。そう簡単には割り切れないだろう。俺達の作る新国家とエリア11がどのような関係になるのか。正直、色々と面倒な事になるのは分かりきっている。何しろ俺達の目的はサクラダイトの定期的な供給だ。それを考えれば、日本の掌握は必要不可欠。だがこの世界の日本というのは妙に反骨精神旺盛なので、迂闊に占領をしてしまえばブリタニアの二の舞になる訳で……

 

「そうなると間接統治が望ましいんだが」

 

 それもまた、難しい。ブラックリベリオンで京都六家は皇家以外は全員処刑されているしな。間接統治にするにしても任せられる者がいない。かと言ってルルーシュ率いる黒の騎士団と同盟というのもコーネリアの感情的に難しいだろう。あるいは原作通りにルルーシュがシュナイゼルの策に嵌り黒の騎士団を追放した後の黒の騎士団なら……いや、駄目か。敵の言葉にまんまと乗るような無能な者達を味方にするのは害悪でしかない。玉城や扇のような無能は敵にいてこそ有益なのだから。

 

「その辺、星刻辺りに任せるしかないか」

「ん? どうしたんだ?」

 

 呟いた声に反応するムウに、小さく首を振る。

 そもそも、俺がそこまでギアス世界の日本を心配する必要はどこにもない。ぶっちゃけ、サクラダイトの安定供給さえされればカラレスのような奴が総督でも構わない訳なんだしな。

 

「それよりも、スレイの左手に指輪が嵌ってたけど……また恋人を増やしたんだな」

「まあ、そうなるな」

「おーおー、しれっとした顔してまぁ。何だってこんな男がこんなにもてるのかね。俺は世の中の不条理を恨めしく思うよ」

「お前だってナタルと幸せに暮らしているんだろう?」

「そりゃそうだが、やっぱりハーレムってのは男の夢な訳だ」

「……分かった。この世界のいざこざが片付いたら、その辺をナタルに教えてやろう」

「おいっ! ちょっ、おま!」

 

 言葉に詰まるムウを眺めつつ、中華連邦に到着するまではゆっくりとするのだった。




アクセル・アルマー
LV:41
PP:0
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:509

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