転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0615話

「ん、んん……?」

 

 頬を何かに突かれているような感触。そんな感触を覚えて意識が次第に眠りの底から浮き上がってくる。そして目の覚めた俺の視界に入って来たのは青。

 

「……起きたか、アクセル」

 

 その青い髪を見ながら呟かれた声を聞き、すぐにそれが誰なのか……そして、ここがどこなのかを思いだす。

 

「スレイ」

「そうだ。全く、まだ2回目だというのに無茶をしてくれる。……それよりも、そろそろ起きた方がいいのではないか? 今日はギアス世界に皆で行くのだろう?」

「そう言えばそうだったな……」

 

 呟きつつ、一糸纏わぬ姿のまま俺に身体を寄せているスレイの頭をそっと撫で……ようとして、右手が動かないのに気が付く。そちらへと視線を向けると、桃色の髪。こちらもまた芸術的な身体に何も纏わぬままに俺へと抱き付いているレモンの姿。他にもベッドの上にはコーネリアとマリューも他2人と同様に一糸纏わぬ姿で気持ちよさそうに眠っている。

 

「さて、ならまずはこの3人を起こさないとな。特に美味い朝食を食べようと思ったらマリューを起こさないといけないし」

「……私も料理を覚えた方がいいんだろうか」

 

 俺の言葉にそう尋ねてくるスレイ。

 確かにスレイの手料理とかを食べられるのなら食べてみたいとは思うが……

 

「まぁ、無理をする必要は無いんじゃないか? いや、手料理をご馳走してくれるのなら嬉しいが。今はそれどころじゃないしな」

「だろうな。それに私は引っ越しの準備もしないといけないから、余計に暇がない」

 

 左手の薬指に嵌っている時の指輪へと笑みを浮かべながら視線を向けつつ、スレイはそう呟く。

 そう、今まではフィリオと兄妹一緒に暮らしていたスレイだったが、時の指輪を嵌めて俺の恋人となった為に、この家に引っ越してくる事になったのだ。この家は屋敷と呼んでも構わない程の大きさだし、空き部屋もまだまだあるから、俺としては問題無いしな。

 フィリオにしても、妹が幸せになるのなら……と特に反対もなく同棲には賛成してくれた。

 まぁ、そもそもスレイと俺をくっつけようとする企みは、フィリオからレモン達に持ち込まれたものなんだから当然と言えば当然なんだが。実はフィリオ、スレイから俺に関する愚痴を色々と聞かされていたらしい。それでスレイの気持ちに気が付いたんだとか。

 ……もっとも、その引っ越しに関してはギアス世界で一段落ついてからという事になっている。何せ、いよいよ建国の時が迫っているのだから、時間を掛けていられない。今日にしても、魔法球の中で以前OGs世界の時にやったように機体を空間倉庫に入れたりといった作業があるし。

 そんな風に思い、時計へと視線を向けるとそこに表示されているのはAM07:35分。昨日の夜は色々な意味で遅かった事を考えると、ちょっと早い気がする。レモン達が眠っているのもある意味当然だろう。とは言っても、準備はしないといけない訳で……

 

「レモン、コーネリア、マリュー、起きろ。そろそろギアス世界に向かう為の準備を始めるぞ」

 

 俺の身体に抱き付いたまま眠っているレモンに、コーネリア、マリューの3人を揺すって起こす。夜の疲れが溜まっていたのか中々起きなかったが、さすがに5分程も起こし続けていると目が覚めたらしく、その見事な裸身を見せつつ風呂に入ってさっぱりとするのだった。

 

 

 

 

 

「で、朝食が終わったら魔法球に直行でいいのかしら?」

 

 マリューが作ってくれたシーフードサラダを口にしつつ尋ねるレモン。

 

「そうね、一応アクセルが持ってきたサクラダイトを使ってヴィンセント・ウォードとガレスは20機程度ずつ完成している筈だから、星刻とかいう人に対するお土産としては十分でしょう。コーネリア、ギルフォードさんはヴァルシオン改を扱えるようになってるの?」

「ある程度はな。さすがにKMFと操作方法が違うから多少手間取っているようだが、今も魔法球の中で訓練をしている筈だ」

「そう、でもPTやAMに乗ってからヴァルシオン改に乗り換えるのに比べれば機種転換訓練は楽だと思うけど……」

 

 コーネリアの言葉にマリューがどことなく不安そうに呟く。

 実際、KMFとヴァルシオン改の操縦方法の違いを考えれば、この短期間で乗りこなしている方が凄い。この辺はさすがに帝国の先槍と呼ばれただけの事はあるな。

 

「それで、シロガネの方はどうなってるんだ?」

 

 デザートとしてブルーベリー入りのヨーグルトをスプーンで口に運びながらレモンとマリューへと尋ねる。

 シロガネは今回の作戦で最重要な艦だ。何しろ、俺達シャドウミラーの実質上の基地として使用する予定なのだから。特にギアス世界で200人程度が姿を隠しておけるような場所は、俺達にはまだ確保しにくい。それに新国家の樹立を宣言する前なので大宦官達の目に止まるような真似は避けたいしな。

 そんな風に考えつつ尋ねた俺の質問に、マリューは少し考えるように小首を傾げてから口を開く。

 

「完成度90%といったところね。ブラックホールエンジンを使った主砲とのリンクも安定してきたし、後は最終調整といった所かしら。……ちなみに、これがシロガネの改修した場所よ」

 

 近くにあったコンピュータにデータディスクを挿入して、居間にあったモニタへとデータを表示する。

 まず、最大の特徴は動力炉だろう。元々使われていた物からブラックホールエンジンを複数個平行使用。同時に時流エンジンも複数個使用している。ブラックホールエンジンの出力だけで言えば、ニーズヘッグと同等クラスの物が複数使われている事で圧倒的な出力を生み出す事が可能になった。その為、Eフィールドは以前よりも強固な物になり、同時にグラビコン・システムのおかげでG・テリトリーも強固な物になっている。ただし、ニーズヘッグやシャドウとは違い艦の重量軽減にはグラビコン・システムが最低限にしか使われていないらしい。まぁ、敵の攻撃を回避する事を前提としているニーズヘッグと違ってシロガネはその大きさを考えれば、重量が軽いと攻撃を受けて吹き飛ばされたりしたら困るしな。そして時流エンジンによる永久機関か。

 この影響で、対空バルカン砲が弾を必要としないビームバルカン砲へと変更し、さらに多連装ビーム砲も追加されているらしい。

 次に装甲がPS装甲へと変更されている事だ。PS装甲で増した重量を、グラビコン・システムにより元々のシロガネの重量と同じくらいに調整しているらしい。

 

「……PS装甲? ラミネート装甲じゃないのか?」

「ええ。物理攻撃を防ぐPS装甲、ビームやレーザーを防ぐラミネート装甲。どちらにするのか迷ったんだけど、複数の世界を行き来する事を考えると物理攻撃を防ぐPS装甲の方が有用だと判断したわ。それにシャドウミラーではPS装甲の研究が進んでいるしね」

「なるほど。まぁ、どっちが正しいとは言えないが、ギアス世界に関して言えばビームよりも物理攻撃の方が多く使用されているから間違いではないか」

「それに一応ビーム対策としてラミネート装甲程じゃないけど、PS装甲にビームコーティングを施してあるわ」

 

 マリューの言葉に頷き、次のデータへと視線を移す。

 Eフィールド、G・テリトリー、PS装甲の他にもジャマー、NジャマーⅡ、ASRSやミラージュコロイドといったシャドウミラーとしてはお馴染みの特殊システムもきちんと装備されている。

 

「この辺は既にシャドウミラーの標準装備といったところか」

 

 最新鋭量産機でもあるシャドウにも使われているG・テリトリーやビームコートといった装備を見ながら呟く。

 もちろんシャドウにはPS装甲、NジャマーⅡ、ミラージュコロイドといった特殊システムは装備されていない。というか今の性能でさえコストが馬鹿高いのに、それ等を搭載しようものなら量産機とは言えなくなってしまうだろう。唯一シャドウミラーの機体として奇襲を行うのに必須となるASRSに関してはコストが高くない事もあって搭載済みだが。

 

「そうね。あると便利なだけにある意味当然と言えば当然の仕様ね。で、シロガネの最大の特徴が艦首モジュールよ。以前にも言った通り、ネオ・グランゾンの胸部パーツを組み込ませてもらったわ。ただしバリオン創出ヘイロウは取り付けていないから縮退砲のような攻撃は出来ないけど。開発名称、グラビティ・バスター。複数のブラックホールエンジンを使ってネオ・グランゾンの胸部パーツを経由することでかなり強力な重力波砲を放てるわ。それと、このグラビティ・バスターの特徴はその応用力の広さよ」

 

 喋りながら笑みを浮かべるマリュー。自分達の開発したその艦首モジュールに対して、余程の自信があるのだろう。

 

「応用力?」

「ええ。艦首モジュールをブリッジで調整することによってグラビティ・バスターは3つの攻撃方法を可能としているわ。まず、重力波を集束する事によって1撃の威力を高める集束タイプ。これは集束する事で射程も長くなるわ。そして広範囲拡散タイプ。こっちは射程その物は短いけど、その分多数の敵に対して1度に攻撃出来るようになっているの。そして……最後の1つが近接戦闘用タイプ」

「近接戦闘用?」

 

 集束と拡散。これは俺にもイメージがしやすいが、近接戦闘用タイプとなるとさすがに意表を突かれる。

 

「ええ、近接戦闘用よ。本来なら艦首モジュールから放たれる重力波砲を集束し、圧縮固定するの。そうする事により、重力波の剣を艦首モジュールの先端に作り出すわ」

「……剣?」

 

 まぁ、UC系ガンダムだとビームライフルのビームをミノフスキー粒子で維持したのがビームサーベルだ。あれと同じような感じと思えばいいのだろうか?

 

「そうよ。集束タイプの砲撃と比べても更に集束・圧縮されているから、威力に関しては3つの攻撃方法の中でも高い方だと思うわ。ただ、剣である分射程が……ね。あくまでも敵に接近された時の切り札と考えてちょうだい」

 

 その言葉に、ふとVガンダムのリーンホースJrを思い出す。スパロボで使徒すらも倒した、あの脅威の戦艦を。

 

「まぁ、強力な武器があるのはいい事だな。他に何か変更点はあるか?」

「うーん、そうね。テスラ・ドライブがフィリオの作った最新型になっているとか」

 

 何気なくマリューの口から出たその言葉に、思わず尋ねる。

 

「ちょっと待て。最新型となるとニーズヘッグに使っている奴か? 混沌精霊でGを無視出来る俺しか使えないとか言ってたと思うんだが」

「アクセル、いくら兄様でもそんな無茶なテスラ・ドライブはアクセルにしか作らないと思うぞ」

 

 スレイが苦笑を浮かべつつそう言い、実際にマリューはその言葉に頷き、レモンが口を開く。

 

「確かにニーズヘッグに使われた物をベースにはしてるけど、そこまで尖った性能じゃないわよ。大体シロガネ自体の重量とかを考えると、もしそんなのを使ったら艦長のマリュー自体が危ないじゃない。きちんとシロガネ用にチューンしてあるから心配はいらないわよ。それに、細々とした部品もシャドウミラー製の物に変えているから、一見すると艦首モジュール以外は以前と殆ど同じに見えるけど……あぁ、言い忘れていたわね。PS装甲の方もきちんと調整して装甲色は以前と変わらないようになっているわ。とにかく、機体性能は底上げされていると考えてちょうだい」

「……まぁ、そんな風に細々とした場所を変えていったから、最終的にまだ改修が完了していなかったりするんだけどね」

「だが、それも最終調整なんだろう? 少なくてもASRSやミラージュコロイドが使えるんなら何とかなる」

「うーん、まぁ、その辺は大丈夫だけど……出来れば、きちんと調整をしてから出撃させたかったのよね」

 

 微妙に不満そう……と言うよりは、残念そうに告げるマリュー。

 

「魔法球の中で機体を収納するのに必要なのは半日程度だろう。なら1日半でやれるところまでやって、それでも駄目ならやっぱりギアス世界で……という流れになるな」

「でしょうね。分かった、精一杯やってみるわ」

 

 決意の表情を浮かべ、そう宣言するマリューの声が周囲に響き渡った。




アクセル・アルマー
LV:41
PP:0
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:509

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