転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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コードギアスR2編
0589話


 見渡す限りの景色に、人というのは俺以外に存在していない。周囲に見えるのはこれぞ密林といった感じの自然の森であり、後ろを振り向くとそこには植物に隠されるようにして洞窟の入り口が存在している。そしてその洞窟の先には以前俺がエキドナに頼み、ギルフォードと一緒に設置して貰ったゲートが存在していた。そしてそのゲートを守るようにして配置されている30人程の量産型W達。密林の中に隠れるように、あるいは海中の底にはゲートを守る為にランドリオンやシーリオン。他にもSEED世界で俺がアラスカから盗み出したリニアガン・タンクを始めとした通常兵器も多数存在し、さらにはメギロートも色々な場所に隠れてこの場所を守っている。

 総合的に見て、ここの守備戦力はKMF100機程度を相手にしても守り抜ける程度の戦力を有している。

 あ、ちなみに先に思った『人は俺以外に存在していない』云々というのは、量産型Wは自意識が無い以上は人として数えていないからだ。

 密林の先に見えているのは煌めく海、海、海。

 そう。ここはギアス世界で太平洋にある、どこにでもあるような無人島だ。

 以前エキドナにゲートシステムを展開させるためのコンテナを持たせ、ギアス世界に派遣してギルフォードの手を借りて設置して貰ったのがこの場所だった訳だ。

 まぁ、確かに以前マーカーを置いたような、エリア11内の山の中にコンテナ程の大きさもあるゲートを設置する訳にもいかないというのは事実だし、こんな無人島に注意を払うような奴もいない以上はベストの選択だったのだろう。飛行機やらヘリやらが上空を飛んでも洞窟の中に設置されてあるゲートシステムを見つけるのはまず不可能だし、同じような洞窟も島内には大量にあると聞いているし。

 

「そう考えれば、さすがはギルフォードといったところか」

 

 島自体もそれなりに広く、この島内でAMやらPTやらKMFやらメギロートやらが戦闘を行っても全く狭く感じない程度の広さではあるしな。

 だが、もちろん欠点も存在している。隠蔽効果を最優先にした為にゲートが設置されているのが洞窟で、尚且つその洞窟は中も入り口もそれ程広くないという事だ。つまり、ホワイトスターから兵器とかを転移するのは難しくなっている。もっとも、その辺に関しては俺の空間倉庫を使えば解決する問題なんだが。

 

「隊長」

 

 じっと密林の狭間から見えている海を眺めながらそんな風に考えていると、量産型Wの1人がそう声を掛けてくる。そちらの方へと視線を向けると、これぞ量産型Wの証とばかりのヘルメットを被った姿があった。

 

「このままゲートシステムの護衛を続けろ。誰かが島に侵入してきたら出来るだけやり過ごせ。ただし、俺達の痕跡を見つけられたら反撃を許可する。それと、なるべく殺さないで生け捕りにして情報を引き出せ」

「了解しました。隊長はこれからどうするのでしょうか?」

「俺はこのままエリア11に向かう。お前達が気にする必要は無い。もし何か用事があった場合は通信機を使って連絡する」

「はっ!」

 

 俺の命令を聞き、敬礼をして去って行く量産型Wの背を一瞬眺め、俺も行動を起こすべく島の外縁にある砂浜へと向かって歩を進める。

 

「さて……まずはギルフォードと接触するか」

 

 呟き、空間倉庫からASRSを内蔵して色々と技術班によって改造されたソルプレッサを取り出す。

 ……ちなみに、現在の空間倉庫の中にはニーズヘッグは入っていない。結局バリオン創出ヘイロウを使った改修がまだ完了していなかった為だ。現在技術班が頑張ってバリオン創出ヘイロウの解析や小型化、あるいはそれを使ったニーズヘッグの改修プランに張り切っている事だろう。……もっとも、それはシャドウミラーを率いている俺に対する忠誠とかそういう話ではなく、純粋に自分達の好奇心や知識欲を満足させるためだろうが。

 その結果、取りあえず俺が持ってきた自分の乗機と言えばシャドウミラーの主力量産機であるエルアインスだったりする。

 まぁ、メギロートを100機程度持ってきた以上は戦力的な不安は全くないんだが。何しろ、実質的には第8世代KMFと同様の機体性能を持ち、幾多もの星を攻撃してきた戦闘用のAIを備えたメギロートなのだから。

 もちろんナイトオブラウンズと1対1で真っ正面から戦えば勝ち目は無いだろうが、メギロートは100機いる。それに最悪この100機全てが失われても、ホワイトスターに戻れば同数程度のメギロートはすぐにでも補充可能だ。

 

「……建国するにしても、また随分と大袈裟な戦力だよな」

 

 あるいは、俺の持っているメギロートだけでエリア11にいるブリタニア軍程度なら駆逐できるだけの戦力を持っていると言ってもいいだろう。

 

「ま、そんな真似をすれば原作を知っている俺のアドバンテージが消えてしまうから、しないけどな」

 

 呟き、ソルプレッサのコックピットへと乗り込んで機体を起動させる。

 

「まずやるべき事は、ギルフォードに手紙を渡す事……か」

 

 ホワイトスターから転移する前に、コーネリアに渡された手紙。さすがに俺だけの言葉でブリタニア軍から抜けろというのには頷かないだろうが、それがギルフォードが忠誠を誓っているコーネリアからの手紙があれば? グラストンナイツ共々こちらへと引き抜くのはそう難しくは無いだろう。

 

「さて……なら、早速行くとするかね」

 

 呟き、僅かの助走でソルプレッサを離陸させ、エリア11へと機首を向けるのだった。

 

 

 

 

 

「……以前と比べると、随分活気が減ってるな」

 

 政庁へと向かいながら、周囲を見回して呟く。

 エキドナからの報告によると、現在のエリア11は原作通りにブラックリベリオンの失敗後、矯正エリアへと格下げされている。その影響が大きいのだろう。

 そんな風に周囲の様子を確認しながら道を歩き、政庁へと入ろうとした所で……

 

「待て。見かけん奴だな。政庁に何の用だ?」

 

 警備兵らしき男に呼び止められるのだった。一応一般人も政庁には入れる筈なんだが……何で俺が見咎められたんだ? あるいはイレブンだったとしたら呼び止められるのも分かるが、今の俺は間違っても日本人には見えない筈だ。……微妙に理不尽だな。

 どうやらこの警備兵は俺の顔を知らないらしい。以前はコーネリアの直属として雇われていた俺は、それなりに有名だったんだが……となると、ブラックリベリオン後にここに配属された奴か。

 さて、面倒だな。どうしたものか。まさか俺を知らない奴が警備をしているとは思わなかったんだが……そんな風に思った時だ。

 

「アクセル・アルマー!?」

「え? 隊長、こいつを知ってるんですか?」

 

 俺を呼び止めた警備兵が、驚愕の表情を政庁の中からこちらへと向かって来ている人物へと向ける。今の言葉から言って、恐らく警備兵の隊長なんだろう。

 

「何であんたがここに? 確かもうコーネリア殿下との契約は終わって、ブリタニア軍からは去った筈なんじゃ?」

 

 コーネリア。その言葉を聞いた警備兵の頬が引き攣る。まぁ、それも無理はない。一介の警備兵が皇族の部下だった俺に対して不審人物扱いしたんだからな。

 俺としては職務なんだからしょうがないとは思うが。もっとも、俺を呼び止めた理由に関しては是非聞きたい。これで何となく警備員としての自分の権力を使ってみたかったとか言われたら、現在のエリア11総督でもあるカラレスの無能さを表して……いや、原作だと典型的に傲慢な無能貴族だったか。そんな風に思いながら、声を掛けて来た人物へと言葉を返す。

 

「ああ。久しぶりにエリア11に寄ったんでな。ギルフォードの顔でも見ていこうかと思ったんだが……まだここにいるんだろう?」

「……了解した。すぐに連絡を取るから少し待っていてくれ。確かにあんたは以前コーネリア殿下に雇われていたが、それでも今は部外者だ。さすがにそんな部外者に政庁内はともかく軍部を勝手に歩き回られては困るからな」

「ああ、頼む」

 

 俺の言葉に小さく頷くと、そのまま男は早足で政庁の中へと戻っていく。

 それを驚愕の表情で見送っていた警備兵は、俺へと視線を向けると何の躊躇もなく頭を下げてくる。

 

「先程は大変申し訳ありませんでした! まさか、コーネリア殿下直属の方とは知らず……」

「気にするな。ただ、次からは声を掛ける相手はきちんと見た方がいいぞ」

「はっ! それで……その、1つよろしいでしょうか?」

 

 恐る恐る、といった様子で警備兵が声を掛けてくる。無視をしても良かったんだが、どのみちギルフォードが来るまでは暇なんだし、相手をしてやってもいいか。

 

「何だ?」

「その、貴方はコーネリア殿下の下でどんな仕事をしていたんでしょうか? 直属ともなれば、余程の事だと思うのですが……あっ、もちろん機密になるような事でしたら教えて貰わなくても結構です」

「別にそんなに機密にするような事は無い。純粋に戦力として扱われていただけだよ。……誤解を承知で言えば、外様の騎士とでも表現すればいいか?」

「……外様の、騎士? ……っ!? もしかして、KMFとは全く違う設計思想で開発されたという巨大兵器を使っていたというのは!?」

 

 驚愕の瞳を俺へと向ける警備兵。

 巨大、か。まぁ、確かにKMFに比べると俺が当初使っていたランドリオン、あるいはガーリオンは20m程もあって巨大だが。それにしても……

 

「良く知ってるな。それ程頻繁に戦場に出ていた訳でもないのに」

「それは当然だろう。アクセル、君は自分自身の影響力を軽視しすぎているからな」

 

 俺の言葉に返ってきたのは目の前にいる警備兵ではなく、政庁の中から出て来た2人の人物のうちの1人だった。

 1人は髪をオールバックにして、眼鏡を掛けた怜悧そうな男。

 そしてもう1人、俺に声を掛けて来た男の後に付き従っていたのは茶髪でどこか人の良さそうな表情をしている男だった。

 そしてそんな人物2人の名前を俺は知っていた。

 

「ギルフォード、久しぶりだな。それとそっちは確かグラストンナイツの……」

 

 ギルフォードが口元に笑みを浮かべ、その後に茶髪の男の方が1歩前へと進み出る。

 

「ブラックリベリオンの時は少し会話をしただけでしたね。グラストンナイツのクラウディオ・S・ダールトンです」

 

 ペコリと頭を下げる茶髪の男……否、クラウディオ。そうそう、確かそんな名前だった。グラストンナイツのリーダーというのは大袈裟か。とにかく纏め役みたいな感じだったな。

 

「さて、お互いに挨拶も終わったところで……アクセル、久しぶりの再会なんだ。どこかでゆっくりと話でもどうかな?」

 

 一瞬、視線が鋭くなったギルフォードの問いかけに小さく頷く。

 コーネリアは表向き行方不明となっている。そのコーネリアを引き取っていた俺達シャドウミラーの話をこんな場所で出来る筈も無い。ただでさえ俺の近くで話を聞き逃すまいとしている警備員のような奴もいるしな。

 

「そうだな、なら昼食でもどうだ? 久しぶりにエリア11に来たからな。出来ればお薦めの店を教えてくれ。もちろん奢りで頼む」

「ふっ、そうだな。まぁいいだろう。クラウディオ、君も来るといい」

「はい、お供します」

 

 そう言い、政庁の前から街中へと向かっていくギルフォード。俺とクラウディオもその後を付いて歩いて行く。

 

「……本当に久しぶりだな。こうやって歩いていると、ブラックリベリオン前の出来事を良く思い出すよ。私とダールトン将軍、そしてアクセルで時々食事をしに行ったものだ」

「そうだったな。ダールトンはああ見えて面倒見が良かったから、俺にもよく食事を奢ってくれたよ」

「養父上らしいです」

 

 クラウディオの懐かしそうな声を聞き、一瞬チクリとしたものが胸を過ぎる。ダールトン。ユーフェミアと共に、もしかしたら俺が助けられたかもしれない男。ユーフェミアの虐殺宣言を止める事が出来ていればダールトンを救えた可能性もあっただろう。だが、ルルーシュのギアスによりコーネリアを狙う事になってしまった時点でどうにもならなかった。コーネリアを撃つのはギアスがある以上止められないし、撃った後でルルーシュに殺される前に助けたとしても、あの武人気質のダールトンの事だ。恐らく自分自身を許せなくて自らの命を絶っていた可能性が高い。それがなくても、魔女とまで名高いコーネリアの命を狙った――正確には違うが、それを理解する事が出来るのはギアスを使ったルルーシュと原作知識を持っている俺だけだろう――以上、死罪は免れない筈だ。

 

「さ、ここだ。この店はブリタニア軍人も良く利用している店で、別途料金を払えば個室を使用する事も出来るんだ」

 

 考え事をしている間に着いた店へと、ギルフォードに案内されながら入っていくのだった。




アクセル・アルマー
LV:41
PP:0
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:509

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