転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0582話

「では、修羅の乱が終わった事を祝って……乾杯!」

『乾杯!』

 

 俺の声と共に、各々が持っていたコップが上へと掲げられ、同時に近くにいた者達とぶつけあう。

 もちろん俺も同様に隣に座っているレモン、コーネリア。そして向かいに座っているマリューとコップをぶつけあう。

 ……ちなみに、もちろん俺のコップに入っているのは烏龍茶であってアルコールの類ではない。

 ここはホワイトスターにある魔法区画。その中心にある魔法球の中だ。そこで料理やら何やらを持ち寄って打ち上げとして宴会をすることになったのだった。

 参加メンバーはシャドウミラーではフェイト以外全員。……一応魔法顧問という事で、エヴァもいたりする。OGsの世界には行かずに、好き勝手に遊んでいただけなのに羨ましい事だ。だがまぁ、この宴会に並んでいる料理の何割かは茶々丸が作った物なので文句は言えないか。

 ネギま世界からは、この2人の他にもあやか、千鶴、円、美砂の4人も当然の如く顔を出している。他にも葉加瀬、朝倉、近衛、桜咲といった面々もいた。ちなみに近衛と桜咲に関しては、桜咲の修行の場として魔法球を利用しようとして顔を出した所を捕まった形だ。葉加瀬も同様に技術班との交流にきたところで捕まった。……朝倉は何でいるのか分かない。本当にいつの間にか混ざっていた。そして忘れてはいけないのは四葉だ。こっちは何とエザリアが打ち上げをやると言って連れてきた。……意外な場所で意外な縁が出来ているな。

 SEED世界からは、ムウの恋人であるナタルと、そのムウが保護者になっているレイの姿もある。ムウとナタルは2人でイチャついており、レイはアウルやスティングと話していた。

 

「ちょっと、アクセル君。聞いてますの!?」

 

 周囲を見回していた俺へと、あやかがそう言ってくる。その隣では千鶴達従者組3人もこちらへと視線を向けている。そしてこの4人と以前の麻帆良の食堂で意気投合したらしいオウカや、何故かそこに混ざっているスレイといった面子だ。

 

「ん? 悪い、ちょっと考え事をしててな。何だ?」

「ですから! アクセル君が女好きというのは知ってますけど……」

 

 そう言い、レモン達3人へと視線を向けるあやか。

 だが、レモンは艶然と笑い、コーネリアは雌豹の如き笑みを浮かべ、マリューはにこやかに微笑んでいる。この3人は俺が女好きであるという意見に全く異論が無いらしい。

 ……いやまぁ、恋人を3人。将来的な恋人候補が4人もいる時点で否定出来ないんだが。

 

「とにかく! そう簡単に女の人を口説かないでくださいまし!」

「いや、別に俺はそんなつもりはないぞ? 実際今回新しい恋人を増やした訳でも無し」

「……アヤさんを口説かれていたようですけど?」

 

 ジト目のオウカがポツリと呟き、その隣ではスレイが頷いている。

 

「そうだぞ。私はお前が誰を口説こうとも文句は無いが、それでもあまり女にだらしないというのはシャドウミラーを率いる立場としてだな。……そう、シャドウミラーを率いる立場としてどうかと思ってこうして苦言を呈している訳だ」

 

 大事な事だから2回言いました、と言わんばかりに頷きながら口に出すスレイ。その頬が微妙に赤くなり、目が潤んでいるのを見ると、手に持っているコップに入っているのは恐らくアルコールなのだろう。

 

「全く、アクセル君もやんちゃなんだから」

「いや、そういう問題じゃないと思うんだけど……」

 

 あらあらウフフと微笑む千鶴に、突っ込みを入れているのは円だ。

 その横では、美砂もまた同様に頷いていた。

 

「別にアヤを口説いていたって訳じゃないんだがな。俺の中に存在しているアヤの念動力に関して話をしていただけで……」

「アクセルさんはそのつもりでも、アヤ大尉は十分口説かれているように感じられていたと思いますが。……ほら、こんな風に」

 

 そう言い、取り出したデジカメに数枚のアヤの写真を映し出すオウカ。デジカメを持っていたってのも驚きだが、アヤを撮っていたってのもまた驚くな。

 

「え? オウカさん、アクセル君が口説いたっていうアヤさんってこの人? うわっ、結構美人……」

「そうね。でも、すごい露出が激しい格好をしてるんだけど……アクセル君を誘う為にこんな格好をしてるのかな?」

 

 美砂と円がそれぞれにアヤに関しての感想を言うが……散々だな、アヤ。

 いやまぁ、確かに極端なまでのミニスカートに、首や肩が剥き出しになっているような改造軍服であるのを考えれば、そういう突っ込みも理解出来ないではない。

 実際、同じように改造軍服を着ているレモンと比較しても、露出度という意味では圧倒的にアヤが上だ。

 ……その辺、良く考えると年頃の男が多いヒリュウ改やハガネのメンバーとしては目に毒以外のなにものでもないんじゃないか?

 そんな風に考えていると、不意に頬が引っ張られる。

 視線を横へと向けると、いつの間にかレモンの隣に座っていた千鶴が手を伸ばし、俺の頬を抓っていた。

 

「レモンさん達も、アクセル君のお相手は大変でしょう? こんな風に無自覚に女の人にチョッカイを出していくのを考えると」

「フフッ、その辺はアクセルと付き合っていく為には慣れていかないといけないのよ。貴方達も将来的にアクセルの恋人としてシャドウミラーに入るつもりなら、その辺をきちんと考えておきなさい」

 

 千鶴に笑みを浮かべて言葉を返しつつ、俺の腕へとしな垂れかかってくるレモン。グニュリとした柔らかく、圧倒的な感触を味わいつつも超包子特製の春巻きへと箸を伸ばす。噛んだ瞬間にパリッとした歯触りと同時に、タケノコや挽肉の入った餡が口の中に広がる。そう言えば、春巻きというのは春の材料を巻いているから春巻きと呼ぶらしいな。

 

「うわっ、ちょっとこれ。凄い……どう見ても怪獣じゃない」

「本当だ。……アクセル君、こんなのと戦ってたの?」

「怪獣?」

 

 円と美砂の言葉が気になり、そちらへと視線を向ける。するとそこには恐らくヒュッケバインMK-Ⅱのカメラに保存されていたのだろう、イェッツトレジセイアの画像をデジカメで見ている円と美砂の姿があった。あやかはと言えば、スレイと何やら話して交流を深めている。

 まぁ、シャドウミラーとしてお互いに理解しておくというのはいい事なので、問題は無いだろう。そう思っていたその時。

 

「ちょっと待てよ! 何でこいつらがシャドウミラーに入るってもう決まってるんだよ。俺はちょっとそれに納得出来ないんだけど!」

 

 レイやスティングと話していたアウルが話を聞きつけ、顔中に自分は不満を抱いてますとでも言うようにそう告げてくる。

 

「ちょっと、変な言いがかりを付けないでよね。別に私達がシャドウミラーに入ってもあんたには関係ないでしょ?」

「いーや、あるね。俺ですらも能力不足って事でまだシャドウミラーに入れて貰ってないのに、なんでお前のような普通の女があっさりとシャドウミラーに入るんだよ」

「ちょっ、誰が普通の女よ! ……いいわ、じゃあ私がどれだけの修羅場を潜り抜けて来たのかきちんと教えて上げる」

「へっ、いいのかよ? ここで俺にこてんぱんにやられたら、折角シャドウミラーに入れるってのがご破算になるぜ?」

 

 アウルの挑発としか言えないその言葉に、円もまた頬を引き攣らせながら挑発を返す。

 

「ふんっ、あんたこそ私の……私達の実力を見て、驚かない事ね!」

「おおっ、クギミーの本気モードだ」

「ちょっと美砂! クギミー言わない! ほら、行くわよ。私の力をその身に思い知らせてやるわ」

「はっ、そっちこそ女だからって手加減されるなんて思うんじゃねーぞ」

 

 そう言い、2人共が別荘の外へと出て行く。……あー、まさかあの2人の相性がここまで悪いとは思わなかったな。かと言って、このまま放って置く訳にもいかないし……

 

「近衛、桜咲、あの2人を頼めるか? 桜咲は審判で怪我をしそうになったら止めてくれ。近衛は万が一怪我をした場合の治療を頼む」

 

 ハラハラとした目でアウルと円を見送っていた近衛へと声を掛ける。

 

「うん、わかったえ。ほなせっちゃん」

「ええ。このちゃん」

「それと……えーっと、これだな。これをアウルに渡してくれ」

 

 空間倉庫の中から、模擬戦用のペイント弾が込められている銃と弾薬を取り出して桜咲へと放り投げる。

 

「それと円にも、くれぐれも本気でやるなと言っておけ」

「はい、分かりました」

 

 そう言い、近衛と共に別荘の外へと向かう桜咲。

 

「……なぁ、アクセル。あんたの口調から考えると、アウルが負けると判断してるみたいだけど……」

 

 スティングが不思議そうな顔をこちらへと向けている。幾ら治療して能力が落ちたとはいっても、見た目普通の女子中学生にアウルが負けるとは思っていないのだろう。……まぁ、確かに円が普通の女子中学生ならアウルには勝てない。だが円は、何だかんだ言いつつ魔法世界を俺と共に生き延びてきたのだ。その能力は非常に高い。同時に円自身は魔法がそれ程得意ではないが、その代わりにアーティファクトである純炎の涙は俺の従者達の中でも最も攻撃に特化したものだ。何しろ手を一振りしただけで炎が生み出され、しかも空を自由に飛べるという能力も考えると、あやかのアーティファクトである鮮血の鞭よりも総合的な攻撃力は上だろう。……まぁ、鮮血の鞭に魔法を込めれば話は別だが。

 

「そうだな。アウルと長い付き合いのお前には悪いが、あの2人が戦った場合ほぼ確実に円が勝つだろうな」

「……それは、アクセルの依怙贔屓とかじゃなくてか?」

「ああ。純粋に身体的な能力なら確かにアウルの方が上だろう。だが、アーティファクトを使った時点でその勝ち目は無くなると思っている。ああ見えて、円は色々と修羅場を潜り抜けて来てるしな。普通の人間にはまず勝ち目はない。……魔法使い。オーブの学校に通っているんだから知ってるだろう?」

「……あの女が魔法使いだってのか?」

 

 さすがに弟分のアウルの事が心配になってきたのか、そう尋ねてくるスティングだが俺はその言葉に首を振る。

 

「確かに若干の魔法は使えるが、それでも円の場合は魔法使いと呼べる程のものじゃない。良く言っても初級の魔法を幾つか使えるだけだな。魔法使いとして言えば、そこにいるあやかや千鶴の方がかなり上だ」

「そうですわね。でもその代わり、円さんは私や千鶴さんが魔法の練習をしている時にアーティファクトの方に集中していましたから」

 

 オウカやスレイと話していたあやかが、笑みを浮かべつつスティングへとそう告げる。

 そのあやかと話していた2人は円が出て行った方を若干心配そうに見ているが、肝心のあやかは特に心配している様子は無い。レモンと会話をしている千鶴も同様だ。そしていつも円と一緒にいるイメージのある美砂はと言えば、何と技術班の面々にトトカルチョを持ちかけていた。……さすがに3-A所属と言うべきか。

 

「アーティファクト?」

「魔法で仮契約という主従契約を結んだ時に、一定以上の魔力や気があれば出て来るマジックアイテムだな。そして、円と仮契約を結んでいるのは俺だ。つまり、当然の如く円はそのアーティファクトを持っている」

「……ちなみに、どんなアーティファクトを持ってるか聞いてもいいか?」

「純炎の涙という名前だな。まぁ、名前だけだとどんなのか分からないだろうが、ようは両手足に腕輪、足輪が付く。能力としては炎を自由自在に操る上に空を飛べる」

「……うわ」

 

 その効力に思わず遠い目をするスティング。弟分の末路が大体予想出来たのだろう。

 

「心配なら行ってみたらどうだ? 美砂や技術班の面々は外に行ったぞ」

 

 一気に人数の減ったパーティ会場を見回しながら告げる。

 そこでは、技術班の半分程が決闘を見に……あるいは、賭けた方を応援する為に外へと消えていた。

 

「あ、ああ。じゃあ見に行ってみる。アウルがあんな普通の女に負けるなんて、この目で見ないと信用出来ないしな。ステラ、行くぞ?」

「ステラ、行く? 行く!」

 

 1人無邪気に料理を食べていたステラが、スティングと共に別荘の外へと出掛けていく。そしてレイもまた、溜息を吐きながらその後を付いていくのだった。

 それにしても普通の女、ね。確かに俺と会うまでは普通の女だったというのは確かなんだが。……いや、麻帆良の3-Aに所属していた時点で普通と言うよりは準普通みたいな感じか?

 

「ね、アクセル。それよりも明日になったら早速ニーズヘッグの修理に取り掛かるから、後でハンガーの方に出しておいてね? あ、もちろんネオ・グランゾンから奪って来たバリオン創出ヘイロウと、胸部パーツ、それにヴァルシオン改も忘れずに。それとシロガネも色々と物足りないし、この際だから改造しておこうかしら」

 

 レモンはレモンで、自分の研究に胸をときめかせている。

 こうして馬鹿騒ぎのパーティは、その日の夜遅くまで続くのだった。

 ……尚、当然と言うべきかアウルと円の勝負は円の圧勝だったらしい。




アクセル・アルマー
LV:41
PP:0
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:509

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