転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0555話

 戦闘開始の合図と共に放たれたのは、両軍による一斉砲撃。シロガネとハガネからは双方とも連装衝撃砲が、ヒリュウ改からは連装ビーム砲が。そしてニーズヘッグからはランツェ・カノーネ2門と、ヒュドラ18門が。それ以外の機体からもビームやレーザー、弾丸とその他諸々の攻撃が放たれる。

 ヒリュウ改やハガネが最強の武器である艦首超重力衝撃砲や、トロニウム・バスターキャノンを放たなかったのは、やはり発射までに多少ではあるが時間が掛かるからだろう。

 そしてその一斉砲撃は当然修羅達からも行われ、エクスティムはその背後で腕を組み戦闘の始まりを見守っていた。

 

「ヒリュウ改、ハガネ、聞こえるか」

『ホーミングミサイルで敵正面を狙って陣形を崩せ……撃てぇっ! ……こちらは忙しい。話があるのなら急いでくれ』

『こちらも同様です。敵飛行型修羅神は装甲が薄いので対空機銃で十分対応可能です。威力のある武器は地上部隊へと向けて下さい』

 

 それぞれに指示を出しながら俺の声に反応する2人。T.T.キャノンを連続して放ち、空中で大きく弧を描きながら3機の修羅神を貫通し、そのまま爆散したのを見ながら言葉を続ける。

 

「このままここで雑魚共を相手にしていても時間の浪費でしかない。雑魚共はお前達に任せてもいいか? シロガネ以外のシャドウミラー機で、直接修羅王を討つ」

『なっ、あまり無茶を言うな! あの数だぞ!? 幾ら量産型の修羅神だとは言っても、数が違いすぎる』

 

 焦ったように告げてくるテツヤに、こちらの攻撃を潜り抜けて接近してこようとしているカメレオン型の修羅神、ボフリィ数機を拡散ビーム砲で纏めて撃破する。

 

「だからこそ、だよ。お前達ヒリュウ改やハガネが連邦軍の中では最強の部隊と知っているからこそ、あの修羅神達が俺達に攻撃を集中出来無いように任せられる」

 

 こうして話をしている間にも、お互いの攻撃は熾烈を極めている。

 幸いこちらの戦力はその殆ど全てが1流、あるいは超1流の為にダメージ自体は殆ど無い。だが、それでもテツヤの言っているように敵の数が数だ。そして、今目の前にいる敵で全てではないだろうし、何よりもこの後にはまだまだボス級の連戦が待っているのだ。ここで迂闊に戦力を消耗するのは避けたい。

 

『……分かりました』

 

 そんな中、レフィーナがそう返してくる。その様子に一瞬何かを言い返そうとしたテツヤだったが、そんなテツヤにしてもこの状況が続くと面白くない状況になるのは理解しているのだろう。不承不承頷くのだった。

 

「よし。シャドウミラー各機、今の通信を聞いてたな。これから修羅王に突っ込むぞ。マリュー、シロガネは現状の位置でヒリュウ改やハガネの部隊の援護だ」

『ええ、分かってるわ。……気を付けてなんて在り来たりな事は言わないから、勝ってきてね』

「任せろ。……全機、ニーズヘッグの周囲に展開を。ただし、量産型Wのエルアインスはシロガネの直衛としてそのままだ。ヒリュウ改とハガネの部隊は俺達の防御を頼む」

 

 その声と共に、修羅神へ向かい攻撃をしていたシャドウミラー隊が集まってくる。

 シャドウミラーの機体が抜けた事で当然攻撃が薄くなり、接近してくる敵修羅神も増えるが、そうはさせじとそれぞれの機体からの攻撃が激しくなる。

 中でもR-3パワードのストライク・シールドは近付いてくる敵に対して死角から入り込むようにして一撃を与え、バランスを崩した次の瞬間には他のストライク・シールドが纏めてタコ殴りにするというえげつない戦法で反撃していた。また、大量の犠牲を出しつつもこちらとの距離を縮めた修羅神についてはアルトアイゼン・リーゼやビルト・ビルガーを始めとした近接攻撃主体の機体が対処をしている。

 そんな様子を見ながら、同様に接近してきていた猛牛型の修羅神、フラウスを五大剣で正面から唐竹割りにしたムラタのトリニティゲインがニーズヘッグの近くに来たところでシステムXNを起動する。

 

「システムXN、起動。転移座標固定。転移フィールド生成開始」

 

 ソーディアンに突入した時とは違い、今度の転移フィールドはそれ程の範囲ではない。それ故にその生成も短時間で済み……

 

「済まない、俺もそっちに入れてくれ」

 

 ヤルダバオトがそう言いながら転移フィールドの中へと突っ込んでくる。

 通信モニタへと視線を向けると、テツヤが無言で頷いているのを確認する。

 

「分かった。転移先はエクスティムの斜め後ろになる予定だ。俺の合図ですぐに攻撃を開始するから準備だけはしておけよ」

「分かった」

 

 フォルカが頷いたのを確認し……転移フィールドの生成が完了する。

 

「転移!」

 

 その言葉と共に一瞬にして周囲の景色が移り変わる。そして目前には巨大なエクスティムの背中と、そこから生えている竜の羽の姿が。良し、転移成功だ。

 

「全機、攻撃開始!」

 

 そう告げると同時に、俺もまた腹部から拡散ビーム砲を放ち、T-LINKシステムを通してヒュドラの前方2基からランツェ・カノーネを。それ以外のヒュドラは12門のビーム砲を発射する。

 拡散ビーム砲が羽の皮膜を貫き、ランツェ・カノーネとヒュドラから放たれた幾筋ものビームがエクスティムの背中に次々と着弾する。

 だが、次の瞬間にはまるで逆戻しのように羽の皮膜が回復しているのを見て思わず舌打ち。ここまで高い再生能力を持ってるとはな。

 そんな中、他の機体からも次々に攻撃が放たれてエクスティムへと着弾していく。ヴァイスセイヴァーのO.O.ライフルが、ラピエサージュのO.O.ランチャーが、アシュセイヴァーのハルバート・ランチャーが、ヒュッケバインMK-Ⅲのグラビトン・ライフルが、ヒュッケバインMk-ⅡのGインパクト・キャノンが、エルアインスのツイン・ビームカノンが、トリニティゲインのゼネラル・ブラスター、ヴァイサーガの地斬疾空刀がその背後から次々に襲い掛かる。

 

「があああああっっっ!」

 

 さすがにアルカイドにしても、転移して背後から奇襲攻撃を仕掛けるというのは予想外だったのだろう。下半身の竜のような部分も含めて大きいダメージを受けているのが分かる。

 

「ムラタ!」

 

 ツイン・ドライブをT-LINKシステムでコントロールし、エクスティムとの間合いを急速に狭めながらシャドウミラーで最も近接攻撃を得意としているムラタへと声を掛ける。

 

「おう!」

 

 ムラタにしても近接戦闘で自分に声が掛かると分かっていたのだろう。右手に五大剣、左手にシシオウブレードの二刀流でその背中へと斬りかかっていく。

 

「アダマンハルパー、起動! ナイン・テールモード!」

 

 その声と共に、9条の鞭と化したアダマンハルパーが振り下ろされ、下半身の竜の尾を切断し、その胴体に関しても幾筋もの切り傷を付けていく。

 さすがに巨体である為に足を含めて切断することは出来なかったが、それでも一連の攻撃はかなりのダメージを与えたのだろう。エクスティムは確実にその姿をよろめかせる。そして……

 

「きえええぇぇぇぇっっっ!」

 

 甲高い掛け声とともに振るわれた五大剣。それが竜の後ろ足を切断した。

 同時に突き出されたシシオウブレードが、エクスティムの下半身の竜。その胴体部分へと突き刺さるが……

 ゾクリ。その瞬間に感じた悪寒に従い咄嗟にヒュドラのスラスターで後方へと跳躍。同時に叫ぶ。

 

「ムラタッ、退けぇっ!」

「ぬっ!」

 

 その声に咄嗟に反応したムラタはさすがに一流のパイロットと言えるだろう。その一瞬の判断の早さがムラタの命運を分けることになった。背後へと跳躍したその瞬間、エクスティムの人型の部分から裏拳気味に振るわれた拳がトリニティゲインの装甲を削ったのだ。……拳が当たった訳でも無い。ただの風圧で、だ。あるいは覇気の類が使われていたのかもしれないが。

 

「なるほど。アルティスに土を付けただけの事はあるようだな。今のうぬの一撃も、その後に続いた斬撃もその辺の修羅神では受け止める事すら出来無かっただろう。だが、このエクスティムは天級修羅神。その辺の修羅神と一緒にされては困る」

 

 少なくないダメージを受けたにも関わらず、エクスティムはそれを感じさせない動きで振り向き、睥睨するように俺達の方へと視線を向ける。

 

「残念だが、俺がここにいる時点で俺達の勝利。お前の負けは決まったようなものだ。俺の機体名はニーズヘッグ。嘲笑する虐殺者。神々の起こした終末戦争すらも生き抜いた竜の名を持つ機体だからな。その機体を操っている俺がこんな所で負ける訳にはいかない」

 

 自信あり気に告げるが、別に本当に楽勝で勝てるとは思ってはいない。ニーズヘッグの4倍はある機体からは、それくらいの威圧感が発せられているのだから。

 

「……ふむ、確かにうぬからは他の者と違う何かを感じるな。だが、我とて修羅の王。そう易々と倒れる訳にはいかん」

「なら始めようか。修羅の行く末を決めるべき戦いを」

 

 そう告げた途端、エクスティムの巨大な拳が降り注ぐ。速度自体は小型機である俺の方が圧倒的だが、その破壊力は想像以上のものだろう。

 だが、俺は連続して降り注いでくるその攻撃をT-LINKシステムを最大限に発揮し、操縦するよりも反射的な動きを用いてヒュドラのスラスターを使い、回避し続けていた。

 

「確かに威力は十分だが、当たらなければどうという事はない。そして……いけっ!」

 

 その言葉が、今にも飛び出しそうだったフォルカにも届いたのだろう。地を蹴り俺への攻撃を連続で行っていたエクスティムの懐へと入り込みその拳と蹴りを連続して放つ。

 

「はあああぁぁぁぁっ! 機神双獣撃!」

 

 トドメとばかりに放たれたその一撃は、獣を象ったエネルギー波となりエクスティムの竜の胴体へと命中し、まるで羽化するかの如くその機体の内部を破壊して消えて行く。

 さすがに内部からの一撃は堪えたのだろう。その動きが数秒ではあるが止まったその瞬間。

 

「ついでにこれも食らえ!」

 

 エクスティムの拳を回避し続けていたニーズヘッグは、当然その間合いの内側にいた。その状態でヒュドラから18本のビームサーベルを展開し、エクスティムの巨体の真下へと入り込み、連続して斬り付けていく。6基のヒュドラ全てがT-LINKシステムにより個別に動き、ムラタに1本切断され、残り3本となった足の内2本を斬り捨てる。同時に腹部の拡散ビーム砲と頭部ビームバルカンも発射。竜の部分の胴体の下側から連続して攻撃し、深いダメージを与えていく。そして。

 ドォンッ!

 ニーズヘッグがエクスティムの真下を通り過ぎ、抜け出した次の瞬間。身体を支えていた3本の足のうち2本を失ったその巨体は立っている事が出来ず、轟音を立てて地面へと崩れ落ちる。

 

「今だ、全機再度全力で攻撃しろ!」

 

 俺の指示に従い、先程同様の……いや、より高い威力の攻撃を連続して放つシャドウミラー隊各機。

 俺もまた同様に後方のヒュドラからメガ・バスターキャノンとグラビトン・ランチャーを地面に崩れ落ちて連続してビームやレーザー、弾丸といったあらゆる攻撃を食らっているエクスティムへと向かいトリガーを引く。

 放たれる巨大なビームと、重力波砲。その一撃がエクスティムへと命中し、巨大な爆発を引き起こし……

 

「やった……のか?」

 

 ムウがフラグ満載の台詞を口にした時。

 

「まだだ! 気を引き締めろ!」

 

 魔女とまで呼ばれた戦士としての勘、あるいは女の勘なのだろう。コーネリアが鋭く叫び、周囲へと注意を促す。

 

「そこの女の言う通りだ。奴の覇気は殆ど衰えてはいない。いや、それどころかより強くなっていく」

 

 フォルカが若干震えるような声で叫び、同時に爆発の中から楽しそうな愉悦を滲ませた声がオープンチャンネルで聞こえてきた。

 

「くっくっく。まさかこの天級のエクスティムに膝をつかせるとはな。多少……いや、かなりうぬ等の力を見くびっておったわ。うぬ等の覇気。そして我が覇気により……今こそ神化の時だ、エクスティム!」

「馬鹿な、神化だと!?」

 

 フォルカの驚愕の声が響く中、先程の集中攻撃による爆発の影響で舞い上がっていた粉塵へと赤い光が集まり……次の瞬間、眩く輝く。

 そして粉塵の中から姿を現したのは、これまでのエクスティムに比べると大分小さくなっていた。その理由はやはり下半身の竜がエクスティムに吸収されたかのようになっていた為だろう。全長自体はそれ程差はないが、竜の部分が吸収された事を考えるとその重量は100t近くは軽くなっていると思われる。だが人馬……いや、人竜から普通の2足歩行型になり質量は減ったにも関わらず、迫力は逆に増している。

 

「このエクスティムもうぬ等の力を認め、こうしてラハ・エクスティムへと神化した。この力、修羅王の力。阿修羅の頂点へと届くこの力、見せてやろう!」

 

 その声と共に、修羅王との戦いの終盤戦が始まるのだった。




アクセル・アルマー
LV:40
PP:585
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:504

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