転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0549話

「……さて。フィオナ達の騒動で中断されていた話を続けさせて貰おうか」

 

 そう言ったのはキョウスケだ。

 ここはテスラ研にあるブリーフィングルームの1つ。そこにシロガネで会談した時と同じ面子が揃っていた。キョウスケの言葉に続いてギリアムが口を開く。

 

「とは言っても、時間も迫っているから単刀直入に聞かせて貰おう。シャドウミラーの技術があれば、君達だけでソーディアンへと転移する事は可能だろう。……システムXNもあるだろうしな」

 

 ちっ、さすがにギリアム。こっちの手口を見透かしているな。……まぁ、システムXN。つまりアギュイエウスに関しては元々ギリアムの所有物だったんだ。それも無理はないか。

 

「それなのに、何故わざわざ私達に協力を要請する?」

「そうだな、確かに俺達の戦力でもソーディアンの攻略作戦は可能かもしれない。だが、もし俺達だけでソーディアンを攻略したとする。そうするとシャドウミラー……というよりも、俺達が所属している事になっているイスルギ重工の名声がこれまでになく高くなるだろう。何しろ地球を守る為の連邦軍が攻略出来なかったソーディアンを攻略するんだからな。その場合、戦後に何が起こると思う?」

「何と言われても……これまでよりもイスルギ重工の商品が売れるようになるのでは? それこそ、イスルギ重工にとっては歓迎すべき事だと思いますが」

 

 レフィーナの言葉に、その場にいる者達も同感だとばかりに頷く。……数少ない例外を除いて。本来はその数少ない例外に入っていなければならないのだが、事態を分かっていない人物へと視線を向ける。

 

「テツヤ・オノデラ。お前達の現在の上司は……さて、どう思うだろうな」

「っ!? そ、それは……」

 

 その言葉で俺が何を警戒しているのか理解したのだろう。キョウスケやギリアム、レーツェルといった勘の鋭い者達は頷いている。

 

「あのケネスの事だ。当然面白くないだろうな。それだけならいいが、連邦軍の面目を潰されたとあってはケネスだけではなく、その上も動く可能性がある。それこそ、イスルギ重工から俺達を接収するとかな」

「……グラスマン大統領」

「正解だ、ギリアム。そしていくらこの世界でトップクラスの軍事企業であるイスルギ重工にしても、さすがに連邦軍と戦える訳も無い。そもそもイスルギ重工は会社であって軍隊じゃないしな」

 

 まぁ、ある程度の部隊は揃えているだろうし、ホワイトスターに存在するメギロートの群れを使えば物量でどうにか出来る可能性は高いが……そもそも商売人でもあるミツコはそんな事態を望まないだろう。

 

「連邦軍の面子を保つ為、俺達も共にソーディアンへ転移しろと?」

 

 元々寡黙と言ってもいいキョウスケが、さらに不機嫌そうに呟く。

 そんなキョウスケの言葉に小さく首を振りながら口を開く。

 

「ちょっと違うな。確かにお前達以外の連中ならその方法を考えただろう。それこそ面目を保つ為なら、シロガネのブリッジに連邦軍の将校を1人放り込んでおけば共同でソーディアンを攻略したという大義名分は立つんだ。だが、お前達はそんな奴等とは違う。これまで幾度となく俺達の前に立ち塞がってきた、名実共に地球圏最強の部隊の1つだ」

「……ふんっ、散々お前にやられてきたがな」

「それでも、結局は誰1人欠ける事無くここまで戦い抜いてきただろう。それ程の戦力を持つお前達を、人数合わせや面子を保つ為だけの戦力として使うつもりは無い。お前達には戦力として期待させて貰う」

 

 何しろ修羅王以外にもラスボスクラスが連続して現れるのだ。こっちの戦力が多いに越した事はない。

 そんな風に考えている俺の内心に気が付いたのか、あるいは気が付いていないのか。とにかく、レフィーナとテツヤはお互いに視線を交わして小さく頷く。

 

「シャドウミラーとしての考えは分かりました。それで作戦の実行はいつ?」

「そうだな……」

 

 レフィーナの声に考える。

 向こうに転移するだけならいつでも可能だ。それこそ、1時間後にと言われればすぐにでも。だが、エクサランスのライトニングフレームとエターナルフレームの最終調整。さらにはフィオナの回復。そして、この後に来る筈のGサンダーゲートの襲撃。特に最後の件に関しては、上手く行けばデュミナスの戦力を削る事が出来るかもしれないだけに重要だ。そして……

 

「イェッツトレジセイア、か」

 

 ポツリ、と呟いたその単語にキョウスケが反応する。

 まぁ、あからさまにレジセイアとかアインスト系の名前が入っている以上はしょうがないか。

 

「何だ、それは」

「連邦軍のとある部隊がアインストレジセイアを捕獲して、改造したのが暴走してるんだよ」

「何ですって!?」

 

 レフィーナの叫びがブリーフィングルームへと響き渡った。

 同時に、向こう側のメンバー殆どが同様に驚愕の表情を浮かべている。

 

「何でお前がそんな存在を……まさか!?」

「違う。勘違いをするな。この件に関しては俺は全くの無関係。むしろ被害者と言ってもいい程だぞ」

 

 今までの行動が行動だから疑われてもしょうがないが、鋭い視線を向けてきたキョウスケにそう告げる。

 

「俺の新型機は覚えているな?」

「当然だ。あれ程に特徴的な機体をそうそう簡単に忘れる訳がないだろう」

「あの機体はつい最近ロールアウトしたばかりでな。当然の如くT-LINKシステムが搭載されている」

 

 正確に言えばT-LINKフレームなんだが、平行世界間の技術を融合して作られたシャドウミラー独自の技術で、当然の如く最重要機密だからT-LINKシステムで通させて貰う。

 

「それも兼ねて暫く前に機体のテストをしていた時に、T-LINKシステムが妙な念を感じ取ってな。そこに向かったらどこぞの公に出来ない部隊の研究所だった訳だ。そしてそこでイェッツトレジセイアとかいうのが暴れていた。ちなみに、アルフィミィと会ったってのはそこでだな。アインストとしての性質はあったらしいが、今ではアルフィミィが語りかけても反応しないらしい。元の同胞として何とかしてやりたいとか言って、俺が倒しきれなかったそいつを追っていった」

「……待て。お前が新型機で倒しきれなかったのか?」

「それはしょうがないわよ。本当に、アクセルが機体の調子を確認する為に動かしていたんだから、機体性能を100%発揮出来る状態じゃなかったんだし」

 

 俺達の話を聞いていたレモンがそう告げ、キョウスケも納得したように頷く。

 

「ちなみに、その研究所にはグランゾンの開発者もいて、シュウ・シラカワが出没していたぞ」

「シラカワ博士が?」

「ああ。もっとも、純粋にその開発者に会いに来ただけだったらしいけどな。で、そのイェッツトレジセイアだが。何かあってそいつがどこかで暴れ出したりしたら、お前達のような特化型戦力が無いとどうにもならないだろう?」

「……確かにアインストレジセイアの同類だとすれば、一般の連邦軍部隊で相手をするのは難しいだろうな」

 

 カイが苦い溜息を吐きながら呟く。

 実際にアインストと戦ってきたからこその意見なのだろうが、確かに一般の連邦軍の部隊でイェッツトレジセイアに対応するのは非常に難しい。何しろ、自分の分身であるイェッツトクノッヘンやイェッツトグリードを大量に生み出す能力を持っているのだ。イェッツトレジセイアに対抗する為に必要なのは数だけが多い連邦軍ではなく、分身を生み出させない為に一気に片付ける質としての能力だ。そういう意味では、ヒリュウ改、ハガネ、そしてシャドウミラーである俺達以上の適任者はいないだろう。敢えて他に上げるとするなら今追跡をしているだろうクライ・ウルブズだろうが、パイロットの能力が高くても量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改が最高性能で、尚且つ2機しか配備されていない状況ではどうしようもない。

 

「そうなると、ソーディアンに対する攻略作戦を実行するのはイェッツトレジセイアをどうにかしてからということになるのか?」

 

 レーツェルが尋ねてくる言葉に頷く。

 

「クライ・ウルブズ。この部隊名に聞き覚えがある奴もいるな?」

 

 その言葉に、カイとラミアがピクリと反応するのを見ながら言葉を続ける。

 

「俺が最初にイェッツトレジセイアに接触した時に、そいつが改造されていたと思しき施設を守っていたし、イェッツトレジセイアとも戦っていた。その施設の責任者の性格から考えると、まず間違い無く追撃に出されているだろう」

 

 正確に言えばツェントル・プロジェクトの責任者に関しては実際に自分で確認した訳じゃなくて、あくまでも原作知識故なんだがな。この辺は上手く誤魔化すしかないだろう。

 

「……分かりました。そのクライ・ウルブズに関してはこちらでも情報を集めてみましょう」

「俺からの話は以上だ。何か聞きたい事があれば答えるが? もちろん、答えられる範囲に限りはあるが」

 

 その言葉に、最初に口を開いたのはイルムだった。

 

「お前さん達が勝手に持っていって使っているヒュッケバインMk-ⅡやMK-Ⅲに関しては、こっちに返して貰えるのか?」

「さて、その件についてはイスルギ重工を通して連邦軍の方に話は通っているだろうからな」

 

 ギリッと歯を噛み締めるイルム。

 続いて口を開いたのはギリアムだった。

 

「修羅に対して新天地を用意すると言っていたが。それは具体的に何処なのかを聞いても?」

「そっちに関しては、悪いが言えない。ただ、安心して欲しいのは誰か人の迷惑になるような場所じゃない。それに関しては断言してもいいだろう」

「……どのような場所なのかを教えられないにも関わらず、誰の迷惑にもならない場所だというのを信じろ、と?」

「こちらとしてはそれ以上の情報は言えないな」

「何故ですか?」

 

 俺とギリアムの話に割り込んできたのは、レフィーナだった。

 不思議そうな表情で俺へと視線を向けている。

 

「何故、とは?」

「ギリアムさんと同じ質問です。修羅に提供する場所が人の迷惑になるような場所ではないのなら、何故私達に明かせないのですか?」

「シャドウミラーの最重要機密と言ってもいい内容だからだ」

 

 何しろ、次元の狭間にあるホワイトスター。そしてそこに設置されているリュケイオスは、今のシャドウミラーの根幹を為すと言ってもいいだろう。それを迂闊に他人に……それも、ケネスの部下であるこいつらに教える訳はいかないのだ。いや、ケネスの指揮下にあるのはハガネだけだったか。それでもそれをここで言えないのは当然だろう。

 そして何よりも拙いのは、シャドウミラーを元々率いていたヴィンデルの狙いが多数の平行世界に争いをもたらすというものだった事だ。今の俺達は、やろうと思えばそれを成し遂げる事が容易に出来る。いや、次元の狭間に本拠地であるホワイトスターを構えているのを考えると、ヴィンデルが構想していたものよりも尚大規模に行う事も可能だろう。

 

「ただ、そうだな。確かに何もかもを隠したままだと信用は出来ないか。……俺達に協力をしているフィリオが全てを納得した上で、まだシャドウミラーに留まっている。こう言えば少なくても無用の疑いは抱かなくてもいいんじゃないか?」

「それは……」

 

 フィリオの性格を知ってるからこそ、それ以上の追究が出来ないレフィーナやギリアム。

 それに対してオウカもまた口を開く。

 

「そちらから脱走同然で抜け出してシャドウミラーに所属する事になった私が言ってもあまり説得力は無いかもしれませんが、私の知っている限りにおいてもシャドウミラーが修羅の方達へと提供する場所は全く問題の無い場所となっています。それに関しては、恐らくいずれ知る事もあるかもしれませんが……」

 

 オウカがそう言い、さらに口を開こうとした時。突然通信画面が開かれる。

 

「すまない、緊急事態だ。現在、何者かがテスラ研に急速に近づいて来ている。こちらの通信に答えないところを見ると、恐らく……いや、まず間違い無く敵だろう」

 

 通信に映ったジョナサンからの報告に、ブリーフィングルームの中が俄に騒がしくなる。

 しかし……敵? 今のジョナサンの話だと普通に近づいて来ているらしいが……原作でなら、確かこの時に来るのはアルティスとアリオンだった筈。そしてここでソーディアンズ・ダガーを入手して……いや、待て。違うな。なるほど、アルティスは現在俺達と手を組んでいる。そうなるとアリオンだけで攻めてくる筈も無い。となると……デュミナスの方か。デュミナスの戦力を減らすのと、あとはGサンダーゲートの奪取。これを見逃す手はないな。

 

「取りあえず話についてはここまででいいだろう。誰が攻めてきたのかは知らないが、この戦力の中にわざわざ向かって来るんだ。盛大に出迎えの準備をしてやろう」

 

 そうして、俺達もまた出撃の準備を開始するのだった。




アクセル・アルマー
LV:40
PP:420
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:471

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