転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0494話

 俺とスレイ、ムラタでバルトールの群れと戦っていた時に突如戦場へと乱入してきた黒い戦艦。艦首にドリルを付けたその戦艦の名前はスペースノア級参番艦のクロガネだ。そのクロガネがドリルを回転させながら残っていたバルトールを蹂躙し、一網打尽にしていく。

 

『こちらクロガネ艦長、レーツェル・ファインシュメッカー。聞こえているか、スレイ・プレスティ』

 

 そしてオープンチャンネルで聞こえて来るエルザム……否、レーツェルからの通信。

 チラリとスレイがモニタ越しに俺の方へと視線を向けてきたので、小さく頷いてやる。

 

「聞こえている。エルザ……いや、レーツェル」

『我が友の妹を死なせる訳にはいかないと思い、無粋だが戦闘に乱入させて貰ったが……1つ聞きたい。そこのシシオウブレードを持っているガーリオン・カスタムと、ミロンガ。君はその2機とはどのような関係だ?』

 

 バルトールの残骸が浮かんでいる中、クロガネと向かい合うミロンガ。そしてその左右に控えるカリオンと無明。見ようによっては……と言うよりも、どう見ても俺がスレイとムラタの2人を従えているようにしか見えないだろう。

 

「ふむ、そうだな。一言で言えば戦友……と言ったところか?」

『そこのミロンガはともかく、ガーリオン・カスタムの方とはとてもそんな関係を築けるようには思えないのだがな』

 

 まぁ、問答無用で襲われた経験があればそうもなるか。スレイにも視線でどう言うことかと説明を求められている。

 しょうがない、フォルカ達が来るまで暫く時間稼ぎに付き合うとするか。

 変声機がきちんと動作しているのを確認し、オープンチャンネルへと繋げる。

 

「聞こえるか、クロガネ艦長レーツェル・ファインシュメッカー。こちらはムウ・ラ・フラガ。イスルギ重工のテストパイロットだ。臨時的ではあるが、この部隊の指揮官を務めている」

『聞こえてはいるが……音声のみとなっているのは何故かな?』

「悪いがその辺に関してはイスルギ重工のテストパイロットとして機密やら守秘義務やらと色々あってな。それよりもガーリオン・カスタムに関してだが、あの機体に乗っているパイロットは元々傭兵だった男だ。地上でお前達と戦った時を含めて、な」

『ほう。そうするとやはりあの時の戦いに割って入ったのは貴公だったか』

「そうなるな」

『それで傭兵だった……過去形なのはどういう意味なのかな?』

「何、それ程難しい話じゃない。今の奴の立場は俺の部下だというだけでな」

『馬鹿なっ!』

 

 クロガネから響いてきたのは、たった今まで話していたレーツェルの声ではなくゼンガーの声だった。その声には驚愕が色濃く含まれている。

 

『あのような己の楽しみに相手を斬る者が、そうそう容易く道を改めるとは思えん!』

 

 まぁ、あの時の戦いを経験していればそうも思うか。

 

「ゼンガー・ゾンボルトか。確かにお前の言っていることはある意味で正しい。実際奴はあのままであれば修羅の道へと進んでいただろうからな。だが、その前に俺が奴の骨子とでも言うべき強さをへし折ってやった。それ故に今の奴は以前とは似て非なる存在と言ってもいいだろう」

 

 強さを求めるというのは変わらないがな。

 

『奴の強さをへし折った、だと?』

「ああ。生身でも、機体を使ってでもな」

『……よかろう。今は取りあえずその話を信じよう』

「それは何よりだ。……さて、クロガネの諸君。バルトールがどこから来るのか、そしてその本拠地が何処なのか……知りたくはないか?」

『貴公がそれを知っていると?』

 

 ゼンガーに代わり、再び通信にでたレーツェルの言葉を否定する。

 

「俺ではないがな。スレイ」

「了解した。このデータを受け取れ。奴等の本拠地、ヘルゲート。その位置と概要だ」

 

 俺の言葉を受けて、クロガネへとデータを送るスレイ。

 

『ここにバルトールが……ユルゲン博士がいるのか』

「そうなる。既にヒリュウ改にはこのデータを送ってあるから、お前達も……」

『レーダーに反応! こちらに向かって来る熱源を確認。数は14!』

 

 俺の言葉を遮るようにしてクロガネのオペレーターの声が響く。

 時間稼ぎは十分だった、か。

 

「ここで2手に分かれて戦っても向こうの思う壺だ。ここは共闘と行かないか?」

『……正直、私はスレイ・プレスティはともかく貴公達を信じられない。だが、確かに数で来られて三つ巴になるのもまた馬鹿らしい。この一時は貴公達を信じよう。ただし! 私達を欺くというのなら、それ相応の覚悟はしてもらうぞ』

 

 通信画面越し、サングラス越しでも分かる程の鋭い視線をこちらへと送ってくるレーツェル。俺の方の顔は見えないだろうに、その視線は俺の顔を捉えているようだった。

 

「了解した、疑いは行動で晴らして見せよう。それよりも……来たぞ」

 

 その言葉と同時に、宙域へと侵入してきた敵機の数々。その殆どはガロイカであり、違うのは修羅神が2機にデュミナスの部下でもあるヒュポクリシスの合計3機のみか。

 

『あ、あいつ等は……この前の髪の毛!』

 

 既にヤルダバオトと接触したのか、クロガネとの回線からラウルの声が聞こえて来る。

 そう言えばコウタが妹を連れ去られて、それを追っていった所で遭遇したんだったか。

 

「さて、共闘するつもりがあるのならそちらもそろそろ出撃してはどうだ? 奴等は待ってはくれないぞ」

 

 いや、デュミナス一派の目的は時流エンジン。即ちエクサランスだ。そう言う意味では出撃してくるのを待ってくれるのかもしれないが。

 

『了解した。全機、出撃を! カリオンを含む3機と共闘する!』

『……了解しました。しかし、奴等がこちらを裏切った場合は相応の対処をさせて貰いますが、構いませんね?』

『ああ。君が警戒をしてくれると私としても助かる』

 

 通信回線を通して聞こえて来るブリッジでやり取りをしていると思われるエルザムとユウキの会話。

 ……いや、これは敢えてこちらに聞かせる事で牽制していると見るべきだろうな。

 

「との事だ。スレイ、ムラタ。俺達の敵はクロガネじゃない。相手を間違えるなよ。その場合は背後から撃たれるだろうしな」

「分かっている。そんな卑怯な真似をする筈がないだろう」

「俺としても了解した。今は奴等よりも向こうの方が気になるからな。……特に、あの2機。こうして見ているだけでも強さがピリピリと感じられる」

 

 シシオウブレードの柄を握り、いつでも抜けるようにしながら修羅神2機へと無明の顔を向けているムラタ。

 そしてやがてクロガネからもダイゼンガー、エクサランス・コスモドライバー、ラーズアングリフ・レイブン、ランドグリーズ・レイブンの合計4機が出撃してくる。

 同時に、それを待っていたかのように――実際に待っていたのだろうが――動き出す敵機。だがその矛先は全てがクロガネ……というよりも、エクサランスへと向いていた。

 

「やれやれ、時流エンジン狙いならグロウセイヴァーがあればこっちに意識を集中させることも出来たのかもしれないが……まさかラウルやユウキ達の前で出す訳にも行かないしな。ムラタ、お前はあの髪の毛の機体を相手にしろ。奴はこの世界の基準で考えればかなりの強者だ。腕を磨くには絶好の機会だろう」

「承知!」

 

 ムラタが短く叫び、無明の両肩についている大型ブースターを全開にしてヤルダバオトへと突っ込んでいく。その手には既にシシオウブレードが抜き放たれており、気合いの声と共に斬り付け、それをヤルダバオトは紙一重で回避して拳や蹴りを放つといった具合に互角にやり合っていた。

 その姿を見送り、スレイへと通信を送る。

 

「スレイ、お前はアーチンを相手にしろ」

「なっ! アクセル、私を侮辱するのか!? 何故私が雑魚の相手なのだ!?」

 

 プライドの高いスレイにとっては敵の指揮官ではなく雑魚敵であるガロイカの相手を命じられたのが屈辱だったのだろう。目付き鋭く俺を睨みつけてくる。

 

「しょうがないだろう、カリオンのような戦闘機では奴等の相手は厳しい。1撃食らったら終わりのお前にそんな危険を冒させる訳にはいかないんでな」

「だ、だがっ! 装甲の薄さで言えばアクセルのミロンガも似たようなものの筈だ!」

 

 まぁ、確かにミロンガとカリオンは防御力だけで考えればそれ程の差はない。若干ミロンガの方が上だが、それも殆ど誤差の範囲内だ。だが……

 

「言っては悪いが、パイロットとしての腕が違う。例えお前がプロジェクトTDのNo.1だとしても、シャドウミラーの実行部隊を率いて戦乱を潜り抜けて来た俺とお前とではどうしても操縦技術に差が出るんだよ」

「ぐっ……」

 

 技量の違いに関してはスレイ自身も感じ取っていたのだろう、言葉を詰まらせて俺へと鋭い視線を向ける。

 

「心配するな、シャドウミラーに所属すれば嫌でも腕は上がるだろうさ」

 

 コーネリア、ムウ、イザーク。シャドウミラーの武力を司る部隊は人数こそ少ないがその実力は折り紙付きだ。そして生身の戦いに関してなら麻帆良勢に訓練を付けて貰えば相当に腕は上がる筈だしな。

 

「だから今回は俺の指示に従っておけ。……くれぐれも、シロガネ奪取作戦の時のような勝手な真似はするなよ」

 

 脳裏に過ぎるのは、シロガネ奪取作戦時にアイビスへの対抗心からこちらの指示を無視して半ば暴走に近い状態で戦闘を挑んだあの時の事だ。

 あの時はアイビスに対して極端なまでの対抗心を持っているという原作知識のおかげで最悪な事態にはならなかったが、ここで同じような事をされたら洒落にならない。

 

「……了解した。取りあえず今回はアクセルの指示に従っておく。だがいずれ私の腕を認めさせてみせよう」

「ああ、そうしろ。お前が十分に強くなったのなら俺も相応の扱いをさせてもらうよ」

 

 最後に再び強く睨み、ガロイカへと突っ込んでいくカリオン。

 それを見送った後にミロンガを俺の目標でもある馬面の修羅神、アガレスへと向けてスラスターを噴射させながらクロガネへと通信を送る。

 

「クロガネ、聞こえているか? 見ての通り髪の毛はガーリオン・カスタムが。馬面は俺が引き受ける。クロガネの部隊は翼と腕が4つずつある機体とアーチンの相手をしてくれ」

『それではそちらの負担が大きいと思うが……いいのかね?』

 

 アガレスとの距離が次第に縮まっていくが、向こうも俺を待ち受けているのだろう。動かずにこちらの様子をじっと見ている。

 

「知っての通りガーリオン・カスタムのパイロットは個人戦闘に特化していると言ってもいい。迂闊に手を出せばそいつが斬られるぞ。そして俺の相手である馬面の敵は見るからに高速戦闘用の機体だ。クロガネに所属している者達にとっては厄介だろう。なら同じ系統のミロンガを操る俺が相手をするのが一番いい。……その代わり、あの4本腕は任せるぞ」

『承知した。各機、聞いていたな? ムウの提案を受けるから皆そのように。ゼンガーとラウルは4本腕を。ユウキとカーラは2人の援護をしながらアーチンの撃破を担当しろ。クロガネは適時援護に入る』

 

 その通信にラウルが若干不満そうな声を上げているのを聞きつつ、ビームソードを抜き放ちアガレスの馬面目掛けて斬りかかる!

 

「おっとぉっ! そんな直情的な攻撃じゃ、自由な風は捉えられないぜ?」

 

 オープンチャンネルで聞こえて来るそんな声。

 

「だろうな。この程度で捉えられるとは思っていないよ。だが……お前も、ミロンガをそう簡単に捉えられるとは思わない事だ!」

 

 ビームソードを振り切った勢いでスラスターを全開にして強引に反転。そのまま左手にストレイト・マシンガンを武器ラックから取り出して銃口をアガレスの特徴的な馬面へと向けてトリガーを引く。

 銃口から放たれた弾丸の数々を、機敏にスラスターを吹かして回避するアガレス。その運動性能はさすがと言うべきだろう。

 

「次はこっちから行くぜ!」

 

 その台詞と共にアガレスから連続して放たれる拳と蹴り。修羅神として言えば屈指の機体性能を持つ轟級修羅神であるアガレスの機体性能と、修羅の中でも上級修羅であるアリオン。その2つが合わさった攻撃はさすがと言うべき鋭さを持っている。だが……

 

「集中」

 

 精神コマンドの集中を使用し、止まっている……という程ではないが、それでもゆっくりとした動きに見えるその攻撃をミロンガで回避するのはそう難しくはなかった。

 

「ちぃっ、こいつは並じゃねぇなっ!」

 

 右手にビームソード、左手にストレイト・マシンガンを持ったままアガレスの攻撃を回避し、その隙を突くかのようにこちらからもビームソードの一撃を振り、あるいはストレイト・マシンガンを発射する。

 

「っとぉ! さすがって奴だね」

 

 アガレスもまた、こちらの攻撃を尽く回避して距離を取る。

 ……ちっ、さすがに轟級修羅神と言うべきか。運動性能はミロンガと大差ない上に、装甲はこっちよりも相当に厚いか。

 俺もまた、一旦アガレスから距離を取って睨み合う。

 

「この世界にも、これ程腕の立つ奴がいるとは思わなかったけど……それでも修羅として負ける訳にはいかないんでなぁっ!」

「来い、力の差というものを教えてやる!」

 

 再び宇宙空間でミロンガとアガレスがぶつかり合う!




アクセル・アルマー
LV:40
PP:195
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:426

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