転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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スーパーロボット大戦OG外伝編
0470話


「……随分と久しぶりに見る機体だな」

 

 俺の視線の先にいるのはアンジュルグ。かつてはW17と呼ばれ、現在はラミア・ラヴレスとなった存在が操っている機体だ。そしてその周囲には3機の量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ……いや、違うな。あの3機は通常の量産型ではない。フォルム的に差異がある。3機ともテスラ・ドライブ搭載機で、少し離れた所にはレイディバードが墜落しており、同時にその近くには通常の量産型ゲシュペンストMk-Ⅱが。

 

「あぁ、なるほど」

 

 そこまで確認して現状を理解する。確かOG外伝の序盤にあったステージだ。カイ、ラミアの特殊戦技教導隊とアルベロ、ヒューゴのクライウルブズによる量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改を使った模擬戦の途中で、アルベロの息子であるフォリアが護衛しているレイディバードがDC残党……いや、ノイエDC残党に襲撃された訳だ。

 そしてアンジュルグの周囲に浮かんでいる量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改は、ゲシュペンストの強化計画であるハロウィン・プランで先行生産された3機か。

 ……欲しいな。

 あの量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改は性能的にはエルアインスに匹敵するものがある。正直、シャドウミラーとして非常に欲しい機体ではある。元々の世界でヴィンデルが一時期使っていた機体だったが、あの当時はラングレー基地に所属しておりそこから特殊部隊隊長としての権限を使って半ば強引に借りていた機体だった。その為、シャドウミラーとしての基地に引っ越す際に機体は返却。機体情報のデータに関しても機密情報の関係上完全に消去しているので、ある意味幻の機体と言っても間違いではないのだ。だが……

 

「そうもいかない、か」

 

 それでなくてもマオ社から色々と入手する予定になってるのだから、ここで騒ぎを起こすのは拙い。

 そんな風に思っている俺の視線の先で、いよいよ戦闘が始まった。

 とは言っても、片や一般的な敗残兵。片やレモンに自らの最高傑作とまで言わせたラミアと、初代特殊戦技教導隊のメンバーだ。残りの面子にしても特殊部隊のクライウルブズ。殆ど勝負になるような事はなく一方的に撃破されていくノイエDCの残党達。

 バレリオンやヘビーバレリオンがその特徴的な頭からレールガンを発射し、あるいはミサイルを発射して後方から援護をしている。そこに空中からリオンとソルプレッサが。地上からはランドリオンが襲い掛かるが……

 

「腕も機体性能も違いすぎるな」

 

 アンジュルグから発射されたイリュージョン・アローや、スプリットミサイル、レクタングルランチャー、メガ・ビームライフルといった攻撃でその殆どが撃墜される。辛うじてその攻撃を回避したソルプレッサにしても、ジェット・マグナムを近距離から放たれてはどうする事も出来ずに空中で爆散する。

 

「……さて、取りあえず見学はこの辺にしておいた方がよさそうだ」

 

 戦闘が終われば当然周囲に敵の残存部隊がいないか確認するだろう。その時に見つかりでもしたら厄介だからな。それにしても……

 

「まさかOG外伝の真っ直中に現れる事になるとはな。トラブル体質云々って問題じゃないような気がするが」

 

 思わず溜息を吐きながら樹の影に隠れるようにして戦場になっている場所から距離を取っていく。

 あの戦闘が起きているという事は、ここは確か南欧。つまりは南ヨーロッパな訳だ。そうなるとまずイスルギ重工までの足を確保する必要がある訳だが……まぁ、それに関しては心配いらないか。

 脳裏に空間倉庫のリストを表示し、ソルプレッサを選択。すると次の瞬間には俺の隣にASRSを装備したソルプレッサが姿を現していた。

 

「戦闘機の類はPTとかに比べればあまり得意じゃないけど……まぁ、使えない事はないから大丈夫と言う事にしておくか。ネギま世界並に魔法が使用可能なら影のゲートで距離を稼げたんだが……」

 

 呟きつつ、ASRSを使用してからソルプレッサを起動させる。

 幸いそれなりに広くなっている場所があったので特に苦労する事も無く離陸が可能だった。

 

「……向こうはそろそろ勝負が付きそうだな」

 

 遠くに見える戦闘で発生する光が徐々に静まっていっているのを感じる。

 

「なら見つからないよう、今のうちに移動しておくか」

 

 ソルプレッサの機首をデータ通りに日本の方へと向けて出発するのだった。

 

 

 

 

 

「さて、まずは腹ごしらえだ」

 

 周囲に見えるのは日本語の看板であり、日本人達だ。ASRSを展開したソルプレッサでいわゆる密入国をした後に、イスルギ重工本社ビルがあるこの街までやってきたのだ。早速ローズへと連絡を取ろうかとも思ったのだが、その途端に俺の腹が強烈な自己主張をしてきた為にまずは腹ごしらえとなった訳だ。何しろ腹が減っては戦は出来ぬとも言うしな。周囲を見渡し、近くにある蕎麦屋へと入っていく。

 

「へいらっしゃい」

 

 威勢のいい声で出迎えられながら席へと着き、メニューを眺める。

 一般的な蕎麦のメニューは大体揃っているな。

 

「ざる蕎麦、山菜蕎麦、鴨南蛮、カレー南蛮をそれぞれ1つずつ。ただし1度に出すんじゃなくて伸びないように順番に出してくれ。それと追加で天ぷらの盛り合わせを2セット。それと……忘れる所だった。最後にカレーを」

 

 メニューを見ながら美味そうな写真を見て次々に注文していくと、次第に店主の頬が引き攣ってくる。

 

「お、お客さん。それ全部1人で食うのかい?」

「もちろんだ。ああ、大丈夫。金はあるからな」

 

 この世界の金については、以前この世界で活動した時の物があるので活動資金についての心配はいらない。いざとなったらこの世界のテロ組織やらマフィアやらから奪った金塊や宝石の類もまだまだ空間倉庫に入っているしな。

 

「いや、金の心配じゃなくて……食いきれるのかい? 悪いが、そんなに大量に注文してその殆どを残しましたとか言われると蕎麦屋を営んでる者として許せないんだが」

 

 なるほど、そっちの心配だったか。今の俺の外見はいつもの20代バージョンだが、そんなに食うようには見えない訳だ。……いや、それにしても本当にいつの間にかこんなに燃費の悪い身体になっていたのやら。

 と言うか、よく考えたら俺の身体は魔力で構成されている一種の魔力生命体なんだから、物を食う必要とか無い筈なんだよな。

 

「心配するな。出された物は全て食うさ。こう見えて燃費の悪い身体をしていてな。そのくらいなら普通に食える」

「本当かい? ならまぁ、信用して出すけど……」

 

 俺の方を訝しそうに見ながら、どこか疑わしい店主が調理を始めてまずはざる蕎麦と天ぷらの盛り合わせが出て来る。それをペロリと平らげ、それ以後も出される料理を全て食べ尽くし……

 

「ああ、やっぱり蕎麦屋のカレーは美味いな」

 

 最後に出されたカレーライスを完食して唖然とする店主に少し多めに料金を支払って店を出るのだった。

 

「ふぅ、満足満足」

 

 そうは言いつつも、既に食った料理は完全に消化され、同時に魔力に変換されて俺の身体に吸収されている。もし今から大食いコンテストがあると言われればすぐにでも参加可能な程度には余裕だ。……それを考えると、やっぱり俺の空腹ってのは精神的なものなんだろうな。

 そんな風に自分の食欲を正当化しつつローズとの接触方法を考える。

 ……やっぱりアースクレイドルにいた時に使っていた回線を使うのがベストだろう。それ以外だと魔法を使って忍び込むという方法くらいしか思いつかないし。その場合は最大の交渉材料である魔法教本やマジックアイテム、魔法発動体の類のインパクトが薄れる可能性もあるので下策に思える。……まさか正面からアポを取る訳にもいかないしな。あぁ、あるいは以前接触してきた裏の存在を見つけ出してそこから接触を……いや、手間が掛かりすぎるだろう。ローズとの回線が残っていなかったらこっちの手段を考えてもいいが。

 数分も掛からずにローズとの接触方法の方針を決め、取りあえず近くにあるホテルで1泊分の部屋を取って早速以前アースクレイドルで使っていた回線へと接続して連絡をする。

 

「……」

 

 さすがにすぐには出ないか。ただ、一応呼び出し中になっているって事はまだこの回線が生きている訳だ。そしてそのまま10分程が過ぎ……

 

『はい、どちら様?』

 

 出た、か。画面に表示されているのは間違い無くローズだ。後はここからどうやって取引に持っていくかだな。

 

「久しいな、ローズ」

『あら? 貴方は確かシャドウミラーの……』

 

 画面に映った俺の顔を意外そうな顔で見るローズ。

 

「ああ、アクセル・アルマーだ」

『あら、あらあらあら。一体今までどこに? 一応協力関係でしたのでハガネやヒリュウ改がこちらに戻って来た後に探したんですのよ?』

「こっちも色々とあってな。……それよりも今の言葉を信じるのなら、今もまだ俺達シャドウミラーとお前達は協力関係だと考えてもいいのか?」

 

 その言葉にピクリと反応するローズ。

 

『……まだ、シャドウミラーと名乗れる程度の戦力を保持していると?』

 

 自らの利益になるのかどうかを、その頭の中で考えているのだろう。……一見おっとり系の美人に見えるんだが、中身と外見をイコールで結んではいけないという典型的な人物がこのローズだ。

 

「ああ。今まではちょっと事情があってそっちに連絡出来なかったが、正直現在のシャドウミラーは純粋に戦力だけで考えれば、以前よりも数倍……下手したら数十倍に達しているぞ」

 

 まぁ、その殆どを占めるのはメギロートだったりする訳だが。ただ、パイロットとしてはコーネリア、ムウ、イザークといったそれなりに腕利きの者が揃っている。主戦力である量産型Wにしてもホワイトスターやらインスペクターやらで入手した技術によりその性能は飛躍的に上がっている。以前は一般的なザフトの赤服やコーネリアの直属部隊とも言えるグラストンナイツレベルだったのだが、今はそこからさらに1歩を踏み出したと言ってもいいだろう。アレだ。以前からレモンが悩んでいた一流と超一流の壁を破りつつある、みたいな感じだな。今ではエヴァや葉加瀬と協力して魔法の射手程度でいいから疑似経験や疑似記憶で習得させようとしているとか何とか。

 尚、イザークについてはシャドウミラーに所属してからの訓練等で既に赤服といったレベルではなくなっている。さすがに量産型Wと同程度の腕として扱われるのはプライドに関わったらしい。

 

『それは確かに興味深いですわね。それでは今回連絡してきたのは? どうやら本社の近くから連絡をしているようですが』

 

 なるほど、俺の通信に出るのが遅いと思ったら逆探知でもしてたのか。まぁ、その程度は予想済みだ。と言うか、それを期待してこのホテルに部屋を取ったんだしな。

 

「その前に先程の質問に答えて貰いたいな。俺達シャドウミラーとローズ、お前達とはまだ協力関係にあると思ってもいいのか?」

『ええ、もちろんです。共にあの苦難を乗り切った仲ではないですか。当然私はシャドウミラーの皆さんを友人だと思っていますわ』

 

 ニコリ、と一見すると慈母の微笑みとも取れる笑みを浮かべるローズ。だが、俺は知っている。この女はもし自分達の利益にならないと知ればあっさりと俺達を切り捨てるだろうと言う事を。そして、最悪の場合は自分達の手柄とするべくケネス・ギャレット辺りに売り飛ばすだろうと。

 まぁ、逆に言えば俺達の存在が利益になる限りは裏切らないという保証もあるのだから、一時的に手を組む相手としては十分以上だろう。信頼が置けない以上は手を組むのはあくまでも一時的に過ぎないのだろうが……

 内心で考えながら鵬法璽の存在を思う。これを使えばこちらを裏切るような真似は出来なくする事が出来るから腹の探り合いもいらなくなるんだが……まずはそこまでどうやって持っていくかだな。

 

「そうか。協力関係が維持出来ていて俺も安心してるよ。ならその協力関係に免じてちょっと取引をしたいんだが」

『取引、ですか? それはヴィンデルさんも了解しているのかしら?』

 

 ……ああ、そうか。シャドウミラーとローズとの関係はドルムに行った時点で途切れていたのか。ローズの言葉に小さく首を振る。

 

「ヴィンデルはあの戦いの最中に死んだよ。今では俺がシャドウミラーを率いている」

 

 実質的なリーダーはレモンだったりするのだが。

 

『それは……残念です。貴方がシャドウミラーを率いているというのは了解しました。それで取引というのは?』

「それに関しては直接会ってから詳しく話したい。少なくてもイスルギ重工に利をもたらす事であるのは保証するよ」

『……通信では教えられない、と?』

「ああ。何しろ直通回線ではあるが誰が横で聞いてるか分からないからな。そんな所で大事な取引内容を話す訳には行かないだろう?」

『……』

 

 俺の言葉に、手元にあるコンピュータを操作して何かを確認して頷く。

 

『分かりました。では今日の夕食を一緒にどうでしょう?』

「それで構わない」

『では、後程そのホテルへと迎えの者を向かわせますので』

「服装はスーツの方がいいのか?」

『いえ、そのままの格好で構いません。ではまた後程。取引内容に関しては楽しみにしています』

 

 最後にそう伝え、例の如くニコリと微笑んだ後に通信が切れるのだった。




アクセル・アルマー
LV:40
PP:120
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:411

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