転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0467話

 一応トロニウム・エンジン、ブラックホールエンジン、時流エンジンの3つに関してはレモンとマリューから採用するという言質を貰った所でコーネリアからの鋭い質問が飛んできた。即ち、どうやって元の世界に転移するのかという事だった。

 確かに一番最初にその点を指摘したが、トロニウムの件で有耶無耶になっていた形だ。

 

「ホワイトスターがかつてあった座標だし、リュケイオスやアギュイエウス辺りのログに座標が残ってないか調べられないか?」

 

 そう口にしながらレモンの方へと視線を向ける。

 

「うーん、確かにその辺が一番ネックになっているのよね。でもリュケイオスはずっとアクセルの空間倉庫に入ってたんだからログに座標が残ってるのはちょっと難しいんじゃないかしら。それならまだホワイトスターの方が可能性があると思うわ。ただ、一番可能性が高いとしたらトリニティゲインのアギュイエウスでしょうね。ログによる座標もさることながらヘリオス……いえ、ギリアムとの縁がまだ繋がっている可能性もあるし」

「そうか。じゃあトリニティゲインを後で空間倉庫から出しておくから解析の方を進めてくれ」

「ええ、問題無いわ。……こういう時にアクセルの買ってきてくれた魔法球が役に立つわね。もっともこの指輪がないと使いたくは無い代物だけど」

 

 笑みを浮かべつつ左手の薬指に嵌っている時の指輪を眺めるレモン。

 

「そうね。新型機の開発までの時間を考えると確かに便利極まりないわね」

「開発に関してだけではなく、リゾートや短期間で訓練をしたい時にも使えるぞ」

 

 マリューとコーネリアもまた同様に左手の薬指に嵌っている時の指輪へと視線を向けるのだった。

 

「……で、だ。もしあっちの世界に転移したとして。頼るのは当然イスルギ重工になるだろうが、ゲートの存在は隠しておいた方がいいのか?」

「そう、ね。ローズのお嬢ちゃんなら確かにそうしておいた方がいいでしょうね」

「どういう人なの? そのローズって人は」

 

 俺とレモンの言葉に疑問を覚えたのか、マリューがそう尋ねてくる。

 視線と視線でやり取りをし、任せたとばかりの視線でレモンが俺へと説明を押しつけてきた。

 

「ミツコ・イスルギ。ローズっていうのは俺達とやり取りをしていた時のコードネームのようなものだ。イスルギ重工という会社の社長をしている」

「レモンがお嬢ちゃんって言うからにはまだ若いんでしょう?」

「ああ。本来の社長は父親だったんだが、その父親が地球をこのホワイトスターの持ち主であるエアロゲイターに売り渡そうとしたところで殺されてな。その後を継いでイスルギ重工という大会社の社長に就任した訳だ」

「随分と苦労している人なのね」

 

 そう言うマリューだが、それはちょっと勘違いだな。

 

「いやいや。純粋な商売人として考えればかなりの凄腕だぞ。自分の所の商品を売る為なら手段も客も選ばないしな。あぁ、ちなみに俺達があっちの世界にいた時の主力商品はマリューも知ってるリオンシリーズだ。あのリオンシリーズを大々的に売り出していて、その商売相手は政府や軍はもちろん反政府組織やテロリスト。果てには地球の侵略に来たインスペクターまで。とにかく徹底的に商人として振る舞っている」

「そ、それは……」

 

 マリューの隣で俺の話を聞いていたコーネリアが思わずといった風に呟く。

 

「もしゲートの存在をローズが知ってしまった場合は、間違い無く他の世界にもリオンやら何やらを売りつけようとするだろうな。正直、それは困る。SEED世界はようやく戦争が終わったばかりなのにまた火種を持ち込まれるというのは論外だし、麻帆良に関してはオーバーテクノロジー過ぎる。ギアス世界に関しては言うまでも無いな」

「……ねぇ、アクセル。本当にそんな危険な人を頼って大丈夫なの?」

「言っただろう? ローズはあくまでも純粋な商売人なんだ。それなりに対価を与えてギブアンドテイクの関係として考えるのなら、これ以上無い相手ではある」

「でもギブアンドテイクって言っても、そのローズって人にこっち側からは何を出すの?」

「何って色々あるだろう。例えばリオンのようなAMやPTとは全く別のコンセプトで作られたMSのストライクダガー。あるいはギアス世界のKMFモドキのガン・ルゥ。そして本命としてはネギま世界の魔法発動体と魔法の初心者用の教本とか。俺達にとってはありふれた物だったり、それ程珍しくないものだろうが……向こうにとってはどうだろうな。特に才能の多寡はあれども誰でも習得可能な魔法なんて存在を知ったら、まず間違い無く食い付いてくると思うが」

「……確かに魔法に関しては食い付いてくると思うけど、ストライクダガーやガン・ルゥにそれ程興味を示すかしら?」

「恐らくだがな。技術的には遅れている世界の兵器ではあるが、だからこそ自分達では思い付かなかった技術の類が使われていると知れば……いや、別世界云々というのは隠しておくんだからそうでもないのか?」

「まぁ、魔法については間違い無い筈だから。ストライクダガーとガン・ルゥについてはお土産程度に考えておいた方がいいかもしれないわね」

 

 レモンの言葉に頷き、話を続ける。

 

「本来ブラックホールエンジンの関係を考えればマオ社がベストなんだろうが……」

「さすがにそれは無理、ね」

「ああ。色々とマオ社とは因縁があるからな」

 

 レモンと共に苦笑を浮かべる。

 

「それにイスルギ工業と渡りを付けるとなると、もしかしたら……可能性としてはかなり少ないが、もしかしたらフィリオ・プレスティを引き込む事が出来るかもしれない」

「何ですって? それは本当なのかしら?」

 

 フィリオ・プレスティの名を出すと、さすがにレモンも驚きの表情を浮かべる。マリューとコーネリアは聞き覚えのない名前に首を傾げるだけだったが。

 

「フィリオ・プレスティってどういう人なの? レモンがそこまで驚くような人?」

「さっきからアクセルが散々話題に出しているリオンを開発した人ね。そしてテスラ・ドライブの小型化や改良をした人でもあるわ。……でも、基本的には平和利用する為の宇宙船を開発する為のプロジェクトTDの責任者でしょう? 私達に協力してくれるかしら?」

「だからこそだよ。フィリオは現在病気で、もう殆ど手遅れに近い筈だ。そしてイスルギ重工には現在フィリオの妹であるスレイがいる。兄思いの、半ばブラコンと化しているスレイにフィリオの病気をホワイトスターの施設で治療可能だと言えば……」

 

 まず間違い無くこちらの要望を聞き届けてくれるだろう。ただ、治療を終えた後にフィリオがどう出るかが問題ではあるのだが。

 

「まぁ、俺としてはブルーマーズ計画で使う為のテスラ・ドライブを改良なり強化なりして貰えればそれでいいんだがな。後、出来れば俺の新型機のテスラ・ドライブの改良か。それさえやってくれれば後はあちらの世界に戻してやってもいいし。もちろん、その間に吸収出来る技術に関しては……」

「ええ、勿論」

 

 取りあえずあちらの世界に行っての目標の1つは決定と。そこで話に一段落付いたところでレモンが口を開く。

 

「……で、アクセル。そろそろ肝心な事を話したいんだけど」

「肝心な事?」

「ええ。アクセルの目標がトロニウムにあるのは分かったし、私も応援するわ。でも、その肝心要のトロニウムがどこにあるのか分かってるの?」

「幾つかは、な。まずメテオ3から見つかったトロニウムは全部で6つと言われている。その中で現在行方が分かっているのは、まずはSRXチームのR-2パワードとR-GUN。そしてハガネで3つ。この3つに関してはさすがにちょっと手が出せないから置いておくとして、俺が狙っているのはヒュッケバインMk-ⅢのタイプRとLに使われているどっちかだな」

 

 これも結局はマオ社なんだが……ブラックホールエンジンにトロニウム。俺ってばもしかしてマオ社から指名手配されるんじゃないだろうか。

 冗談交じりにそんな風に考えていると、ふとコーネリアが口を開く。

 

「なぁ、アクセル。今のだと全部で5つになるんだが、残り1つはどうしたんだ?」

「あー……それに関しては悪いが俺も知らない。恐らく誰かが隠し持ってるんじゃないかとは思うんだが」

 

 何しろ俺の知識にあるのはOG外伝までであり、もしそれ以降にトロニウム最後の1つが出て来てたりしたら知る事が出来無いんだよな。

 

「なら取りあえず向こうに渡ったらローズと連絡を取って協力していく形にするとして……ゲートをどうするか、よね。ローズに知らせないようにするというのなら設置する場所が問題になるわ。それともいっそのことゲートは設置しないでトリニティゲインのアギュイエウスだけで行き来する? 時の指輪のおかげで時差に関してはもう殆ど気にしなくても良くなったんだし」

「うーん、確かに安全を第一に考えればそれがいいのかもしれないが……出来ればやっぱりゲートは設置しておきたいんだよな。特にトリニティゲインのアギュイエウスは新型機に移植する予定だから早い所アギュイエウス無しでも自由に行き来できるようにしたいというのもあるし」

「でもシャドウミラーは向こうの世界だと色々と恨まれているから、ちょっと安心出来る場所は無いわね」

 

 レモンが悩み、俺もまた悩む。

 コーネリアやマリューは俺達がOGsの世界でやって来た事を既に知っているだけにこちらもまた首を傾げている。

 

「あるいは、いっそ誰にも見つからないような無人島辺りにゲートを設置して認識阻害の魔法を使うというのもありかもしれないが……」

「でも、ネギま世界以外では基本的に魔力の消耗が激しいんでしょう? あっちの世界でも同様じゃないの?」

「そうなんだよな。けど、他にパッと思いつく手段が無い以上はそれがベストだと思う。移動に関してはグロウセイヴァー……あー、そうか。新型機にグロウセイヴァーの部品とかも必要なのか。なら、ソルプレッサ辺りにASRSを使ってくれればそれを足として使うとかどうだ?」

 

 いっそ、グリを召喚して足代わりにしてもいいんだが……まず確実に騒ぎになるだろうしな。

 そんな風に考えていると、ふとコーネリアが口を開く。

 

「ちょっと思いついたのだが……」

 

 その言葉に、俺、レモン、マリューの視線が向けられる。

 

「先程話題に出ていたスレイとかいう人物は兄を大事に思っているのだろう?」

「ああ、それは確実だ」

「ならば、だ。向こうの世界に行った後にゲートを設置させる場所は、そのスレイとかいう者に探させればいいのではないか? 大事に思っている兄を救う為の唯一にして最後の手掛かり。それがある場所へと向かう為のゲートだ。当然誰にも見つからない場所を提供してくれる筈だ」

 

 ……なるほど。確かにそう言われればコーネリアの言葉にも説得力がある。確かにその手はありかもしれない。

 

「けど、そのスレイって子の性格は聞いている限りじゃ腹芸が出来るようなタイプじゃないみたいだけど……その、イスルギ重工に見つかる可能性もあるんじゃない?」

「それに関しては、結局何処にゲートを設置しても見つかる可能性はあるんじゃないか?」

 

 マリューの疑問にそう返し、暫く皆で悩む。

 だが、そもそもOGs世界の事を知らないコーネリアにマリュー。研究一辺倒でシャドウミラー関係のコネクションしかないレモンでは結局コーネリアの出した以上のアイディアが出る筈も無く……取りあえずはスレイに兄のフィリオが病気であると知らせ、その治療を対価にして色々と手を貸して貰うという方針になるのだった。




アクセル・アルマー
LV:40
PP:120
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:411

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