転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0463話

 ディアッカ・エルスマン。元々はクルーゼ隊の一員だったのだが、俺達との戦闘で原作同様に捕らえられて捕虜になり、そのまま殆ど成り行きでアークエンジェルに協力したというコーディネーターだ。そして戦後もザフトと戦った為にプラントに戻りづらく、尚且つ惚れているミリアリアがいるという理由でオーブに留まっている筋金入りの女好きのお調子者でもある。

 ……恋人が複数いる俺が女好きとか言えた義理じゃないが。

 

「ああ、何とか無事にな。それよりも俺が戻ってきたのはまだ大々的に発表はされていない筈だが、誰から……いや、聞くまでもないか」

「まぁな、アスランだよ。いや、正確に言えばカガリだけど」

 

 口が軽いというのは秘書としてどうなんだろうな。いやまぁ、顔見知りだからこそかもしれないが。それに別に俺も口止めをしていた訳でも無いから問題が無いと言えば問題が無いのか。

 

「ちょっと、アクセル。あの人誰だっけ? どこかで見た事があるような……」

「アスナさん、ほら、あの人ですよ。恋人がいる人に横恋慕? とか言うのをしてる」

「あぁ、えーっと……何とかエルスマン」

 

 俺の背後で交わされているネギと神楽坂の会話が聞こえたのだろう。思わず苦笑を浮かべながら視線をそちらへと向けるディアッカ。

 

「ディアッカ・エルスマンだ。……へぇ、なかなかいい女だな、あんた」

「え? そ、そう? いやねぇ、そんなにストレートに褒められたら照れるじゃないの!」

 

 いい女、という単語に反応してディアッカの背を思い切り叩く神楽坂。そしてその一撃を食らって前へと数歩程押し出されるディアッカ。

 

「痛っ! ちょっ、な、何だこの女。力が滅茶苦茶強いぞ!?」

「あー、そいつは純粋な身体能力だけで考えればその辺のコーディネーターよりも上かもな」

「……マジかよ」

 

 唖然とした表情で神楽坂を見ながらも、その視線が長谷川、長瀬へと順番に移っているのはディアッカがディアッカである由縁なんだろう。

 ついでにネギとフェイトが普通にスルーされている所とかもな。

 

「へぇ、2人共結構いい女だな。……あ、そうだ。どうせ俺はこれから暇してるんだけど付き合わないか?」

「えぇっ! ちょっ、私か!?」

「うーん、いきなりの誘いとは情熱的な殿方でござるな」

 

 いきなりの誘いに混乱する長谷川と、普段通りに目を細くして笑顔を浮かべている長瀬。そんな2人の様子に、しょうがないとばかりに口を挟む。

 

「まぁ、こっちも今はそれなりに時間があるからいいが、その3人を連れて行くのなら自然と俺達も付いていく事になるが構わないか?」

「あー、まぁ、しゃーないか。この所トールもミリアリアも忙しいらしくてあまりこっちに付き合ってる暇がないんだよな」

「そう言えばミリアリアはカメラに夢中になってるとかキラから聞いたな」

「そうそう。それに付き合ってトールも記者っぽいバイトをするようになってな。……って、キラにも会ってたのか。まぁ、詳しい話は俺の行きつけの喫茶店で聞くよ。行こうぜ、こっちだ」

 

 ディアッカの案内に従い、皆で移動する。

 

「いやー。アクセルの知り合いだって言うから、どんなに凶悪な奴かと思ってたらいい奴じゃない。私の事をいい女だってさ」

「……お前、オジコンを卒業したのか?」

「オジコン言うな! 別に誰が相手でも褒められれば嬉しいでしょ」

 

 まぁ、確かに神楽坂は外見だけで見れば美形だ。それは間違い無い。……外見だけ見ればな。その自爆気味な性格やバカレンジャーの一員だったり、思い込みの激しい所はマイナス要素だが。そして長谷川にしろ長瀬にしろ、どちらもヒッキー気味だったり忍者だったりするが、外見で言えば平均以上であるのは間違い無いだろう。

 その辺に目敏いのはさすがにディアッカなんだろうな。

 そんな風に考えながら街中を歩き、やがて喫茶店が見えてくる。それなりに洒落た店構えであり、結構流行っているらしい。

 

「へぇ、いい雰囲気の店じゃねーか」

 

 ボソッと後ろで呟く長谷川の声を聞きつつ、さっさと店の中に入って行ったディアッカの後を追う。ドアに付けられた鈴がチリン、チリン、という音を鳴らしているのを聞きながら、店の中でも奥の方の席に陣取っているディアッカと同じテーブルに着く。

 

「で、ここのお薦めは?」

「んー、コーヒーがお薦めなんだが……確かアクセルは紅茶派だったよな?」

「まぁな」

 

 そう頷きつつ、コーヒーという単語を聞いて目を鋭く光らせているフェイトの様子に溜息を吐く。

 

「紅茶はそれなりだったけど……その代わり、ケーキの類は美味いぞ」

 

 その言葉に目を光らせたのはフェイトに変わって女3人。

 

「あー、もういい。適当に頼んでくれ。あ、俺はサンドイッチな」

「言っとくけど俺が奢るのはそっちの女3人だけだからな」

 

 ジト目のディアッカに再び溜息を1つ。

 

「意外とセコイよな、お前」

「んな事言っても、オーブ軍って戦勝国の割には思ったよりも給料良くないんだよ。それにあのナタルとかいう艦長も厳しいし」

「アークエンジェルの所属になったのか?」

「ああ? 俺程の腕があったらそんなの当然だろ。それより注文を早くしろよ」

 

 こちらへと近づいて来たウェイトレスに気が付いたディアッカの言葉に頷き、それぞれが注文をする。結局ネギとフェイトの料金は俺持ちになった。……いやまぁ、SEED世界での俺は現在大金持ちだから別にいいんだけどな。

 それから10分もしないうちにそれぞれの場所に注文の品が届く。ネギはミルクティーとアップルパイ。フェイトは特製ブレンドとチーズケーキ、俺はストレートティーにサンドイッチの盛り合わせ。神楽坂達はケーキの類をかなりの数頼んでおり、ディアッカの頬を引き攣らせていた。

 

「で、アクセルが新しく行った世界って魔法が実在する世界だとかカガリが言ってたけど本当なのか?」

 

 運ばれてきたエスプレッソへと口を付けながら尋ねてくるディアッカに頷き、ネギとフェイトへと視線を向ける。

 

「この中だとこの2人が魔法使いだな」

「はぁ? どっちも餓鬼じゃねぇか」

「……君よりは強いけどね」

 

 ボソリ、と呟かれたフェイトの言葉は幸い聞こえなかったらしくディアッカの言葉は続く。

 

「ちなみに、アクセルは魔法を使えるようになったのか?」

「それは当然でしょ。なんてったって大魔王だもの」

「……神楽坂、その呼び名はこっちだと広まってないんだが」

「大魔王って……お前、何をやってればそんな風に言われるんだよ」

「襲ってきた悪魔を吸収してそれっぽい容姿になったから……か?」

 

 チーズと野菜のサンドイッチを口に運びながら首を傾げる。

 そう言えば、何で大魔王と呼ばれるようになったんだったか。

 

「ナギ・スプリングフィールド杯でそう言われるようになったのは確かに容姿の問題もあるけど、敵に容赦しない戦い方とか圧倒的な実力とかそういうのでしょ」

「容姿、ねぇ。普通にいつものアクセルにしか見えないけど?」

「今はわざとそうしているからな。魔法のおかげで姿形を何段階かに変えられるようになったし」

 

 幼児、15程度、元々の年齢である21歳、異形化の4段階の変身だな。……まぁ、基本的な能力はどの状態でも変わらないんだが。変わるとすれば背の大きさによるリーチと、異形化の状態でのみ使える竜尾や角での攻撃程度か?

 

「魔法のせいじゃないと思うんだけど」

「……そうだね。魔法で誰でもあんな風に変身出来ると思われるのは凄い誤解だよ。アレはアクセル・アルマー、だからこそなんだと認識して欲しいね」

 

 コーヒーの香りを楽しんでいたフェイトがそう言うが……

 

「いや、確かにああいう風な変身は無理でも年齢詐称薬を使えば誰でもある程度は姿を変えられるだろ?」

「何だ、そのいかにも犯罪っぽい名前の奴は」

 

 年齢詐称薬、という名称に呆れた様子でディアッカが尋ねてくる。

 

「そういうマジックアイテムがあるんだよ。一応言っておくが犯罪じゃないぞ。普通に外見を変えられるという代物だ」

「いや、それって十分犯罪に使えそうだと思うんだが……まぁ、いい。それよりも論より証拠って言うし魔法を見せてくれないか?」

「あー……ネギ」

「え? 僕?」

「いや、フェイトでもいいんだがコーヒーを楽しんでいるのを邪魔するのも悪いしな」

「別にいいけど……でも、この世界で魔法は使わない方がいいって言ってなかった?」

 

 ネギの言葉に周囲を見るが、特にこちらの注意を払っている者達はいない。店の中にいるのは殆どが自分達の事に集中している感じだ。

 

「まぁ、あまり派手にならなきゃいいだろ。初心者用の魔法でいんじゃないか?」

「うーん……いいのかなぁ。……ま、いいか」

 

 コホンッと小さく咳をして魔法発動体の嵌っている右手を差し出す。

 

『火よ灯れ』

 

 その言葉と共に、ネギの右手の先に数cm程の炎が姿を現す。

 

「おおー。確かにこれは凄いな。種も仕掛けもありませんって奴か」

「……炎の魔法に関して言えば、僕はアクセル君の足下にも及びませんけど」

「は? お前は本職の魔法使いなんだろ? いくらガキでも1ヶ月程度しか魔法を習ってないアクセルに負けるのか?」

 

 ガキと言われてムッとしながらも指の先に灯っていた炎を消す。

 何しろここは店の中だ。誰かに見られでもしたら色々と大変だしな。

 

「それはちょっと間違いだな。ゲートを設置するまでは向こうの世界とホワイトスター内では時間の流れが違うんだ。おまけに俺は向こうの世界の中でも異界と呼ばれる魔法世界に行って……」

 

 チラリ、とフェイトの方へと視線を向ける。

 

「まぁ、色々とあってその異界でも時間の流れが違っていた訳だ。この世界やホワイトスターにいる連中にしてみれば1ヶ月程度の事かもしれないが、俺が実際に過ごした時間は9ヶ月程度だよ」

「……それにしても、たった9ヶ月程度でこんなガキとは言っても追い越せるもんなのか?」

「ちょっと、あんまりネギを馬鹿にしないでよね!」

 

 ガキと連呼されているのを見かねたのか、神楽坂ががーっとディアッカに食って掛かる。

 

「お、おい。何だよいきなり」

「あー、まぁ、神楽坂はネギの保護者みたいなものだからな。で、俺に関してだが確かに魔法自体を習った時間はそう長くない」

 

 いや、それどころかその殆どを独学で学んだんだから短いと言ってもいいだろうな。スライムの吸収能力がなければどうなっていたことか。

 

「ただ、幸い俺は炎と影の魔法に大きい適性があったらしくてな。そのおかげだ」

 

 指をパチンッと鳴らして、ディアッカの影に干渉して先の尖っていない影槍を作り出してテーブルの下で足をツンツンと突く。

 

「ん? ……おわっ!」

 

 その感覚にテーブルの下を覗き込んだディアッカが影槍を見つけて思わず大声を上げたので再び指をパチンッと鳴らして影槍を霧散させる。

 

「声が大きいぞ」

「いや、いきなりあんなの見せられたら普通は驚くからな」

 

 長谷川が呟き、ディアッカが同感だとばかりに頷いているのを見ながら残り少なくなってきたサンドイッチを口へと運ぶ。

 

「それにしても魔法ねぇ。それって誰でも覚えられるのか?」

 

 ディアッカの視線の先にいるのはネギだ。ただ黙ってコーヒーを楽しんでいるフェイトよりは話しやすかったのだろう。

 

「うーん、僕達の世界だと誰でも覚えられましたけど……こっちの世界はどうなんでしょう?」

「あー、そうだな。ホワイトスターで技術班の面々がエヴァから教えて貰っているがまだまだ難しそうだな」

「え? マスターがですか!?」

「ああ。登校地獄が掛かってるままでもホワイトスターに来れるというのが判明したからな。フリーパスと引き替えに魔法の講師をして貰っている。……まぁ、言ってみればお前の弟弟子みたいな感じか」

 

 正確に言えば講師なので、どちらかと言うと俺に魔法を教えた時の方が近いのだが。

 

「あん? シャドウミラーでも魔法を覚えてるのか。で、そのエヴァってのは?」

「あ、その……僕の戦いの師匠です」

「一応私の師匠でもあるわね」

「へぇ、凄い奴なのか?」

 

 ネギも神楽坂も外見は一般人とそう変わらないからな。どのくらいのレベルなのかというのは分からないんだろう。ただでさえこのSEED世界の戦闘の主役はMSで生身の戦いなんて殆ど無いんだし。

 

「凄いか凄くないかで言えばかなり凄いだろうな。何せ600年以上を生き抜いた真祖の吸血鬼だし」

「……マジ?」

 

 唖然としたディアッカの言葉に頷くネギと神楽坂。

 

「お前等の世界って……いや、魔法のある世界なんだから可能性としては吸血鬼とかもありなのか?」

 

 深く溜息を吐くディアッカだった。




アクセル・アルマー
LV:40
PP:120
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:411

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