転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0423話

 夜になり、3-A関係者全員がドレスやスーツに着替えて舞踏会の会場へと向かう。そこではオスティア総督の開催する舞踏会の為かいかにもといった上流階級っぽい人達が集まっていた。

 

「アクセル君、どうかしましたの?」

「あらあら、緊張してるのかしら」

 

 ……まぁ、元々お嬢様であるあやかと千鶴の2人はそんな連中の中にいても違和感がないんだが。

 ちなみにあやかが着ているのは青色の背中が大きく露出している派手なドレスで、千鶴が着ているのは胸元を強調したような白いドレスとなっている。大人顔負けの身体付きの影響もあり、どう見てもこの2人は中学生と言うよりは成熟した女のように見えていた。特に千鶴なんかはただでさえ豊満なその胸をさらに強調してあるので、俺達の横を通り過ぎていく男の大半、中には女も気にしている者達がいる。

 

「へっへー。分かった。私達の艶姿に見とれてるんでしょ」

「うーん、このドレスを着てるのならちょっと自信がある……かな?」

 

 そう言いながらその艶姿を見せつけてくる美砂。こちらも千鶴同様に胸元を強調するような黄色いドレスを着ている。……さすがに千鶴のような渓谷の如き谷間は作られてはいないが、それでもその辺の大人と同レベルの存在感は醸し出している。

 それに比べると、他の3人とは違いまだまだ成長途中といった様子の円は赤いドレスを着ているがそのボディラインは……いや、中学生として考えれば十分平均以上のプロポーションをしてはいるのだが、この場合は比べる相手が悪いと言うか何と言うか。

 

「痛っ!」

 

 そんな感じで円を眺めていると、突然円が近寄ってきて俺の頬を思い切り抓る。しかも後頭部から伸びている角に手をかけながら、だ。

 

「アクセル君、今何かとっても失礼な事を考えなかった?」

 

 ……鋭いな。千鶴の直感スキルでも習得したりしたのか?

 そんな風に思いつつも、取りあえずは誤魔化しておく。

 

「もちろんそんな事はない。4人とも良く似合ってると思うぞ。……ん? 4人? 茶々丸はどうした?」

「あー、何かちょっと恥ずかしがっちゃって……ほら、茶々丸さん。こっちにきなよ」

 

 俺の頬と角から手を離し、ここから少し離れた場所で固まっている大河内達の方へと視線を向ける円。

 その視線を追うと、何故か大河内の後ろへと姿を隠している茶々丸の姿があった。

 この中で一番自分と身長の近い大河内を盾にしているようだが、実質殆ど身長差の無い2人なので隠れるにはちょっと微妙な感じだったりする。

 

「ですが、その……私には余りこういう華やかなのは似合わないかと」

「そんな事無いって。ほら!」

 

 業を煮やしたのか、円はズンズンと大河内の近くまで行きその背後にいる茶々丸を引っ張り出す。

 茶々丸が着ているのは紫色のパーティドレスだ。そのスリムなボディラインを際立たせるようなドレスで、どこか凜としたイメージを抱かせる。

 

「その……どうでしょうか? 余り自信はないのですが」

 

 おずおずとそう告げてくる茶々丸に頷いてやる。

 

「ああ、良く似合ってるぞ。……大河内のドレスもな」

「え? わ、私? ……ちょっと恥ずかしい、かも」

 

 大河内が着ているのは緑色のドレスだ。どちらかと言えば大人しい大河内らしく、あやかや美砂のように派手な物では無い。……いや、その出る所がしっかりと出ているボディラインは舞踏会に向かう男の視線を惹き付けてるんだが。

 ちなみに少し離れた場所では何故かボディーガードのような男物のスーツを着た桜咲がいて、それを見た神楽坂がネギへと文句を付けている。どうやら話を聞く限りでは桜咲のあの姿にOKを出したのはネギだったらしい。それに対して神楽坂はどうせならパーティドレスを着て欲しかったという所か。

 その後は長谷川がネギへとこのまま進んでいいのかと聞き、自分が自分である為に行かせて下さいとネギが答える。それを聞いていたラカンがネギへと不意打ちをして、それを回避したネギへとラカン3級なる称号を与えていた。

 

「ネギ、お前はもう力を手にした一人前の男だ。男だったら女を守れ。そして世界を救え。……自分の為じゃなくてな」

「ラカンさん?」

 

 突然真面目にそう話したラカンに、ネギが困惑するようにその顔を見る。

 だが、ラカンはすぐにいつものおちゃらけた表情へと戻るとネギの背中を叩きながらいつもの口調で話す。

 

「まぁ、お前が何かやばくなったらアクセルに頼るってのもありかもな」

「……俺かよ」

「ああ。お前程の力があるんだ。それこそ世界を救ってみてもいいんじゃないか?」

「世界を救う、ねぇ」

 

 世界に反逆した事はあるが、世界を救うってのは初めてだな。

 ……いや、アインストのシュテルン・ノイレジセイアを倒したって事は一応世界を救ったと言えるのか? あるいはSEED世界でジェネシスを使えなくしたのも一応世界を救った内に入る……か?

 

「何だ、まぁ、ネギの様子を気に掛けてやってくれ。こんなんでも俺の弟子だし、あの馬鹿の一人息子でもあるからな」

「どのみち現実世界に戻るという意味では一緒の目的なんだから手助けはするさ。……お前は手助けしてくれないのか?」

「んー、そうだな。まぁ機会があったら手助けさせてもらうかね」

 

 何やら意味深に告げたラカンはそのままトイレ、と言って去ろうとして……不意に振り向く。

 

「ネギ、お前の母親はアリカで間違い無いから。でもってアリカはかなりいい女だった。正直、俺も少し惚れてた。まぁ、あの馬鹿がいたから結局はそのままだったけどな」

 

 さらっと軽くそう告げ、ネギが固まっている間にそのまま去っていくラカン。

 ……いや、そういう大事な事をさらっと言って反応も見ずに逃げていくなよ。

 

「ちょっ、ちょっとラカンさーーーーーーんっ!」

 

 数秒経過し、ようやく再起動したネギが我に返った時には既にラカンの姿は目の前から消えていたのだった。

 

「ちょっ、え? あれ? えっとえっとえっと……追う!?」

「落ち着けーーーっ!!」

 

 パシーンッ、とネギの後頭部にハリセン型のハマノツルギで突っ込みを入れる神楽坂。

 

「あーゆー馬鹿なおっさんは構えば構う程に調子に乗るのよ。……全く、少しは高畑先生みたいに渋く出来ないのかしら」

 

 ボソっと最後の方で呟く神楽坂。聞いた話では学祭中に振られたという話だったが、地味に未練があるらしい。

 

「それよりも、さっさと会場に行きましょう。夕映ちゃんとの約束があるんでしょう? あのおっさんにはまた後で会った時に話を聞けばいいわよ」

「そ、それもそうですね。分かりました。さぁ皆さん、会場に行きましょう!」

 

 ネギのその掛け声に、ノリのいい者達が『おー』と唱和して舞踏会の会場へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

「アクセル・アルマー様、是非私と踊って下さいませんか?」

「いえ、ここは私に」

「その……出来ればお願いします」

 

 舞踏会の会場に入った途端に周囲を着飾った女達に囲まれる。

 チラリと視線を向けると、それはネギや小太郎も同様らしい。いや、数で言えば俺よりも多くの女、と言うかファンに囲まれている。

 ……となると、ここにいるのは俺のファンって事なのか?

 まさか大魔王とか言われている俺にファンが出来るとは思わなかった。……まぁ、ナギのファン達がやってきた行状を思えば色々と複雑な所はあるんだが。

 さて、どうしたものか。この中から1人だけ選んで踊るというのは色々と拙い事態になりそうな気がする。となれば……

 チラリとネギ達の方を見ると、そちらでも俺と同様の結論に至ったのかネギが神楽坂を、小太郎が夏美を踊りへと誘っている。

 

「悪いな、最初に踊るパートナーはもう決めてあるんだ」

 

 周囲の女達にそう断り、俺達の関係者が集まっている場所へと向かう。

 そしてその中でも俺と一番最初に仮契約をした相手、この世界へと転移してきてから一番世話になっている相手へと手を差し出す。

 

「あやか、踊ってくれるか?」

「わ、私でいいんですの?」

「ああ、お前がいい」

「……では、お願いします」

 

 差し出しされた手を握り返すあやか。そのまま2人でダンスホールの中央付近まで移動して、音楽に合わせて踊り始める。

 一応SEED世界での終戦協定とかのパーティで踊る必要もあるからと踊りの類を覚えていたのが幸いし、あやかと共に踊り続ける。

 

「あら、アクセル君はこういうのが苦手だとばかり思ってましたが……そうでもありませんのね」

「あやかも以前見たように、前の世界で終戦協定とかのパーティで恥を掻かないようにな」

「そう言えばそういう場面もありましたわね。……コーネリアさん、とか仰いましたか。あの人は」

「ああ、俺の大事な人の1人だな」

「その中に私達……いえ、なんでもありません。せめて今は2人きりで踊りましょうアクセル君。……いいえ、アクセルさん」

 

 お互いの手を握り、音楽に合わせて身体を揺らす。時には穏やかに、そして激しく。

そんな感じで10分程踊っていた頃だろうか。あやかが目で合図をし、そのまま俺達の関係者が集まっている場所へと踊りながら移動していく。

 

「次は、千鶴さんとお願いします。円さん、美砂さん、茶々丸さんとも」

 

 その4人。そしてあやかを含めれば5人は、この魔法世界に来てから一番親しく付き合ってきた面々だ。あやかのそんな内心を思い小さく頷き、曲の切れ目にタッチするようにあやかと千鶴が入れ替わる。

 

「あらあら、ダンスなんて久しぶりね。アクセル君、上手くリードしてね?」

「俺のダンスの知識なんてあくまでも一夜漬けみたいなものなんだがな」

「ふふっ、こうして踊っていると子供のアクセル君とは思えないわね」

「……俺の記憶を体験しているなら覚えてると思うが、どちらかと言えばこっちの方が俺の本来の年齢に近いんだがな」

 

 あやかと同様に、ゆっくりと踊りながら話を続ける。

 こうも密着をしていると千鶴の身体から甘酸っぱいような香りが漂ってくる。香水か何かか?

 

「それは分かってるわ。でも、私とあやかがアクセル君と出会ったのは小さい姿だったからどうしても私にとってアクセル君はそっちのイメージが強いのよ」

「確かに第一印象ってのは強く残るからな。しかもいきなり麻帆良に侵入してきた魔法使いとかエヴァとかと戦って……だしな」

「うふふ。確かにそうね。あの一晩で私の世界はガラリと変わってしまったのよ」

 

 そんな風に会話をしながらさらに10分。先程のあやかと同様に音楽が変わるのを機に千鶴が離れ、円が俺の手を取る。

 チラリとネギの方を見ると、なにやら既に踊りはやめて古菲と腕相撲をしていた。……何をしてるのやら。小太郎の姿と夏美の姿も同様に周囲から見えなくなっている。

 

「うわっ、ダンスとかあんまり得意じゃないんだけどなぁ……」

「それは俺もだよ。ほら、俺に合わせろ」

「う、うん」

 

 あやかや千鶴と違い、俺も円もダンスは殆ど付け焼き刃とかの為に多少危なっかしくはあるが音楽に合わせて身体を密着し、身体を揺らしながら踊る。

 

「ふふっ」

「どうした、突然」

「いや、まさか魔法世界に来るって決めた時はこんな場所でアクセル君と踊る事になるなんて思わなかったなぁ……ってね」

「それはそうだろう。俺だって予想していなかった」

「念動力とか言うのを使っても?」

「念動力はそこまで便利な物じゃないさ。極限まで極めればあらゆる超能力を使えるらしいが、俺はそこまでのレベルじゃないしな。予知能力とかそっち系は今ひとつだ」

 

 まぁ、スパロボOGsで言えば厳密には予知能力と念動力は違う物なんだろうが。ラーダとシャイン王女が別個に習得したと思うし。

 

「そっか。……透視とか出来なくて残念だったね」

「透視って。いや、まぁ、確かに超能力だけどな」

「そしたら痴漢がここにいますって言えるのに」

「勘弁してくれ」

 

 そんな風に馬鹿な話をしつつ、約10分。これまで同様踊りながらパートナーを交換するべく美砂の方へと向かい、円が離れる直前耳元で呟く。

 

「透視の能力があっても、私だけを見るなら許して上げてもいいかな」

 

 と。そして顔を真っ赤にしながら離れ、美砂が俺の手を取る。

 

「何、どうしたの? 円ったら顔が真っ赤だったけど」

「さてな。何か恥ずかしい想像でもしたんじゃないか?」

「アクセル君とデートしてその後はホテルで、とか?」

 

 他の3人同様、音楽に乗って密着したまま身体を揺らしながら会話をする。

 

「……円もだけど、美砂も結構踊りが上手いな。どこかで習ったのか?」

「うーん、習ったと言うか何と言うか。ほら、元々私と円ってチアリーディング部じゃない。その中で踊りっぽいのもやるし、なによりリズム感とか大事だしね。後はゲーセンで音ゲーとかダンスゲーとか一時期ハマってたし」

 

 そう考えると踊りが得意でもおかしな話じゃない、のか?

 

「予定通りに行けば、いよいよ明日には現実世界に戻れるのね。……桜子、心配してないといいけど」

 

 踊りながらも、どこか心配そうな顔をする美砂。

 

「あの脳天気さを考えれば意外と大丈夫なような気もするけどな」

「……そうかもしれないわね。でもこっちに一緒に来て無くて良かったわ」

「いやいや、あの桜子の事だ。こっちに来てたら来てたで豪運ぶりを発揮して俺達ももっと楽になっていたかもな」

「それはちょっとあり得るかも」

 

 他の3人同様、10分程踊った後にあやか達がいる場所へと戻り茶々丸と入れ替わる。

 

「その、アクセルさん。余りこういう事は得意ではないのですが……よろしくお願いします」

 

 科学技術と魔法技術の結晶として作られた茶々丸だが……いや、だからこそなのかもしれないがオロオロとした様子で俺の手を握りながら音楽に合わせて身体を揺らす。

 その様は得意ではないとか言っていたにも係わらず意外に堂に入っているものだった。

 

「なんだ、結構踊れてるじゃないか」

「……データは入っているんですが、実際に踊るという行為をするのはこれが初めてとなりますので」

 

 お互いにタイミングを合わせながら踊り、会話を交わす。

 

「アクセルさん、私はこの旅でお役に立ちましたでしょうか?」

「ああ、もちろん。他の皆もだが、茶々丸も入れて誰か1人いなくても無事にここまでは辿り着けなかっただろうな」

「……お役に立てたようで何よりです。その、後でまたゼンマイを巻いて貰えますか?」

「そうだな、たまには俺が巻くのもいいかもな」

 

 現在、茶々丸のゼンマイを巻くのは俺以外の者の仕事になっている。何でも色々と訳ありだという話だが……

 そんな状態で10分程。踊り終わって元の場所へと戻ると踊り始めた当初は俺を遠巻きにしていたファンは殆どその姿を消しており、代わりにネギや古菲、夏美や小太郎の姿が戻っていた。少し休憩するかと思ったその時……そこに1人の少年が姿を現す。

 どこかで見た顔だなと思ったら、クルトと遭遇した時に一緒にいた奴だな。

 

「ナギ様、クルト・ゲーデル様がお待ちです。同行者は3名までを許可されています」




名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:15
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊

撃墜数:392

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