転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0363話

 超との戦いが終わり、数時間。麻帆良中が後夜祭で騒ぎまくっていた。

 かくいう俺もあの戦いが終了した後に閉店寸前の屋台で最後の商品を食べ歩きしている所を千鶴と夏美に捕獲され、殆ど強制連行の勢いで3-Aが集まっている場所へと連れて来られていた。

 

「あちゃあ。結構頑張ったと思ったけど、ゆーなには負けたかぁ」

「にゃはは。ゆーな凄いよねぇ。4位だってさ。でも、美砂が6位で円が5位なんだからもう少しだったのにねぇ」

「にしても、桜子が7位なら4~7位まで3-Aで独占だったのにね。9位というのはちょっと納得いかないなぁ」

 

 そんな会話をしている、円達の近くへと近付いていく。

 

「どうだった?」

「あ、アクセル君。3-Aのトップはゆーなに持って行かれちゃったけど、6位は確保したよ。それでも賞品の食券が70枚貰えたから今度一緒に学食で食事しようね。お姉さんが奢って上げるからさ」

 

 地面に敷かれたシートへと腰を下ろした瞬間にぬいぐるみの如く美砂に抱き寄せられる。

 

「ちょっと、美砂。それなら私は食券150枚よ。上位の私に譲ってよね」

 

 そして美砂の膝の上から強引に円に抱き寄せられる。

 

「にゃはははは。アクセル君も毎回大変だねぇ……はい、これでも食べて元気出しなよ」

「悪いな」

 

 既に何度も行われたやりとりに、諦めの溜息を吐いて桜子に渡された綿飴にかぶりつくとチープな甘さが口いっぱいに広がる。

 ……にしても、この麻帆良祭、何かっていうと食ってた印象しか残ってないな。麻帆良武道会やら超の企みとか、一応色々と事件はあったんだが。

 早乙女と春日に食券を強請られている明石の姿を見ながら溜息を吐く。

 

「ちづ姉も確か貰ってたよね?」

「おう、ラスボス発見の金一封な」

 

 少し離れた所では、小太郎、夏美、千鶴の3人がどこから用意したのかピザを分けて食べている。

 

「ウフフ。皆には内緒よ?」

『はい!』

 

 千鶴の謎のプレッシャーも絶好調か。にしても、イベントに参加してないと思ったら超を発見してたらしい。

 そして何故か少し離れた所では生徒同士にによる乱闘が始まり、始まったかと思った次の瞬間にはいつの間にか現れていた高畑に鎮圧されていた。

 

「……賑やかだな」

 

 円の膝の上で綿飴を食べながら思わず呟く。

 その呟きを聞いた千鶴が、笑みを浮かべながら周囲を見回していた。

 

「でも、麻帆良祭の後夜祭なんて毎年こんなものよ? クラスの皆も怪我をしないといいのだけれど」

「毎年これかぁ。賑やかなのは嫌いやないけど……」

「……ん?」

 

 千鶴の言葉に小太郎が微妙な表情をしているのを眺めていると、少し離れた所でネギパーティの面々と超が話しているのが見えた。そして俺と超の目が合ったその時、超が手招きをする。

 まぁ、マーカーの件で話しておきたい事もあったしいいけどな。

 

「ちょっとあっちに行ってくる。皆はここで後夜祭を楽しんでてくれ」

 

 そう言い残し、ネギ達の方へと向かって歩いて行く。

 そんな俺に気が付いたのは、ネギではなくて神楽坂だった。

 

「ちょっ、アクセル! あんた今日は一体どこで何をしてたのよ! 何回携帯に連絡を入れても繋がらなかったわよ!」

 

 その声で、携帯の電源をまだ切ったままだった事を思い出して電源を入れると……

 

「何だこの着信件数は……」

 

 着信件数がとんでもない数になっていた。そこに表示されているのは神楽坂、神楽坂、神楽坂、近右衛門、神楽坂、神楽坂……

 

「いや、電源を切ってた俺が言うのも何だが、少しは自重しろよ」

「そ、それは……しょうがないじゃない。少しでも戦力が欲しかったんだから」

 

 ムキーッとばかりに叫ぶ神楽坂。その様子に苦笑を浮かべながら超へと近付く。

 

「残念だったな」

「そうだナ。けど、私の望みの1つは叶ったヨ」

「そうか。……行くのか?」

「あア。私は私の戦いの場へと戻るとするヨ。それとマーカーに関してだが、修理はなんとか完了しタ。ただし、私が予想していたよりも高い技術力が使われていたので以前通りの性能までは持って行けなかったヨ」

 

 超でも完全に元通りには出来ないか。いや、そもそもシステムXNの技術的蓄積が無い状態である程度まででも修理出来た時点で凄いのだが。

 

「具体的には?」

「マーカーの本来の機能は常に自分の位置を発信し続けるというものなのだが、私の力では1日に数時間ずつ自分の位置を発信するという所までしか修理出来なかったヨ」

「まぁ、それはそれでしょうがない。壊れたままでいるよりは随分とマシだしな。後は助けが来るのを気長に待つとするさ」

「そうカ。マーカー自体は葉加瀬に預けてあるのでそっちから受け取って欲しイ」

 

 超の言葉に頷き、他の面々へと場所を譲る。

 それぞれが超との別れを惜しみ……超鈴音の姿は俺達の前から消え去った。

 

「超……」

 

 どことなく落ち込んだ様子の茶々丸が目に入り、近付いて励ますように軽く叩いてやる。

 

「アクセルさん……」

「超の自慢の娘がいつまでも落ち込んでたら未来に戻った超も心配するぞ?」

「……そうですね。では、アクセルさん。折角の後夜祭ですし最後まできちんと楽しみましょう。マスターの分もきちんとお食事を用意してありますので」

 

 ニコリ、と笑いながら俺の手を握ってくる茶々丸。端から見れば、手を繋いでいる俺と茶々丸は姉弟にでもみえるんじゃないだろうか。

 そんな風に一歩を踏み出した所で……ふとそれが目に入ってきた。

 なにやらスケッチブックに絵を描いている早乙女。それはいい。だが、その絵が次の瞬間には実体化しているというのはどういうことだろうか。

 いや、別に驚くことではないか。早乙女は綾瀬とはまた別の意味で好奇心の赴くままに暴走する所のある奴だから、長谷川同様に麻帆良祭で起きた超の騒ぎで魔法の世界に首を突っ込んだのだろう。

 他のメンバーなら魔法の世界に踏み込む覚悟はあるのか? とか聞く所だが、相手が早乙女ともなれば聞くだけ無駄だ。そういう意味での変な説得力を感じさせる相手なのだから。

 とは言え、一応念の為に近くにいた神楽坂へと声を掛ける。

 

「神楽坂」

「ん? 何?」

「早乙女もこっちに引きずり込んだのか?」

 

 俺のその質問に、苦笑を浮かべる神楽坂。

 

「引きずり込んだっていうか、自力で突っ込んで来たっていうか……まぁ、そんな感じ」

「……だろうな」

 

 その説明であっさりと納得してしまうのもまた、早乙女に対する変な信頼感による物だろう。

 

「それにしても、コンプリートまでのリミットが着々と減ってきているな」

「それに関しては頷く事しか出来無いわね。と言うか、あんたも桜子とか夏美ちゃんとか魔法バレしそうな面子がいるんだからあんまり気を抜かないようにしなさいよ」

「と言ってもなぁ……」

 

 桜子に関しては、その豪運とも言える運の良さで、するりするりと魔法関係の出来事から逃れていきそうだし、夏美に関しては小太郎との関係で魔法バレしそうな感じがプンプンするんだが……

 

「ま、何はともあれ今は麻帆良祭の締めである後夜祭をしっかりと楽しみましょ。ほら、ネギ! 行くわよ!」

「あ、はーい!」

 

 神楽坂の声に従い、ネギパーティの面々も意識を切り替えて最後の後夜祭を楽しむ事にしたらしい。まぁ、実際に超がいたとしても自分の事でウジウジされて嬉しがるとは思えないからいい事なんだろう。

 

「アクセルさん、私達も行きましょう。アクセルさんの好きなエビのタルタルサンドイッチをたくさん作ってきてありますので」

「それはありがたいが……超の件で忙しかったのに、良くそんな暇があったな」

「その、マスターが絶対に後夜祭ではアクセルさんが腹を空かせているからと」

「……まぁ、間違いではないけどな」

 

 何と言うか、この麻帆良祭を通して食いしん坊キャラになってるような気がするのは俺の気のせいだろうか?

 

「アクセルさん?」

 

 そんな風に内心で悩んだ俺だったが、茶々丸の声で我に返りその手を引かれてあやか達の陣取っている場所へと向かう。

 

「超さんは……旅立ちましたの?」

 

 シートへと座った俺に、あやかが尋ねてくる。

 尋ねたのはあやかだが、千鶴、円、美砂の3人も視線は俺へと向いている。

 

「ああ。満足して自分の居場所に戻っていったよ」

「そう、ですの。それはそれでいいんでしょうけど、やっぱり別れというのは寂しいものですわね」

「雪広さん、超の事を思ってくれるのならこの後夜祭で楽しんで送り出して下さい。先程アクセルさんにも言われましたが、超も泣いて送り出されるよりは笑って送り出される方を望むでしょう」

「そうそう。ほら、もう少ししたらゆーなが貰った食券を使ってクラス全員で焼き肉屋に行く予定なんだから」

「……明石の食券限定なのか?」

 

 明石の枚数には及ばないが、円や美砂。それに超を発見した千鶴もそれなりの枚数の食券を手に入れていた筈だが。

 

「ここは一番活躍したゆーなの奢りって事よ。ほら、ゴルフでもホールインワンを成功させたらその人が奢って宴会するって言うし」

「……いいの、か?」

 

 微妙に疑問に思う俺だったが、まぁ、クラスの雰囲気がそんな流れになってるんだしそれも3-Aらしいと言えばらしいんだろう。

 そんな風に思った時だ。手に何かを持った葉加瀬がこちらへと近付いてくる。

 

「アクセル君、これが超さんから預かっていたマーカーです。どうぞ」

 

 渡されたケースに入っているのは、確かに俺がこの世界に持ち込んだマーカーだった。エヴァの攻撃で半壊にされ、ヘルマンの攻撃で真っ二つにされたそれはそんな出来事など嘘だったとでもいうように俺が知っているマーカーそのままの姿になっていた。

 ……いや。超のアレンジか、あるいは技術力の違いか、細部は微妙に違ってはいるが。

 

「これはもう、動いているのか?」

「はい。不定期にですが、数時間事にこちらの位置を送信している筈です」

「……そうか。助かった」

「いえ、修理したのは超さんですから」

 

 そのマーカーを受け取り、短く礼を言うのだった。

 

 

 

 

 

 ちなみに、その日は結局朝方まで焼き肉店で打ち上げを続けて明石を涙目にさせたとだけ残しておく。

 高級焼き肉店というだけあって、ミノやタンは美味かった。個人的にはロースやカルビよりもホルモン系が美味い店だったな。




名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:655
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    異形化

撃墜数:380

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