転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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3236話

 マリューとミナトと存分に愛し合った日の翌日……本来ならフリーデンと共に行動を開始する予定になっていたのだが、アルタネイティブ社から数時間離れた場所にテンザン級とフリーデンの姿はあった。

 理由としては、俺のガンダムだ。

 ヴァサーゴに特に何の仕掛けもないという事が確認されたので、実際に機体性能がどんな感じなのか試してみようと思っていた。

 とはいえ、フリーデンと一緒に行動する以上、移動しながらヴァサーゴの性能を確認しようと思っていたのだが……そこに待ったを掛けたのは、ジャミルだった。

 移動しながらヴァサーゴの状況を見るのではなく、自分の目でしっかりとヴァサーゴの状態を確認したいという事らしい。

 フリーデン……というか、ジャミルがそこまでヴァサーゴに興味を持つとは思わなかった。

 いやまぁ、そういう風に要求してきたのは、ジャミル以外にフリーデンでメカニックを任されているキッドの意向も強かったらしいのだが。

 キッドはまだ子供だが、その技術と知識でフリーデンにいる他のメカニック達をしっかりと従えている。

 一種の天才という奴なのだろう。

 そんな天才だったが、MSについては強い興味を持っており……そういう意味ではベルフェゴールやヴァサーゴといった、あまり知られていないガンダムについても興味津々だった。

 それを抜きにしても、オクト・エイプの方にも強い興味を持っていたらしいが。

 何しろオクト・エイプは宇宙革命軍の中でも最強の量産機だ。

 天才であるだけに、興味深いのは間違いないだろう。

 とはいえ、シーマ達が使っているオクト・エイプは普通のオクト・エイプではない。

 元からのオクト・エイプを相応に改修した機体となっている。

 外見からその違いは分からないものの、実際に乗ってみれば明らかに違う。

 ともあれ、そんな訳でキッドに外見を見せるだけならともかく、実際に機体の内部構造を見せたりといったような真似は出来ない。

 そういう意味では、まだガンダムの方がいいだろう。

 

「さて、じゃあ……実際に動かしてみるぞ」

 

 テンザン級の格納庫から出たヴァサーゴで、周囲にいる者達にそう外部スピーカーで呼び掛ける。

 外に出て見ている者もいれば、テンザン級やフリーデンの中で見ている者もいる。

 

『アクセル、一応問題はないと思うが油断はするなよ』

 

 オクト・エイプに乗っているガイアからそんな声が聞こえてくる。

 ヴァサーゴの性能を確認するのは間違いないが、バルチャーやフリーのMS乗りがそれを確認すると、ガンダムを欲して襲ってこないとも限らない。

 あるいは今この時に直接襲ってくるといったような真似をしなくても、情報屋がそれを見て情報を売るといった可能性もある。

 ……まぁ、そちらに関しては情報を売りにいって、それからバルチャーやフリーのMS乗りが乗るというのを考えると、今すぐに襲ってくるようなことはないだろうが。

 とはいえ、こっちの戦力を考えると襲ってくるようや奴はそう多くないと思う。

 あるいは実際に襲ってきても、それはそれでこっちにとってはやりやすい。

 敵が持っているMSとかをこっちで確保出来るのだから。

 

「分かっている。その為に護衛のガイア達がいるんだろ」

 

 ちなみに今回の件に関しての護衛は、ガイア、オルテガ、マッシュの黒い三連星だ。

 実はシーマ達も護衛に出るかといった話があったのだが、色々と問題があってそれは却下となった。

 まず、ヴァサーゴにはフラッシュシステムが搭載されているという事で、ニュータイプのクスコとマリオンが護衛に出た場合、何か妙な反応がしないとも限らないという事で却下。

 実際には、クスコとマリオンはフラッシュシステムを運用出来ないので、あまり心配する必要はないのだが……それでも一応、念の為らしい。

 同様に、ヴァサーゴと同じくフラッシュシステムを搭載しているGXの方も念の為にフリーデンの格納庫に収納されたままだ。

 なら、オールドタイプのシーマ達なら? という思いもあるのだが、そちらに関しても何だかんだと中止になったらしい。

 

『にしても……ガンダムか……ベルフェゴールもそうだが、ヴァサーゴもまた普通のガンダムには見えねえな』

 

 ガイアのその言葉に、オルテガとマッシュもそれぞれ同意する。

 まぁ、その気持ちは分からないではない。

 UC世界におけるガンダムは、何気に結構な種類があったものの、外見そのものは他のガンダムとそう違いはなかった。

 それに比べると、このX世界のガンダムは色々と勝手が違う。

 GXこそUC世界のガンダムに似ている部分があるものの、レオパオルドやエアマスターは見るからにUC世界のガンダムとは違う。

 もっとも、ガンダムの基本と違うというのなら、SEED世界やW世界のガンダムも色々と特殊なのは間違いない。

 そういう意味では、寧ろUC世界のガンダムの方が特殊なのだろう。

 

「ベルフェゴールよりは、ヴァサーゴの方がまだガンダムっぽいだろ」

 

 ベルフェゴールは、肩のストライククローの部品があからさまに違和感がある。

 それと比べると、ヴァサーゴは腕の外側にある部品が腕に被さる形になり、ストライククローとして完成するのだ。

 そういう意味ではヴァサーゴはやっぱりベルフェゴールの正統進化形なのだろう。

 ストライククローがある代わりに、アトミックシザーズはなくなってしまったが。

 

『まぁ……そう言われればそうだけどな』

 

 ガイアはそう答えるも、完全に納得した様子ではない。

 ガンダムというのは、UC世界の人間にとって……というか1年戦争に参加した者にとって、非常に印象的な機体だ。

 それだけに、やはりこういうゲテモノガンダムには色々と思うところがあるのだろう。

 

「ともあれ、まずはヴァサーゴの運用試験だ。周囲の状況の確認を頼む」

 

 そう言うと、ヴァサーゴを動かす。

 まずは軽く走ったり飛んだりといったような行動だったが、操縦系統そのものはベルフェゴールの後継機だけあってそれなりに共通している部分も多い。

 もっとも、機体の動きその物はフラッシュシステムで機体制御をしていない分だけ、明らかにヴァサーゴの方が使いやすいが。

 そうして十分に機体を動かしたところで、次に移る。

 まずは、ヴァサーゴの特徴的な部分であるストライククロー。

 外側の部分を手の先端に被せて放つ。

 なるほど、こっちの操縦感覚そのものはベルフェゴールのストライククローとそう違いはない。

 ただ、向こうは腕とは別にストライククローがあったのに対し、こっちは本来の腕の上から外部パーツ的な感じで追加する形を取っている。

 その辺りの感覚がベルフェゴールと若干違うが……これに関しては、そのうちに慣れるだろう。

 次にストライククローの先端からビーム砲、データによるとクロービーム砲という名前らしいが、それを使う。

 クロービーム砲の威力そのものは、そこまで特別なものはない。

 あくまでも普通のビーム攻撃といった程度だ。

 オクト・エイプのビームライフルよりも少し強力な程度か。

 だが、クロービーム砲の大きな利点は、ストライククローから放てるという事。

 そしてストライククローは、普通の腕よりもかなり伸びて関節も多いので、その辺のMSがビームライフルを撃つのとは全く違った方向からビームを撃つ事が出来る。

 相手が回避しにくいという意味では、このクロービーム砲はかなり使いやすい武器なのは間違いなかった。

 普通のビームライフルと違うのは、ビームを発射した状態のままで手を動かして撃つことが出来るという点がある。

 何気にこれは結構使い勝手がいい特性だった。

 

「次、ビームサーベル」

 

 呟き、腰の後ろに装備されているビームサーベルを取り出す。

 オクト・エイプやドートレスが使うような円柱状のビームサーベルではなく、平刃状のビームサーベルだ。

 恐らくヴァサーゴ専用に開発されたビームサーベルなのだろう。

 とはいえ、威力そのものは決してそこまで高くはない。

 だが、このビームサーベルはクロービーム砲を上回るくらいに使い勝手のいい武器でもある。

 敵と近接した場合は、至近距離でビームサーベルを振るうことが出来る。

 ストライククローによって、敵が思いも寄らない場所からビームサーベルが振るわれるというのは、向こうにとって最悪の結果となるのは間違いない。

 そういう意味では、ヴァサーゴは近接戦闘にも強いという事になる。

 とはいえ、ストライククローでビームサーベルを使うのはそれなりにコツが必要なのは間違いない。

 最初は使うのに少し苦労したが、少し慣れるとそれなりに使いやすくなる。

 そうして満足すると、最後に選ぶのは……

 

「メガソニック砲、行くぞ。これは強力な威力を持ってるから、気を付けろ」

 

 一応という事で、テンザン級とフリーデンに向けて通信を送る。

 そうしてストライククローを展開し、地面に突き刺す。

 こうしなければ、メガソニック砲の威力が高すぎて機体を固定出来ない。

 GXの方は特にそういうのが必要ない辺り、本来ならサテライトキャノンに特化した機体って事なんだろうな。

 いやまぁ、汎用機としても十分な能力を持ってるのは間違いないが。

 

『アクセル、それは強力なメガ粒子砲……いや、ビーム砲なんだろう? 迂闊な場所に向かっては撃てないぞ』

 

 ガイアからの通信。

 サテライトキャノン程の威力はないが、それでも十分に強力な攻撃力を持ってるのは間違いない。

 それだけに、適当な方向に撃ってその結果としてどこぞの村や街に被害を与えたり、あるいは盗賊ではないきちんとしたバルチャー達が移動しているところに直撃をしたりといったような真似は絶対に避けたい。

 だとすれば、そういう心配のない方に向けて撃てばいいのだ。

 

「問題ない。空に向けて撃つ」

『……了解した。周囲から目立つだろうが、それは仕方がないな』

 

 せめてもの救いと言うべきか、今は日中だ。

 これが夜なら、メガソニック砲の光は周囲に目立ってしまっただろう。

 だが、日中の今ならそこまで目立つ事はない……筈だ。

 それでも完全に隠せるとは思えないが、襲ってくる相手がいたら相応の対応をすればいいだけだ。

 

「よし、メガソニック砲を発射する」

 

 そう告げ、ストライククローを地面に突き刺して機体を固定する。

 ヴァサーゴの腹部が展開してメガソニック砲の砲身が露わになる。

 同時に、背中のラジエータープレートが展開した。

 そしてエネルギーが溜まっていき……

 

「発射」

 

 その言葉と共に、ヴァサーゴの腹部から巨大なビームが放たれた。

 そうして放たれているメガソニック砲を、途中で拡散モードにする。

 すると腹部から放たれたメガソニック砲は拡散ビーム砲として広範囲に広がった。

 この辺りの機能は、GXのサテライトキャノンよりも勝っている部分だな。

 ……もっとも、サテライトキャノンはクロービーム砲のように撃った状態のままで砲身を動かして広範囲に攻撃をするといった真似が出来るのだから、拡散モードは最初から必要ないと判断されていただけなのかもしれないが。

 

『これは……凄いな……』

 

 ガイアが驚愕した様子でそう言ってくる。

 ガイアにしてみれば、まさかここまでの威力だとは思っていなかった……いや、一応シャギアがヴァサーゴに乗っていた時、これを使ったのを見ていた筈だ。

 だとすれば、別にこれが初めて見たという訳ではないのは明らかだ。

 それでもこれだけの威力のビーム砲を間近で見たのだから、これが2回目であっても驚くなという方が無理なのだろうが。

 

「やっぱり機体は固定した方が安定性は上がるみたいだな」

 

 メガソニック砲が撃ち終わったところで、機体の状態を確認してそう呟く。

 ラジエータープレートの方も問題はないのは助かる。

 他にも色々と機体をチェックしていくが、基本的には何も問題がない。

 さすがにベルフェゴールの後継機といったところか。

 最大の武器であるメガソニック砲を撃った後で機体を軽く動かしてみるが、特に問題はない。

 実際、アルタネイティブ社との戦いの時も、シャギアはメガソニック砲を撃った後で俺のベルフェゴールと普通に戦っていたのだ。

 それを思えば、こうして普通に動けるのはおかしな話ではないのだろう。

 

「よし、ヴァサーゴの性能チェックは大体終わった。一旦戻る。護衛をしていた黒い三連星も戻っていいぞ」

『いいのか? さっきのメガソニック砲を見た奴が今からやって来るかもしれないぞ?』

「構わない。あれだけのビーム砲を見れば、普通なら近付いては来ない筈だ。だが、それを見ても近付いてくる奴がいるのなら……そういう連中は、こっちに対処出来る何かを持ってると思った方がいい」

 

 そう告げる俺の言葉に、ガイアは納得して頷く。

 あるいはあれを見ても、特に根拠もなく大丈夫だと思ってやって来る奴もいるかもしれないが、そういう連中はとっとと処分してしまえばいい。

 そうして、俺はテンザン級に戻ったのだが……

 

「なぁ、なぁ、ちょっといいか?」

 

 何故かテンザン級の格納庫にはキッドがいて、そう声を掛けてくるのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:1910
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1750

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