転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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3224話

「俺はアクセル・アルマー。テンザン級を使っているバルチャーだ。ロッソには以前助けて貰った事があってな。その借りを返す為にこうしてやって来た。こっちはモニク。俺達の交渉担当だな」

「モニク・キャディラックです。よろしく」

 

 そう言い、俺とモニクの自己紹介は終わる。

 フリーデンの会議室にやって来たのたが、当然ながら俺達について詳しいのはロッソしかいない。

 そうである以上、自己紹介をしておいた方がいいだろうとロッソに言われ、こうして自己紹介をしたのだ。

 そうして俺達が自己紹介を終えると、ジャミル、グリーツ、ローザがそれぞれ自己紹介をする。

 ロッソは……まぁ、この場にいる全員が知っている以上、別にわざわざここで自己紹介をする必要もないだろうと判断したのか、特に何も言わない。

 

「それで……アクセルだったか。詳しい話をする前に1つ聞きたい。君が乗ってきたMSはガンダムだったという事だが」

 

 ジャミルのその質問に、素直に頷く。

 

「ああ、ガンダムだ。正確にはガンダムベルフェゴールだな。……まさかフリーデンから攻撃されそうになるとは思わなかったが」

「それはすまないと思っている。だが、私もガンダムについては色々と詳しいのだが、君の乗っているガンダム……ベルフェゴールか。その機体については今まで見た事も聞いた事もなかったんだ。そして現在フリーデンは色々と神経質になっている。そんな状況で未知のガンダムが現れ……それでブリッジにいた者達が過剰に反応したのだろう」

 

 ジャミルの後ろにいたサラが……他にも何人か会議室にいたフリーデンのクルーが気まずそうな表情を浮かべる。

 銃口を向けて来たのは、フリーデン側にとって交渉する上でかなり不利な出来事なのは間違いないしな。

 

「そう言われても、あのガンダムは連邦軍の基地で見つけた奴だしな。俺から何か言える事はない。……多分、連邦軍が開発していたガンダムの種類は色々とあって、ベルフェゴールはそんな中でも珍しい機体だったんだろう。実際にどういう性能なのかというのは、それこそ俺もまだ完全に把握してないし」

「把握していない? 何故だ?」

「何故と言われてもな。フリーデンにもガンダムがあるのなら、フラッシュシステムについては知ってるだろう?」

 

 フラッシュシステムという言葉を聞き、ジャミルがサングラス越しも分かるくらいに顔を顰める。

 それだけジャミルにとってフラッシュシステムというのは好ましくない物なのだろう。

 

「君は……フラッシュシステムを使えるのか?」

 

 慎重な、そして真剣な様子でジャミルはそう尋ねてくる。

 それに対し、一瞬なんと答えるべきか迷う。

 迷うものの、それでも実際にベルフェゴールを使っている以上、誤魔化すような真似は出来ないので頷く。

 

「そうだ。ただし、前もって言っておくが俺はニュータイプじゃない。だからフラッシュシステムを使えるとはいえ、その性能を完全に発揮出来る訳じゃない。具体的には……俺がベルフェゴールを見つける前に乗っていた、オクト・エイプとそう違いはない程度の性能になっている」

「ニュータイプではないのに、フラッシュシステムを使える……だと?」

 

 俺の口から出た説明は、ジャミルにとっても完全に予想外のものだったのだろう。

 驚き……いや、驚愕という表現が相応しいような、そんな様子で呟く。

 

「そうだな。だが、繰り返すがニュータイプではない以上、フラッシュシステムの性能を完全には発揮出来ない」

 

 ストライククローやアトミックシザーズといった、ベルフェゴールの特徴的な武器。

 フラッシュシステムを完全には使えない以上、その操縦の際にはかなり重いと感じてしまう。

 そういう意味では、本当に俺にとってフラッシュシステムというのは邪魔でしかない。

 ベルフェゴールもフラッシュシステムがないまま、普通に操縦させてくれればいいものを。

 

「では……何故フラッシュシステムを使える? あれは……あれはニュータイプでなければ使えない筈だ!」

 

 喋っているうちにジャミルは興奮してきたのか、俺に掴みかかってくる。

 その手を回避しようかと思ったが、別に悪意から掴みかかってきた訳ではないので、取りあえず殴ってきたりしない限りは問題ないと判断する。

 ロッソの知り合いらしいし。

 そして、俺に触れたジャミルだったが……

 

「っ!? 今のは……一体……」

 

 俺に触れた瞬間、ジャミルは半ば反射的に手を離す。

 それこそ、熱湯に思わず触れてしまった瞬間のように。

 だが、そのように感じたのはジャミルだけで、俺は特に何か感じたりはしなかった。

 この反応からすると……もしかしてジャミルもニュータイプだったのか?

 そう思った理由は、今のジャミルの反応からだ。

 UC世界において、俺がニュータイプと接触すると決まって何らかの反応があった。

 だが、それはニュータイプである相手だけではなく、俺にも何らかの反応があったのだ。

 そんな状況に対して、ジャミルと触れた時には特に俺にそれらしい反応はなかった。

 それはつまり、ジャミルはニュータイプではないという事を示している。

 もっとも、そういう風に感じたのはあくまでもUC世界のニュータイプでの話だ。

 クスコやマリオンがベルフェゴールに乗っても、フラッシュシステムが動かなかったのを思えば、UC世界のニュータイプとX世界のニュータイプは明確に違う。

 それは分かっているので、そう考えるとジャミルの反応はニュータイプだから……とは限らない訳か。

 それでも確認する為に、一応尋ねる。

 

「ジャミル、一応聞いておく。お前は……ニュータイプか?」

「っ!? そ、それは……」

 

 どうやら図星か。

 いや、図星として考えると、ちょっと反応がおかしいような気がする。

 

「どうやら色々と詳しい事情を聞いた方が、お互いの為になるかもな」

 

 そう言うと、ジャミルもそんな俺の言葉で何か感じるものがあったのか、少し考えてから頷く。

 この様子だとジャミルがニュータイプだという俺の予想は間違っていない。

 俺の方に反応がなかったのは、UC世界のニュータイプとX世界のニュータイプでは違うからか。

 他のニュータイプと接触してみれば、あるいはもう少し分かるかもしれないが。

 UC世界もそうだが、恐らくこの世界でもニュータイプというのはそう多くはないのだろう。

 そうなると……クスコやマリオンについての話はした方がいいのか?

 いや、だがニュータイプであるにも関わらずフラッシュシステムに対応していないというのを知られると、色々と不味い。

 だとすれば、俺達がシャドウミラー……異世界から来た存在だというのも話す?

 見た感じ、ジャミルはそれなりに信用出来そうな気はする。

 あくまでも第一印象からの話だが。

 

「詳しい話については、このブリーフィングが終わってからにしよう。実際に作戦を行うまでは少し時間が掛かるからな」

 

 そうしてこの話は一旦置いておくという事になり、ジャミルが考えていた作戦が発表される。

 ジャミルが考えた作戦は、2手に分かれて艦砲射撃を行い、5分後に全MSを出撃させ、建物……攻略対象であるアルタネイティブ社の前で合流して一気に攻め込むらしい。

 ちなみに艦砲射撃が狙う場所はアルタネイティブ社ではなく、その手前とする事に厳命されている。

 何でも今回の作戦の理由は、フリーデンのクルーの1人が病気になっており、それを治療出来るのがアルタネイティブ社にある施設だけらしい。

 ……それなら普通に頼めばいいと思うが、何でもそのアルタネイティブ社は非人道的な研究をやっているので有名なんだとか。

 納得出来るような、出来ないような。

 フラナガン機関の事を思えば、納得出来るのかもしれないが。

 その辺については、後でジャミルと話した時に詳しい事情を聞けばいい。

 そしてブリーフィングが終わり、早速ジャミルに声を掛けようとすると……

 

「すいません、少しよろしいでしょうか?」

 

 ジャミルに声を掛けるよりも前に、別の人物に声を掛けられる。

 バルチャーにしては丁寧な言葉遣い。

 フリーデンのメンバーか?

 そう思って視線を向けると、そこには顔立ちの整った男が1人いた。

 しかし、どこか違和感がある。

 具体的にどこがどうとは言えない。

 しかし、どこか違和感があるのは間違いのない事実だった。

 

「お前は?」

「あ、はい。僕はオルバといいます。少し前にフリーデンに助けられたので、今はフリーデンのお手伝いをしています」

「へぇ……そうなのか。それで、そんなオルバが俺に何の用件だ?」

「いえ、先程のブリーフィングで話していたベルフェゴールですが、あのようなガンダムを一体どこの基地で入手したのかと、気になりまして」

 

 フリーのMS乗りやバルチャーなら、ガンダムを入手した基地がどこにあるのかと気になるのは当然だろう。

 場合によっては、まだ俺が見つけていないお宝があるのかもしれないのだから。

 ましてや、ベルフェゴールのあった場所は今では俺達の拠点となっているのだから。

 

「俺もバルチャーだ。お宝のあった場所を素直に教えると思うか?」

「情報料を寄越せ、と?」

「いや、別に金には困っていない」

 

 これは事実だ。

 そもそも盗賊とかをやっているバルチャーを倒して、その財産とかを巻き上げている。

 また、フリーのMS乗りとして活動していた時の報酬も結構な量が貯まっている。

 フリーのMS乗りとしての報酬は他よりも安いのだが、特に使うような事もなかったので、結構な量が貯まっているのだ。

 それにいざとなれば、ホワイトスターにあるキブツを使って宝石や金塊を作って、この世界で売り捌くという方法もある。

 ……本来なら宝石はともかく、金塊の類は大量に持ち込むといった真似をすると市場を荒らす事になり、経済的に色々と不味い。

 だが、このX世界は戦後世界で、そういう経済とかはまだ完全に復興していない。

 そうである以上、その辺を気にする必要はないのだ。

 

「そうですか。どうしても駄目ですか?」

「ああ。……けど、そうだな。俺の知っている情報に相応しい交換条件とかがあれば、話は別だけどな」

 

 とはいえ、あの基地と同じような重要度の情報など、そうあるものではない。

 オルバも自分の持っている情報では俺からあの基地のあった場所について知る事は出来ないと諦めたらしい。

 大きく息を吐いてから口を開く。

 

「そうですか。残念です。出来ればその話は聞きたかったのですが……僕はガンダムに興味があるんですよ」

「まぁ、MS乗りならガンダムに興味がない者はいないだろうな」

 

 ガンダムというのは、この世界においては非常に強力な高性能MSの代名詞だ。

 俺のベルフェゴールを始めとして、他に何種類ものガンダムがあるのは分かっている。

 とはいえ、具体的にどのくらいの種類があるのかは分からないが。

 

「ええ。なので、出来れば是非アクセルさんの乗っていたガンダムのあった場所について聞きたかったのですが。……残念です」

 

 そう告げるオルバだったが、実際には俺を調べれば基地のある大体の位置は把握出来るだろう。

 何しろ俺はサン・アンジェロ市を拠点にして活動していたし、ダイラスがあの基地を攻略する為に俺を含めたフリーのMS乗りを雇う為、かなり大々的に動いていた。

 そしてダイラスは死んだが、ダイラスが有していたロッキー級の1隻はそのまま解放したのだ。

 つまり、あの基地の位置を知っている者は相応にいるということを示していた。

 オルバがそこまでしてあの基地の場所を知りたいのかどうかというのは、生憎と俺にも分からないが。

 まぁ、その気になったらオルバもあの基地に来るだろう。

 

「そう言えば、お前は一体何のMSに乗ってるんだ?」

「いえ、MSではなくMAです。フリーデンの格納庫にあったのを見ませんでしたか?」

「……ん? ああ、そう言えばあったな。ガンダムの方に意識が向けられてたけど」

「それはしょうがないですね。ガンダムは本当に特別なMSですから」

「それだ。特別なMSには特別なパイロットが必要な筈。けど、聞いた話によればあのガンダムのパイロットは特別……ニュータイプじゃないんだろ?」

 

 ピクリ、と。

 ニュータイプという言葉に反応したのか、オルバは目元がひくついた。

 一瞬だったが、それは間違いない。

 もしかして、オルバはニュータイプという存在に対して何かあるのか?

 

「申し訳ありませんけど、僕にもその辺りについては分かりません。僕もフリーデンに拾って貰ったのは最近ですから。ただ……見たところ、10代半ばといったくらいの年齢の男の子でしたよ」

 

 男の子、か。

 キッドもガンダム坊やとか言ってたから、多分その表現は間違ってはいないのだろう。

 

「そうか。フラッシュシステムをどうやって使ってるのか、知りたかったんだがな」

「……アクセルさんは、そのフラッシュシステムというのを使えるんですか?」

「使える……まぁ、一応使えるのは使えるな。使いこなしているとは言えないけど」

 

 もし俺が本当にフラッシュシステムを使いこなしていれば、ベルフェゴールは本来の性能を発揮出来る筈だ。

 だが、今はそのような事は出来ていない。

 

「そうですか。……では、時間を取らせてしまい、申し訳ありませんでした」

 

 そう言い、オルバは頭を下げると俺の前から立ち去るのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:1910
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1750

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