転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0278話

 英単語野球拳の翌日。その日は朝から教室の中が騒がしくなっていた。

 パッと見、いつもなら既に来ている面々がいないのがちょっと気になるがそれよりも問題なのは……

 

「何ですって!? 2-Aが最下位を脱出しないとネギ先生がクビに!?」

 

 椎名からの話を聞いたあやかが、その内容に衝撃を受けていたのだ。

 周囲のクラスメイトも同じくざわついている。

 チラリと千鶴の方へと視線を向けると、ネギの正体を知っている千鶴もまた不審そうに首を傾げていた。

 そう、ネギは英雄の息子として将来を嘱望されている魔法使いなのだ。それがテストでクラスが最下位だからといってクビになるとはちょっと信じられない。

 考えられるとすれば、魔法使いとしての試練か何かか……あるいは。

 周囲を見ると、ネギと同室の神楽坂と近衛の姿も無い。

 魔法バレについての計画か、だ。

 

「とにかく皆さん! テストまでしっかりと勉強して最下位を脱出ですわ。普段は不真面目な方達も今回は真面目にやって下さい。……問題は、アスナさん含むバカレンジャーの方々ですわね。取りあえず最低でもテストに出て0点を取らなければ……」

 

 そう呟くあやかだったが、その展望は次の瞬間崩れ去る。

 宮崎と早乙女が教室の中へと飛び込んできたのだ。それも想像以上に最悪な知らせを持って。

 

「みんなー、大変だよ! ネギ先生とバカレンジャーが図書館島で行方不明に!?」

「え……」

 

 早乙女の口からでたその知らせに、あやかを含む2-A生徒達の顔が青くなる。

 その顔には『やっぱり駄目かも』という文字が浮かんでいるかのようだった。

 また、その話を聞いた桜咲も近衛の護衛だというのにこの件について知らなかったのか落ち着きが無くなっている。

 

「では、不肖この雪広あやかがネギ先生を助ける為に図書館島へ!」

 

 暴走しそうなあやかの制服を軽く引っ張って注意を引く。

 

「あー、取りあえず図書館島に行くよりも学園長なり高畑なりに連絡した方が良くないか?」

「だよな、普通はそう考えるよな。何で速攻で自分達が探しに行く事になってるんだよ」

 

 ぼそっとした長谷川の呟きが聞こえたが、それは取りあえず流しておく。

 

「そ、そうですわね。では委員長の私が早速……」

 

 俺の言葉に頷いたあやかが、教室を出て職員室へと向かう。

 

「アクセル君、あやかが暴走しないように付いていって貰えないかしら」

「……そうだな。確かにあの様子だとまた暴走しそうな気がするしな」

 

 職員室で暴走して、気が付いたら実は図書館島に行ってましたとかなったら余計に騒ぎになりそうだ。

 千鶴の勧め通り、あやかの後を追っていく。

 教室を出てから廊下を走ると、すぐにあやかの後ろ姿が見えてきた。

 

「アクセル君? どうしましたの?」

 

 俺の姿を見て、そう尋ねてくるあやか。

 あやかの隣で止まり、一緒に歩きながら苦笑を浮かべる。

 

「千鶴からあやかが暴走しないようにお目付役をな」

「全く、千鶴さんったら心配性なんですから」

「だが、教室での様子を見てる限りでは千鶴の心配も当たってそうだったが?」

「もう。アクセル君まで……」

「それに、恐らくネギに関しては大丈夫だと思う」

 

 俺のその言葉に、小首を傾げるあやか。

 

「どうしてそう言い切れるんですの?」

「俺の考えが正しければ、恐らくこの一件は魔法使い関係のイベントか何かだろうからな」

「……あぁ、なるほど。そう言えばネギ先生のお父様は英雄と呼ばれる程の人物であったとか。そちらの関係ですか」

「ああ。だから向かうのは職員室じゃなくて学園長室だな」

「ええ、分かりました。お供させて頂きます」

 

 あやかも頷き、職員室の前を通り過ぎて学園長室へと移動する。

 

 

 

 

 

「学園長先生、2-Aの雪広あやかとアクセル・アルマーです。少しよろしいでしょうか?」

「ふぉ!? ちょ、ちょっと待っとくれ。……うむ、いいぞい」

 

 一瞬扉の向こうから慌てた声が聞こえ、数秒後に入室の許可が出る。

 その言葉を聞いてからドアを開けると、いつものように執務室の机に向かっている状態の学園長の姿があった。

 

「学園長、俺達が来た理由は言わなくても分かるな?」

「うむ。ネギ君達に関してじゃな?」

「ああ。ネギ達が行方不明になったと教室では今大騒ぎになっている」

「やはりそうか。ネギ君達は木乃香達と一緒にこちらで保護下においておる。少なくても危険はないから安心してくれて構わんぞ」

「となると、やっぱり今回の行方不明騒ぎは魔法使い関係のイベントか何かか?」

「うむ。今回の期末テストで2-Aが学年最下位を脱出したら教育実習終了じゃと課題を出したら、木乃香やその友人達が図書館島にあるという魔法の本を目当てにな。そのお仕置きも兼ねて……といった所じゃ」

 

 その説明を聞き、やはりと納得する部分と何故? と疑問に思う部分がある。

 

「ちょっと聞きたいんだが、期末テストで学年最下位を脱出するというが……ネギの担当は英語だよな? それなのに総合成績で合否を判断するのか?」

「ひょ!?」

「それに、そもそも2-Aの担任は高畑だろう? その高畑が2年掛かって無理だったのを、教育実習生扱いのネギに対する試験とするのはどうなんだ?」

「む、むぅ……」

 

 俺の言葉に眉を顰める近右衛門。

 

「確かにそうですわね。……学園長、もしその条件でネギ先生がその試験を突破した場合、高畑先生の面目が丸潰れの上に教師としての能力にも疑問を抱かれると思うのですが……どうでしょう?」

「うーむ、確かに君達の言う通りではある。じゃが、これも魔法使いとしての試練と考えて貰えんかのう」

「……まぁ、別に俺は関東魔法協会とやらの所属ではないから、その辺はそちらに任せても構わない。俺の仕事は元々学園生活でのネギのフォローだしな。だが、一応念の為に聞いておくがネギ以外の面々にも危険は無いんだな?」

 

 俺のその質問に、自信あり気に頷く近右衛門。

 

「うむ、その点は心配しなくても構わん。現在は図書館島の地下深くにある部屋でネギ君と木乃香が他の生徒達に授業を教えている所じゃ。もっとも、儂の言葉だけでは信用出来ないか。ほれ」

 

 そう言って、机の下から水晶玉を取り出してこちらへと見せてくる。

 その水晶玉の中では、確かに行方不明になったバカレンジャー5人に勉強を教えているネギと近衛の姿があった。

 ……なるほど。俺とあやかが学園長室の前で声を掛けた時に慌てた様子だったのはこの水晶玉を見ていたからか。

 

「まぁ、ネギ先生! お元気そうでなによりですわ! ……と言うか、アスナさんはネギ先生にくっつきすぎです!」

 

 水晶玉に映し出されたネギを見て喜びの表情を浮かべるが、すぐに神楽坂に対しての文句を口に出す。

 とは言っても、その表情は口から出ている言葉とは正反対で安堵の表情を浮かべていた。何だかんだ言っても、親友である神楽坂が心配だったのだろう。……その辺は絶対素直にならないだろうが。

 

「これで分かって貰えたと思うが、ネギ君や木乃香達に関しては心配無いとクラスの皆に伝えて貰えるかの?」

「分かった。図書館島で遭難した所を職員に発見されて保護されたとでも言っておくとしよう。……ただし」

「む?」

「深夜に図書館島に入り込んだ事実は事実だ。ネギ達が図書館島から戻ってきたらその辺はきちんと叱っておくようにな」

「うむ。その辺は当然じゃの。新田先生に頼もうと思っておる」

「そうしてくれ。それと、桜咲が近衛の事を気にしていたようだからその辺のフォローもしておいた方がいいぞ」

「むぅ、そこら辺はアクセル君に頼みたいんじゃが……」

「俺に? とは言っても、桜咲は俺の事を知っているのか?」

「……そうじゃな。その問題もあったのう。彼女は木乃香の護衛に集中している為か他の魔法生徒や魔法先生に関してあまり興味がないんじゃよ。恐らくアクセル君にしても……」

「となると、当然俺がどうこう言える訳も無いだろうに」

「しょうがないのう。取りあえずその件はこちらで何とかしよう。お主達はクラスにネギ君達の無事を知らせて安心させて欲しい」

「わかりましたわ。そして今度のテストでネギ先生の為にも最下位脱出を!」

 

 あやかがそう宣言しながらポーズを決め、近右衛門に小さく頭を下げてから学園長室を出て行く。

 苦笑しながら、そんなあやかの後を追う。

 

 

 

 

 

「という訳で、ネギ先生達は図書館島の職員の方達に無事保護されているとの事です。現在は諸事情によりまだこちらに戻って来れませんが、バカレンジャーの皆さんと共に勉強をしているらしいので心配はいりません」

 

 教壇の前であやかがクラスの皆へとネギ達について説明をしている。

 クラスの皆はさすがにネギ達が心配だったのかホッと安堵の息を漏らしている。

 

「それと、期末テストでクラスが最下位のままだとネギ先生がクビ、という噂ですが多少違います。現在のネギ先生の立場は教育実習生。それが正式に教師となるか、あるいは教育実習生のままか。それが今度の期末テストで決まるそうですわ」

「え? じゃあネギ先生はテストで最下位になってもいなくならないんですかー?」

「ええ、その点に関しては史伽さんの仰る通りです。ですが、折角ですので私達の力でネギ先生を正式な教師にしてみませんか?」

 

 あやかの言葉に、ノリのいい2-Aがどう応えるかはすぐに分かった。

 おおおおお! とばかりに雄叫びを上げたのだ。

 ……もっとも、そのすぐ後に隣のクラスで授業をしていた新田に大目玉を食らったのだが。

 ともかく、こうしてクラスの心が1つに纏まり、土曜・日曜とクラスで集まってテスト勉強に明け暮れるのだった。

 そして週明けの月曜日。図書館遭難組も遅刻したものの何とかテストには間に合い無事クラス全員がテストを受ける事に成功した。

 まぁ、翌日の成績発表で遭難組の点数が含められていなかった為にネギがイギリスに帰ろうとする一幕もあったのだが、結局は学年1位になる事が出来たので良しとしたい。




名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:625
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    ???
    ???

撃墜数:376

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