転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0276話

 昼休みがそろそろ終わるという事で、教室に戻る俺達。

 次の時間は体育なので、着替えの運動着を持って使われていない教室へと移動する。

 例の如く柿崎が誘惑(?)してきたが、その辺は軽く流しておく。……あやかの鼻血が微妙に気になるが。

 運動着に着替えて教室を出ると、丁度着替えを終えた2-Aの生徒達と出くわした。

 

「アクセル、早いわね」

 

 そう声を掛けて来たのは神楽坂だ。

 確かに神楽坂にしてみれば、他の教室に移動してから着替えた俺とここで出くわすのは意外だったのだろう。

 

「お前達と違って、男は身支度に時間が掛からないんだよ」

 

 いや、お洒落を気にする性格だったりしたら分からないが、少なくても俺の場合はちゃっちゃと着替えている。麻帆良女子中で生徒をやっているが、そもそもの俺は軍人なのだ。幼年学校からの生活で素早い着替えなんかは既に染みついている。

 

「で、今日の体育は?」

「今日は屋上でバレーボールよ」

 

 神楽坂と会話しつつ、屋上へと上がっていく。

 そこにいたのは……

 

「あら偶然。また会ったわね、あんた達」

 

 昼休みに神楽坂やあやかと揉めていた女子生徒達だった。

 

「昼休みにお前と揉めてた奴だろ?」

「そうよ。全く、高等部がなんだって中等部の屋上にきているのかしら」

 

 神楽坂の言葉に、どこか勝ち誇った顔を浮かべて相手方の中心人物らしい女生徒が口を開く。

 

「私達、自習だからこれからここでバレーボールをやるのよ。あんた達は?」

「わ、私達もバレーボールよ!」

「どうやらダブルブッキングしちゃったみたいね」

「な、なんでいつもこう……」

 

 神楽坂の後ろから顔を出した明石が苦々しげに呟いた。

 

「と言うか、素朴な疑問をいいか?」

 

 そんな2人を横目に、高等部の生徒達へと尋ねる。

 

「あら? この子だけじゃなくてその子もあんた達の関係者なの?」

「この子?」

「そう、この子」

 

 そう言って高等部の生徒達が捕まえていたネギを見せつける。

 

「……ネギ」

「あうー、アクセル君、ごめん。体育の先生が用事で来れなくなったから、代わりに来たら……」

 

 目の前にいる女子高生達に捕まった、と。

 助けてオーラを出しているネギと視線を合わせ……ふいっと逸らす。

 

「見捨てられた!?」

「で、質問なんだが」

「そして流された!?」

「……ネギ、取りあえずお前は少し静かにしてろ。で、改めて質問なんだが……何故高等部の自習が中等部の屋上でなんだ?」

「そっ、それは……」

 

 俺の質問に言葉を詰まらせる高等部の女。

 

「それに、そっちが自習だとしてもこっちは歴とした体育の授業だ。ならどちらに優先権があるのかは自明の理じゃないか?」

 

 俺の話を聞いていた神楽坂が、明石へと小声で尋ねる。

 

「ねぇ、ゆーな。自明の理って何?」

「全く、アスナはとことんバカレンジャーなんだから。いい、自明の理ってのは……うーん、なんて言えば良いんだろ。誰が見ても明らかな事? まぁ、取りあえずそんな感じで覚えておけばいいよ」

「なるほど。確かに自明の理ね」

 

 明石の言葉に頷く神楽坂。

 ちなみに自明の理の正確な意味は『証明するまでもなく明らかな道理』だな。

 

「そ、それは……でも、昼休みはこの子達が早い者勝ちだって言い張って……」

「それは昼休みだからだろう? こっちは歴とした授業だ」

「……この子、こっちの子と違って可愛くないわね」

 

 ネギを抱えていた女子生徒が、そういいながらネギをより強く抱きしめる。そうすると自然とネギと女子生徒が密着する訳で……

 

「は……、はっくしゅんっ!」

 

 自分を抱きしめていた相手の髪の毛に鼻をくすぐられて起きたネギのくしゃみと同時に、魔力が暴走。周囲に強烈な突風を作りあげる。

 幸い『風花 武装解除』の魔法は発動しなかった。ただ、2-Aの生徒達は体育という事で運動着に着替えていたから問題無かったが、女子高生組は制服のままだった為にスカートが盛大にめくれていた。

 あ、ちなみに俺はいつの間にか後ろに現れていた千鶴に目隠しをされていたので何も見ていないのであしからず。

 

「あの、どんな争い事も暴力で解決するというのは駄目です。両クラスでスポーツで争って勝負を決めるというのはどうでしょう? さわやかに汗を流せばつまらないいがみ合いも無くなると思うんですけど……」

「いいわよ」

 

 ネギの言葉に、相手のリーダー格の女が笑みを浮かべて頷く。

 その顔は自信に満ちていた。自分達が負けるとは微塵も考えていないのだろう。

 

「面白いじゃない。私達が負けたら大人しくこのコートを出て行くし、明日以降の昼休みもあんた達の邪魔をしないわ。……どう?」

「そんな事を言ったって年齢も体格も全然違うじゃないの」

 

 神楽坂がそう言いながら、相手へと食ってかかっている。それを横目で見ながら、俺は溜息を吐きながらネギへと話し掛ける。

 

「と言うか、ネギ。俺の話をしっかり聞いてたか? あのまま俺が説得を続ければ普通にこのコートを譲ってもらえたんだが」

「あうー、でもこのままここで譲って貰えてもまた明日から同じような事になりそうな気がして」

 

 まぁ、それは確かに。

 わざわざ高等部の校舎から中等部の校舎までやってきて嫌がらせをしているというのを考えると、ここで追い払ってもまた何か理由を付けて絡んでくるのは間違いないだろう。そういう意味では、確かにネギの提案はそう間違ったものじゃない。だが……

 

「最終手段として、生徒指導の新田先生を呼ぶという手段もあるが?」

 

 『生徒指導の新田』という単語が出た瞬間、高等部の生徒達は頬を引きつらせる。

 生徒指導の新田。通称鬼の新田。その厳しさは麻帆良中へと知れ渡っている。

 

「ひ、卑怯よ!」

「卑怯も何も、授業の邪魔をされてるんだから当然だろうに。それに昼の件も併せて報告しておけばネギが心配しているような事態にもならないと思うぞ」

「でも僕のクラスの問題だし、僕が解決しないと……」

 

 どこか自信なさげに呟くネギ。

 

「いいか。自分で出来ない事でも他人の力を借りて物事を成すというのは別に悪い事じゃない。と言うか、何でもかんでも自分だけの力で解決出来る筈も無いだろうに」

「……そうなのかな?」

「少なくても俺はそう思うし、そう行動してきたけどな」

 

 まぁ、俺の場合は機体の整備をレモン達に任せていたというのが正しいか。

 

「うーん、そうなの……かな?」

「ちょ、ちょっと! ここはこの子がさっき言ってたようにスポーツで勝負するって流れでしょ!」

 

 話の流れが悪いと感じたのか女子校組のリーダー格がそう言ってくるが、ネギは少し考えた後に小さく頷く。

 

「うん、分かった。アクセル君の言う通りに新田先生に連絡してみる!」

「ちょっとぉぉぉっっっ!」

 

 相手のそんな声を無視して、ネギは自分に抱きついていた相手から抜け出して屋上を出て行く。

 

「さて、後は新田先生が来るまでゆっくり待つとしようか」

「ぐぎぎぎぎ……ひ、卑怯よ! 勝負で勝てないからって先生に言いつけるなんて!」

「いや、そもそも勝負する理由が無いし」

「……アクセル君って実は結構策士?」

 

 後ろの方で朝倉が何か言っているが、取りあえず聞こえない振りをする。

 と言うか、この程度で策士って……

 

「しょ、しょうがないわね。今日はこのくらいにしておいてあげるわ! 皆、行くわよ!」

 

 このままここにいては新田がやってきて怒られると判断したのだろう。また、昼休みの件も併せて自分達に勝ち目は無いと悟ったのか、素早く中等部の屋上から去っていく。

 いや、別に去るのはいいんだが、どのみちネギから新田に今回の件は知らされるというのを忘れてるんじゃないだろうか。ここで怒られなくても、後日担任経由で説教されるのは確実だと思うんだが。

 

「こら、お前達! ネギ先生から話を聞いて急いできてみれば……」

 

 中等部の校舎内から響いてくるその怒声を聞き、思わず苦笑を浮かべる。

 どうやら逃げるのにちょっと遅れたらしく新田と鉢合わせしてしまったらしい。

 

「キャアアアアアッ、ご免なさーーーいっ!」

 

 そんな悲鳴も聞こえて来るが、当然鬼の新田と呼ばれている人物がそれで済ます筈も無く。

 

「ちょっと来い、お前達!」

「覚えてなさいよぉっ!」

 

 そんな声を上げながら次第に遠ざかっていった。

 屋上が微妙に静まりかえっている中、ひょっこりとネギがドアから顔を出す。

 

「と、取りあえずこれで良かったのかな?」

「そうだな。教育実習生としては及第点といった所か」

 

 本来なら、あの女子高生達に捕まって玩具にされたりとかマイナス点もあるんだが素早く新田を呼んだことで+-ゼロという事にしておこう。

 

「アクセル君のアドバイスのおかげだよ。……さて、皆さん。ちょっと時間が押してしまいましたが、体育の授業を開始したいと思います。バレーでいいんですよね?」

「そうだよー」

「ネギ先生も一緒にやりましょうよ」

「え、鳴滝さん。でも、僕は先生なので……」

「まぁまぁ、細かい事は言いっこ無しだよ。一緒にあそ……じゃなくて、バレーをしようよ」

 

 佐々木と鳴滝姉妹がネギをコートの方へと引っ張り出す。

 

「さて、俺は取りあえず見学でも……」

 

 そう言って離れた所にいたエヴァと茶々丸の方へと移動しようとしたのだが、肩を掴まれる。

 

「あらあら、アクセル君もきちんと授業に出ないと駄目よ?」

 

 振り向くと、そこには微妙に迫力のある笑顔を浮かべた千鶴の姿があった。

 こうして、結局俺もネギと一緒にバレーに強制参加させられる事になったのだった。 




名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:625
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    ???
    ???

撃墜数:376

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