転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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今回の歴史SLGの件、実は番外編で書いてみようかと思ってました。
ただ、ゲーム製作系のアニメとか漫画は殆ど知らないので、断念。
後日その手のアニメや漫画を見たら、番外編をやるかもしれませんが。


2791話

 サーバインのショットクローは問題ないと判断した。

 そうなれば、後はここに残っている暇はない。

 マーベルの方はと、機械の館の中を捜していると、やはりダンバインのある場所で色々と仕事をしていた。

 ダンバインを担当している技術者達は、今が一番忙しいだろうな。

 マーベルのダンバインはともかく、地上人3人のダンバインも用意しないといけないのだから。

 それでも前もってマーベルがダンバインを使っていた事もあり、人がいなくても調整出来る部分は調整していたらしい。

 この辺はマーベルがいたからこそ出来た事なんだが。

 

「あら、アクセル。サーバインの方はもういいの?」

「こっちはもう終わった。さすがショットといったところだな。俺が期待していた通りの代物に出来上がっている」

 

 もっとも、俺が期待した通りのものであって、期待した以上の代物ではないのが、ショットとシャドウミラーの技術班との力量の差なのだろうが。

 レモン率いるシャドウミラーの技術班は、俺が予想していた数段上の物を平気で作ってくるんだよな。

 ……時々、斜め上に数段階上の物だったりする事もあるのだが。

 

「そう。私の方ももう少しで終わるから、待っててくれる?」

「分かった、なら俺は適当にこの辺を見て回るから、マーベルは自分の仕事をしててくれ」

 

 そう言い、俺は周囲の様子を見て回る。

 とはいえ、やはりここで見るべきなのはダンバインだろう。

 現在ここにはマーベルが乗っている白のダンバインの他に3機のダンバインがある。

 色は3機全てが違っており、水色、濃紺、深緑……といったところか。

 もっとも、俺は色についてそんなに詳しくないので、もしかしたら微妙に違う色の名前かもしれないが。

 この3機がそれぞれ、ショウ、トッド、トカマクの機体になるのだろう。

 どの色が誰の機体になるのかまでは、俺も分からないが。

 見たところ、違うのはあくまでも機体の色だけで装備している武器はマーベルのダンバインと違わないらしい。

 つまり、それは俺のサーバインともそう違わないという事を意味している。

 俺のサーバインが使うオーラショットはダンバインのをそのまま流用しているし、ショットクローもまたダンバインのを参考にして装備してもらったのだから。

 まぁ、ショットクローはダンバインが使っているのとは違う、希少な素材を使っており、サーバインのショットクローだけが電撃を使うといった真似が出来るのだが。

 ダンバインと同じ武器を使えるというのは、間違いなくメリットだ。

 いざという時に壊してしまっても、すぐに予備の武器があるという事になるし。

 だが、それはあくまでもダンバインの武器であって、出来ればサーバイン独自の武器が欲しい。

 いやまぁ、ショットクローはサーバイン用の武器なのは間違いないんだが。

 

「アクセル、お待たせ」

 

 ダンバインを眺めていた俺に、仕事が終わったのかマーベルがそう声を掛けてくる。

 

「もういいのか?」

「ええ、問題ないわ。元々、念の為といったところだったし」

「オーラバトラーだしな」

「ええ」

 

 ダンバインを含め、オーラバトラーは恐獣の素材を使って作られている。

 そうである以上、当然ながらその素材は同じ恐獣の素材であっても微妙に違う。

 俺とマーベルがよく狩るガッターを見れば、それは明らかだろう。

 小さい個体は全長8m程度なのに対して、大きな個体となると25mにもなる。

 3倍以上の個体差があるのだから、その素材を使ってオーラバトラーを作ったとしても、それこそ1機ずつまるで違う機体になるのは間違いない。

 言ってみれば、ドレイクの領地で製造されているオーラバトラーは量産品であっても1機ずつ微妙に違う手作りの工芸品的な存在なのだ。

 だからこそ、1機ずつ違う調整をしなければならない。

 

「ダンバインの調整が終わったんなら、俺達もそろそろ家に帰るか? 園遊会の準備をする必要があるし」

 

 当然だが、今夜の園遊会には俺とマーベルもドレイクの同盟者として招待されている。

 そんな中で、俺は準備をするのにそこまで時間は掛からないが、マーベルの場合はドレスや化粧と、かなり時間が掛かる。

 手軽にすませるのなら、そこまで時間は掛からないだろう。

 だが、ドレイクという俺の同盟相手……というだけではなく、俺達がラース・ワウでの生活の面倒を見てくれている相手でもある。

 とてもではないが、招待された園遊会に手を抜いて出席する訳にはいかない。

 園遊会というだけではなく、地上人……聖戦士として扱う予定の3人のお披露目なのだから。

 シルキーの開いたオーラロードによって、バイストン・ウェルに来る事が出来たショウ達だ。

 マーベルの件もそうだが、それを考えるとショウ達も聖戦士と呼ばれるだけのオーラ力は持っていてもおかしくはない。

 というか、俺の勘だがショウがこの世界の原作の主人公だろうし。

 それを考えれば、ショウ達を地上人としてお披露目するのはそうおかしな話ではないだろう。

 

「そうね。ドレスはドレイクが新しいのを贈ってくれるって言ってたし」

「俺の方は前のパーティで着たのと同じだけどな」

 

 この辺はドレイクとしても男よりも女の着飾った姿を見たいということなのだろう。

 その気持ちは分かるので、俺としても特にドレイクの行動に不満を持ったりはしない。

 そんな訳で、俺はマーベルと共に家に帰る。

 俺とマーベルだけなら、それこそユニコンの馬車とかを使ったりしなくても、影のゲートで一瞬だ。

 ネギま世界では色々な魔法が使えるようになったが、この影の魔法って恐らく俺が使っている魔法の中で最も多用してるんじゃないだろうか。

 そうして家に到着すると、メイドがすぐに出迎え……かなり強引にマーベルを引っ張っていった。

 メイドとして、仮の主人――本来の雇い主はドレイクなので――のマーベルが園遊会に出る為の準備をするのに少しでも時間が欲しかったのだろう。

 

「ちょっ、ちょっと!?」

 

 マーベルにとってもこの行動は意外だったのか、驚いた様子を見せていた。

 まぁ、今夜は園遊会でメイドにしてみればマーベルを飾り付けるいい機会なのだろう。

 実際、マーベルはそういう意味で飾り付け甲斐のある存在なのは間違いないのだから。

 それにメイドにとっても仮ではあっても自分の主人を飾り付けるのは腕の見せ所といったところか。

 

「頑張れよ」

 

 連れ去られたマーベルにそう声を掛けると、俺は俺で自分の部屋に向かう。

 とはいえ、園遊会……つまりパーティでの主役は、当然ながら男ではなく着飾った女達だ。

 そういう場において、男というのは一種の添え物でしかない。

 であれば、俺の方はそこまで急いで着替える必要はないだろう。

 というか、今の時間からもう着替えてしまった場合、マーベルの着替えが終わるまではゆっくり出来ない事になるしな。

 さすがに園遊会に出るような服を着て、ベッドに寝転がるといったような真似をするのもどうかと思うし。

 そんな訳で、俺は取りあえず自分の部屋に戻って時間を潰す。

 そこにはやはり園遊会に参加するための服が置かれていたが、今は取りあえずそちらを気にする必要はない。

 ベッドに寝転がり、空間倉庫の中から何かないかと思い……携帯ゲーム機があった事を思い出し、それを取り出す。

 ただし、充電器の類はあってもここはバイストン・ウェルだ。

 当然充電器とかを刺すコンセントとかもない。

 炎の熱で充電出来るような何かがあれば、混沌精霊の俺としてはかなり楽なんだが、今はそんな事を考えても意味はない。

 電池とかで動くタイプならいいんだが、無駄に高性能というか、充電器を使って充電する奴なんだよな。

 一応防災グッズの中には手回しで充電させるタイプはあったりするんだが、これはそう簡単にどうにか出来る代物ではない。

 いやまぁ、やろうと思えばやれるだろうが。

 いっそ、誰かを雇って充電させるとか、そういう方法もない訳ではないが。

 そんな風に思いながら、ゲームをする。

 ゲームはアクションで、モンスターを倒してその素材を使って武器を強化していくといったような感じのものだ。

 ……考えてみれば、狂獣を倒して素材を確保してオーラバトラーを作っている今の俺達って、このゲームの内容と似たようなことをしてるんだよな。

 そんな風に考えつつ、敵の尻尾の攻撃を回避しながら大剣を振るって尻尾を切断する。

 いっそ、シャドウミラーが経験してきた事をSLGとしてゲームにすれば……いや、難しいか。

 歴史SLGという奴では、自分の国や自分の出身地の武将の能力が低いと、開発会社にクレームが入るって話を聞いた事があるしな。

 それが1つの国だけではなく複数の世界に跨がってのゲームとなれば、それこそ色々なところから自分達の国はこんなに弱くないと、そういう不満が発せられるだろう。

 今までシャドウミラーが経験してきた中で一番難易度が高い国ってどこだろうな。

 マブラヴ世界の日本? もしくは……ネギま世界の麻帆良か?

 ネギま世界の場合は、麻帆良だったりあやかや千鶴の実家との限定的な取引だ。

 そういう意味では、国ですらなく1つの学園都市や大企業とはいえ会社なんだから、そこを使うとなると難しそうな気がするな。

 ナデシコ世界の木連は? あっちは物量でどうとでも出来るだけの実力はあったから、そこまで難しくはないか。

 実際、ナデシコ世界のバッタやコバッタはシャドウミラーでも普通に使われているし。

 そんな風に考えながらゲームをしていたのが悪かったのだろう。

 竜の牙によって大剣をへし折られ、俺の操作していたキャラクターはあっさりと喰い殺されてしまった。

 

「あー……負けたか」

 

 何となく続きをやる気になれず、ゲーム機の電源を切る。

 部屋に戻ってきてからは、また30分くらいしか経っていない。

 となると、もう少し何かで暇潰しをする必要があるんだが、どうしたものか。

 いっそ影のゲートでどこかに顔を出してみるか?

 それはそれで面白そうな気がするんだが、下手に時間を使いすぎて園遊会に遅刻してしまいかねない。

 そんな訳で、次に空間倉庫から取り出したのは漫画雑誌。

 ペルソナ世界で買った週刊誌で、それなりに大きな会社から出てる奴だ。

 空間倉庫の中に入ってるって事は、当然だがもう1度読んだんだが。

 あ、トッドやトカマクはともかく、ショウ辺りは日本の食事以外にこういう雑誌とかでも釣れるか?

 とはいえ、1話から見てるとかじゃないのに、雑誌1冊だけ渡されても困るだろうが。

 暇潰しくらいは普通に出来るかもしれないけど。

 そんな風に雑誌を読んでいると、不意に部屋の扉がノックされる。

 誰だ?

 そう思ったが、考えてみれば今の状況で俺の部屋にくるような奴なんて、そう多くはない。

 そして中に入るように言うと、入ってきたのはメイドだった。

 

「アクセル王、マーベル様の着替えは終わりましたが……アクセル王も、そろそろ着替えた方がよろしいかと」

「分かった。そろそろ時間だし、俺も準備をしておいた方がいいか」

 

 そう呟き、漫画雑誌を空間倉庫に収納する。

 メイドが驚きの表情を浮かべていたが、それはそれだろう。

 というか、この家にいるんだから俺が空間倉庫を使っているところは見たことがあってもおかしくはないと思うんだが。

 そんな風に考えつつ、俺は用意された服に着替え始める。

 当然だが、マーベルとは違って俺が着替えるのはそう時間は掛からない。

 化粧とかそういうのもないし。

 髪をちょっと整えるくらいか?

 けど、混沌精霊だからか寝癖とかそういうのもないんだよな。

 だからこそ、こうしてあっさりと準備を整えることが出来た。

 メイドが手伝おうかと言ってきたが、それこそマーベルが着るようなドレスとかでもないのだから、普通に1人で着替えることは出来る。

 そうして着替え終わると、部屋を出てマーベルのいる場所に向かう。

 

「あら、随分と似合ってるわね」

「いや、それは俺の言葉だと思うんだが。……というか、俺のこの服は前にも見ただろ?」

 

 女が着るようなパーティドレスならともかく、男が着るような服装というのはそんなに違いはない。

 いや、正確には細かいところを見れば色々と違いはあるのだろうが、女のドレス程に違いはないというのが正しい。

 

「ふふっ、そうかもしれないわね。でも、こうやって見ることが出来たのが楽しいんだからいいじゃない」

「そういうものか? 取りあえず、マーベルの服装は似合ってるけどな」

 

 緑色のドレスは、マーベルに似合っている。

 ただし、パーティドレスというにはちょっと動きやすそうな……そんな感じか?

 園遊会だから建物の中でやるパーティではなく、外でやるパーティ的な存在なんだから、そういう意味ではこうして動きやすい様子なのは決して間違っていないとは思うんだが。

 

「じゃあ、そろそろ行くか」

「ええ。ドレイクや他の人達を待たせる訳にはいかないしね」

 

 そう笑みを浮かべるマーベルと共に、影のゲート……ではなく、表に用意されているユニコンの牽く馬車に乗るのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1410
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1650

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