色々と調べてみたのですが、クの国の首都の名前が判明しませんでしたので。
もしクの国の首都を知ってる方がいたら、修正します。
min305さんからの情報で、クの国の城はケミ城ということが判明しました。
最初にケミ城が出て来た場所を多少修正しました。
ナムワンは無事に出航した。
いやまぁ、ドレイクの領地の中で準備をしていたのだから、そのような状況で無事に出航出来なかったりした場合はそれこそ疑問を抱くしかないのだが。
ともあれ、クの国に向かって出発した2隻のナムワンは順調にルフト領の中を進む。
「それで、俺達が行くのはクの国の首都でいいんだよな?」
「はい。いつもはクの国にある砦でオーラバトラーを渡しているのですが、今回はクの国の王都……ケミ城に向かう事になっています」
ケミ城か。……フラオン・エルフの治めるアの国の首都がエルフ城だったので、ビショット・ハッタの治めるクの国の首都はハッタ城かと思っていたのだが、実はケミ城だったのか。
エルフ城の件もあって、バイストン・ウェルで国の首都は王の一族の名前が付けられるのかと思っていたんだが。
まぁ、エルフ城の場合はフラオンの性格を考えれば虚栄心からエルフ城と名付けたのかもしれないが。
だとすれば、エルフ城と名付けたのはフラオンか?
もしくは、フラオンの先祖か。……それでも普通に納得出来てしまいそうだな。
「ケミ城ってどういう場所だ?」
俺の言葉に、ナムワンの艦長は少し言いにくそうにしながら口を開く。
「その、かなり栄えているという話です」
艦長のその言葉に、何を言いたいのかを理解する。
アの国の首都のエルフ城と比べると、クの国のケミ城の方がかなり栄えているのだろう。
まぁ、エルフ城の場合はフラオンがかなり厳しい税率で税金を取ってるって話だったしな。
話を聞く限りでは、ビショット・ハッタというクの国の国王はかなり有能な人物らしい。
であれば、目先の金だけを考えて税率を上げるといったような真似はまずしないだろう。
つまり税率を軽くして、民衆に経済活動を活発にして貰う、と。
「そうか。なら、ケミ城は見るのが色々と楽しみだな」
その後、艦長と軽い打ち合わせをしてからブリッジから出る。
そうして通路を歩いていると、ガラリアとマーベルの姿を見つける。
見た感じでは2人が別に険悪な様子ではない。
ナムワンが出発する前にマーベルと話したが、どうやら本当に2人はそれなりに友好的な関係を築いているのだろう。
とはいえ……
「っ!? ……私は少し用事を思い出したので、これで失礼する」
ガラリアは俺の存在に気が付くと、そう言ってマーベルとの話を切り上げ、立ち去る。
マーベルとは普通に話しても、俺に対しては未だに敵意……いや、不審感があるらしい。
そんなガラリアを見送ると、俺はマーベルに声を掛ける。
「悪いな、少し邪魔をしたみたいだ」
「構わないわよ。それにしても、アクセルはガラリアに嫌われてるわね」
「残念ながらそんな感じだ。ガラリアにしてみれば、地上人のマーベルはともかく異世界からやって来た……それも一国を率いる王だというのは、色々と疑わしいと思えるんだろ」
バイストン・ウェルはファンタジー世界である以上、異世界とかそういう概念は知られていない。もしくはそういう概念を知っているのは知識階層のほんの一部といったとこなのだろう。
そしてガラリアやバーン達はそんな一部には入っていない。
だからこそ、俺の事を怪しい存在だと思って警戒しているのだ。
「そうかもしれないけど、その辺はもう少ししっかりと説明すれば分かって貰えるんじゃない?」
「どうだろうな。正直なところ難しいと思うぞ。一度疑いの心を抱けば、それを拭い去るのは難しいし」
マーベルは俺の言葉に不満そうな様子を見せる。
正直なところ色々と思うところがあるのは間違いない。
「それよりも、ダンバインの方はいいのか? 調整とか整備とか」
この件についてはこれ以上話しても意味はないだろうと判断し、話題を移す。
そんな俺の様子にマーベルも気が付いたようだったが、それでも今の状況ではこの話は続けない方がいいと判断したのか、不承不承といった様子だったが頷く。
「ええ。そっちは問題ないわ。技術者の人達がしっかりと調整してくれたから。もっとも、ダンバインの運用データが得られるといった一面の方が大きいんでしょうけど」
「だろうな」
聖戦士用に開発されたダンバインだけに、その機体性能は非常に高い。
それを満足に動かす事が出来るのは、現在唯一の聖戦士たるマーベルだけだ。
ゼットが開発した、専用のオーラコンバータを使えば、俺もダンバインを操縦する事は出来るんだが。
ただ、そのオーラコンバータは現在サーバインに使われている。
出来れば、もう少し量産して欲しいというのが正直なところなのだが、今の状況ではゼットも忙しくてそこまで時間は取れないのが大きい。
ちなみに、ドラムロとダンバインはこのクの国の一件が終わった後でドレイクから貰う事になっている。
「ダンバインは次の地上人を召喚する前に完璧な状態にしておきたいんだろうな。具体的にいつシルキー・マウが召喚するのかは、俺にも分からないけど」
地上人の召喚……それは、ドレイクにとっても非常に大きな意味を持つ。
そうである以上、ドレイクの方でも召喚された地上人が使うオーラバトラーを最善の状況にしておくというのは、大きな意味を持っているのだろう。
「いつ、召喚するのかしら」
そう呟くマーベルは、やはり自分も召喚された人物だけに色々と思うところもあるのだろう。
とはいえ、ドレイクとしては聖戦士は絶対に必要だろうし。
何しろ自分の部下に聖戦士がいないのに、俺の部下……というか仲間だが、そこには普通に聖戦士のマーベルがいるのだ。
その上で、マーベルはドレイクが開発させた聖戦士用のオーラバトラー、ダンバインを使っているのだ。
ドレイクにしてみれば、色々と思うところがあるのは当然だろう。
「そろそろ召喚する時期になってるって話は聞いてるけどな。具体的にいつ召喚するのは分からない」
待てよ? もしかして、俺達がクの国に行ってる間に召喚するという可能性もあるのか?
わざわざそんな事をする必要はないと思うのだが……いや、違うな。
こうしてマーベルが地上人の召喚に思うところがあるのを考えると、ドレイクとしては実際にシルキー・マウの力で地上人を召喚する時、邪魔をされる可能性があると、そのように思ってもおかしくはない。
もっとも、ドレイクが地上人を召喚するのが面白くないと思うのは、別にマーベルだけではない。
それこそ、ギブン家にしてもドレイクにこれ以上の力を持たせるのは許容出来ない。
考えてみれば、森の一件をドレイクが知らないとギブン家の方で理解した場合、召喚の時に奇襲を仕掛けてくるという可能性は十分にあるのか。
「そう。取りあえず、ドレイクに召喚される人達は、私やアクセルのように何も知らない状況でエルフ城の近くに放り出されるなんて事はないのよね?」
「だろうな。聞いた話だと、召喚したエ・フェラリオのいる場所に出て来るらしい」
正直なところ、俺とマーベルがエルフ城の近くに召喚されたのは俺の転移の影響が強い筈だ。
ホワイトスターでシステムXNを使って転移した時のトラブルにより、本来なら召喚したエ・フェラリオのいる場所に姿を現すのが、エルフ城の近くに転移といった形になったのだろう。
そういう意味では、マーベルには悪い事をしたと思う。
マーベルにしてみれば、本来なら召喚された場所に姿を現すところだったのだが、俺の影響でエルフ城の近くに出てしまったのだから。
「悪いな」
「何よ、急に」
「いや、俺が転移してきた影響で、マーベルは自分を召喚した奴の場所に出られなかったと思ってな」
「ああ、その事。前にも同じような話をしたと思うけど、私は別に気にしてないわよ。いえ、それよりもアクセルと一緒にいる事が出来たんだから、寧ろその一件には感謝したいくらいよ」
それは俺を気遣っての言葉……という訳ではなく、純粋にマーベルがそう思っている言葉を口にしているといった感じだった。
マーベルにとって、本当にそう感じているのであれば、俺としても嬉しい事ではある。
「何?」
「いや、何でもない。マーベルが俺と一緒だったのに感謝しているように、俺もマーベルと一緒だった事に感謝したいと思ってな」
そう告げると、マーベルは照れ臭そうに視線を逸らすのだった。
「ここ、いいか?」
「アクセル王……」
ナムワンの食堂で、俺は1人で食事をしていたガラリアに声を掛ける。
ちなみにマーベルの姿はなく、俺だけだ。
ナムワンそのものがそこまで広い訳ではないので、ナムワンの食堂もそう広い訳ではないのだが、それでも十分に食堂と呼べるだけの広さを持っているのは事実だった。
「他にも席は空いてると思いますが?」
ガラリアの言う通り、食堂はそれなりに人はいるが、それでも席が全部埋まっているといった訳ではない。
にしても、俺がこのナムワンを本格的に使うようになったら、料理人とかもどうにかする必要があるんだな。
ふとそんな事を思うが、今は料理人よりもガラリアとの関係をある程度友好的にしておく方が先だった。
「そうだな。だが、俺はガラリアと話をしながら食いたいと思ったんだよ。構わないだろ?」
ここで、構わないか? と聞くように言ってしまえば、ガラリアも断る可能性が高い。
だが、構わないだろう? と、ここで食べる事を前提にして言えば、ガラリアも断りにくいのは間違いない。
正直なところ、本来なら俺を嫌っているガラリアにここまでして接近するような真似というのはしたくない。
したくないんだが、ガラリアとゼットの関係を考えると好き勝手にする訳にもいかないんだよな。
もしこれで適当に話をしておいた結果、ガラリアだけではなくゼットまでもが俺に敵対的になったらどうするか。
とてもではないが、ゼットの開発したオーラバトラーや……もしくは、俺の乗るオーラバトラーには必須の特殊なオーラコンバータを無条件に信じることは出来なくなってしまう。
技術者として働いている以上、ゼットがそんな真似をしたりする可能性はそう高くはないんだが……ただ、ゼットの場合はガラリアに頼まれれば意外と頼みを聞いてしまいそうなんだよな。
色仕掛けに弱いというか……
もっとも、ゼットはドレイクから信頼されている技術者だ。
オーラバトラーを開発するだけの技術力を持ち、言ってみればドレイクにとって非常に重要な部下だろう。
そうである以上、女が寄ってきてもおかしくはないんだが。
勿論、ゼットがそういうのを目当ての女は嫌だと言えば、話はそれまでなんだが。
「それで、一体私に何の用です?」
「用件らしい用件がある訳じゃない。ただ……そうだな、単刀直入に言えば、ガラリアは俺を嫌ってるだろう? そんな相手と一緒にクの国に向かうんだ。何かあった時に本当に背中を預けられると思うか?」
「ほう、それは私を信じる事が出来ないと?」
食べていたパンを皿の上に戻し、鋭い視線を向けてくるガラリア。
だが、俺はそんなガラリアの言葉に特に何を感じた様子もなく頷きを返す。
「残念ながらそういう事だ。俺に敵意を持っている奴を相手に、背中を向けるということがどういう意味を持つか……ガラリアも騎士ならその辺は分かると思うが?」
そう言うと、ガラリアは何も言えなくなる。
自分も騎士だからこそ、俺の言ってる意味が分かるんだよな。
ここで下手に自分なら問題なくそのような相手にも背中を預けられるとか、そういう風に言わないところは評価出来た。
今回の一件に関して言えば、素直に俺の言葉に反応してくれた方が助かるし。
「それは……」
「否定出来ない。だろう?」
「だが、私も騎士だ。お館様から命じられた任務である以上、それを放り出してアクセル王に攻撃をするといったような真似をするつもりはない」
「そう思っていても、いざという時にその言葉通りに出来るかどうかは、微妙なところだと思うが?」
ガラリアは言葉に詰まる。
まぁ、ガラリアにしてみれば、俺の事は全く信用出来ていないのだ。
であれば、もし俺が無防備に背中を向けていた場合、そこに攻撃するのを我慢出来るのかどうかというのは。微妙なところだろう。
「そんな訳で、そういう事態にならないように話をしておこうと思ってな」
「話をしたからといって、それで私がアクセル王に対する警戒を解くとでも?」
「どうだろうな。解かないかもしれないし、解くかもしれない。その辺はまだ分からない以上、何もしないよりはした方がいいと思わないか? それに……もし警戒を解かないとしても、ガラリアにしてみれば俺の言葉を理解するというのは、悪い話じゃないと思うが?」
俺という存在を知らないからこそ、警戒する。
であれば、取りあえず少し話してみて、それでガラリアに俺がどういう奴なのかを見て貰うというのは、悪い話ではない。
もっとも、話したからといって完全に分かり合うなんて真似は出来ないだろうが。
それでもお互いに多少なりとも理解出来るというのは悪い話ではなく……ガラリアもそれが分かったのか、俺の言葉に対して不承不承ではあるが頷くのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1400
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1648