転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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2761話

 サーバインの許可については、俺が予想していた以上にすぐに下りた。

 ドレイクにしても、俺にサーバインを与えるというのは悪い選択肢ではなかったのだろう。

 ただ、許可が出たからといってすぐに俺がサーバインに乗れる訳ではない。

 まずは、ゼットが開発したオーラコンバータをサーバインに組み込む必要がある。

 現在のサーバインに組み込まれているのは、普通のオーラコンバータなのだから。

 まずはそれを交換する必要があるのだが、サーバインには元々リの国から購入した特殊な恐獣の素材が使われている。

 つまり……そう、聖戦士用に開発されたダンバインと比べても、更に特別な……言ってみれば、一品物なのだ。

 それだけに、オーラコンバータを入れ替えるという作業だけでも、真剣にやる必要がある。

 いや、それだと他のオーラバトラーの整備とかをしている時に真剣にやっていないように思えるか。

 つまり、いつも以上に真剣にやる必要があるのだ。

 で、俺は今そんな光景を見に来ている訳だ。

 そうして機械の館に……正確にはその作業場に持ち込まれたサーバインを、俺は初めて見た。

 

「これが、サーバインか」

 

 そう呟く。

 サーバインの外見そのものは、ショットに見せて貰ったダンバインとそう大きな違いはない。

 カブトムシを思わせるような頭部だったり、オーラコンバータの横にオーラソードを収納する鞘があったり。

 だが……間違いなく外見という点ではそこまで大きな違いがないというのに、こうして見る限りでは明らかにゲドとは格が違った。

 ダンバインの実物はまだ見てないので、サーバインとの違いは分からない。

 だが、それでもこうして見たところ、明らかにゲドとは違うというのが分かる。

 

「そうだ。これからサーバインを分解してゼットの開発したオーラコンバータを組み込む。その前に、少し見てみるか? 勿論、オーラコンバータはそのままだから、動かすような真似は出来ないが。いや、正確には動かそうと思えば動かせるだろうが、その場合は間違いなく機体に不具合が生じる筈だ」

 

 そうショットが言ってくるが、それでも今こうして見る事が出来るのであれば、俺としては是非とも見ておきたかった。

 

「頼む。ちょっと見ておきたい」

「分かった。私は作業に入る前に色々と指示しておく必要があるから、その間だけだぞ」

 

 そう言ってくるショットに頷き、早速サーバインの方に向かう。

 片膝を突いた、いわゆる駐機姿勢といった訳ではなく、普通に立っている状態のサーバインだけに、普通ならコックピットを覗いたりといった真似は出来ない。

 だが、誰も乗っていないサーバインをそんな状況にするには、それこそ外部から手を加えてやる必要があり……それが面倒だと判断した俺は、軽く地面を蹴って空中に浮かぶ。

 

『うわああああああああああああっ!』

 

 と、そんな俺の姿を見たのか、周囲に技術者達の声が響き渡る。

 ああ、そう言えば俺が空を飛ぶのを見せたのは、これが初めてだったか?

 とはいえ、バイストン・ウェルにはミ・フェラリオが普通に存在しており、自由に空を飛んでいる。

 それを思えば、別にそこまで驚く必要もないと思うんだが。

 そんな疑問を抱きつつ、俺は背後から聞こえてくる悲鳴は特に気にせず、サーバインのコックピットを覗き込む。

 

「これは……」

 

 てっきり、俺はサーバインのコックピットはゲドと同じ感じの物だと思っていた。

 だが、そのコックピットはゲドのコックピット……MSのような人型機動兵器と同じように、座って操縦をするといったようなものではなく、立って操縦するような感じになっていた。

 これは……一体何でこんな感じになってるんだ?

 サーバインが特別な機種だと言うのは聞いていたが、これもまた同様に特別なコックピットといった感じなのだろう。

 納得は出来るが、迂闊に壊すような真似も出来ないな。

 これだけ特殊なコックピットとなると、専門の予備部品を用意する必要がある。

 そもそも、オーラバトラーは基本的にイメージで操縦する以上、こういうコックピットにする必要があるのか?

 まぁ、オーラバトラーの動きを正確にイメージするのなら、オーラバトラーが基本的に立っている以上、パイロットも立っていた方がイメージしやすいというのはあるのかもしれないが。

 取りあえずコックピットについては半ば無理矢理にそうやって納得し、次にサーバインの全体を見ていく。

 やはりプロトタイプだけあって、ダンバインとそう大きな違いはない。

 ないのだが……サーバインそのものから感じる迫力は、一種独特なものがあるのは間違いなかった。

 ショットから見せて貰ったダンバインの絵に比べると、オーラコンバータがかなり大きめだな。

 ゼットが開発したオーラコンバータもこんな感じになるのか?

 まぁ、オーラコンバータはそれだけではなく、スラスターとかも組み合わさっている。

 それを思えば、サーバインのオーラコンバータがこんな感じなのは納得出来る……のか?

 そうしてサーバインを見ていると、不意にショットから声を掛けられる。

 

「アクセル、そろそろ作業を始めるから、戻ってきてくれ!」

 

 その言葉を聞き、空を飛びながら下に戻る。

 ショットの様子を見る限り、真剣な表情で今は邪魔をして欲しくないらしい。

 俺もサーバインの改修作業を邪魔する気はないので、大人しく地上に降りる。

 

「まさか、空を飛ぶなんて真似が出来るとはな。……驚きだよ」

 

 若干の呆れと共に、ショットがそう告げてくる。

 ミ・フェラリオの件とかがあるんだから、そこまで驚く必要もないと思うんだが。

 

「俺のいた世界では、普通とは言わないが、空を飛べる奴はそれなりにいるぞ」

 

 実際には、本当の意味で空を飛べるという者は多くはない。

 だが、虚空瞬動を使って擬似的に空を飛べるという者は、結構な数がいる。

 何しろ、技術班の面々でさえ普通に虚空瞬動を使えるのだから。

 それもただ使うのではなく、きちんと使いこなしているのだ。

 それだけ、エキドナ達から逃げるのに必死なんだろうが。

 

「アクセルのいた世界というのは、随分とその……凄いな」

「否定はしない」

 

 俺がいた世界……正確には、世界と世界の狭間に存在するホワイトスターは色々な意味で特殊な場所なのは間違いのない事実だ。

 世界というのは、それこそ無数に存在する。

 そうである以上、もしかしたら……本当にもしかしたらだが、ホワイトスターのような世界が他にもあるという可能性は決して否定出来ないが……それでも、ホワイトスターと同じような世界があるのかと言われれば、素直に頷くのは難しい。

 それだけ、シャドウミラーの本拠地たるホワイトスターは特殊な世界なのだから。

 

「俺の世界の話はともかく、サーバインには期待しているから、よろしく頼む。それと動かせるようになったら色々と改良を頼みたいんだが、構わないか?」

「改良? まぁ、ドレイク殿の許可を貰えば、こちらとしては構わないが」

 

 サーバインは、ダンバイン以上にピーキーな性格をしている機体だ。いや、意図的にそんな方向性で開発された機体、という表現の方が相応しいか。

 それだけに、実際に乗ってみない事にはどういう性能なのかははっきりと分からない。

 分からないが、それでも乗ってみるまでもなく不満を抱くという場所はない訳でもなかった。

 何しろ、このサーバインは俺が見たところゲドと同じ欠点を持っているのだから。

 それは遠距離攻撃方法の不足。

 ダンバインにはオーラショットという滑腔砲がある。

 ドラムロもフレイボムがあり、バルカン――正確には機銃らしいが――がある。

 それに比べると、サーバインが持っているのはオーラソードだけで、近距離での戦いしか出来ない。

 あ、でもダンバインと同じく足の爪はかなり鋭いからオーラソードとは別の意味で攻撃手段として使えない訳ではないのか。

 それ以外だが……あ、でもダンバインと同じくオーラバトラー版スラッシュハーケンはあるのか?

 ダンバインと同じく、手首のところに鋭い爪があるが。

 取りあえず、ショットクローがあれば多少は中距離での戦いも可能なのだが……

 

「ショット、サーバインの手首のところにある爪は、ショットクローなんだよな?」

「いや、違う」

 

 違うのかよ。

 あっさりと答えたショットに、思わずそう突っ込みたくなる。

 

「サーバインはダンバインのプロトタイプなんだよな?」

「そうだ」

「なら、ショットクローも採用されていてもいいんじゃないのか?」

 

 そう尋ねるも、ショットは再度それを否定する。

 

「サーバインを開発して、その後に色々と問題点を話し合った結果、ダンバインではアクセルの意見を取り入れてショットクローを装備したのだ。それを考えれば、そこまでおかしな話ではないだろう?」

 

 ショットの言葉は、納得出来た。

 しかし、だからといって折角俺がアイディアを出したショットクローをサーバインが使えないというのは面白くない。

 

「ショットクローを追加する事は出来るか?」

「出来るかどうかと言われれば、出来るな。そこまで構造が複雑な物ではないし。ただ、そうなると少し大掛かりな改修が必要となるから、アクセルが実際に使うのは少し遅れるぞ?」

「構わない。それと折角だから、ダンバインで採用されたオーラショットも装備してくれ。こっちはショットクローと違って内蔵装備じゃないし、簡単だろ?」

「うむ。そちらはダンバインの武器を流用するだけだから、難しくはない」

「それと、ついでに白系の装甲を赤に塗り直してくれ」

「赤に? 何故だ?」

「俺のパーソナルカラーだからな。俺が戦場にいるというのを示す事が出来る」

 

 ガンダム7号機の時も塗っておけばよかったかも? と今は思う。

 とはいえ、UC世界においては俺、シャア、ジョニーといったように赤系のパーソナルカラーを持つ者は多かったので、もしガンダム7号機を赤に塗っていれば、連邦軍にも赤のパーソナルカラーが!? と無意味に混乱をもたらした可能性が高かったが。

 何しろ、UC世界におけるアクセル・アルマーというのは、今の俺のように20代の姿ではなく10代半ばの少年なのだから。

 それを思えば、UC世界でガンダム7号機を赤く塗らなかったという判断はそう悪いものではなかっただろう。

 

「なるほど。それは分かりやすいかもしれないな。だが、そのような目立つ真似をすれば、優先的に狙われる事にもなりかねないぞ?」

「だろうな。けど、このサーバインはそう簡単に撃墜されるような機体じゃないだろ? 勿論、俺もそう簡単に撃墜されるつもりはないし」

「分かった。ドレイク殿に話を聞き、それで許可が出たらそのようにしよう。改造内容については後で話を聞くといったが、結局ここで聞いてしまうことになったな」

「ああ、そう言えば最初はそんな事を言っていたな。悪い」

「構わんよ。どこを改修すればいいのかは、よく分かった。ただし、その改修はあくまでもアクセルがサーバインに乗る事が出来たらの話だ。もしサーバインに乗れないようであれば、その改修はなしになる」

「それでいい。俺も、乗れない機体を俺が使いやすいように改修しろとは言えないしな」

「なら、これから作業を始めるから、少し離れていてくれ」

 

 ショットに促され、俺はその場から離れる。

 そして、俺が離れたのを見て早速作業の指示を出しているショットを見ながら考える。

 サーバインにショットクローとオーラショットを装備させるとなると、それはもう装備的にはダンバインと変わらないのではないか、と。

 ダンバインとサーバインの違いは、それこそ外見的なものだけになりかねない。

 

「おい、これはそっちじゃない! 装甲を外すんだから、もっと手前だ!」

「ゆっくり、だけど慎重にやれよ!」

「おい、オーラコンバータの移動は慎重にしろ! 数が少ないんだぞ!」

 

 そんな声を聞きながら、多くの技術者達がサーバインのオーラコンバータの換装作業を行っているのを眺める。

 今の様子だと、換装作業の完了にはそこまで時間が掛かったりはしないだろう。

 ……後は、俺が実際にサーバインを動かせるかどうか、か。

 ゼットの開発したオーラコンバータは、俺も無事に起動させる事に成功した。

 だとすれば、サーバインをきちんと完成させた後であっても、問題なく操縦出来るとは思う。思うんだが……何しろバイストン・ウェルはファンタジー世界だ。

 それを思えば、オーラコンバータを起動出来たからといって、サーバインを操縦出来るとは限らない。

 それ以外の何らかの理由によって、操縦出来ないといったような事があってもおかしくはないのだから。

 とはいえ、サーバインを見た感じでは何となく大丈夫なのでは? といったように、自然なくらいそう認識出来たのだが。

 そんな風に思いつつ、俺は換装作業を眺めるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1400
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1648

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