転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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設定集の保有戦力にペズン系MSを追加しました。
バストライナーとスキウレは、外部武装追加ユニットにあります。


2701話

「暑い……」

 

 そう呟き、マツナガは目を細めながら周囲の様子を見る。

 どこまでも広がっているコバルトブルーの海と、青い空、白い雲。

 何も知らない者がこの景色を見れば、とてもではないがつい先日まで地球全土を巻き込むような戦争が行われていたとは思わないだろう。

 ましてや、ここはハワイだ。

 1年戦争が行われていた地球全土の中で唯一平和を謳歌する事が出来た場所なのだから、余計にそう思う者は多いだろう。

 

「ビグ・ラング……今頃どうなってるんだろうな」

 

 そんなマツナガを見て、俺の口から出たのはそんな言葉。

 マツナガと話していて半ば成り行きですぐに地球に向かう事になったのだが、ちょうどそのタイミングでやって来たのはディアナの面々。

 ビグ・ラングを調べる為の準備が出来たので、空間倉庫の中から出して欲しいと、そう言いに来たのだ。

 本来なら今は忙しいから無視しようと思ったのだが、その考えはすぐにやめた。

 何故なら、ハワイに行ってガルマを連れてくれば、そこにビグ・ザムを出す必要がある。

 ましてや、ビグ・ザムはIフィールドという画期的な技術がある訳で、それを調べるのに結構な時間を必要とするのは、間違いない。

 なら、俺達がハワイに行ってる間にビグ・ラングを調べておいて貰った方が効率的だろうと判断したのだ。

 ビグ・ラングは、オッゴ用の補給ユニット……オリヴァーやモニクから流れてきたと思われる情報によるとAdユニットという名前らしいが、そのAdユニットとビグロから構成されている。

 ディアナの面々にしてみれば、ぶっちゃけ興味があるのはビグロの部分よりもAdユニットの方だと思うんだが。

 ビグロはルナ・ジオン軍で既に量産されているし。

 それどころか、ビグロマイヤーというビグロの発展系――あるいは改修型という表現がいいのかもしれないが――のMAも開発されている。

 さらに聞いた話によると、MIP社では明確にビグロの後継機となるMAも開発しているらしい。

 そういう意味で、ビグ・ラングにおけるビグロの部分にはディアナでもそこまで興味を持たないのだろう。

 勿論、ビグ・ラングとして構成される以上、ビグロの方にもある程度改修はされてるんだろうが……それでも、やはりメインはAdユニットの方になる。

 そのAdユニットも、ぶっちゃけ何らかの特筆すべき技術が使われている訳ではない以上、俺達が月に戻る頃までには解析も終わっているだろうが。

 

「アクセル? これからどうするのだ?」

「そうだな。このままここにいてもなんだし、早速ガルマのところに行くか」

 

 本来なら、ハワイを治めているゲラートに挨拶をしておいた方がいいんだろうが……マツナガを連れてとなると、面倒な事になる可能性がある。

 なら、ガルマとマツナガを会わせた上で、二人が……いや、イセリナもいるから3人か。その3人が話をしている間に、俺がゲラートに話を通しておけばいい。

 

「そうして貰えると、助かる。……ここだと、人目もあるし」

「いや、それはそうだろ」

 

 HLVから降りてきた荷物や諸々を運ぶ者達や、俺達と同様に月から地球に降りてきた者達、そんな者達の訝しげな視線が、マツナガに向けられている。

 一応今のマツナガは、サングラスと帽子で変装をしているので、一目でマツナガだと認識する事は……不可能ではないが、難しいだろう。

 それでも尚マツナガが視線を集めているのは、マツナガの服装がジオン軍の軍服だからだろう。

 当然の話だが、今この状況……1年戦争が終わってすぐの今という時に、ジオン軍の軍服を着ているのは、目立つ。

 それこそ、もし街中にそんな人物がいれば、量産型Wが呼ばれたりしてもおかしくはない程に。

 そんな状況でもマツナガが平気でいられるのは、この服装のまま堂々とHLVに乗り込んでいたからだろう。

 HLV等に乗り込むには、身分証明の類が必要だ。

 もしマツナガに問題がある場合、そこで弾かれるのだが……今こうしてHLVから降りてきているのを思えば、取りあえずルナ・ジオンで問題ないと判断されたのは間違いないという事を示していた。

 そもそも、HLVの中にも量産型Wやコバッタが待機している。

 ハワイに運ぶ物資である以上、警備の戦力を用意するのは当然だろう。

 ましてや、コバッタは生身の人間ではそう簡単に勝てないし、量産型Wにいたっては生身でもガンドを始めとした魔術が使える。……まぁ、凛みたいにマシンガン的に連射したりといったような事は出来ないが。

 それにネギま世界の魔法もある程度は使える以上、この世界の人間が生身で量産型Wに勝つといった事は、まず不可能だろう。

 そんなコバッタや量産型Wが、俺はともかく、マツナガに対して何も反応しないのだ。

 その辺を考えれば、俺達が怪しい者じゃないというのは明らかだった。

 ……まぁ、ぶっちゃけマツナガがジオン軍の軍服じゃなくて、私服の類を着ていれば、何の問題もなかったんだが。

 ガルマに会いに行く以上、ジオン軍の軍服を着るのは必須だと言われては、俺も無理にそれを止めることは出来ない。

 ドズルの件もあって、若干の負い目があるのも事実だし。

 まさか、ドズルがビグ・ザムに乗って前線に出て来るとは思わなかったからな。

 普通に考えれば、俺のような特殊な例を除いて、一国の代表だったり、軍のトップだったりが前線に出るといったような真似は、自殺行為でしかない。

 事実、ビグ・ザムが俺によって撃破されたことでソロモンを守っていた宇宙攻撃軍の指揮系統は混乱し、最終的にソロモンは連邦軍の手に落ちたのだから。

 また、ドズルを殺したのは俺にとっても完全に予想外だった。

 出来れば、ドズルは生きたまま確保して、ガルマが政治を行い、ドズルが軍事を行う……といったような形に出来れば、最善の結果だったのだが。

 

「取りあえず、行くぞ。まずは人目につかない場所まで移動する。そこからは影のゲートで移動だ」

 

 そんな俺の言葉に、マツナガは頷くのだった。

 

 

 

 

 

「ここが……」

 

 目の前にある家を見て、マツナガが呟く。

 さすが異名持ちと言うべきか、影のゲートで沈む感触は、慣れない者にとってかなり厄介ではあるのだが、悲鳴を上げるような事もなく耐えていた。

 そうして影のゲートから出た先にあったのは、1軒の家。

 いつもならガルマが家の外にある椅子に座って本を読んでいたりするんだが、生憎と今日は家の外には誰もいない。

 だが、ここがガルマとイセリナの住処……愛の巣であるのは間違いない。

 あの2人、いつまで経っても……いわゆる、熱々の状態なんだよな。

 常に愛がヒートアップ状態とでも言おうか。

 ……と、そこまで考えたところで、ふと思う。

 こうしてガルマとイセリナが家の外に出ていないということは、つまり家の中に2人がいるんだよな? いやまぁ、もしかしたら2人揃って変装して街中に出ているという可能性もあるが。

 ともあれ、もし家の中にいるということは、真っ昼間から愛を確認する……いわば、18禁的な事をしているという可能性も、否定は出来ない。

 そうなったらそうなったらで、運が悪いと思って貰おう。

 そう判断し、俺はマツナガを引き連れて家の前までやって来る。

 すると扉の隙間から笑い声が聞こえてきて……いわゆる濡れ場的なシーンが家の中で繰り広げられてはいない事に安堵しつつ、マツナガを見る。

 

「いいか? ノックするぞ?」

 

 俺の問いに、マツナガは無言で頷きを返す。

 それを確認してから、扉をノックする。

 すると次の瞬間、扉の向こう側から緊張している雰囲気が伝わってきた。

 まぁ、ここに来る者は決まっているし、そのような者達にしても、基本的には前もって連絡をしてから来るんだろうから、いきなり尋ねてきた俺達を怪しんでも、おかしくはないか。

 

「ガルマ、俺だ。アクセルだ」

 

 だが、その緊張も俺が名乗った事で和らぎ……やがて扉が開く。

 

「アクセル、来てくれたのか。……ん? 君は?」

 

 扉から顔を出したガルマは、俺の隣にいるマツナガを見て不思議そうな表情を浮かべる。

 まぁ、変装している状態だから、しょうがないが。

 それでいながら、ジオン軍の軍服を着ているにも関わらず警戒した様子がないのは……俺が一緒にいるので、心配はいらないという事なのだろう。

 

「失礼しました。……お久しぶりです、ガルマ様」

 

 ガルマの態度に、自分が変装していた事を思い出したのだろう。マツナガは帽子とサングラスを取る。

 そして素顔を見せれば、マツナガであるという事を理解したのか、目を大きく見開く。

 マツナガがガルマを知ってるのは、特におかしな話ではない。

 元々マツナガはドズルの腹心の部下だ。

 その上、マツナガ家は名家であるのだから、ザビ家と関わり合いがあってもおかしくはない。

 

「君は……何故ここに……」

 

 マツナガの顔を見たガルマが、何とかそれだけを言葉に出す事に成功する。

 

「色々とお話したい事があります。……お邪魔してもよろしいでしょうか?」

「……ああ、そうだね。アクセルが君を連れて来た事を考えれば、その必要があったからの筈だ。入ってくれ」

 

 そう言い、ガルマは俺とマツナガを家の中に通す。

 ガルマの家は、そこまで広いという訳ではない。

 だが、それでもイセリナと2人で暮らすには、十分な広さがあった。

 家の中には当然のようにイセリナの姿があり、家の中に入ってきた俺を見て頭を下げ……そしてマツナガを見て不思議そうな表情を浮かべる。

 若干雰囲気が硬くなったのは、やはりマツナガがジオン軍の軍服を着ているからか。

 俺とマツナガはソファに座り、ガルマはイセリナと隣り合うようにして俺とマツナガの対面にあるソファに座る。

 

「ガルマ様、紅茶でも……」

「ああ、そうしてくれ。……詳しい話は、イセリナが戻ってきてからでいいかな? イセリナには隠し事をしたくないからね」

「は」

 

 ガルマの言葉に異論はないのか、マツナガは短く返事をする。

 ……その場で立ち上がって敬礼しないだけ、マシなのか?

 

「では、イセリナが戻ってくるまでは、世間話でもしようか。……もっとも、今この状況で話す事となったら、独立戦争についてとなるだろうが」

「あ、それ違うぞ。今はもう独立戦争じゃなくて、1年戦争って呼ぶようになった」

「1年戦争……1年戦争か。なるほど……もう1年と言うべきか、それともまだあれから1年と言うべきか。難しいな」

 

 1年戦争というのは、当然ながらこの戦争が1年で終わったからこその名前だ。

 だが、この1年で起きた事は、色々な意味で大きすぎる。

 それはガルマにしても同様だ。

 まさか、1年戦争が始まる前は、地球で運命の女に会うとは思っていなかっただろうし、自分の親友と思っていたシャアに暗殺されそうになるとも思っていなかったろうし、何よりシャドウミラーやルナ・ジオンの存在など思いも寄らなかっただろう。

 

「そうだな。正直なところ俺達もここまで積極的にこの世界に関わる事になるとは思っていなかったし」

 

 他の世界でも、結構な介入をしてはいる。

 その中でも顕著なのは、マブラヴ世界だろう。

 ただし、マブラヴ世界への介入は、BETAによってマブラヴ世界の住人が下手をすれば全滅していたから、というのが大きい。

 ……まぁ、UC世界においてもコロニー落としとか、下手をすれば人類絶滅の危機と言ってもいいのかもしれないが。

 

「正直なところ、アクセルがこの世界にそこまで関わったのには……何て言えばいいんだろうな。勿論感謝はしているが」

 

 複雑な……本当に複雑そうな表情でそう告げるガルマ。

 ガルマにしてみれば、もし俺がいなかったらシャアに暗殺されていたのだろうから、それも当然だろう。

 俺がガウに入り込んだからこそ、ガルマは命を救われたのだ。

 その上、今ではイセリナと一緒に同棲して思う存分愛し合う事も出来ている。

 ガルマを助けた後で、アムロの部屋の隣にある俺の部屋にガルマを匿ったというのは、正直どうかと自分でも思うが。

 ある意味で、ガルマはジオン軍の中で最もホワイトベースの秘密に近づけた人物なのかもしれないな。

 

「こっちも色々と計算があっての事だしな」

 

 その計算こそが、今日ここにマツナガを連れてきた理由なのだが……ガルマもそれは十分に理解しているのだろう。

 ちなみにそのマツナガは、ガルマの幸せそうな様子を見て感動したのか、何も喋る様子はない。

 ドズルが可愛がっていたガルマだけに、そんなガルマが幸せそうにしているのが、それだけ嬉しいのだろう。

 

「そう言えば、ペズンに行ったぞ」

「そうか。で、どうだった?」

「無事、月の領土に組み込む事に成功した。……色々とあったけどな」

 

 フィーリウスの母親の件は、ガルマも知ってるのか?

 ふとそんな事を思ったが、ガルマが知ってるのならまだしも、もし知らなかった場合は色々と面倒そうな事になりそうなので、黙っておく。

 そうして話をしていると……やがてイセリナが人数分の紅茶やクッキーを持ってくるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1290
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1637

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