正解者の賞品は番外編リクエスト権です。
よければどうぞ。
「これは……いやまぁ……数合わせとしてはいいのかもしれませんが……」
俺が空間倉庫から出したオッゴを見て、技術者の1人がそう呟く。
その気持ちは分からないでもない。
俺が聞いた話だと、このオッゴというのは基本的に使わなくなったMSの部品を集めて作った……といったような戦闘ポッドなのだから。
それでもMSの部品を多数流用しているだけに、連邦軍のボールに比べると性能はこっちの方が上なのだが。
ただ、ぶっちゃけボールよりも性能が上だからって、それがどうしたって話だよな。
普通に考えれば、MSにしろ戦闘機にしろ自分が乗ってる機体の性能が高いというのは、悪い話ではない。
だが……それでも、その対象が戦闘ポッドとなると、話が違ってくる。
「実際、うちの場合は無人機という意味ではメギロートやバッタを使えますしね。その上、無人機なのに……いえ、無人機だからこそか、性能が非常に高い。その辺の事情を考えると、このオッゴは使い物にならないというのが正直なところです」
技術者の1人が、しみじみといった様子で告げる。
技術者として見ても、オッゴには見るべき場所もないし、使い物にならないといったところか。
「ボールは戦力の埋め合わせであると同時に、作業用ポッドとしても使えた筈だ。このオッゴはそういう風な使い道はないのか?」
このオッゴは、オリヴァーやモニクと一緒に降伏した学徒兵達が使っていた代物だ。
結局ルナ・ジオン軍に投降するのが許容出来ず、そのまま降伏しなかった者もいたが……降伏した者の方が、かなり多い。
つまり、オッゴの数はその人数分あるのだ。
最悪、ホワイトスターでキブツに投入するという方法もあるのだが、出来れば折角なのだから、何らかの使い道を見つけたいと思うのは、当然だろう。
しかし、作業用ポッドとして使えないかという俺の言葉に、技術者達はそろって首を横に振る。
「一応、ドラムフレームの下に作業用アームとしても使える場所があるので、使おうと思えば使えますが……いかんせん、場当たり的に開発された兵器なので、色々と問題が……それに、ボールと比べるとどうしても製造数が少ないので、補充部品の問題もあります」
「そっちの問題もあったか」
ボールは、連邦軍が開発しただけに、当然のように大量に製造されている。
だが、それはあくまでも連邦軍だからの話であって、これがジオン軍のオッゴとなると話は変わってくる。
ボールと対抗するように開発されたのは間違いないだろうし、実際にボールと比べても性能は高い。
だが、それでも数の問題となると話が変わってくる。
確かにオッゴはボールよりも性能が高いのは事実だろう。
それでも、オッゴ1機だけでボールを2機、3機、4機、5機と一緒に相手に出来るかとなれば、その答えは否だ。
ジオン軍の国力を思えば、オッゴを開発したからといって、その数をボール並みに揃えるのは難しい。
……もし万が一ボールと同じくらいの数が揃っていても、今度はパイロットの問題が出て来る。
このオッゴにも学徒兵が乗っている以上、増産されたオッゴのパイロットが誰になるのかといった問題が。
今までよりも更に多くの学徒兵を集めるのか、もしくはMSのパイロットになれなかった連中を集めるのか。
どのような方法でパイロットを集めるとすれ、それはジオン軍にとって致命的なミスになりかねない。
いやまぁ、その辺はア・バオア・クーでの戦いが終わって、その結果で月が停戦協定の仲介をする事になった以上、今更の話か。
ともあれ、技術者が言いたいのはそういう事ではなく、製造されたオッゴの数が少ないので、故障した時に使う部品が少ないという事なのだろう。
「一応、このオッゴはMSの部品が結構な数流用されてる筈だ。それを思えば、予備部品として使い物にならない訳でもないんじゃないか?」
「それは……まぁ、そうかもしれませんが。それでも、そこまで無理をしてオッゴを使うのなら、普通に連邦軍からボールを購入するか、それこそ俺達で作業用ポッドを開発した方がいいですよ?」
他の技術者達も同様の意見なのか、それぞれが頷いている。
なるほど、オッゴは結局使い物にはならないか。
「そうなると、何かあった時の資料用に数機置いておけばいいか? それ以外は、俺の方で引き取る」
一応技術班に渡せば、UC世界独自の兵器という事で、それなりに喜んでくれるだろう。
……中には妙な好奇心を発揮して、改造……いや、魔改造してしまわないとも限らないが。
それこそ、アレックスよりも性能の高いオッゴが出て来ても、技術班の仕業なら俺は驚かない。
不意にオッゴが1機でア・バオア・クーやソロモン、ルナツーといった場所を攻略する光景が思い浮かぶが、これがギャグでも何でもなく、シャドウミラーの技術班なら、それくらいは普通に作りそうなんだよな。
「お願いします」
頭を下げる技術者に頷き、次のMSを出そうとしたところで……そう言えばまだペイルライダーの件で必要なアルテミスの面々が姿を現していない事に気が付く。
現在まだ空間倉庫の中に入っているのは、ニュータイプ用のザクとジオングという、双方共にニュータイプが使う事を前提にしたMSと、エルメスのビット、それと……この研究所で出す事は出来ない、ビグ・ザムとビグ・ラングという2つのMAだ。
ビグ・ザムはドズルの死体の件もあるので、今はまだ出す事が出来ないが、ビグ・ラングなら基本的にはビグロの派生機なので、ディアナの技術者達であっても、問題なく解析する事が出来るだろう。……ここで出すのは難しいが。
「アルテミスの連中は、まだ来ないのか? 残ってるのはペイルライダーと同じく……いや、ペイルライダー以上にニュータイプの存在が必須となるニュータイプ用のMSだけだぞ?」
ペイルライダーは、一応普通のパイロット……ニュータイプではない者が使っても、その性能を発揮する事は出来る。
少なくても、ペイルライダーに乗っていた女……クロエは、ニュータイプではない。
俺と接触しても、特に何も起きなかったし。
その事からも、ペイルライダーはニュータイプ以外が乗ってもその性能が発揮出来るのは確実だ。……もっとも、現在レモンによって治療中のクロエの事を考えると、普通のパイロットがペイルライダーに乗るのはかなりの負担となるのは間違いないだろうが。
ともあれ、クロエが乗れるペイルライダーと違って、ニュータイプ用のザクとジオングは、完全にニュータイプの操縦が前提となっている。
ましてや、エルメスのビットともなれば……その能力は、本当の意味でニュータイプでなければ、使いこなす事は不可能だろう。
「うーん、そろそろ来てもいい筈なんだが。アルテミスの連中も、アクセルが持ってきてくれる戦利品には興味津々だったり……おや、噂をすれば何とやら、だな」
技術者の1人がそう言うと、その視線の先には10人近い集団がこちらに近付いてくるのが見えた。
その中には見覚えのある奴もいるし、俺に降伏した関係からか、何故か俺の担当という形になっているシムスの姿もある。
「すいません、遅くなりました」
アルテミスの研究者の中でもリーダー格の男が、そう言って頭を下げた。
「いや、気にするな。こっちもいきなりの事だったし。まさか、アクセルがこれだけの物を確保してくるとは思わなかったからな」
そう言い、ディアナの技術者のリーダー格の男が相手と軽く握手を交わす。
そして、2人の視線が俺に向けられた。
2人が何を言いたいのかは、その視線を見れば明らかだ。
それどころか、他の面々も俺に期待を込めた視線を向けている。
「分かった。なら……まずは、こっちから見て貰うか」
その視線に負けるように、俺は少し離れた場所に移動して、空間倉庫の中からニュータイプ用のザクを取り出す。
ジオングと近い腕をしている為か、普通のザクに比べると両腕がかなり大きく、アンバランスな機体だ。
それでいて、この両腕は有線のビーム砲になっているので、ぶっちゃけニュータイプ用のザクとして重要な部品はこの両腕だ。
いや、勿論この両腕を動かす事が出来るシステムとかも、大きな意味を持っているのは間違いないだろうが。
「これが?」
アルテミスの研究者達の代表が、俺に向かって尋ねてくる。
このMSに異様さを感じてはいるのだろうが、同時にどこがニュータイプ用のMSなのかというのが分からないのだろう。
「こっちはニュータイプ用のMSを開発する上での、技術試験機……もしくはプロトタイプ的な存在だな。そしてこっちが……」
そう言い、ジオングを出そうとして……ふと、大丈夫か? と思う。
ジオングは普通のMSと比べるとかなり大型の機体だが、それでも一応MSと言っても間違いない。
ビグ・ラングやビグ・ザムといったように、巨大でここには出せないという程ではないのだが……この場合、最大の問題なのはジオングには足がない事だろう。
本来なら脚部のある位置が、そのままスラスターとなっているのだ。
当然ながら、そのような存在だけに他のMSのように足を使って地面に立つといったような真似は出来ない。
それこそ、ここにジオングを出すと下半身のスラスターが潰れてしまうのではないかと、そう思ってしまう。
「あー……ちょっと待て。ジオングってのは、足がない代わりに下半身がスラスターになっている。もしここでジオングを出したりしようものなら、自重でスラスターが壊れかねない」
もしくは、壊れなくてもスラスターが歪んだりといったような事になってもおかしくない。
「それは……だとすれば、ジオングというMSもビグ・ラングのように宇宙空間で解析する事になるのですか?」
「うーん……いや、ちょっと待て……ビグ・ラングはともかく、ジオングはここでどうにかしたい」
ディアナの技術者は結構な数がいるので、それこそ宇宙空間……例えば月の周辺に配備されている機動要塞のどれが1つに移動して、ビグ・ラングやビグ・ザムの調査をするといったような真似をしても、問題はない。
だが、アルテミスの研究者となれば、話は変わってくる。
ニュータイプという存在を象徴としているルナ・ジオンだが、実際にニュータイプの研究者の数となると、かなり少ない。
これは当然だろう。何しろ、ルナ・ジオンのニュータイプ研究所で働いてる研究者は、フラナガン機関で働いていた者のうち、被検者の子供達を虐待していなかった者……もしくは虐待はしていても、その程度が軽かった者が農場での強制労働を終えて、途中で合流した形だ。
だが、当然の話だが、フラナガン機関の研究者でそのような者は決して多くはない。
その結果として、現在のアルテミスの研究者の数は決して多くはない。
勿論、セイラを含めたルナ・ジオンの上層部も、今の状況が色々と危険だというのは分かっている。
だからこそ、フラナガン機関の関係者ではない研究者を、見習いという扱いで結構な数、アルテミスに送り込んでいるらしいが……結局のところ、見習いは見習いでしかない。
そうである以上、即戦力として期待するような真似は不可能なのだ。……俺にとっては、かなり残念ではあったが。
「それで、ジオングというMSは……どうするんです?」
「あー……そうだな。取りあえず、今だけならどうにか出来るか。……スライム」
そう俺が言うと同時に、空間倉庫の中からスライムが姿を現す。
俺が色々と規格外の能力を持っているというのは、多くの者が知っていただろう。
だがそれでも、このようなスライムを出す能力があるとは思わなかったのか、多くの者が驚きの表情を浮かべていた。
俺はそんな面々には構わず、結構な量のスライムを出した後でジオングを取り出す。
本来なら、ジオングはそのスラスターが自重によって潰れたり……そこまでいかなくても、多かれ少なかれ被害を受けてもおかしくはなかった。
だが、ジオングの自重をスライムが支えているとなると、当然のようにスラスターが潰れたりといったような事は気にする必要もない。
「これがジオングだ。……アルテミスの中には、情報を知ってる奴もいるかもしれないが」
ジオングがニュータイプ用のMSで、しかもブラウ・ブロの持つ有線ビーム砲の技術を発展させていった機体である以上、その辺の情報は多少なりとも知っていても可笑しくはない。
……もっとも、サイド6でフラナガン機関の研究所を襲撃したのは結構前なので、その当時はジオングがどこまで知られていたかは、疑問だが。
唯一、シムスだけはその襲撃を逃げ延びてブラウ・ブロの開発に関わっていたが、基本的に仕事一筋で人づきあいが悪かったおかげで、あまり情報の類は持っていない。
エルメスに関しての事を思えば、ジオングについての情報はまず持っていないと思ってもいいだろう。
そんな風に考えながら、俺はアルテミスの面々に視線を向けるのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1290
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1637