転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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2674話

 ブライトに指定された座標までやって来たものの、やはりそこにアムロとシャアの姿はない。

 汎用性が高く機動力も高いG-3ガンダムと、MA的な使用方法をするだろうシャアの新型MS。

 そう考えれば一ヶ所で戦っている筈がないのも当然だった。

 

「さて、どうしたものか」

 

 アムロやシャアが戦っていた付近だからか、敵の姿は現在どこにも見えない。

 これからの事を少し考えるくらいの余裕はあるだろう。

 とはいえ、現在のこの状況で一体何をどうすればいいのか……迷うのは当然の事だった。

 

「ホワイトベースに戻るか? ……いや、それだとここまで来た意味はないか。それこそ、無駄に推進剤を消費するだけだし」

 

 一応ホワイトベース……正確には、ホワイトベースと一緒に行動しているカトンボに戻れば推進剤の補充はすぐに出来るが、その間にアムロやシャアの戦いが終わってしまっては意味がない。

 とにかく、しょうがないからこの辺を……ん?

 飛び回って情報でも集めるか。

 そう考えた俺の行動を遮るように、不意にレーダーに反応が現れた。

 もしかしてアムロとシャアがここに戻ってきたのか?

 一瞬そう思ったが、レーダーに表示されているのがジムコマンドが4機とザクやドムといったMSが7機といった具合なのを思えば、そこにアムロやシャアがいる筈もない。

 どうする? と一瞬迷ったが、どのみちアムロとシャアの情報を得る必要がある以上、誰かと接触しなければいけないのは間違いない。

 どうせ情報を入手するのなら、自分達が不利な時に協力してくれた相手の方が、向こうも素直に情報を渡すだろう。

 そう判断し、スラスターを噴射させて戦闘が行われている方に向かう。

 にしても、連邦軍もジオン軍も基本的にMSというのは3機で1小隊というのが普通だ。

 そうなると、連邦軍の方が4機というのは……いや、それとも最初は2小隊いたのが、そのうちの2機が撃破されたのか?

 ともあれ、接触してみてからだな。

 そう判断し、ジオン軍のMSからの攻撃を回避しつつ、反撃を行っている小隊に通信を送る。

 

「こちら、ルナ・ジオンのアクセルだ。そこの連邦軍の部隊、聞こえるか?」

 

 そう言いつつビームライフルを撃って、リックドム……いや、違うな。アレはリックドムⅡか。そのコックピットを貫いて撃破する。

 そんな突然の援軍に驚いたのか、それとも俺がガンダムに乗っている事に気が付いたのか、ジオン軍のMSは素早く撤退していく。

 この様子を見ると、ガンダムタイプのMSが非常に高性能だと、そう理解していたのだろう。

 

『アクセルだぁ!?』

 

 連邦軍から返ってきた聞き覚えのあるその声に、俺もまた驚く。

 

「お前……モンシアか!?」

 

 モンシア。裸踊りのモンシアの異名を持つ男で、操縦技術はその異名とは裏腹に高い。

 実際、その異名がついたのはヤザンとの勝負に負けたからであって、そのヤザンもホワイトベースで数々の激戦を繰り広げ、アムロやユウといった連邦軍どころかこのUC世界においてもトップクラスの技量を持つ相手とシミュレータで模擬戦を繰り返し、ヤザンもアムロやユウには劣るものの、それでも最高峰の技量を持っているのは間違いない。

 そんなヤザンに負けたとはいえ、連邦軍の中でもMSの操縦適性があると判断され、人格よりも能力重視で選ばれた者の一員がモンシアだ。

 そして今では、そんなモンシアを率いるバニングが裸踊りのモンシアの異名をどうにかする為に奮闘し、不死身の第四小隊といった異名を持つまでになっていた。

 ガイア、オルテガ、マッシュの3人は、小隊で黒い三連星という異名を持っている。

 バニング達不死身の第四小隊といった異名もまた、黒い三連星と同様だった。

 

『おう、久しぶりだな』

「ああ。お前達も無事なようで何よりだ。……ただ、今はお前と話しているような余裕はないんだ。バニングと話させてくれ」

『あいよ、ちょっと待ってくれ』

 

 その言葉と共に映像モニタに表示される、バニング。

 

『お久しぶりです』

「ああ。それで少し聞きたいんだが、アムロ……G-3ガンダムという、灰色のガンダムを見なかったか?」

『見ました』

 

 俺の言葉に、バニングからはあっさりとそういった言葉が返ってくる。

 どうやら、無駄な情報収集をする必要はなかったらしい。

 

「そうか、それで場所は? いや、どれくらい前にそれを見た?」

『10分少々といったところでしょうか。未確認MSと戦いながら移動していましたね』

 

 バニングが見たのは、どうやらアムロとシャアで間違いないらしい。

 

「座標を教えて貰えるか?」

『了解しました。……その、同行しても構いませんか?』

「は? 本気か?」

 

 バニングの言葉は、俺にとって完全に予想外だった。

 そもそもの話、一体何故そのような事を希望するのか。

 俺がこれから向かうのは、アムロとシャアという、このUC世界においても最高峰の技量を持つパイロットが、最高峰の性能を持つMSに乗って戦っている場所だ。

 それこそ、不死身の第四小隊といった異名を持つにいたったバニング達でも、戦闘に巻き込まれれば、間違いなく撃破されてしまうだろう。

 折角ここまで生き残ってきたのに、ここで死んでしまっては意味がないだろう。

 だが……俺のその言葉に、バニングは躊躇する様子もなく頷く。

 

『本気です。今の状況を思えば、ジオン軍をここで一気に押すべきかと。そして、そうなると厄介なのは、ジオン軍のエースパイロット達。それをここで撃破出来れば、連邦軍の勝利に大きく近付くかと』

 

 バニングの言葉は、決して間違ってはいない。

 だが同時に、そのような真似をした場合、シャアの乗る新型MSによって撃破されるといった可能性も否定は出来ないのだ。

 

「もう一度尋ねる。……本気か?」

 

 再度尋ねるが、返ってきたのは頷くという行為のみ。

 このままだと、それこそ黙ってアムロ達がいる座標にやって来かねない、か。

 

「分かった。だが、それなら上から許可を貰え。それが条件だ」

 

 今この状況でバニング達を連れていった場合、下手をすれば上からの命令無視といった事にもなりかねない。

 であれば、上官からの許可は絶対に貰っておく必要があった。

 ……上官の頭が硬ければ、バニングからの要請を却下するかも? という考えもあったのだが。

 そんな俺の思いとは裏腹に、すぐに上官から許可を貰ったバニングは俺と一緒に来る気満々だった。

 考えてみれば、バニング達を部下にしている上官なんだから、頭が硬ければ務まる筈もないか。

 

『では、お願いします』

「ああ。……それにしても、全員ジムコマンドとはな。さすが異名持ちといったところか」

 

 ジムコマンドは、数あるジム系MSの中でも、最優秀……とまではいかないが、かなり性能の高いMSだ。

 当然だが、性能の高いMSだけにコスト的な問題もあって、量産は出来ない。

 ……まぁ、ジムコマンドを量産出来るのなら、それこそジムじゃなくてジムコマンドが連邦軍の主力MSになっていてもおかしくはないのだが。

 そのような事になっていない辺り、ジムコマンドはジムよりコスト的に劣っているのが明らかだろう。

 実際には、開発完了したのがジムよりも遅かったとか、そういう問題もあるのだろうが。

 

『へへっ、どうよ』

 

 バニングとの会話に、モンシアが得意げに言ってくる。

 とはいえ、俺が集めた話によるとモンシアは不死身の第四小隊の中でもエース級の活躍をしているらしい。

 バニングは指揮官として全員を纏め、アデルは後方から援護に徹し、ベイトはオールラウンダー的に活躍し、モンシアは敵に突っ込む……といった形で。

 

「そうだな。不死身の第四小隊の噂は俺にも入ってきてたから、素直に評価出来ると思う。……それよりも、行くと決めたらすぐに動くぞ。アムロとシャアの戦いだけに、どっちが勝ってもおかしくはないからな」

 

 あくまでも俺の抱いている印象だが、純粋にMSパイロットの技量という点で考えれば、シャアが上だ。

 だが、ニュータイプ能力という点では、アムロがシャアを上回っている。

 そうである以上、総合的な実力では互角。

 そしてMSの性能という点では……攻撃力という点ではシャアの乗っている新型MSが勝っているが、アムロのG-3ガンダムは総合的に見て高い性能を持っている。

 その辺を全て総合して考えた場合、やはり互角に近いといった感じだ。

 アムロがMSに乗ってから、まだ3ヶ月程度。

 その3ヶ月で、シャアと同等の実力になったのを考えると……この戦いがもう1ヶ月くらい遅ければ、パイロットとしての技量でもアムロが勝っていたかもしれないな。

 そうなれば、こちらとしても安心して見ている事が出来たんだろう。

 だが、今の状況ではそのような真似は出来ない。

 だからこそ、少しでも早くアムロ達を見つける必要があった。

 

『聞いてたな? 全機、ガンダム7号機に遅れないようについていくぞ!』

 

 バニングのその言葉に、モンシア達がそれぞれ返事をする。

 とはいえ、ガンダム7号機とジムコマンドでは、推力差がそれなりにある。

 幾らジムコマンドがジム系MSの中では最高峰の性能を持っているとはいえ、それでも所詮はジムだ。

 ガンダム……それも量産型とかそういうのは全く考えずに開発されたガンダム7号機とは比べものにならない。

 これがガンダム4号機や5号機なら、まだある程度量産性も考慮されていたりもしたんだが……ガンダム7号機の場合は、FSWS計画の技術立証試験機的な意味合いもあるので、量産性の類は全く考えられていない。

 バニング達にとってせめてもの救いは、ガンダム7号機がファーストアーマーもセカンドアーマーも装備していない、素の状態であるという事だろう。……素の状態であっても、汎用機にしては並外れた能力を持っているのだが。

 とはいえ、いざという時の為に推進剤を節約しながらアムロ達を探す必要がある以上、その辺を気にする必要はないか。

 

「よし、行くぞ」

 

 それだけを告げ、俺がバニングから教えて貰った方向に向かって進む。

 とはいえ、バニングがアムロ達と思しき存在を見てからも、それなりに時間が経っている。

 ブライトに貰った座標よりは新しい情報だったが、機動力に長けたG-3ガンダムとMA的な性格を持つニュータイプ用MSが動き回っているのを考えれば、その情報は参考程度にしか出来ないだろう。

 それでも、何の手掛かりがないままアムロ達を探すよりはマシだが。

 

「言っておくが、こうしてアムロ達を探している俺達に向かって攻撃を仕掛けてくるジオン軍のMSがいる可能性もある。戦闘は可能な限り避けたいところだが、敵が攻撃してきた場合は反撃して撃破するように」

 

 アムロとシャアの戦いに参加する以上、当然の話だがその時の消耗は激しくなる可能性が高い。

 だからこそ移動中は可能な限り戦力を温存したいところだが、ジオン軍のMSにしてみれば、そんな事は分からない。

 連邦軍の中でも最新鋭MSのガンダム7号機が、ジムコマンド4機を引き連れて移動している以上、当然の話だがそれはジオン軍にとって脅威になると判断し、攻撃してくる可能性は非常に高い。

 であれば、そうやって攻撃してきた相手を俺達が見逃すような真似も出来ない。

 こっちが逃げれば、ジオン軍がいい気になって連続して攻撃をしてくるといったような事にもなりかねないし……何よりも問題なのは、Eフィールドに行く時にサラミスをつけてよこした連邦軍上層部の一部――と信じたい――が、敵前逃亡とか、そんな言い掛かりで責めてくる可能性は十分にあった。

 だからこそ、こちらとしては敵と遭遇した場合は撃破する可能性がある。

 いや、俺の場合はルナ・ジオン軍であくまでも連邦軍の援軍という立場で、指揮系統も違うから、言葉で責めるような真似はしても、処罰するような真似は出来ない。

 ……ただし、敵前逃亡したという事を後々まで言われる可能性はある以上、それはそれで面白くない。

 バニング達にしてみれば、俺よりももっと悲惨だろう。

 不死身の第四小隊はあくまで連邦軍に所属する部隊なのだから。

 それこそ、下手をすれば敵前逃亡で銃殺刑……なんて事になる可能性は、十分にあるのだ。

 バニングの性格から考えると、自分だけが処罰をされるのであれば理不尽な事でも軍人だからと素直に従うだろうが、その対象としてモンシア達も……となると、素直に罰を受けるとは思えない。

 そんなバニング達にとって、ルナ・ジオンはちょうどいい逃げ場所に……あれ? もしかして不死身の第四小隊をルナ・ジオンに引っ張ってくるには、実はそういう流れの方がいいのか?

 とはいえ、まさかバニング達を引き入れる為にわざわざそんな真似をさせるのもどうかと思うし。

 アムロ達を探しながら、そんな事を考えていると……不意に、レーダーに登録されているアムロのG-3ガンダムの反応が現れるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1285
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1636

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