新たに姿を現した機体は、一目でペイルライダーの系列機であるというのは分かったが……それでも、実際に俺が戦っていたペイルライダーとは細かい場所で色々と違いがあった。
俺が戦っていたペイルライダーを簡略化している……といった感じか。
ただし、ガンダムに対するジムのように、極端にデチューンされている訳ではない。
ガンダムとジムを見て同じような機体であるとは認識出来ない者も多いが、新たに現れたペイルライダーは、幾らか簡略化されているものの、普通にペイルライダーの同型機であると判断出来た。
そんな中で、最もペイルライダーとの違和感がある場所は……その武器だろう。
俺が戦っていたペイルライダーは、ビームライフルとビームサーベルを持ちつつ、右肩の後ろにジャイアントガトリングを装備しているMSだった。
それに比べると、新たに姿を現したペイルライダーが手持ちの武器として装備していたのは、結構な長物の武器だった。
それが一体何なのか……シャドウミラーに所属しているからこそ、理解出来た。
シャドウミラーが得意としている、複合兵装。
ただし、それぞれの武器を無理矢理1つにしたような感じで、技術的にはまだ未熟というか、発展途上に近いと言ってもいい。
見た感じでは、ペイルライダーも装備しているジャイアントガトリングと、巨大なビームライフル、それとミサイルを無理矢理くっつけたような感じだ。
……ただし、ジャイアントガトリングがガンダム5号機の武装だという事を考えると、複合兵装のビームライフルはメガビームランチャーを流用した物と考えてもいい。
とはいえ、俺が知ってるメガビームランチャーは、かなりの大きさを持つ。
それに比べると、新たなペイルライダーが持っている武器は、かなり小型化されていると言ってもいい。
とはいえ、ビームライフル系に関しては、連邦軍の方がジオン軍よりも高い技術を持っている。
それを思えば、メガビームキャノンを小型化してもおかしくはない。
小型化した分、ガンダム4号機のメガビームキャノンよりも威力は低くなっているかもしれないが。
そのペイルライダーが、複合武装をこちらに向け……ミサイルを発射する。
って、こいつもこっちに攻撃をしてくるのか!
スラスターを使って体勢を立て直しつつ、頭部バルカンを使ってこちらに向かって発射されたミサイルを迎撃する。
宇宙空間に幾つも広がる爆発の花。
「何のつもりだ? ペイルライダーなら、連邦軍の通信の周波数で聞こえるな?」
こっちに攻撃してきた最初のペイルライダーといい、次に現れたこのペイルライダーといい、もしかしてペイルライダーは連邦軍のMSではないのか?
いや、ジムスナイパーⅡをベースにしている以上、連邦軍で開発されたMSなのは間違いない。
だが……そのMSを使っているのが、連邦軍とは限らない。
それこそ、場合によっては第3勢力の可能性もある。
不幸中の幸いなのは、ジオン軍とも敵対しているので、ジオン軍に奪われた訳ではない事か。
『……お前は、ルナ・ジオンの者だな?』
識別信号から俺の反応を理解したのか、新たに現れたペイルライダーからそんな通信が入る。
こちらを警戒しているのか、音声だけで映像モニタには何も映っていない。
声だけで判断すれば、結構な年齢……30代か40代か、そのくらいの年齢の男のように思える。
もっとも、声を変えるといったことは難しいが不可能ではないので、そう考えるともしかしたら俺の予想とは違う相手である可能性は十分にあるんだが。
「そうだ。それで、お前は何者だ? 連邦軍だとしたら、俺に向かって攻撃をしてきた事を説明して貰いたいものだな。ただでさえ、ここはジオン軍と、何を考えたかこちらに攻撃してくる連邦軍と俺達ルナ・ジオン軍の三つ巴の戦いになっていたんだ。そこにお前のような新たな敵が出て来たとなると、こちらとしても相応の態度で挑む必要がある」
『待て。こちらは戦うつもりはない』
そう言い、複合武器を持っていない方の左手をこちらに向けるペイルライダー。
だが……こちらがそれで納得するかと言われれば、その答えは否だ。
「攻撃してきておいて、それで戦うつもりはない? ふざけた事を言う奴だな。そんな奴の言葉を信じられると、本気で思ってるのか?」
そう言い、ビームライフルの銃口を、新たなペイルライダーに向ける。
そんな俺の行動に反応したのか、向こうは慌てたように口を開く。
『待ってくれ、俺が攻撃をしたのは、ここで行われている戦闘を止める為だ! 頼むから、話を聞いてくれ!』
こうして話している限り、このパイロットは話し合いでこの戦いをどうにかしようとしているようだな。
それでも今の状況を思えば、それを素直に聞く事は出来ない。
もっとも、何らかの条件をこちらに出せば話は別だが。
「いいだろう。だが、話を聞くには条件がある。お前が持っているその複合兵装をこちらに寄越して貰おうか」
ジャイアントガトリングとメガビームランチャー、それとミサイルが一緒になっているこの複合兵装は、かなり興味深い代物だ。
これを入手する為なら、向こうの言葉を多少は聞いても構わない。
……とはいえ、疑問なのは何故かジオン軍の連中が動きを止めている事だが。
俺とこのペイルライダーが話をしているとしても、何故ジオン軍がそれに反応しない?
一応、向こうが動いたら即座に行動に移れるように準備はしているのだが……未だに、向こうが動く様子はない。
『分かった、これでいいのか』
俺の言葉に、ペイルライダーのパイロットはそう言いながら複合兵装をこちらに向けて放り投げる。
戦っていたペイルライダーを押さえつけているので、その複合武装を受け取る事は出来なかったが、それでも装甲に当てて近くに漂わせる。
そうしながら……恐らく。FCSの方でマッチングしていないので今の状況では使い物にならないだろうと予想しつつ、口を開く。
「それで? 一体お前は誰だ? まさか、俺に攻撃してきた時点で実は連邦軍ですなんて言わないだろう?」
取りあえず複合兵装は取り上げたが、ペイルライダーの系列機である以上は当然のように他にも武器を持っている筈だ。
『……この戦いを収めて貰いたい』
その言葉は、俺にとっても少し予想外だった。
だが……こうして見た感じでは、恐らくこの男とジオン軍、そして当然のようにペイルライダーのパイロットとの間にも何らかの関係があるのか?
何らかの確証がある訳ではないが、そうでなければ自分と関係のある者達に協力すればいいだけだ。
それをしないという以上は、やはりそこに何らかの意味があると考えるのは当然だろう。
だからといって、こっちも素直に頷く訳にはいかない。
暴れようとしてる、俺と戦っていたペイルライダーを押さえつけながら、口を開く。
「知ってると思うが、俺は連邦軍に協力しているルナ・ジオン軍の者だ。そんな俺が、戦いを止めて下さいと言われてはいそうですかと頷くと思うか? それに……悪いが、こっちにも色々と事情がある。その事情を呑んでくれるのなら、取引をする価値はあると思うが?」
『何を望む?』
「こっちの要求は3つだ。まず、俺が戦っていたMS、ペイルライダーだったか? その機体とパイロットごと貰う。そして次に、ジオン軍の部隊にいるザク……腕を伸ばすニュータイプ用と思われるザクを貰う。こっちは出来ればパイロットも欲しいが、最悪MSだけでもいい。そして最後に……さっき手放した複合兵装を貰う」
『……なるほど』
数秒の沈黙の後で、男はそう言葉を返す。
連邦軍用の通信だけに、ペイルライダーのパイロットもその通信を聞いていたのか、もしくは接触回線越しに話を聞いていたのか……それとも単純に偶然だったのか。ともあれ、そのタイミングに合わせて俺が抑えていたペイルライダーが機体を動かし、前腕部のビーム砲をこちらに向けようとしたところで……
「取りあえず、寝ていろ!」
そのタイミングに合わせて、機体を激しく揺らす。
向こうにとっても、このタイミングでまさか自分が攻撃を受けるとは思っていなかったのか……
『あぐっ!』
そんな声と共に、反応がなくなる。
恐らくは予想外のタイミングで機体を強引に……それもガンダム7号機のパワーで揺らされた事により、コックピットのどこかに頭部をぶつけたのだろう。
正直なところ、そんな相手に思うところがない訳ではなかったが……今のこの状況で暴れ回って、こっちに被害が出るよりはマシだ。
そうなれば、最悪このパイロットを殺すしかないのだから。
『おいっ! その娘に何をした!?』
通信が繋がっている状態だったので、後から来たペイルライダーのパイロットにも、今の悲鳴が聞こえたのだろう。
それにしても……『その娘』か。
いや、今の悲鳴を聞けば、女がパイロットをしているのは分かるだろうが、それでも年代までは分からない筈だ。
あるいは、その悲鳴を聞けば相手の年齢が分かるといったような特殊能力でも持っていれば、話は別だったが。
そんな都合のいい特殊能力を持っているとは思えない以上、多分後から来たペイルライダーのパイロットは、俺と戦っていたペイルライダーのパイロットについて知っていると思った方がいいか。
考えてみれば、同じペイルライダーの系列機に乗っている以上、パイロット同士お互いに顔見知りでもおかしくはない。
「心配するな。何だか混乱していたようだったからな。ちょっと気絶して貰っただけだ」
ニーズヘッグの尻尾が使えるのなら、電撃で気絶させるといったような真似も出来たのだろうが……生憎と、現在俺が乗ってるのはニーズヘッグではなくガンダム7号機である以上、そんな便利な武器は持っていない。
かといって、まさかコックピットを貫いて殺すといった事をする訳にもいかない。
何しろ、このペイルライダーにはEXAMシステムが搭載されている可能性が高いのだから。
そう思い……ふと、気が付く。
この後から来たペイルライダーも、俺が抑えているペイルライダーの系列機である以上、EXAMシステムが搭載されているのではないか?
「おい、話を続ける前に1つ聞かせろ。お前のMS……もしかして、EXAMシステムが搭載されているのか?」
『いや……何だ、そのEXAMシステムというのは?』
そんな言葉が返ってくる。
一瞬、EXAMシステムの件を隠しているのか? とも思ったが、この声の様子を聞く限りでは、とてもではないが適当に嘘を言ってるようには思えない。
つまり……本当にEXAMシステムを知らないのか?
そして、同時に後から来たペイルライダーには、EXAMシステムが搭載されていない?
はたまた、搭載されているけどそれを知らないだけか。
こうなると、俺が気絶させた方のペイルライダーにも、実はEXAMシステムが搭載されていなかったとか、そんな感じになりそうだな。
とはいえ、あの反応速度とかを考えるとどうしてもそんな風に思えるのは事実だ。
「知らないならいい。ともあれ、こっちの要求は以上だ。それを受け入れられないのなら、実力行使になるが?」
『……そっちは2機。こっちは全部で10機近い。それでも、そっちが勝てると本気で思ってるのか?』
「そうだな。勝てると思ってるぞ。少しは苦戦するかもしれないが……こう見えて、腕には自信があるしな」
『……』
俺の言葉を聞き、返ってくるのは沈黙のみ。
相手が10機以上いても、勝てる。
そう断言した俺の言葉が真実かどうか、計りかねているのだろう。
実際、このUC世界においては1機で10機以上のMSを倒す事が出来る者は、それなりにいる。
勿論かなり難易度が高い事ではあるのだが、それでも異名持ちくらいの実力者になれば、そのくらいはやってやれない事はないのだ。
だからこそ、この相手は俺が本気で言ってるのかどうか……そもそも俺がそのような事が出来るのかどうかを、疑っている。
もし本当に俺がそこまで腕の立つパイロットであれば、それこそここで俺と敵対するのは避けたい。
だが……もし俺が言ってる内容がハッタリやブラフであった場合は、迂闊に反対を口にすれば、その瞬間に戦闘になりかねない。
向こうにしてみれば、どうしてもここで戦闘を起こさせたくはないと、そう思っているのだろう。
『そちらに返事をする前に、1つ……いいか? どうしても聞いておきたい事がある』
「何だ?」
ジオン軍のMS部隊が妙な行動をしないように確認しながら、そう言葉を返す。
もしこの隙にジオン軍が……特に、あのニュータイプ用と思われるザクが妙な行動をした場合、それにすぐに対処出来るようにする必要があったからだ。
『そのペイルライダーのパイロットは……多数の薬物を使われ、重度の薬物中毒になっている。それを、お前達は……いや、月ではどうにか出来るのか?』
その言葉に、俺は大きく息を吐くのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1240
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1627