転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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2632話

 セイラとの通信を終えると、俺は次にホワイトベースに連絡を取る。

 とはいえ、使ってる通信装置は先程までのシャドウミラー製ではなく、ソロモン内部に設置されていた代物だが。

 サラブレッドと一緒に動いてる時は、基本的にすぐ側にホワイトベースも存在したから、そこまで気にする必要はなかった。

 だが、ソロモンではサラブレッドとホワイトベースは連邦軍用の軍港を使っているし、カトンボを始めとしたルナ・ジオン軍は専用の区画を割り当てられている。

 その為、以前までのように気軽に連絡をするといった訳にはいかない。

 ……まぁ、連邦軍としては、ルナ・ジオン軍に対してあまり接触してほしくないという思いもあるのだろうが。

 何しろ、ソロモン攻略についてルナ・ジオン軍が挙げた手柄は、かなりのものだ。

 連邦軍も、勿論相応に活躍はしたのだが……それでもルナ・ジオン軍には及ばない。

 ビグ・ザムを撃破したというのが、大きいよな。

 

『はい? ……あ、アクセルさん』

 

 通信に出たのは、フラウ。

 俺の顔を見て驚き、そして嬉しそうな笑みを浮かべる。

 

「久しぶり……って程でもないな。ともあれ、アムロ……いや、出来ればブライトも一緒の方がいいか。呼んでくれないか?」

『えっと、アムロは格納庫でシミュレータをやってるので、時間が掛かりそうなんですけど……』

「それでも出来るだけ早く呼んでくれ。ソロモンの近くで撃沈した軍艦の件だ」

『っ!?』

 

 フラウは俺の言葉に驚き……やがて、映像モニタにはフラウではなくブライトの顔が映し出された。

 

『アクセル、今の話は本当か?』

「確実とは言えないが、可能性としては高い」

『一応聞くが、それは連邦軍の上層部には……?』

「まだ話していない」

『何故だ? そのような重要事項なら、こちらに連絡をするよりも前に、上層部に報告をした方がいいだろう』

「残念ながら、そうもいかない。……連邦軍では、ニュータイプというのは信じられていないしな」

『ニュータイプ……なるほど、それで』

 

 連邦軍の上層部が、具体的にどこまでニュータイプについて信じているのかは、俺にも分からない。

 だが、それでも信じていない者の方が大半だろう。

 ……セイラがニュータイプだというのも、それこそ何らかのトリックだと思ってる節もあるし。

 まぁ、ニュータイプを説いたジオン・ズム・ダイクンの娘が実はニュータイプだったというのは、分かりやすいくらいに露骨だと言ってもいいし。

 そう思う気持ちは、正直なところ理解出来ない訳でもない。

 実際、ニュータイプの研究という意味では、ジオン軍の方が進んでるんだろうし。

 とはいえ、連邦軍に所属する人数を考えると、実際にはニュータイプの研究をしている軍人がいてもおかしくはない。

 ただ、それが表に出てこないとなると……かなり小さな研究なのか、それとも人に見られると困るような研究なのか。

 後者であれば、レビルが放っておいたりしないと思うんだが。

 

「ああ。だからこそ、連邦軍の中でも最強のニュータイプたるアムロに知らせておきたかったんだよ」

『そう言えば、あの時は歌のような何かが聞こえたといったような報告があったな』

「歌? アムロがか?」

『そうだ』

 

 歌……歌、ねぇ。

 それは一体どういう意味での歌なんだ?

 ニュータイプなら聞こえた歌だとすれば、ルナ・ジオン軍のニュータイプ部隊たるクスコやマリオンにも歌が聞こえていてもおかしくはないと思うんだが。

 取りあえず俺にはその歌は聞こえなかった。

 つまりこれは、俺にニュータイプの素質がないからか?

 基本的に念動力は、ニュータイプの上位互換的な能力ではある。

 だが、全ての面で完璧に上位互換かと言えば、そんな筈もなく……例えばニュータイプ同士の感応とかそういうのは、俺には意味がない。

 俺がニュータイプに触れる事によって、相手のニュータイプ能力者と感応して妙な空間に行き、結果として相手のニュータイプ能力を強化する……といったような事はあるのだが。

 

「そうなると、その歌ってのは……少し興味深いな。多分、ジオン軍のニュータイプ用MS、もしくはMAの攻撃を感知した影響だと思うし」

 

 一応エルメスが理由だろうと予想は出来るのだが、結局のところまだ確定ではないので、そんな風に言っておく。

 とはいえ……無線ではあっても、ソロモンから相当に離れた場所に敵のニュータイプはいた筈だ。

 もし近ければ、それこそソロモンの周囲にいる軍艦だったり、何よりもソロモンの方で敵の存在をチェック出来る筈だし。

 だが……そんな風に相当に離れた場所からの攻撃となれば、ニュータイプにとっても負担は大きいと思う。

 だとすれば、そうすぐに次の攻撃は来ないと思ってもいいのか?

 とはいえ、それはあくまでも俺の予想であって、確実ではない。

 場合によっては、セイラ級の……あるいはそれよりも高い能力を持ったニュータイプがジオン軍にいる可能性はあるし、それ以外であっても何らかの手段でニュータイプ能力を強化しているという可能性は決して否定出来ない事実なのだから。

 

『お待たせしました。え? アクセルさん……』

 

 映像モニタでは、ブライトの隣にアムロの顔が表示されていた。

 俺が呼んでいるというのは分からなかったのか、映像モニタ越しに俺の顔を見たアムロは驚きの表情を浮かべる。

 

「ああ、アムロは俺が呼んで貰った。ソロモンの近くで撃沈された軍艦の件でな。……何か撃沈される前に、歌のようなものが聞こえたという話を聞いたが、それは事実か?」

『はい。間違いなく聞こえました』

 

 歌……か。

 歌といえば、真っ先に思い出すのはマクロス世界。

 とはいえ、それが本当に役立つのかどうかとなると、また話は違ってくるのだろうが。

 恐らくニュータイプ用の兵器が攻撃をする際にその歌のような何かを発しているのだろうとは思う。

 ただし、それが具体的にどのような効果を持ち、一体どのような役目を持っているのか。

 それが分からない以上、今の状況では難しい。

 とはいえ、アムロに聞こえてきたという事は、敵の方でもアムロの存在を感知していた可能性はある。

 もしくは、ソロモンにいる他のニュータイプ達もその歌を感じていたか?

 

「俺は敵の攻撃がニュータイプによる遠距離攻撃だと思っている。アムロはどう思う?」

『どう思うと言われても……正直、分からないとしか言えませんよ』

 

 アムロは戸惑ったようにそう告げてくる。

 うーん、この様子を見る限りだと、アムロは自分をニュータイプだと認識してはいるが、それをそこまで強く自覚はしてないとか、そんな感じか?

 

「ニュータイプとしての感覚とか、そういうのでは分からないか?」

『そう言われても……ルナ・ジオン軍の方はどうなんですか? そっちにもニュータイプ能力の持ち主がいるんでしょう?』

「それは否定しないけどな」

 

 ただ、セイラのような例外を除けば、アムロのニュータイプ能力が一番強いのは間違いない。

 この世界の主人公たる存在なのだから。

 そしてアムロのいる場所にニュータイプが攻めて来た……普通に考えれば、このニュータイプを倒すのは、原作ではアムロなのだろう。

 この世界は原作から大きく外れているので、アムロが倒さないといけないというのは、今更の話かもしれないが。

 

「ただ、俺が知ってる限りだとアムロのニュータイプ能力が一番強い。だからこそ、ルナ・ジオン軍のニュータイプでも感じることが出来ない何かを、アムロなら感じられるかもしれないと思ったんだよ。……もっとも、まさか歌が聞こえるとかは思ってなかったけどな」

 

 その言葉を聞いたアムロは、何だか微妙な表情を浮かべる。

 アムロも、まさか歌が聞こえるとは思ってもいなかったのだろう。

 その気持ちは理解出来ないでもないが、出来ればそれ以外にも何らかのヒントが欲しいと思うのは当然だった。

 

「それ以外に何か気が付いた事はないか?」

『それ以外と言われても……僕も戦場に出ていた訳じゃないので』

 

 戦場に出ていれば、その辺はもう少ししっかりと確認出来た可能性もあるということか。

 とはいえ、サラブレッド隊と一緒に行動している時なら、ある程度融通を利かせる事も出来るが、こうして連邦軍の一員となってしまった以上は、そう簡単にこちらの思い通りに動かすような真似は出来ない。

 いや、俺が直接レビルに頼めば、どうにかなるか?

 幸いにして、このソロモンにはレビルがいる。

 であれば、俺から……シャドウミラーからの要望は、聞いてくれてもおかしくはない。

 アレックスの件では色々とあったが、それを考えてもこっちの貸しの方がかなり多いのは間違いないし。

 アレックスという、アムロの為に開発された新型機を奪ったのは、連邦軍にとって不満だろうが、本来は中立のサイド6で新型MSを開発していたというのは、この場合大きい。

 ましてや、それが理由でジオン軍が核ミサイルを撃ち込もうとしていたのを、俺は防いだのだ。

 アレックスを始めとして、何機かのMSを俺に奪われたのは……許容範囲内だろう。

 セイラの方で手を回してくれると言っていたし、俺が予想していた以上にこっちに有利な感じで終わった……という可能性も否定は出来ない。

 

「分かった。なら、実際にアムロが戦場に……具体的にはソロモンの外にいれば、その辺も確認しやすいんだな?」

『え? アクセルさん?』

 

 

 一体俺が何をやろうとしているのかと、心配そうにアムロが呟く。

 そんなアムロの隣では、ブライトもまたどこか心配そうに俺に視線を向けていた。

 いやまぁ、そこまで無理をするつもりはないんだけどな。

 

「ちょっとレビルに頼んで、アムロを……いや、ホワイトベースにした方がいいか。ホワイトベースをソロモンの警備として外に出して貰おうと思う」

『そんな無茶な……』

 

 ブライトの声には、呆れが多分に混ざっていた。

 連邦軍という組織の規模を考えれば、俺の要望がそう簡単に聞き入られるとは思っていないのだろう。

 俺とレビルやゴップの間にある信頼関係……そう、脅しでも何でもなく、純粋な信頼関係にして友情関係は、間違いなく本物だ。

 そんな状況で俺がレビルに少し頼み事をしても、それは十分に効果を発揮するのは間違いなかった。

 ……うん、自分で考えていてかなり白々しいと思わないでもなかったが、取りあえずそれは置いておくとしよう。

 

「ホワイトベースとしても、ソロモンの周辺を警護している軍艦が次々と沈み続けるというのは、面白くないだろ?」

『それは……』

 

 言葉に詰まるブライト。

 実際、連邦軍はサラミスやマゼランといった軍艦を次々と量産しているが、普通に考えてサラミスやマゼランを建造するには、相応の金額が掛かる。

 連邦軍が現在そうやって次々と量産する事が出来ているのは、純粋にジオン軍というのがそれだけ脅威だからだろう。

 ジオン軍はコロニー落としだったり、核兵器だったり、毒ガスだったりを使いまくった上に……南極条約を結んだ後であってもオデッサやサイド6のように、普通に核兵器を使おうとしてくる相手なのだから。

 地球と宇宙のあらゆる場所で行われている戦いだけに、俺が知ってるその2例以外にも、ジオン軍が核兵器や南極条約違反の兵器を使っても、おかしくなはい。

 ……まぁ、ジオン軍だけではなく、連邦軍にも強硬派という存在がいる以上、核兵器を使っていても不思議ではないのだが。

 ともあれ、そんなジオン軍に対する恐怖から、連邦軍は次々と軍艦を量産している。

 1週間戦争やルウム戦役で失われた軍艦を補充したいという思いもあるのだろうが。

 ともあれ、そんな理由から次々と量産されているサラミスやマゼランだが、1隻破壊される度に受ける連邦軍の金銭的な被害は、笑っていられるようなものではない。

 ましてや、今回はサラミスだけではなく連邦軍の中では旗艦として使われるマゼランまで撃沈してるのだ。

 それを考えれば、レビルがこの状態をどうにかする為に手を打ったとしてもおかしくはない。

 

「安心しろ。俺もそっちに乗り込むからな」

 

 ガンダム7号機……いや、この場合はアレックスの方がいいか?

 そう思ったが、アレックスのビームライフルを考えると、ホワイトベースで充電するのは難しい。

 そうなると、やっぱりガンダム7号機か。

 それも、今回は色々と小回りが利いた方がいいので、重装フルアーマーガンダムでもフルアーマーガンダム7号機でもなく、通常のガンダム7号機だな。

 ぶっちゃけ、通常のガンダム7号機であれば、アレックスに勝るとも劣らないだけの性能を発揮出来るのだ。

 ガトリング砲はともあれ、ビームライフルの威力はそう変わらないだろうし。

 アレックスのビームライフルはEパックを使っているという意味では非常に斬新的だったが、その斬新さはあくまでも運用面においてだ。

 純粋にビームの威力という点では、ガンダム7号機のビームライフルは、フルアーマーガンダム7号機の使うビームキャノンの技術が流用されている分、ガンダム7号機のビームライフルの方が上だろう。

 ともあれ、俺はブライト達にそのまま待ってるように言ってから、レビルに通信を送るのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1205
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1620

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