転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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2594話

 精神コマンドの、直撃。

 その効果は、敵の特殊な防御を無効化するという、ある意味で凶悪な代物だ。

 それこそ、この直撃を使えばPS装甲だろうがEフィールドだろうが、あるいはそれ以外のバリアの類だろうが、問答無用でその防御能力を無効化出来るという事なのだから。

 そして……実際それを証明するように、重装フルアーマーガンダムのメガビームキャノンから放たれた巨大なビームはソロモンの前に陣取っていた巨大なMAの一部を貫く。

 ……その気になれば、それこそ横に広がった胴体のど真ん中を貫くような真似も容易に出来ただろう。

 だが、それをしなかったのは、この巨大MAを出来るだけ傷つけない状態で欲しかった為だ。

 胴体の中央にある、サラミスやマゼランを纏めて消滅させたメガ粒子砲。

 そして何より、実弾は防げないがビームは防ぐことが出来るバリア。

 この2つは是非欲しいし、まだ明らかになってはいないかもしれないが、他にもあの巨大MAには未知の技術が使われている可能性は十分にあった。

 その辺の事情を考えると、やはり可能な限り無傷で欲しかった。

 とはいえ、相手にダメージを与えなければ向こうが降伏するといったような事はまずないだろうから、今の攻撃は必要な一撃だった。

 巨大MAはバリアがある状態にも関わらず、何故かビーム攻撃が通った事に動揺したのか動きが鈍い。

 見た感じでは、そこまで被害が大きいようには思えなかったのだが。

 とはいえ、問題なのはどうやってこの巨大MAを確保するかだな。

 出来れば空間倉庫に収納したいところだが、空間倉庫の中には生き物を入れる事が出来ない。

 そうなると、パイロットをコックピットから引きずり出す必要がある訳だが……特殊なMAともなれば、どうやってパイロットをコックピットから引きずり出すのかが問題だろう。

 いっその事、コックピットを貫いてパイロットを倒してしまうか?

 いや、だがそのような事をすれば、当然のように巨大MAのシステムそのものが破壊されてしまう事になり、あのバリアについての情報も幾らか失ってしまいかねない。

 

「うおっ!」

 

 巨大MAの方でも動揺が静まったのか、胴体に幾つもある砲口からメガ粒子砲がこちらに向かって発射される。

 その攻撃を回避しつつ、この巨大MAにどう対処すべきかを考える。

 撃破は却下。

 可能ならパイロットを降伏させた方がいい。

 ……だが、当然のように、このMAに乗っている敵はそう簡単に降伏したりはしないだろう。

 実際、こうしている今も次々とメガ粒子砲を撃ってきてこっちを撃破しようとしているのだから。

 重装フルアーマーガンダムのスラスターを全開にし、普通の人間なら耐えられないようなGを受けつつ……だが、混沌精霊の俺はそんなGを無視しながら、どうするべきかを考える。

 この巨大MAは、見た感じ近接武装の類はない。

 ……まさか、あの足で蹴りを放ってきたりはしないよな?

 そんな疑問を抱きつつも、俺はふと気がつく。

 そう、上に……つまり胴体に向かって攻撃をしようと思えば、向こうはそれに対してメガ粒子砲で反撃してくるだろう。

 胴体の周囲のメガ粒子砲が真上に攻撃出来るかどうかは微妙だ。

 だが……胴体に何ヶ所かある穴、あれはもしかして近付いてきた相手に対するバルカンか何かではないか?

 だとすれば、上から攻撃をするのは不可能。

 いや、重装フルアーマーガンダムの装甲はルナ・チタニウム製だけに、バルカン程度の攻撃なら食らっても問題はないか?

 向こうも攻撃を食らっている中で問題なく姿を現したりすれば、驚いて操縦ミスをする可能性は否定出来ない。

 もしくは、あからさまに死角となっている下から向かうか。

 とはいえ、ここまであからさまに弱点を残しておくのか?

 どうするべきか迷い……結局俺が選んだのは、下からの攻撃。

 やはり足がある分、死角となる場所が多いと、そう判断したのだ。

 そして巨大MAは下に潜り込もうとしている重装フルアーマーガンダムの姿に気が付いたのだろう。胴体の周辺に設置してあるメガ粒子砲を撃ってくるが、残念ながらそんな攻撃に簡単に当たってやる筈もない。

 メガ粒子砲の攻撃を回避しながら、巨大MAの下まで移動することに成功する。

 後は、このまま突っ込んでいくだけだ。

 ビームを防ぐバリアは、先程ミサイルに対して効力を発揮しなかったのを考えれば、あくまでも防げるのはビームだけなのだろう。

 ならば、後は間合いを詰めてバリアの内側に入り込んでから、ビームを発射するか、もしくは近接戦闘を行うか……いっそこのまま離れて精神コマンドの直撃をもう1度使うという手段もない訳ではない。

 だが、この巨大MAを確保するということを考えれば、やはり行うのは近接攻撃だろう。

 接近して下からビームサーベルを突きつければ、それで向こうはもうどうしようもなくなってしまう筈だからだ。

 そう考えながら移動し……だが、次の瞬間巨大MAが取った行動は、俺にとっても完全に予想外のものだった。

 何しろ、足……正確には足の先端にある爪の部分が、こちらに向かって発射されたのだから。

 

「なぁっ!」

 

 正直なところ、これは俺にとっても完全に予想外と言うべき行動だった。

 まさか、足の爪が飛んでくるとは誰が思うか。

 ともあれ、スラスターを全開にして回避しつつ、2連装ビームスプレーガンを使って広範囲にビームを射出して、こちらに向かって来た爪を回避する。

 ビームスプレーガンによって撃破する事には成功したが、当然そうなればあの巨大MAの足の爪は1個なくなる。

 その姿を見ながら、一旦巨大MAから距離を取る。

 勿論、あのMAはソロモンの前に出て来たという事は宇宙用MAであって、あの足が必須という訳でもないだろう。

 だが、足があるということは……何らかの理由があって、あの足はある筈だ。

 そうである以上、その一部を飛ばしてこちらに攻撃してくるというのは、その足の役割を捨てるも同然じゃないのか?

 とはいえ、あのような巨大なMAで足があるというのは……正直、どのような意味があるのかは分からない。

 普通に考えれば、着陸脚とかランディングギアとか、そういう類のだろうが……宇宙で、しかもあんなMAを使うのに、そんなのがいるのか?

 だとすれば、俺が今やったように下から攻めてくる相手に対して反撃する為の武装プラットフォーム?

 とはいえ、下から攻撃をしてくる相手に対する武装プラットフォームとなると、別に足である必要はない。

 そうなると……考えられるのは、相手に畏怖や恐怖を与える……いわゆる、視覚的効果を狙っての事か?

 これもまた、可能性は十分にある。

 とはいえ、それはあくまでもこのUC世界の人間に対してだけだろうが。

 ぶっちゃけ、シャドウミラーの者であれば巨大MA以上の視覚的恐怖を持っている相手とは、今まで何度も遭遇している。

 ……ああ、原作での事を考えれば、当然そこにシャドウミラーや俺の存在はいないんだから、それを思えば……おかしくはないのか?

 ともあれ、あの巨大MAはブラウ・ブロと同様に是非とも確保しておきたい以上、こちらとしても手を抜くといったような事はない。

 

「うおっ!」

 

 巨大MAから十分距離を取ったと思った瞬間、再び巨大MAの胴体からメガ粒子砲が放たれる。

 その攻撃をスラスターを全開にして回避しつつ、再び巨大MAの方に向かって進む。

 勿論、狙うのは下からだ。

 ……あの爪を飛ばすのが唯一の下から近付いてくる相手に対する迎撃手段だとすれば、その攻撃は残り5回しか出来ない事になる。

 巨大MAの足に付いている爪は、片方につき3つで、足は2本なのだから。

 まさか、爪が新たに内部から生えてくるといったような事はまずない……と思うし。

 そんな訳でまた巨大MAの下から潜り込む。

 当然のように足から爪が飛ばされてくるが、来ると分かっていれば回避するのは難しくはない。

 重装フルアーマーガンダムを斜めにする事で爪を回避する。

 先程のように2連装ビームスプレーガンを使っても構わないのだが、ヤンマで行われたエネルギーの充電は完全ではない。

 残弾数の問題がある以上、回避してもいいのなら別に2連装ビームスプレーガン……いや、それ以外の武器も使わなくてもいい。

 巨大MAにしてみれば、あの足の爪の一撃は下から攻撃してくる相手に対する迎撃武器であると同時に、隠し武器的な存在なのだろう。

 1発、2発、3発、4発、5発……最後の方は1発ずつでは重装フルアーマーガンダムに命中させる事は出来ないと判断したのか、複数同時に発射してくる。

 してくるのだが……当然のように、その攻撃はスラスターを使って回避しながら間合いを詰め、やがてビームを防ぐバリアの内側に入り込む事に成功する。

 

「これなら撃破はされないだろ。……食らえ!」

 

 至近距離で小型ミサイルを一斉に発射する。

 この小型ミサイルで巨大MAの装甲を破壊するようなことが出来ないというのは、先程の一件で既に理解している。

 だが、それでも今の状況ではこれが最善の選択だった。

 装甲を破壊出来ないという事は、装甲の内部にあるシステムも破壊する心配をしなくてもいいということだ。

 勿論、これが絶対とは思わない。

 運が悪ければ、装甲に与えた衝撃が内部に通り、それによってシステムが壊れるといった事にもなりかねないのだから。

 しかし、さすがにそこまでの危険を考えて行動するというのは、不可能だ。

 それを思えば、この程度が最善なのは間違いない。

 巨大MAの方も、装甲に次々とミサイルが着弾しているのは分かっているだろうが、生憎とこの巨大MAには近接用の武装がほとんどない。

 であれば、やはりこうして近付くのが最善なのは間違いない。

 そして……巨大MAに前に立ち、俺はビームライフルの銃口を突きつける。

 メガビームキャノンの砲口は、巨大MAの中央に位置する一際巨大なメガ粒子砲の砲口に向けられている。

 もしこの巨大MAが俺に向けて攻撃をしようとすれば、その瞬間に俺はこの巨大MAを破壊出来る。

 ……この巨大MAを欲している以上、本当の意味で撃破するつもりはないが、それはこの巨大MAのパイロットには分からないだろう。

 

「降伏しろ。そうすれば命の保証はする」

 

 巨大MAの装甲に触れ、接触通信でそう告げる。

 だが……その通信の返事はない。

 

「いいのか? こうしている今でも、ソロモンは攻撃されているんだぞ? もしお前が降伏しないのなら、撃破するしかなくなる。この戦場の中で、折角ここまで拾ってきた命だ。それを思えば、ここで死ぬ必要はないと思うが?」

 

 そう言いながら、ソロモンに視線を向ける。

 巨大MAは、俺との戦いでソロモンに被害を出さないようにか、ソロモンから距離を取っていた。

 そのソロモンは、現在連邦軍の艦隊やMSによって大きな攻撃を受けている。

 ……あ、いや。連邦軍だけじゃないな。高機動型ギャンが、それもガトーの機体がかなり派手に敵を倒している。

 他にもノリスの高機動型ギャンやビグロ隊、そしてサラブレットやホワイトベースのMSもいるし……何より、ヅダの姿もあった。

 当然のように、ヅダというのはルナ・ジオン軍の主力量産機だ。

 それを考えると、俺とは別方向でソロモンに攻撃していたルナ・ジオン軍がこっちに追いついてきたのだろう。

 見覚えのある青いヅダや、黒くて3機で連携して動いているヅダの姿を見れば、それに誰が乗っているのかというのを予想するのは難しい話ではない。

 

「そう遠くないうちにソロモンは落ちるだろう。なら……ちぃっ!」

 

 ソロモンが落ちる。

 そう言った瞬間、再び巨大MAは止まっていた状況から動き出す。

 

「何っ!」

 

 その動きが降伏を意味する動きなら、俺もまた納得出来ただろう。

 だが、降伏をするのなら、それこそ接触通信を送ってくればいい。

 しかし巨大MAが行ったのは、胴体にあるメガ粒子砲をこちらに向け……そしてソロモンに向かって攻撃をしている連邦軍やルナ・ジオン軍に向かって撃とうとしたのだ。

 

「馬鹿な真似は止めろ! このまま撃墜出来るんだぞ!」

 

 接触通信でそう告げるが、巨大MAからは相変わらず何の通信もない。

 もしかしてさっきの小型ミサイルで通信システムが壊れたのか?

 そう思うも、通信システムだけが都合よく壊れるといったことが有り得るとは思えない。

 であれば……巨大MAのパイロットは、全てを承知の上で攻撃をしようとしているのだろう。

 そうなると、俺もこのまま黙っている訳にはいかない。

 これだけの巨体だけに、どこにコックピットがあるかは分からない。

 だが、予想するのは、そこまで難しい話ではない。

 

「最後の忠告だ。降伏しろ。さもないと撃つ」

 

 そう告げるも、巨大MAは俺の言葉に全く返事をせず……胴体の中央にある巨大なメガ粒子砲が光を持ち始め……

 

「馬鹿な真似を」

 

 そう呟き、俺はビームライフルのトリガーを引く。

 放たれたビームはバリアの内側であるということもあってか、何の問題もなく巨大MAの胴体を貫き……それにより、巨大MAは動きを止めるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1190
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1617

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