「あれがホワイトベースか。……確かに、サラブレッドに似てるな」
ルースが映像モニタに表示されたホワイトベースを見て、納得したように呟く。
ジャブローでホワイトベースを見る機会とかはあったと思うけど、見なかったのか?
そう思ったが、ルースとフォルドはあの時はガンダム4号機と5号機の調整だったり、その習熟訓練だったり、俺との模擬戦だったりと、色々と忙しかったのは間違いない。
であれば、そんな余裕がなかったとしても当然か。
「取りあえず、ルースにはフォルドの対処を任せる」
「……俺がか? 火を点けたのはアクセルなんだから、それをどうにかするのならアクセルの仕事だろ?」
「ルースはフォルドの相棒だろ?」
そう言葉を交わし、フォルドの舵取り役を押しつける。
とはいえ、ルースも本気で俺に押しつけようとは思っていないだろう。
今はサラブレッドに乗っているが、俺の本来の拠点はヤンマだ。
ここにいるのは、サラブレッドとホワイトベースが接触するからこそ、こっちに来てるのだ。
……いやまぁ、もし何なら、ヤンマにサラブレッドとホワイトベースの面々を招待してもよかったんだが、ヤンマはナデシコ世界の技術……それも古代火星文明の技術で作られている無人艦だ。
だからこそ、今は出来るだけ見せたくなかった。
「アクセルさんは、ホワイトベースの人達とは久しぶりの再会なんですよね? やっぱり嬉しいですか?」
ミユのその言葉には、正直なところ素直に頷けない。
久しぶりの再会だというのは間違いないが、この場合の久しぶりというのは十数年でも数年も数ヶ月でもない……それどころか、まだ1ヶ月も経っていないのだ。
久しぶりかどうかと言われれば久しぶりだが、別に感動の再会といったような事ではないのも事実だった。
言うなれば、学生が長期休暇の間に会っていなかったクラスメイトに会う……という意味では、久しぶりの再会と言ってもいいかもしれないが。
だが、同時に現在はジオンと連邦の戦争中である以上、いつ死んでもおかしくはない。
幸いにして、それがホワイトベースに乗っている時は誰も死ぬような事はなかったが……俺がいなくなってからは、一体どうなっていたのかは分からない。
現在行われているのが戦争である以上、原作では誰かが死んでいたという可能性は十分にある。
そういう意味では、俺がホワイトベースに傭兵として協力したのは決して悪い事ではなかったのだろう。
「そうだな。嬉しいかどうかと言えば、やっぱり嬉しい。俺がいなくなった後で、一体どういう戦いを繰り広げてきたのか、その辺りは知りたいし」
具体的にどれくらい活躍したのかという話は、それこそリックドムを15機倒した件とかでも聞こえているし。
「皆、元気だといいですね」
「そうだな。そうだと俺も嬉しいよ」
そうやって会話をしているうちに、ホワイトベースはサラブレッドの横まで移動してくる。
へぇ、現在の操舵士はミライの筈だけど、こうしてみるとかなり技量が上がってるな。
この辺はミナトの指導のおかげか?
そんな風に思いつつ、俺はこちらにやって来るホワイトベース隊の面々のシャトルを出迎えるべく、格納庫に向かうのだった。
「アクセル!?」
ホワイトベースからやって来た小型の移動用シャトルから降りてきたブライトが、サラブレッドの面々と一緒にいた俺を見て、驚きと共にそう叫ぶ。
どうやらあの様子から考えると、ブライトにも俺がサラブレッドにいるという情報はなかったらしい。
ブライトにしてみれば、何故こんなところに? と、そう思うのは当然だろう。
そんなブライトと共に降りてきたのは、ブライトの腹心のリュウ。
アムロやリュウを始めとしたパイロット達もいる。
その誰もが、俺がサラブレッドにいるのを見て、驚いていた。
俺と関わり合いの少ないスレッガーは、そこまで驚いてはいなかったようだが。
「久しぶりだな。ただ、俺よりも先にキルスティンと話した方がいいぞ」
ブライトは俺の言葉に、しまったといったように息を呑み、キルスティンに視線を向ける。
キルスティンはそんなブライトの様子を特に気にせず、前に出て口を開く。
「ブライト大尉、よく来てくれた。今回のチェンバロ作戦についてはホワイトベース隊の戦力も必要になるので、よろしく頼む」
「いえ、こちらとしてもサラブレッド隊の協力を得られるのは非常に助かります。ですが今回の一件に関しては、最大限に実力を発揮しなければなりませんので」
キルスティンとブライトがそんなやり取りをしているのを見ていると、どこか違和感がある。
それはお互いの年齢の差が大きいのだろう。
祖父と孫くらいの年齢差があるのに、双方共に軍艦の艦長をしている。
……まぁ、ブライトが艦長になったのは色々と特殊な事情があったからこそなんだが。
本来なら、キルスティンと同年代のパオロがホワイトベースの艦長であったんだろうが、そのパオロは現在……どうなってるんだろうな。
治療をしている筈だが、それからどうなっているのかは分からない。
「おい、アクセル。何でお前がここにいるんだ?」
ブライトとキルスティンが話しているのを見ていると、こちらに近付いてきたヤザンがそう告げる。
ヤザンにとって俺がここにいるのは、それだけ驚きだったのだろう。
……だからって、ブライトとキルスティンが話している中でこっちに近付いてくるのは、正直どうかと思わないでもないが。
「現在、ルナ・ジオン軍として連邦軍に協力してるんだよ」
「何でまた、そんな事になってるんだ?」
ヤザンのその疑問に、他の者達も同意するように頷く。
さて、ここは何と言った方がいいのか。
ガトーとノリスが協力しているのは、あくまでも内々の理由だ。
そうである以上、別の理由を……そうだな。やっぱりあれを理由にした方が分かりやすいか。
「理由は幾つかあるが、最大の理由としては重装フルアーマーガンダムの実戦テストだな。何しろ強力なMSだから、そう簡単に実戦テストは出来ないんだよ」
その言葉に納得した者が半分、納得していない者が半分といったところか。
「ともあれ、今回はジャブローまでとは違って一緒に戦う事になるが、別の軍艦が拠点となる形になる」
「妙な感じだな」
しみじみとヤザンが呟く。
まぁ、ヤザンがホワイトベースに配属されてからジャブローまではずっと俺と一緒に戦ってきたからな。
ジャブローで俺が降りてからは別だったが、今こうしてまた俺と一緒に行動する事になって……といったところか。
「連邦軍に所属している以上、その辺はどうしようもないだろ。それより、サイド6での件は聞いたぞ。リックドム15機を瞬殺したって? ガンダムって話だったけど、どっちだ?」
そんな俺の問いに、その場にいた者達は皆がアムロに視線を向ける。
どうやら俺の予想通り、リックドムを蹂躙したのはアムロだったらしい。
ユウも同じような戦いを出来ると思うんだが、この辺は妥当なところか。
「そうでもないですよ。アクセルさんとの模擬戦を考えれば、あのくらいの敵と戦うのはそう難しい話じゃないし」
アムロの言葉は、謙遜の類ではなく本当に心の底から言った様子だった。
アムロとの模擬戦を思えば、そんな風に考えてもおかしくはないか。
「もしその気なら、また俺と模擬戦をやってみるか? そうすれば、今までの戦いで腕が上がったかどうか、しっかりと理解する事になるぞ」
チェンバロ作戦前だけに、アムロの自信をへし折るといったような真似をするつもりはない。
アムロにはチェンバロ作戦でしっかりと名前を挙げて貰いたいしな。
ルナ・ジオンが建国された以上、本来の歴史は大きく変わっている筈だ。
だが、それはあくまでも予想であり、場合によってはシャアが小惑星落としよりももっと酷い真似をしないかもしれない。
その辺を考える以上、アムロにはしっかりと英雄として行動して貰う必要があった。
「いや、止めておきますよ。今の調子を出来るだけ維持しておきたいですし」
シミュレータで模擬戦をやっても、別に調子を崩したりはしないと思うんだけどな。
とはいえ、アムロがそう言うのなら無理にシミュレータをやろうとは思わないが。
「そう言えば、ホワイトベースの動きが結構スムーズだったけど、ブリッジで操舵をしてるのはミライなんだよな?」
「そうだよ。……そう言えば、最近ブライトと仲がいいんだよな」
カイが口元に笑みを浮かべながら、そう告げてくる。
……そこにあるのは、どこか嫌らしい笑みだ。
とはいえ、その辺は俺にとってもそこまでおかしい話ではない。
俺がホワイトベースに乗っていた時も、ブライトとミライの仲が進展しそうだったのは、俺も見ている。
ミナトからその辺を聞いてもいたし。
ブリッジでもそんな2人の様子を見守っている者がいたらしい。
そんな話を聞いていた俺にしてみれば、寧ろくっつくのが遅いという思いすら抱く。
実際にホワイトベースに乗ってる奴にしてみれば、そんな進展するようで進展しない様子をドラマが何かでも見るように見ていたのかもしれないが。
ホワイトベースが行っているのは、結局のところ戦争だ。
それだけに、ストレス発散の方法を探すというのは、間違いのない事実なのだろう。
ましてや、ミライは包容力のある女で、ホワイトベースでも何気に人気が高かった。
少なくても、俺がホワイトベースにいる時は、ミライに片思い……そこまでいかなくても憧れている者は相応にいた。
これが最初から軍人だけが乗っている軍艦なら、もっと違う流れになったかもしれない。
だが、ホワイトベースは艦長からして士官候補生だったブライトが成り行きでなっているし、それ以外も何だかんだと民間人……軍属といった扱いの者が多い。
それだけに、戦争に関するストレスを解消するような何かが必要になるのは当然なのだろう。
「まだ最後まで行ってないのか?」
「アクセル!」
キルスティンと話していたブライトが、俺に向かってそう叫ぶ。
怒りか羞恥か分からないが、顔を真っ赤にしながら。
……どうやら、今の話はしっかりと聞こえていたらしい。
別に小声で話していた訳ではない以上、ブライトにしっかりと聞こえてもおかしくはないのだが。
少し離れた場所では、フォルドが笑いを堪えているのが見える。
フォルドにとっても、今のこの状況は面白い見世物だったのだろう。
「あー、悪い。ちょっと思い出話に花が咲いてな」
実際には全く違う内容を話していたのだが、ブライトの立場としてはそんな事を注意出来ないのだろう。
俺を一度睨み付けてから、再びキルスティンとの話に戻る。
「カイのせいで怒られただろ」
「いや、なら小声で話せよ」
そんな風に話をしていたのだが、そんな俺にスレッガーが近付いてくる。
「アクセル、ホワイトベースの連中にどんな訓練をしたんだ? 模擬戦をやっても、殆ど勝てないんだけど」
「ジャブローにいる時も模擬戦をやったりしてただろ? なら、その延長線上で訓練をすれば慣れるんじゃないか? 特にアムロやユウと訓練をするのがお勧めだな。正直、あの2人を相手に訓練をした場合、間違いなく操縦技術は上がるぞ」
「それは分かってるし、やってるよ。それでも、他の連中との勝率は悪いんだ」
詳しく話を聞いてみると、スレッガーの現在のホワイトベースにおけるランキングは、ぶっちゃけ最下位に近いらしい。
ただし、ガンタンク隊を相手にして戦った場合は、勝てるらしいが。
……ちなみに話の流れで聞いたのだが、ジャブローに到着するまで……いや、ジャブローに到着してからも復座で乗っていたガンタンクは、現在1人で操縦出来るように改修されているらしい。
これまた、教育型コンピュータの成果だとか。
教育型コンピュータ、実はかなり便利なんだよな。
ルナ・ジオン軍でも、一定以上の技量のパイロット……エース級や異名持ちといったパイロットには採用する方向で話が進んでるらしいし。
ルナ・ジオン軍が連邦軍やジオン軍にとって有利なのは、パイロットの質。
特にルナ・ジオンという国を建国する時にジオンから抜けてルナ・ジオンに協力してくれた面々は、青い巨星、黒い三連星、宇宙の蜉蝣といった面々が揃っている。……宇宙の蜉蝣というシーマの異名は、ルナ・ジオン建国後につけられたものだが。
ともあれ、そのような異名持ちや、ガトーやノリスを始めとしたエース級のパイロットなら、教育型コンピュータの性能を存分に活かせるだろう。
また、教育型コンピュータを製造するには結構なコストが掛かるのだが、この点についても、シャドウミラーの後ろ盾があるルナ・ジオンは問題がなかったりする。
だからこそ、エースや異名持ちのような一定以上の実力の持ち主に対して教育型コンピュータを使わせるというのは、十分に可能な事だった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1075
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1594