転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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2566話

 サラブレッドに到着したシャトルから降りた俺達を迎えたのは、1人の女だった。

 結構な美形で、実際に周囲にいる連邦軍の兵士達の中には憧れの目で見ている者も多い。

 ……欲情の視線を向けている者もいたが。

 

「初めまして。ミユ・タキザワ軍曹といいます。アクセルさんと他の方々も、よくサラブレッドにお越し下さいました。案内の方は私が勤めさせて貰います」

 

 そう言い、敬礼するミユ。

 これは気の短い奴を送ってくるとすぐにでも問題が起きる可能性が高いと思って、キルスティンがミユを送ってきたのだろう。

 向こうも、俺はともかく他に誰を連れていくのかといった事は分からなかったのだろうから、それを考えるとミユのような美人を送ってくるのはおかしな話ではない。

 また、キルスティンは恐らく俺がシャドウミラー代表のアクセルであるというのも上から聞かされて知ってるだろうし、それを思えばミユを使ってハニートラップを仕掛けてくるという可能性もある、か?

 俺が複数の……それこそ10人以上の恋人を持っているという情報を知っていれば、当然のように女好きであると認識してもおかしくはない。

 俺がそれを否定しても、状況がそれを示しているしな。

 とはいえ、ミユを見る限りでは美人ではあるが、ハニートラップを仕掛けてくるような性格には見えない。

 だとすると、その辺は偶然か?

 

「ああ、よろしく頼む」

「では、早速ブリーフィングルームの方に案内しますね」

 

 そう言い、ミユは俺達を連れて無重力になっている通路を浮かんで移動する。

 

「それにしても……ルースやフォルドから聞かされていたのとは、少し印象が違いますね」

 

 通路を進みながら、ミユが不意にそう言ってくる。

 挨拶をした時の言葉遣いとは違い、幾らか砕けたものになっている。

 恐らく、ルースやフォルドからその辺については聞かされていたのだろう。

 

「ルースはともかく、フォルド辺りならそんな風に言うかもしれないな。……ちなみに、そういう事を言ってくるとなると、ミユはあの2人とは親しいのか?」

「はい。私はガンダム4号機と5号機の専用のオペレーターをしていますので」

「ちなみに……これは聞いてもいいのかどうか分からないが、サラブレッド隊のMS戦力はどのくらいあるんだ?」

 

 ルースとフォルドがいるというのを考えると、2機のガンダムがいるのは間違いない。

 だが、幾らセカンドロットのガンダムであっても、戦力……この場合は手数が少ないのは間違いない。

 そうなると、ジム……とは言わないが、戦闘用ポッド……月にいる時に得た情報によると、ボールだったか? そのボールとかはあって欲しい。

 ボールは、ぶっちゃけ戦力としてはかなり弱い。

 だが、唯一の武装であるキャノン砲は、威力という一点においてかなり強力らしい。

 つまり、ガンタンクのように後方から援護射撃をする機体な訳だ。

 純粋な戦力としては若干頼りないが、それでも何もないよりはマシだ。

 ある意味、シャドウミラーにおけるメギロート……いや、バッタのような感じか?

 そう思っていたのだが……

 

「問題ありませんよ。アクセルさんが聞いたら驚くと思います。……サラブレッドには、ガンダム2機の他に3機のMSがあります。それは、何だと思います?」

 

 俺が驚くという言葉で、何となく理解出来た。

 それはつまり……

 

「ガンキャノン、か?」

「正解です」

 

 ミユが俺の言葉に笑みを浮かべながら頷く。

 うーん……こうして見ると、改めて美人だよな。

 何だかんだと、連邦軍には顔立ちの整った面々が多い。

 この辺も、恐らく原作がある世界だからだろう。

 だとすれば、恐らく原作だとホワイトベースがサラブレッド隊と一緒に行動していたという可能性も十分にあるのか。

 何しろ、サラブレッドにはガンダム4号機と5号機が揃っているのだ。

 そう思えば、アムロが……ホワイトベース隊がサラブレッド隊と一緒に行動しても、おかしなところは何もないだろう。

 

「ガンキャノンか。……それって、俺の行動が関係していたりするのか?」

 

 ホワイトベースにいる時にちょっと聞いた限りだと、俺とカイが乗っていたガンキャノンがかなり活躍した事により、連邦軍ではガンキャノンやその系列機の量産を当初の予想よりも拡大して行ったと聞く。

 だとすれば、もしかしたら本来ならサラブレッド隊に配属されるのはジムだったり、あるいは他のMSだったにも関わらず……俺の影響でガンキャノンになってしまったという可能性は十分にある。

 

「どうなんでしょう。ですが、もしそうだとすれば、アクセルさんに感謝しないといけないかもしれませんね。ガンキャノンは十分に性能の高いMSですから」

「それは……まぁ、そうだろうな」

 

 何よりも大きいのは、やはりルナ・チタニウム製の装甲を持ってる事だろう。

 とはいえ、今はジオン軍でもビームライフルを標準装備しているゲルググを採用したので、ルナ・チタニウム製の装甲というアドバンテージは間違いなく減るだろうが。

 それでもゲルググが開発されたからといって、現在ジオン軍で使われてるMS全てが一気に変わる訳ではない以上、ガンキャノンの装甲の厚さが頼りになるのは間違いない。

 とはいえ、現在のジオン軍はア・バオア・クーとソロモン、それと本拠地のサイド3だけを守っていればいいんだから、製造したゲルググを地球まで運ぶのに比べると、随分と楽なのは間違いない。

 ……一応月にもキシリアの突撃機動軍が拠点としているグラナダがあるが、月にあるだけに連邦軍では攻撃しにくいのは間違いない。

 そこを攻撃してくれば、それこそジオン軍だけではなく、ルナ・ジオン軍も含めて敵となってしまうのは間違いない以上、連邦軍としてもそんな手段を取ろうとは思わないだろう。

 

「そう言えば、ルナ・ジオン軍で使われているヅダは、元々ツィマッド社で開発されたMSなんですよね? コンペでは空中分解したという話でしたけど、ルナ・ジオン軍で採用されたという事は、もうその辺は心配しなくてもいいんでしょうか?」

 

 通路を進みながら会話をしていると、ふとそんな話題になる。

 なるのだが……よくヅダについてそこまで詳しい事情を知ってるな。

 ザクとのコンペで空中分解したという事で、ヅダはそれなりに有名なMSではある。

 だが、それはあくまでもジオン軍での話であって、連邦軍でとなれば話はそこまで伝わっていない筈だ。

 ああ、でもジオン軍のMSパイロットが何人も連邦軍に亡命しているって話を聞くし、その辺の事情を考えれば……そこまでおかしな話ではないのか?

 

「そうだな。当初は色々と問題もあったMSだったが、その辺も無事に解決して、現在は全く問題なく使えている」

「月の技術というのは、凄いですね。やはり、それも異世界の技術とかなんですか?」

「いや、そっち関係の技術が全く入ってないとは言わないが、基本的にはこの世界の技術者だけで集まって解決した。ジオン公国みたいに複数の企業でコンペをやるんじゃなくて、月にいる技術者を1つの会社にしたからこそ、元々の所属の垣根を越えて協力出来たんだと思う」

「でも……それだと、結局会社は1つですよね? 競争相手がいないという事になりませんか?」

「いるだろ? ジオン軍と連邦軍といった、明確な競争相手が」

「……それは……」

 

 言葉に詰まるミユ。

 まぁ、普通なら国内のコンペをやって正式に採用されたMSで他国のMSと比べるのだから、それも当然か。

 とはいえ、まさかその辺の詳細についてを話す訳にもいかないだろう。

 そうして話をしていると、やがてミユが一つの扉の前で進むのを止めた。

 廊下にあるグリップを離し、床に着地するミユ。

 当然のように、俺とガトー、ノリスの3人もそこで足を止める。

 

「ここです」

 

 そう言うと、ミユは扉を開けた。

 部屋の中からざわめきが聞こえるが、それについては特に気にせず中に入る。

 そこには結構な人数の面々が揃っていた。

 MSパイロット以外にも、僚艦の2隻のサラミス級からも人が来ているのだろう。

 当然のように、部屋の中にいる面々がこちらに向けてくる視線は、戸惑ったものだ。

 中には明確に敵意や嫌悪感に満ちた視線を向けてくる者すらいた。

 そんな中で、唯一友好的な視線を向けてきたのは……

 

「アクセル!」

 

 フォルドの声が部屋の中に響く。

 ジャブローで別れてからそんなに時間は経っていないのだが、何だかんだと結構久しぶりのように思える。

 また、そんなフォルドの横で、ルースも笑みを浮かべてこちらを見ていた。

 

「久しぶりだな」

 

 そう言い、俺はフォルド達の方に向かって進む。

 当然のように、ガトーとノリスの2人も俺と一緒にフォルド達の方に向かう。

 何しろ、このサラブレッドは連邦軍の軍艦だ。

 そうである以上、ガトーもノリスも、そう気軽に見知らぬ相手に声を掛けるといった真似は出来ないのだろう。

 ……そういうのがなくても、ガトーとノリスは口下手で、見知らぬ相手とそう簡単に話し掛けたりといったような事は出来ないが。

 

「ああ、それにしても、まさかアクセルがこっちに合流してくるとはな。てっきりホワイトベースと一緒に行動するんだとばかり思ってたけど」

「ん? 俺はジャブローで傭兵の仕事は終わったって言ったよな?」

「それは聞いてたけど、アクセルなら何だかんだとホワイトベースと一緒に行動するのかと思って」

「どれだけ面倒見がいいと思われてるんだよ。……ルースじゃないんだぞ?」

「ちょっと待った。何でそこで俺が出て来るんだよ?」

 

 俺の言葉を聞いたルースが、納得出来ないといった様子でそう言ってくる。

 だが、そんな俺の言葉に同意するように言ったのは……少し離れた場所に座っていた、3人組の1人だった。

 

「いや、フォルドの面倒を見るのならルースしかいないだろ。……あんたが俺達に協力してくれるアクセルか? よろしくな」

 

 予想外に友好的な態度。

 とはいえ、俺に声を掛けてきた3人の中の1人は、敵対的な視線を向けていたが。

 

「ああ、よろしく頼む。フォルドと一緒に行動するのは大変だろ?」

「ちょっ、おい、アクセル!」

「そうだな。ヤンチャな性格をしてるのは間違いない」

「な……俺を無視して話をするなっての!」

 

 そんなフォルドをスルーして、俺は改めて話し掛けてきた相手に挨拶をする。

 

「俺はアクセル。こっちはガトーとノリスだ。チェンバロ作戦の間だけだが、一緒に行動させて貰うから、よろしくな」

「ああ。俺はウェスリー。こっちはダリルとカーク。……お前とは、実は縁があるんだが、知ってるか?」

「ああ、ここにくる途中でミユから聞いた。……3人いるのを見ると、ガンキャノンだろ?」

 

 そう言いながら、こっちに敵意を向けている人物……ウェスリーの紹介でカークという名前の男に一瞬だけ視線を向ける。

 相変わらず、こちらに敵意のある視線を向けていたが……俺と視線があうと、即座に逸らす。

 なるほど。敵意は持っているが、それでこっちに絡んでくる様子はないか。

 3人の中で隊長的なウェスリーが俺達と話しているから、迂闊にちょっかいを出すような真似が出来ないとか、そんな感じかもしれないが。

 

「そうなんだよ。アクセルのおかげで……もしくはせいでって言うべきなのかは分からないが、俺達はガンキャノンに乗ってるんだ。それも、量産型とか派生機とかじゃなくて、アクセルが乗っていたのと同じような。……で、アクセルはあのガンキャノンで近接戦闘もやってたって話だったけど、本当なのか?」

「そうだな。近接戦闘じゃなくて、格闘戦とか言った方が正しいと思うけど」

「……よくもまぁ、ガンキャノンでそんな真似をしたな」

 

 ウェスリーの表情に若干の呆れが入ったのは、俺の気のせいではない。

 いやまぁ、実際ガンキャノンで近接戦闘をやるって方が間違いなんだろうから、そんな風になる気持ちは分かる。

 

「ビームサーベルでもあれば、話は別だったんだけどな。ガンダムにしか装備されてなかったし」

「ふふん、そうだろう。ビームサーベルを持ってるガンダムは強いぞ」

「……そこでお前が威張るのはどうなんだ?」

 

 フォルドの言葉に、ルースが突っ込む。

 実際、ジムが完成した今となっては、ビームサーベルそのものはそこまで珍しくはない。

 ウェスリーの様子を見る限りでは、相変わらずガンキャノンには装備されていないみたいだが。

 ビームサーベルが無理なら、せめてザクとかから鹵獲したヒートホークとか、そういうのが使えればいいんだが……それも無理なんだよな。

 いや、やろうと思えば出来ると思うんだが、ガンキャノンはどうしても製造数が少ない以上、そこまで手間暇を掛ける必要もないという判断なのだろう。

 そんな事をするのなら、それこそ技術者やメカニックは他の事に使おうと、そう考えているのだろう。

 ともあれ、微妙な雰囲気の中……俺達は会話を続けるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1060
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1591

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