転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0242話

 終戦協定の会議とパーティから約20日。数日前にデュランダルから連絡があり、ようやくレイに関する手続きが終了したとの事で、いよいよ今日オーブへと到着する手筈になっている。ムウとナタルはそのレイを迎えに空港まで行き、マリューはオーブからホワイトスターへと引っ越してくる人物達の出迎えを行っている。レモンに関しては、マリューが抜けた為に落ちた効率に苦笑を浮かべつつもT-LINKフレームの開発中。さすがPS装甲開発グループの一員というべきか、マリューはシャドウミラーの保有技術を貪欲に吸収して既に技術班と比較しても勝るとも劣らぬレベルになっている。コーネリアは、オーブ軍からMS戦闘の指導を頼まれて現在は出張中。そして俺はと言うと……

 

「約束通りに来たぞ! 勝負しろ!」

 

 ホワイトスターにある転移区画にあるリュケイオス。そこへ転移して俺を見つけるや否や怒鳴られて苦笑を浮かべていた。

 

「イザーク、いきなり何を言ってるの?」

 

 その隣で困惑しているのは、イザークの母親であるエザリア・ジュールだ。

 そう、この2人もまたプラントからホワイトスターへと引っ越してくる事になったのだ。連合との戦争中はパトリック・ザラの腹心として働いていたエザリア・ジュールだけに、現在のクライン派が取り仕切っているプラントでは居心地が悪かったらしい。アイリーンとしては戦争中は敵対していたが、有能な人材であるエザリアにはプラントに残って欲しかったらしいが、結局息子のイザーク共々シャドウミラーへと身を寄せる事となった。

 

「……ん?」

 

 そんな母と子のやり取りを眺めていると、ふと気が付く。イザークの顔に付いていた傷が綺麗さっぱり消えている。

 あの傷は宇宙で俺達と戦った時に付いた傷だ。……もっとも、原作とは違ってキラでは無く俺の攻撃で付いたのだが。

 

「何だ?」

「いや、傷を消したんだな」

「ふん」

 

 どこか誤魔化すように顔を背けるイザーク。それを見ていたエザリアが不思議そうに尋ねる。

 

「イザーク? その傷は貴方の尊敬する戦士が……」

「母上っ!」

 

 そして唐突にその言葉を遮るイザーク。

 

「へぇ。尊敬する戦士、ねぇ……」

「だ、誰も貴様の事だとは言ってないぞ!」

 

 こういうのをツンデレとでも言うのだろうか? ……男がツンデレしても全然嬉しくないが。どうせなら、エザリアの方にツンデレして貰いたいものだ。

 

「まぁ、それはともかく……シャドウミラーへようこそ。何せ人員が少ないから、有能な人材は大歓迎だが扱き使われる事は覚悟してくれよ。それと、このシャドウミラーにいるのはナチュラルだ。……少なくても、お前達の世界の分類ではだがな。コーディネーターであるプライドを持つのは構わないが、ナチュラルを見下すような真似はしないようにな」

 

 と言うか、シャドウミラーにいる人材を考えるとその辺のコーディネーターよりも余程能力的に上なんだがな。一般隊員扱いの技術班にしても大学や研究所に行けば即それなりのポストを貰えるレベルだ。

 

「それは承知しているわ。何せこの間の戦争でナチュラルである貴方達に負けたのだしね」

 

 苦笑を浮かべるエザリア。……おや? 原作ではナチュラルを完全に見下してたんだが。自分でも言ってる通り戦争で負けた結果、心境に変化でもあったのかもしれない。

 

「ふんっ、母上はともかく俺はそう簡単に貴様を認めたりはしないからな!」

「ま、それならそれでいいさ。それよりもプラントからの移住者はお前達親子以外にもう1人いるが、話は聞いてるか?」

「……ええ。議長から直接ね」

「イザークは?」

「母上から聞いている。クルーゼ隊長のクローンだとな」

 

 吐き捨てるかのようなイザークの口調だった。レイ本人ではなく、人の傲慢で命を産み出すというのが気に食わないのだろう。

 量産型Wの件で揉め事が起きなければいいのだが。

 

「その人物も今日ここに到着予定だ。それとオーブからの移住者も数名いる。その件で今夜はウェルカムパーティを開く事になっているから、良ければ参加してくれ」

「ええ、是非参加させてもらうわ。それで、私達の住む家はどうなっているのかしら? 身の回りの物だけ持ってくればいいと聞かされていたから、本当に身の回りの物しか持ってきていないのだけど」

 

 そう言いつつ、エザリアは自分の荷物とイザークの持っている数個のバッグや、その後方へと置かれているバッグを見る。

 エザリア・ジュールもさすがに女だけあり、身の回りの物だけでもかなりの数があるらしい。……俺の家でもレモン達の物が日々増大していっているのを考えると、特に不思議でも何でも無いんだろうが。

 

「ちょっと待ってくれ」

 

 2人に断り、量産型Wを呼び出す。

 

「アクセル隊長、ご用でしょうか?」

 

 相変わらずマスクのような物を被っているが、これは顔に付けられている機械部品を隠す為のものなのでしょうがないと言えばしょうがない。レモンの技術ならエキドナのようなWナンバーズを見ても分かる通り、完全な人型の量産型Wを造る事もそう難しくはない。だが、これからこのホワイトスターへと移住してくる者が増える状態では量産型Wはすぐにそれと分かるようにしておいた方がいいと判断したのだろう。それと、完全な人型にするとなるとコスト的な問題もあるのかもしれない。

 

「この2人を居住区画へ連れていってくれ」

「了解しました」

 

 量産型Wを見るのは初めてなのか、エザリアが唖然とした表情をしている。そしてイザークもまた……

 

「って、おい。お前は以前の戦いで量産型Wと戦場を共にしただろうに。なんで驚く?」

「いや、俺も実際に見るのは初めてだが」

「何?」

 

 イザークの言葉を聞き、ふと考える。ヤキン・ドゥーエでの戦い前後では人手が足りないという理由もあり、量産型W達は整備に補給に雑用にと忙しかった筈だ。だが、それでもデュエルの整備を考えると……あぁ。マードック達がやってたのか?

 

「そうか、なら改めて紹介しておく。こいつらがシャドウミラーの主力戦力の一つである量産型W。一種の人造人間である人型の機械だ」

 

 俺の紹介と共に、軽く頭を下げる量産型W。その様子を信じられない物でも見るかのように眺めているジュール親子。

 

「取りあえず驚くのはそのくらいにしてこの量産型Wに付いていってくれ。居住区画まで案内する。一応何ヶ所かお薦めの場所をピックアップしてあるが、どこか他に気に入った場所があるのならそこを使っても構わない。もちろん、空き家に限るがな」

 

 エアカーへとジュール親子を乗せ、量産型Wで送り出す。微妙な表情で量産型Wを見ながらも、ホワイトスターに移住するとなると関わらない訳にもいかないと判断したのだろう。大人しく量産型Wと共に居住区へと向かった。

 

「さて、これで今日のゲスト一組目はOKだな。そろそろ次が来てもいい筈なんだが……っと、噂をすれば何とやらか」

 

 リュケイオスを中心にして転移フィールドが生成され、そこに現れたのはサイ、トール、ミリアリアの3人組だった。ヘリオポリスの学生組だ。

 

「アクセルさん、お久しぶりです」

 

 3人を代表してサイがそう声を掛けてくる。

 

「ああ。戦争が終わってアークエンジェルから降りたと聞いたが、3人とも元気そうで何よりだ。……カズイは一緒じゃないのか?」

「それが、途中でアークエンジェルから退艦したから合わせる顔がないって。気にしすぎなんだよな、あいつ」

 

 溜息を吐きながらトールが告げる。

 まぁ、元々気弱な所もあったし負い目に感じてると言えばしょうがないのか。

 ちなみに、アークエンジェルに関しては連合軍との交渉により正式にオーブ軍の艦となっている。一応これもオーブに対する賠償なのだろう。

 

「戦勝パーティじゃなくなったが、今日は思う存分騒いで楽しんでいってくれ」

「あ、はい。聞いています。ホワイトスターに移住してくる人達の歓迎会になったんですよね? 記念写真を一杯取らせて貰いますね」

 

 ミリアリアが首から提げているカメラを撫でながら笑みを浮かべる。

 やっぱりDESTINYと同じく将来的には戦場カメラマンにでもなるんだろうか。

 

「さすがにプラントからの移住者もいる中で戦勝パーティをする訳にもいかないですよね」

「サイの言う通りだな。ま、それでもパーティはパーティに違いない」

「そう言えば、マードック曹長も移住する事にしたって聞いていますけど本当ですか?」

「ああ。戦争中にシャドウミラーの機体を碌に整備出来なかったのが悔しいらしくてな。移住と言うか、留学のような形だな。暫くここで勉強していくそうだ」

「へぇ。それなら俺もやってみようかな。ちょっと面白そうだし」

「ちょっと、トール! 思いつきで決めないでよね」

「いつも通り仲が良くて何よりだ。……っと、話しているうちにまた誰か来たな」

 

 いつものトールとミリアリアの夫婦漫才を見ながら、転移フィールドが生成されていくのに気が付く。

 サイ達も俺の言葉で気が付いたのか、転移フィールドの方へと視線を向けている。

 

「あら? アクセル、出迎えかしら?」

「よぅ、兄ちゃん。これから暫く世話になるぞ」

 

 転移してきたのはマリューと大きめなショルダーバッグを背負ったマードック。そして……

 

「お、ミリアリアじゃん。元気してた?」

「ちょっとあんたねぇ。いい加減あたしの事は諦めたらどう?」

 

 ミリアリアを発見した途端話し掛けてきたディアッカだった。

 

「ったく、あいつもしょうがねーなぁ」

 

 それを苦笑を浮かべながら見ているのはミリアリアの恋人である筈のトールだ。何故かトールとディアッカの2人はそれ程仲が悪くない。普通は自分の恋人に気があると分かっている相手とはどこか気まずくなったりしそうなものなのだが、この2人はお調子者同士で馬が合うのかそれなりに良い関係を続けているらしい。

 

「ラミアス艦長、お久しぶりです」

「サイ君、貴方達も元気でやってるようね。……オーブにはちょくちょく行ってるのに、ホワイトスターで会うというのもちょっと面白い感じね」

 

 そんな漫才じみたやり取りの横で会話をしているのはマリューとサイだ。基本的に礼儀正しいサイなだけに、やはり目上の相手には気を使うのかもしれない。

 

「マリュー、取りあえずこれ以上こっちに人が来る前にこいつ等をパーティ会場まで連れて行ってくれ。話をするにしても、ここで話しているよりはあっちの方がいいだろう?」

「そうね。先に来ているのは?」

「純粋なパーティ参加者だと、この面子が一番最初だな。プラントから移住してきたジュール親子がちょっと前に来たが、まずは家を決めないといけないからな」

 

 頭の中で、残りのパーティ参加者を数えていく。

 キラとフレイ、ラクスの三角関係組。ちなみにラクスはプラントからの大使としてオーブに滞在している。原作と違いこの世界ではラクス率いる三隻同盟が戦争を収めたのではなく、オーブとシャドウミラーが戦勝国となって戦争を収めた為、ラクスの立場はあくまでも俺達に対する協力者扱いとなっているので原作程の狂信的とも言える程のラクス信者は少ない。……そう、『少ない』のであって存在はしているのだ。その辺にラクスのカリスマ性が垣間見える。一応ラクスにはプラントとこまめに連絡を取るように言ってあるのでミーアが整形して出て来る事はないと思う。キラはモルゲンレーテに入社し、フレイは改めて学校に通っているらしい。三角関係がハーレムになるのか、あるいはどちらかが振られるのかは今後の展開次第だろう。実は元アークエンジェルクルーでキラが誰とくっつかで賭けが行われている。俺? 俺はもちろんハーレムの一点買いだ。

 

 次にカガリとアスランのカップル組。ここが原作と違うのはアスランがアレックスと名乗っていない点か。普通のアスラン・ザラとしてカガリの護衛を務めており、ウズミとしても2人の付き合いは認めているらしい。と言うか、カガリの護衛をしているアスランだが、そのカガリがウズミと共に行動して政治の勉強をしている為、自然とアスランとウズミの関係も深くなっているとか。今ではアスランの事を優秀な娘婿と見てるとか何とか。……まぁ、アスラン自身はコーディネーターとして優れた能力を持っているので分からないでもない。

 

 次がムウとナタル、そしてレイのある意味家族的な組。ムウに関しては、正式にシャドウミラーに所属する事が決まったが、ナタルは前に言ってた通りオーブ軍へと入隊し、正式にオーブ艦となったアークエンジェルの艦長をしている。テロメアに関する治療の問題もあってその後見人でもあるムウとレイはホワイトスターへと居住する予定だったのだが、ナタルがここで裏技とも言えるマリュー経由で俺を説得するという手段に出た為に3人ともオーブで暮らす事が決定した。技術漏洩についての問題もあるが、その辺は監視を付けるという点で意見が一致したのでそれ程神経質にならなくてもいいと思う。

 

 ウズミ、キサカは仕事が忙しくてパーティどころではないらしい。……まぁ戦勝国とは言っても、オーブは所詮小国であるのは間違い無い。どこもかしこも手が足りないと嘆いていた。

 

 バルトフェルドに至ってはパーティに参加するよりもコーヒーが大事らしく、豆の買い付けに海外出張中だ。何でも南米の独立戦争に巻き込まれたとかなんとか連絡が来ていたので、以前アラスカでパクった大型VTOL輸送機でメギロートを数機と量産型Wを数名送っておいた。あいつなら何とかするだろう。

 

 ちなみに、アスカ家についてはモルゲンレーテの方が殺人的な忙しさとかでパーティは欠席する事になってしまった。シンとレイの初顔合わせは先送りか。

 

「アクセル?」

「ん、ああ」

「ちょっと、何をぼけっとしてるの?」

「いや、パーティ参加者の事を考えていてな」

「そう? じゃあ、私達は先に会場に行ってるわね」

 

 そう言ってマリューは他の面々と一緒にエアカーに乗ってパーティ会場へと向かった。

 その後ろ姿を横目に、再び転移フィールドが生成されたのでそちらへと近づいていく。

 さて、今度は誰が来たのやら。




名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:615
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:374

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