転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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2533話

 ジャブローに戻ってきてから数日、俺の姿は格納庫にあった。

 その格納庫は、フルアーマーガンダム7号機が置かれているセカンドロット用の格納庫なのだが、現在そこにはフルアーマーガンダム7号機以外にも大量のMSが置かれている。

 いや、MSだけではなく戦闘機とかそっち系もだ。

 何故これだけの種類、置かれているのかと言われれば、これが俺への報酬だからだ。

 そう、このMSや戦闘機の数々は、俺が地上に降りてきてからジャブローに到着するまでの間、傭兵として働いた一件で約束された報酬だった。

 以前レビルとゴップの2人と話した時には、集めるのに時間が掛かると言われていたのだが、それがようやく全て集まったのだ。

 そんな機体の中でも、一際目立っているのがジムスナイパーⅡだろう。

 このスナイパー系のMS、連邦軍では何気に種類が多い。

 まず1つは、ジムスナイパーカスタム。

 これは通常のジムを改修した機体で、スナイパーカスタムと名前が付いているが実際にはジムの総合性能向上機といった機体だ。

 そして次にジムスナイパー。

 これは陸戦型ジムを改修して開発された機体で、ジムスナイパーカスタムとは違って純粋に遠距離からの狙撃、それも専用に開発されたビームライフルでの狙撃に特化した機体だ。

 ただし、そのビームライフルそのものが試作品に近く、エネルギー源も外部と有線で繋ぐという扱いにくい武器だ。

 もっとも、単純に狙撃に特化しているという事を考えれば、そこまでおかしくはないのだろうが。

 そして、俺の目の前にあるジムスナイパーⅡ。

 これはジムコマンドをジムスナイパーカスタムのように総合性能向上機というコンセプトで改修した機体となる。

 一番の特徴は、頭部にバイザーが存在するという事だろう。

 量産機の中では現状最高性能を持つ機体だ。

 何しろ、単純なスペックではアムロの乗るガンダムすら上回ると言うのだから。

 そういう意味では、ガンダムとは違う意味で連邦軍の総力を挙げて開発された機体と言ってもいい。

 ……まぁ、連邦軍にとっても開発コストが高すぎて量産は本当に少数になってしまうのが難点だろうが。

 他にも色々なMSや戦闘機が多数並んでいるこの光景は、絶景と言ってもいい。

 とはいえ……

 

「おう、アクセル。悪いがこれをとっととどうにかしてくれ。こんなにMSや戦闘機があると、こっちも仕事が出来ねえ」

 

 メカニックを纏めている親っさんにそう言われ、その言葉に納得して頷く。

 実際、ここにあるMSとかで格納庫はかなり狭くなっている。

 このような状況で仕事をしろというのは、メカニック達にも酷だろう。

 

「ああ、分かった。すぐに片付けるから、もう少し待っててくれ」

 

 ふんっ、と。

 俺の言葉に親っさんは鼻を鳴らす。

 この格納庫で働いているメカニックにとって、こうも無造作にMSや戦闘機の類を集めるというのは、あまり面白いものではないのだろう。

 とはいえ、他の場所にこれだけのMSや戦闘機を集めれば、どうしても目立つ。

 その点、この格納庫は限られた者しか入る事は出来ない。

 そういう意味でも、ここが最善の場所だったのは間違いない。

 ……ホワイトベースに運んでくれば、それこそ片っ端から空間倉庫に収納出来たんだが、現在改修中だしな。

 そんな風に思いながら、俺はMSと戦闘機を次々と空間倉庫に収納していく。

 それを見ていたメカニック達の中には、驚きで目を見開くような者もいた。

 俺が空間倉庫を使えるというのは、当然のように知っているし、見た事もある。

 だが、それでもこれだけのMSや戦闘機が次々と姿を消していくというのは、見ている者にしてみれば驚いてしまうのだろう。

 

「馬鹿野郎共が! さっさと仕事に戻りやがれ!」

 

 親っさんに怒鳴られ、すぐ自分の仕事に戻っていったが。

 ともあれ、空間倉庫に次々と収納していき……やがて最後に残ったのは、バストライナー。

 これはFSWS計画で開発された機体だった。

 ドダイのようなSFSの一種なのだが、違うのは強力なメガ粒子砲が装備されている事だろう。

 それこそ戦艦が装備しているようなメガ粒子砲だ。

 MSでの移動の手間とかを考えると、何気にこのバストライナーは使い勝手が良さそうだ。

 ただし、メガ粒子砲が強力なだけに、当然SFSとしては非常に高価な機体になる。

 ジオン軍が使っているドダイと比べると、コスト的には一体どれくらいの差があるんだろうな。

 そんなバストライナーにも触れて収納し、やがて格納庫の中はいつも通りの姿となる。

 

「終わったぞ」

「おう。にしても、相変わらず出鱈目な力だな。それも魔法なのか?」

「似たようなものだ」

 

 正確には魔法ではないのだが、それでも常識の範囲外の能力という点で考えれば、魔法に近い存在と言ってもいいだろう。

 そう答える俺を、親っさんは少しだけ羨ましそうに見る。

 

「それは、月に行けば覚える事が出来るのか?」

「無理だな」

 

 そもそも、魔法を覚えるのなら月ではなくホワイトスターに行く必要がある。

 だが、その為には月にあるゲートを使わなければならない以上、その答えは決して間違ってはいないのだが。

 ただ、それは月に行けばホワイトスターに行ける可能性が上がるというだけでしかない。

 何よりも、クレイドルに住んでいる者ですら、まだホワイトスターに行ける者は少数なのだ。

 一般の者達が行けるのがいつになるのかどうかは、分からない。

 ましてや、親っさんは連邦軍のメカニックだ。

 つまり他国の人間である以上、月に旅行に行ったところで、そこからホワイトスターに行けるかどうかというのは、また別の問題だった。

 連邦を辞めて、月に移住してきて……というのなら、可能性はまだ高いが。

 

「連邦軍を辞めて月に来るのなら、今よりは多少可能性が上がるかもしれないけど、どうする?」

「無茶を言うな、無茶を。少なくても、この戦争が終わるまではそんな事は出来ねえよ」

「だろうな」

 

 そう言葉を返すが、戦争が終わった後でもすぐに辞められるかと言えば微妙なところだろう。

 親っさんはセカンドロットに……連邦軍の中でも最重要機密に関わっている人物だ。

 それもただのメカニックではなく、他のメカニック達を纏める立場にあり、結果として他のメカニックよりも重要機密に触れる機会は多い。

 そんな人物が、連邦軍を辞めて月に行くと言っても……場合によっては、それこそ事故死とかが起こりかねない案件だろう。

 個人的には、そういう終わりは迎えて欲しくはない。

 本当にどうしても月に移住したいと言うのなら、ルナ・ジオンの方から手を回して貰って替え玉の死体とかを用意して貰って死を偽装し……といった真似をするように要請してもいいけど。

 そうなれば、当然のように家族とかとはもう会えなくなるのを考えると、多分そこまではしないだろう。

 

「ともあれ、月に来るのならこっちとしては歓迎するけど、色々と気をつけてくれよ。あんたの事故死のニュースとかは見たくないからな」

「ふん」

 

 俺が何を言いたいのか、それだけで分かったのだろう。

 親方は面白くなさそうに鼻を鳴らしてから、口を開く。

 

「ファーストアーマーの方は問題はねえ。後はセカンドアーマーだが……こっちも計算上では何も問題はない筈だ。だが、ビームライフルの件もそうだったが、実際に使ってみないと分からねえからな」

「その辺の調整は、月に戻ってからディアナの連中に任せる事になると思う」

「ディアナ……か」

 

 どこか羨ましそうに言う親っさん。

 ジオン公国の主要兵器メーカー3社と、それ以外にも細々とした会社の者達、それに連邦軍からやって来た技術者や研究者といった面々が集まって出来た国営の兵器メーカーだ。

 メカニックとしては興味深いのだろう。

 言ってみれば、ディアナでは連邦軍とジオン軍の技術が融合しているといったようなものなのだから。

 連邦側の技術者はどうしても少ないので、連邦軍系の技術は少ないようにも思えるが……それはあくまでも表向きの話だ。

 実際にはプロトタイプガンダムやガンキャノンといった連邦軍のMSを運び入れているし、今回の一件で連邦軍系の技術は更に充実するだろう。

 特に7号機に採用されている全天周囲モニタとかは、ディアナにとっても大きな意味を持つだろう。

 これからディアナで開発されるMSは、全天周囲モニタが標準装備になってもおかしくはない。

 マグネットコーティングも、異名持ちやエースパイロットの多いルナ・ジオン軍にしてみれば、大きな意味を持つだろう。

 

「セカンドアーマーについては、注意事項とかがあったら纏めてくれ。それをディアナに渡せば、ある程度は何とかなると思う」

 

 ジオニック、ツィマッド、MIPの技術者達が揃っている関係上、注意事項とかがあれば、ある程度はどうとでもなるだろう。

 もし万が一それが駄目な場合は、それこそホワイトスターに持っていって技術班に頼めばいい。

 ただ、技術班に頼んだ場合は、色々と改造……それも魔改造されそうなんだよな。

 シャドウミラーの機体では標準装備のブラックホールエンジン、テスラ・ドライブ、エナジーウィング辺りは追加されそうだ。

 それらが追加されると、重装フルアーマーガンダムはこのUC世界においては全く別の存在となってしまう。

 それくらいなら、それこそヅダ辺りを弄っていて欲しい。……いや、それはそれでヅダがもの凄い機体になりそうな気がする。

 基本的にヅダは宇宙用のMSなのだが、技術班の手が入れば地上でも普通に空を飛びそうだし。

 

「任せておけ。その辺はこっちでもしっかりとする。ここで働いているプライドがあるから、下手な真似はしねえよ」

「なら、頼む」

 

 そう告げ、俺は親っさんとそれ以外にも色々と話をする。

 前々から思ってはいたのだが、親っさんは何気に結構話し好きだった。

 特にMSに関しては色々と思うところがあるらしく、しきりにザクを褒めていたのが印象的だ。

 まぁ、ザクはこの世界においてはMSの代名詞的な存在と言ってもいい。

 連邦軍としては、もしかしたらジムの方をMSの代名詞にしたいと考えているのかもしれないが、UC世界において最初に姿を現したMSがザクである以上、連邦軍としてはその辺はどうしようもないのは間違いない。

 

「けど、連邦軍のMSの方が色々と革新的なところもあったりするんだろ?」

「当然だ。ザクを研究してMSを開発したんだ。だというのに、ザクと同じようなMSを作ってどうする?」

 

 連邦軍のMSで一番革新的なところは、やはりビームライフルだろう。

 ガンダムやガンキャノンが装備していたビームライフルは、この世界においては強力無比な装備だ。

 何しろ、MSどころか軍艦ですら1発で撃破出来るのではないかといった威力なのだから。

 MSの技術でジオン軍に遅れをとった連邦軍としては、最大のアドバンテージと言ってもいいだろう。

 それ以外にもルナ・チタニウム製の装甲だったり、コアブロックシステムだったり、MSの関節を動かすフィールドモーターだったり。

 ガンダム7号機で言えば、全天周囲モニタとかもそんな感じか。

 

「とはいえ……幾ら高性能なMSを開発しても、それを乗りこなせる奴がいなけりゃ、意味はないんだがな。そういう意味では、アクセルというパイロットを得たガンダム7号機は運がよかったな」

「そうか? まぁ、そう言ってくれると、俺としても嬉しいけど。ただ、捜せば連邦軍の中にも7号機を操縦出来るパイロットはいると思うけど」

「どうだろうな。訓練をすれば、ある程度乗れるようになるかもしれねえ。だが、乗りこなすという意味だと……素の状態の7号機ならともかく、フルアーマーガンダム7号機や……ましてや、重装フルアーマーガンダムになれば、難しいと思うぞ」

「……そう言われると、そうかもしれないな」

 

 フルアーマーガンダム7号機の時点で、操縦は結構複雑だった。

 何が一番大変なのかと言えば、武装の多さだろう。

 FCSの制御がまだ未熟――あくまでもシャドウミラーに比べてだが――であるにも関わらず、フルアーマーガンダム7号機は大量の武装を搭載している。

 ビームライフル、ハイパーバズーカ、頭部バルカン、ビームサーベル、グレネードランチャー、ビームキャノン、ビームスプレーガン、マイクロミサイル、2連装ビームスプレーガン、3連ミサイルポッド、4連ミサイルポッド。

 前半は素の状態のガンダム7号機でも使える武装だが、後半はフルアーマーガンダム7号機になって追加された武装で、にも関わらずFCSは素のガンダム7号機のままだ。

 まぁ、グレネードランチャーと2連装ビームスプレーガンは選択式なので、1個は武器が減るが。

 これが重装フルアーマーガンダムになったら、更に武装が増す。

 それを操縦出来る奴はいないとは言わないが、かなり難易度が高いのも事実だろう。

 ディアナに持っていったら、その辺も調整して貰った方がいいのかもしれないな。

 そんな風に思いつつ、俺は親っさんとの会話を続けるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1060
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1591

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