転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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2522話

 フルアーマーガンダム7号機についての説明は、前もってある程度知ってはいた。

 それでもミデアで移動中に、メカニックから色々と話を聞く。

 ちなみにフルアーマーガンダム7号機は、前腕部の武器を2連装ビームスプレーガンか2連装グレネードランチャーのどちらかから選ぶ事が出来るのだが、今回はビームスプレーガンにして貰っている。

 

「何でビームスプレーガンにしたんだ?」

「使い慣れてるからってのが大きいな」

 

 エイガーの疑問に、そう返す。

 俺が7号機の前に乗っていたのは、ピクシーだ。

 最初は実弾兵器しかなかったのだが、最終的にジムの武器たるビームスプレーガンを用意して貰い、それを使っていた。

 そういう意味で、グレネードランチャーとビームスプレーガンのどちらが使いやすいのかと言われれば、やはりビームスプレーガンなのだ。

 勿論、俺がピクシーで使っていたビームスプレーガンと7号機に装備されているビームスプレーガンでは違いも多い。

 一番大きな違いは、7号機のビームスプレーガンはあくまでも拡散ビームしか撃てないという事だろう。

 ピクシーで使っていたビームスプレーガンは、モードを切り替える事によって収束モードとしてビームライフルに近い威力を出す事も可能だった。

 ……もっとも、当然ながらそのような真似をした場合は、エネルギー消費はかなり大きかったのだが。

 2連装というのは、あまり使い慣れてはいないので少し不安ではあるけど、多分大丈夫だろう。

 

「それは大きいよな。使い慣れない武装というのは、いざという時は頼りに出来ない」

 

 エイガーの場合はマドロックに乗る前にどんなMSに乗っていたのかは分からない。

 連邦軍のパイロットなんだから、ジムに乗っていたのだろうが。

 もしくは、戦闘機乗りからそのままマドロックに乗り換えたのか。

 

「MSを使う上で、その辺りの感覚は重要になるだろうな。エイガーもマドロックに乗ってるのなら、分かるだろ?」

「ああ。……ちなみに、アクセルがホワイトベースで最初に乗っていたガンキャノン。実は俺もあれの開発に関わっていたりするんだが、知ってたか?」

「は? そうなのか?」

 

 エイガーのその言葉は、俺にとっても意外だった。

 そうなると、何気にエイガーはかなりMSについて詳しいという事になるのか。

 そんな話をしている間にも、ミデアは北米に向かって進む。

 以前ホワイトベースが北米にいた時は、マチルダ率いるミデアが補給物資を届けに来るのも命懸けだったって話を聞いた事があったが、今回の移動ではジオン軍からの迎撃が一切ない。

 この辺は、やっぱりジャブローの攻略で多くの戦力を失い、更には連邦軍が北米を奪還しようとしているのに対処する為に残っている戦力を集中しているというのが大きいのだろう。

 オデッサがまだ無事であれば、そちらから戦力を回して貰うといった事も出来たのだろうが、今ではそのような真似は出来ない。

 そうなると北米にある戦力だけでどうにかするしかなく、どうしても警戒の薄い場所も出て来るのだろう。

 ミデアがそのような場所を通るのは、当然の事だった。

 そうして時間が経過し……

 

『作戦司令部に到着しました。着地します』

 

 ミデアのパイロットからそんな通信が入ると、ミデアは地上に向かって高度を下げていく。

 いよいよ……か。

 そうなると、問題なのは実際にこの辺りの戦場が一体どうなっているかだな。

 レビルから一応その辺りの事情については聞いているが、それはあくまでもジャブローでの話だ。

 実際に現場でどのようになっているのかというのは、その場で色々と話を聞く必要があった。

 

「さて、じゃあ行くか。……俺達を歓迎してくれるかどうかは、また別の話だが」

「恐らく歓迎はしてくれないだろうな。寧ろ向こうにしてみれば、手柄を奪いに来たと思ってもおかしくはないし」

 

 エイガーのその言葉に、微妙に嫌な予感を抱く。

 

「この北米奪還作戦の指揮を執ってるのは表向きは強硬派じゃないってことになってるらしいけど、知ってたか?」

「ああ。とはいえ、あくまでも表向きは強硬派じゃないってだけで、そういう表現になるってことは……」

 

 強硬派の名前を口にするエイガーは、心底忌々しいといた様子を見せていた。

 分かっていた事だが、連邦軍にとっても強硬派というのは非常に厄介な相手なのだろう。

 とはいえ、その理由は分からないでもない。強硬派の暴走のせいで、本来なら受けなくてもいい被害を受け、一時的にではあるがルナツーという、連邦軍にとっては宇宙で最大の拠点を失ったのだから。

 また、月に攻めた時を含めて、連邦軍が受けた被害はかなり大きい。

 幾ら金や人材では圧倒的な規模を持つ連邦軍であっても、それが無尽蔵に存在する訳ではない。

 消費すれば少なくなるし、最悪の場合は完全になくなるという可能性も否定は出来ないのだ。

 幸いにして、強硬派の大半が排除された事によってその辺りの心配はしなくてもよくなったが、それまでに失った戦力は非常に大きい。

 特にエイガーはガンキャノンの開発にも関わっていた……つまりV作戦の関係者でもあった以上、余計にその思いは強いだろう。

 

「まぁ、俺達は連邦軍の最高司令官のレビルから要望を受けて来てるんだ。もし妙な因縁でもつけられたら、レビルにその辺を報告すれば向こうで対処してくれるだろ」

「いや、アクセルはそれでいいかもしれないけど、俺はこの先も連邦軍で行動しないといけない以上、色々と困るんだが」

 

 そんな会話をしながら、基地の中を歩く。

 この基地は別に今回の北米奪還作戦の為に建設されたという訳ではなく、今回の戦争の前からあった基地を使ってるらしい。

 結構しっかりとした基地ではあるが……エイガーが言った通り、レビルの派閥とは違う派閥の為か、こちらを厳しい視線で見てくる者が多い。

 中には敵意すら向けてくる奴もいるんだが……ジオン軍と戦ってる時に内輪揉めしてるような余裕があるのか?

 一瞬そう思ったが、ジオンはジオンでギレンとキシリアが政治的に敵対しているって話を聞いた覚えがあった。

 そうなると、ジオンも連邦もどっちもどっちか。

 

「失礼します。援軍としてやって来た方々をお連れしました」

 

 ここまで案内をした軍人が、司令室の扉をノックした後でそう告げる。

 すると、すぐに中から入れという言葉が聞こえ、扉が開く。

 そうして司令室の中に入ったのだが……

 

「ようこそ、よく来てくれましたな」

 

 司令室にいた初老の男は、俺とエイガーを見て、笑みを浮かべながらそう言ってきた。

 表面的には、こちらに対して友好的なように見える。

 ……そう、あくまでも表面的にはだが。

 笑みを浮かべているが、その目の中にある光は、俺達を邪魔者として見ている目だ。

 それを表情に出さず、歓迎しているように見せるだけ腹芸はそれなりに身につけているという事だろう。

 

「レビルからの要請があったからな。アフターサービスって奴だ」

「それは助かります。ホワイトベースでもかなりのご活躍だったという話を聞きますし。……ただ、注意して貰いたいのは北米での戦闘はオデッサやジャブローとはまた違うという事です。今までと同じように戦おうとした場合は、大きな被害を受ける可能性もあります」

「そうなのか。忠告は感謝するけど、俺がホワイトベースに乗っていたというなら、知ってるだろう? ホワイトベースは北米でもかなりの戦いを繰り広げたと」

「ええ、それは勿論。ですが……その結果、ガルマ・ザビが死んだ事によって北米でのジオン軍は以前までとは違うものとなったのです」

 

 暗に俺のせいでジオン軍が厄介になったと、そう言いたげだな。

 とはいえ、それは決して間違っている訳ではない。

 ガルマがいなくなった今、誰がガルマの代わりに指揮を執っているのかは分からない。

 だが、上に立つ者が代われば、当然のようにその軍の性格も代わってくる。

 それが現在の連邦軍が苦戦している理由だとすれば、十分納得出来る理由ではあった。

 

「そうかもしれないな。そうなると、ジオン軍を強くしてしまった事を謝るべきか?」

「……いえ。まさかそんな。向こうがどのような行動をするのかは分かりませんが、こちらとしてはやるべき事をやるだけですよ」

「ならいい。ちなみに、俺がレビルから頼まれているのは、二日だけだ。あくまでもMSで戦っての二日だが。その二日が終われば、俺はここから姿を消すから、安心してくれ」

「聞いています。ですが、二日で一体どのような事が出来ると?」

「その辺は、俺の実力次第だろうな。ホワイトベース隊の本領を発揮させて貰うよ」

「楽しみにさせて貰いますよ。それでは……」

 

 司令官が何かを口にしようとした瞬間、扉がノックされる。

 司令官が入るようにと口にすると、やがて扉が開いて1人の男が入ってきた。

 

「失礼します。ユーグ・クーロ中尉です」

「おお、来たか。アクセル代表。彼はユーグ・クーロ中尉。今回の北米奪還作戦におけるエースです。彼に協力して貰えればと」

 

 その言葉に、ユーグという人物を見る。

 この司令官がわざわざ用意した人物ではあるのだろうが、こうして見ている限りでは特に俺達に対する敵意の類は感じられない。

 実際に前線で戦っている者にしてみれば、これはおかしくないのかもしれないが。

 

「そうか。よろしく頼むユーグ」

「は!」

 

 俺に向けて敬礼をしてくるユーグ。

 司令官と話していた事もあり、俺をお偉いさんと認識しているのだろう。

 実際にシャドウミラーの代表である以上、その判断は決して間違ってはいないのだが。

 

「では、ユーグ中尉。後は任せた。この2人は凄腕のパイロットだ。現在苦戦しているジオン軍相手の戦いも、この2人がいれば推し進めることが出来るだろう」

 

 そう言い、ユーグに出て行くように態度で示す司令官。

 それを受け、ユーグは再度敬礼をして司令室を出て行く。

 当然のように、俺とエイガーの2人もその後に続いた。

 

「ふぅ」

 

 司令室を出て少し廊下を歩き、周囲に俺とエイガー以外誰もいなくなったところで、ユーグは息を吐く。

 面倒なというか、疲れたというか、そんな様子を見せるユーグ。

 どうやら、お偉いさんと会うのは思ったよりも苦手らしい。

 さっきの会話から考えると、ユーグの階級は中尉だ。

 そうなると、尉官や佐官といった相手ならともかく、司令官のような将官と接する事は基本的にない。

 

「あ、すみません」

 

 自分の吐いた息が思ったよりも大きかったことに気が付いたのだろう。

 ユーグは慌てて俺達に謝ってくる。

 

「いや、気にするな。それと、口調についてはそこまで気にしなくてもいい。エイガーはともかく、俺はあくまでも傭兵であって正式には連邦軍の所属じゃないしな」

「え? そうなんですか? ……そうなのか?」

 

 口調を変えるユーグに頷き、視線をエイガーの方に向ける。

 

「自分は少尉ですので中尉が敬語を使う必要はありません」

 

 エイガーはそう言って敬礼する。

 うん、俺への態度と大きく違うんだが……この辺が、傭兵と軍人に対する……それも上官に対しての接し方の違いといったところか。

 

「そうか、助かる。それで、2人は俺の部隊に入るという事でいいのか?」

「そうなる。ただし、上からの指示で戦闘をするのは2日だけになっているが」

「は?」

 

 俺の言葉に戸惑うように呟くユーグに、詳しい事情を説明する。

 もっとも、説明するべき内容はそこまで多くはないのだが。

 あくまでも、俺とエイガーが戦闘に参加するのは2日だけで、明日から戦闘が始まるのなら、明日と明後日はユーグの指揮下で戦うと、そういう説明だ。

 そんな俺の説明に若干呆れの表情を向けるユーグ。

 

「一体、アクセル達は何をしに来たんだ?」

「ぶっちゃけると、俺達……いや、俺は北米を奪還しようなんて風には思っていない。俺が来たのは、MSの……言ってみれば、慣らし運転の為だ」

 

 この言葉が正解かどうかは分からない。

 だが、ジャブローでジオン軍の襲撃があった時もそうだったが、やはり実戦の中で戦ってこそ、機体に問題がないかどうかが分かるのだ。

 ましてや、今回はMS……いや、ビームライフルの修理が終わったばかりで、その上ファーストアーマーを装備したフルアーマーガンダム7号機だ。

 重装フルアーマーガンダムではないにしろ、初めて使う機体である以上、しっかりと調子を見たいと思うのは当然だろう。

 

「……なるほど」

 

 ユーグは色々と、本当に色々とこちらに向かって言いたい事があったようだったが、それを実際に口に出すような事はせず、その一言で我慢した。

 その気持ちは分からないでもない。

 自分達は命懸けで戦っているのに、そこにMSの慣らしの為にやって来たと言うのだから。

 

「不満なのは分かるけど、戦力にはなるから安心してくれ。取りあえずユーグの指揮下にもきちんと入るし。ただ。独立遊軍的な存在で使うのが一番いいと思う。連携をするにも、2日でどうにかなる訳じゃないだろうし」

 

 そんな俺の言葉に、ユーグは不満そうな様子を見せつつも頷くのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:980
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1575

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