転生とらぶる1   作:青竹(移住)

2633 / 3408
2512話

 ガウが近付いてきたのが、ガンダム7号機の映像モニタにも表示される。

 それを見る限り、確かに連邦軍からの連絡をされたようにかなりの数のガウが存在していた。

 それ以外にガウの護衛としてだろう。ドップやルッグンの姿もあるし、ドダイに乗ったザクやグフの姿もある。

 ……それどころか、ルッグンに掴まって空を飛ぶなんて荒技をやっている者もいた。

 というか、ルッグン……1機だけとはいえ、MSを運搬出来るだけの能力があるんだな。

 それは素直に凄いと思うが、正直なところそこまでの性能をルッグンに与える必要があったのか? と思わないでもない。

 普通に考えれば、これは恐らくルッグンを設計した者のミスだろう。

 いや、ミスというか飛行機に対してのノウハウが決定的に足りなかったが故の出来事といったところか。

 とはいえ、そのミスのおかげでルッグンはMSを運ぶなどという真似が出来るようになったのだから、ジオン軍にとっては不幸中の幸いといったところか?

 そんな風に考えていると、やがてジャブローという戦場に入ったからだろう。ガウから次々にMSが降下してくる。

 ザクもいれば、グフもいるし、ドムもいる。

 ……ただ、やっぱりザクが一番多いな。

 ザクはザクでバリエーションが結構豊富なので、一目ではザクと認識出来ないようなのもいたが。

 また、ガウから降下……落とされているのはMSだけではない。

 ガウが腹に抱え込んだ爆弾によって密林を絨毯爆撃しており、メガ粒子砲を使って進行方向にある密林を破壊する。

 ガウが1隻だけでもそれだけの凶悪さを示しているのに、複数のガウが同じように行動をしているのだ。

 連邦軍の方も、ただ黙ってやられている訳ではない。

 木々によって隠蔽されていたり。地下に隠されていたりした対空砲が姿を現し、次々に上空に向かって攻撃をする。

 ドップやルッグンといった飛行機の類は当然の事、地上に向かって降下をしていくMSも見ている限りではそれなりに被害を受けている機体が多い。

 撃破された機体は多くはないが、小破や中破くらいのダメージを受けた機体というのは結構な数存在していた。

 また、模擬戦をしていた関係上、結構な数のMSも既に地上に展開していたというのも、この場合は大きいだろう。

 実弾兵器の場合は、ペイント弾ではなく実弾に変える必要はあったが、ともあれそれでジオン軍に対処出来るようになったのは、間違いのない事実だ。

 

「よし、なら俺も……」

 

 呟き、ビームライフルを構える。

 7号機専用に開発されたこのビームライフルは非常に高価な代物だったが、それに見合うだけの性能はあった。

 その性能を存分に発揮し……真っ直ぐに飛んでいったビームは、ガウから落とされようとしていた爆弾に命中。

 当然だが、爆弾にビームが命中すれば、その爆弾は爆発し、周囲にある爆弾もその爆発によって誘爆する。

 爆発、爆発、爆発。

 連鎖的な爆発によって、その爆発はガウから落とされたばかりの爆弾にも誘爆し、次の瞬間にはガウの内部にある爆弾にまで誘爆し……

 

「汚え花火だってのは、こういう時の台詞だったか?」

 

 空中で爆散したガウを眺め、そんな風に呟く。

 やれるかどうかを考え、出来そうだったからやってみたが、これなら普通にガウを撃破した方が手っ取り早いな。

 とはいえ、ガウの方もビームライフルで撃たれた事で撃破されたのを知り、それぞれが別の方に向かって散らばっていく。

 厄介な真似を。

 だが同時に、これは各個撃破する好機でもある。

 そう判断し、ビームライフルの銃口を1機のガウに向け、トリガーを引いたその瞬間、7号機が激しく揺れた。

 

「うおっ!」

 

 何があった?

 敵の攻撃か?

 そう思って機体の状態をチェックすると……

 

「嘘だろ」

 

 衝撃の原因がビームライフルの爆発によるものだと理解し、そう呟く。

 とはいえ、驚きがなくなると納得する部分も出て来る。

 ガンダムのセカンドロットの機体は、連邦軍にとっては最新鋭の機体だ。

 その上で俺のガンダム7号機は、セカンドロットの中でも最新……一番新しい機体となる。

 いや、噂ではガンダム8号機があるとか何とかそういう話を聞いた事はあるが、メカニック達も実際に8号機を見た事はなく、あくまでもそういう噂だという話である以上、恐らくはデマなのだろう。

 ともあれ、一般的な認識としては俺の7号機が最新鋭機だ。

 しかもルナ・ジオンやシャドウミラーの一件によって、技術的にかなり無理をしているという話も聞いている。

 ……その上で、7号機というMS本体には未だに問題はなかったが、専用ビームライフルの方はガンダムの使っているビームライフルよりも射程や速射性が増している。

 そこまではきちんと完成していなかったという事か。

 まぁ、レビルやゴップによれば本来ならこの戦争中に開発が完了するのは難しかった機体なんだし、最新鋭機というのは多かれ少なかれ何らかのバグがある事もある。

 幸い……本当に幸いな事に、ビームライフルその物は破壊されたが、ガンダム7号機の手は特に被害を受けていない。

 ビームライフルが破壊されたが、言ってみればそれだけだ。

 実弾兵器と交換すれば、まだ普通に戦う事は出来る。

 

『アクセル、大丈夫?』

「ああ、問題ない。壊れたのはビームライフルだけだ。……とはいえ、これで射撃兵器は全滅だけどな」

 

 残っている武器はビームサーベルだけだが、これは少しばかり心許ない。

 

「ホワイトベースに行けば武器はあるらしいから、武器を貰ってくる。綾子はどうする?」

『ここに残ろうかな。……新人を見捨てる訳にはいかないでしょ?』

 

 この場合の新人というのは、ジャブロー組の事だろう。

 シミュレータで訓練を積み、模擬戦も相応にやっている筈だ。

 だが、実戦となると話は変わってくる。

 基本的に連邦軍のMSパイロットというのは、戦闘機乗りを優先して集められているらしいから、実戦の類を全くやっていないという訳でもないんだろうが。

 それでもやっぱりMSを使っての実戦となれば、話は変わってくる。

 そして何だかんだと面倒見のいい綾子にしてみれば、そんな新人パイロット――年齢的には綾子と同年代か、上の者も多いだろうが――を見捨てていく訳にはいかなかったと、そういう事だろう。

 

「分かった。綾子なら心配はいらないと思うけど、もし何かあったらMSに固執するような事はするなよ」

 

 そう告げ、綾子と別行動となる。

 綾子の場合は、MSのパイロットとしても一流を超えた一流、超一流と言ってもいいパイロットだが、半サーヴァントとして生身での戦闘でも十分に強い。

 それこそ、生身でMS同士の戦いの場に割り込んでも、まず死んだりはしないような感じで。

 だからこそ、一人で行動させても心配するような事はなかった。

 綾子と別れ、俺はホワイトベースのいるだろうドッグに向かう。

 地下にあるあのドッグは、向かうのに少し時間が掛かるが……今の状況でホワイトベースが地上に出るのは、色々と不味いのも事実だ。

 ガウがまだ結構な数残っているし、ドダイに乗ったMSもいる。

 メガ粒子砲を持つホワイトベースだったが、それでも四方八方から攻撃されれば厳しい。

 対空機銃の類はあるので、それを十分に使えれば、ある程度はどうにかなるかもしれないが……その辺は、正直微妙なところだ。

 何だかんだと、ホワイトベースには人手が足りないんだよな。

 

「げ」

 

 考えながら歩いていると、ザクと遭遇する。

 ただ、向こうもガウからの降下で仲間とはぐれたのか、1機だけだ。

 壊れたビームライフルを持っていない方の手で、ビームサーベルを構える。

 ザクもヒートホークを構える。

 ……ザクマシンガンを構えないのは何でだ?

 いやまぁ、ルナ・チタニウム製の装甲を持つガンダム7号機だけに、ザクマシンガンで攻撃しても効果はないが。

 向こうがそれを知ってて攻撃をしないのか、それとも単純にここまで来るまでに弾丸を使い果たしたり、もしくは故障したのか。

 ガウからの空挺降下なんて真似をすれば、何らかの故障があってもおかしくはない。

 もしくは、射撃が苦手なだけという可能性もある。

 ともあれ、ザクマシンガンを使ってこないというのは、こちらにとっても助かった。

 例え効果がなくても、牽制としては十分に使えるのだから。

 こっちの武器もビームサーベル……いや、違うな。

 

「お前に時間を使っているような余裕はないんだよ。さっさと倒させて貰うぞ」

 

 意図的に外部スピーカーでそう告げ、ビームサーベルを構えたままザクとの間合いを詰める。

 その言葉が聞こえたのだろう。

 ザクはヒートホークを構え、俺を待ち受ける。

 よし、こっちの予想通りだな。

 ビームライフルを持ってる方の手をザクに向け、前腕部に装備されているグレネードランチャーを発射する。

 向こうは咄嗟に回避し……そこに、頭部バルカンが命中する。

 グレネードランチャーも頭部バルカンも、ペイント弾で攻撃力はない。

 だが……例え直接的な攻撃力がなくても、ペイント弾は命中すれば破裂して周囲にペイントを巻き散らかす。

 そう、それこそザクのモノアイの付近にも。

 そして当然の話だが、モノアイがペイント弾で汚れれば視界が狭まる。

 勿論、ザクのカメラはモノアイだけではなく他にも複数サブカメラが存在しているが、それでもパイロットが驚いて一瞬……いや、もっと動きを止める。

 なるほど。パイロットとしても決して腕がいい訳じゃないな。

 恐らくパイロットになったばかりなのか、それとも単純に素質がないのか。

 その辺りの理由は俺には分からなかったが、敵が動きを止めて大きな隙を見せた以上、それを見逃すつもりはない。

 動きが止まったと判断した瞬間、一気に前に出てビームサーベルでザクのコックピットを貫く。

 そんな動きに、ようやくザクは反応しようとしたが……残念ながら、その動きは遅い。

 ビームサーベルはコックピットを貫き……それでいて動力炉を破壊するようなことはなく、ザクは地面に崩れ落ちる。

 取りあえず1機か。

 いや、このザクを倒す前にガウを1隻倒してるんだが。

 ともあれ、不意に遭遇したザクを倒すと、俺は再びホワイトベースに向かい……途中で、ジオン軍のMSと戦っているジムを見掛ける事もあったが、基本的にその戦いには関わらないようにする。

 何しろ、今のガンダム7号機でまともに使える武器はビームサーベルだけだ。

 そんなビームサーベルを使った場合、当然のように敵と近接戦闘をするしかない。

 まだ新人……いや、新人未満の初実戦において、そのような真似をしたら、それこそ最悪誤射される恐れがあった。

 幸いにして、ジャブロー組の方が数は多いので、その辺の心配はあまりいらないと思う。

 頑張ってくれ。

 そう願いつつ、俺はジャブローの艦船ドッグで待機しているだろうホワイトベースに向かう。向かうのだが……

 

「うわぁ」

 

 7号機の映像モニタに表示された光景を見て、思わず小さく呟く。

 何故そのように呟いたのかと言えば、歩兵が折れた木によって潰されていたからだ。

 まだ生きているのなら、木を寄せて助け出すといったことをしてもいいのだが、残念ながらこうして見た限りでは、既に完全に死んでいる。

 これがネギま世界やペルソナ世界なら、あるいは身体を木に潰されても生きていられるような者がいてもおかしくはないだろう。

 だが、このUC世界において、気や魔力、ペルソナといった能力がない以上、それによって生身の身体で人間以上の実力を出すような真似は出来ない。

 軍服から考えて連邦軍の兵士なんだろうが、もう死んでいる以上、今は死体を潰している木を取り除くといった真似をしている時間はない。

 というか、死んでいるのがこの1人だったらともかく、他にも大勢いるであろう以上、それを全員分どうにかするといったのは不可能に近いし。

 なので、悪いがあの死体にはこのままあそこで待っていて貰うとして、俺は7号機を操縦する。

 前もって渡されていたデータによって、どこからジャブローに降りる事が出来るのかというのは理解している。

 だが、その場所が結構離れているというのが痛い。

 こうなると、最初からホワイトベースの近くまで移動しておけばよかったよなと、しみじみと思う。

 とはいえ、綾子がどうこうなるとは心配していないので、別行動をとっていても今のところは全く問題はないのだが。

 

「ここか」

 

 あの木に潰されていた兵士の死体を見て以降は、特に敵に遭遇するといった事はなく、無事に目的地に到着する。

 通信を送ってこちらが連合軍機であると認識すると、地面がエレベーターのように下に移動していく。

 ……これって、俺が移動している時は上からここが空いてるように見えるんじゃないか?

 そう思って上を見るが……そこでは、新しい天井が横からスライドして生み出されているところだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:965
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1572

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。