「へぇ……さすが連邦軍を率いているレビルの執務室だ。かなりいい部屋だな」
コーウェンから暫く待機とされたホワイトベースだったが、俺と綾子、ミナトの3人はジャブローでホワイトベースから降りる。
だからこそ報酬について説明をしたいとコーウェンに言われた俺は、ジャブローの中でも本当に重要な場所……現在連邦軍を指揮しているレビルの執務室に案内された。
「はっはっは。そう言って貰えるとこちらも嬉しいよ。私はこのような場所にいるよりも、オデッサのように前線にいた方が気楽なのだがね」
「それは困るよ、レビル将軍。オデッサの一件では押し切られたが、軍を率いる者が前線に出向くなど……ジオン軍は水爆すら使用したというではないか。アクセル代表がいたから何とかなったものの、もしアクセル代表がいなければ、一体どうなったか……考えるまでもないだろう?」
レビルの言葉に、ゴップがそう返す。
現在、このレビルの執務室にいるのは、俺、レビル、ゴップの3人だけ。
それこそレビルやゴップの護衛や秘書、副官といった者達すらここにはいない。
それが、この執務室で行われる会話がどれだけ機密度の高いものであるのかということの証だった。
執務室にある応接セットのソファに座っている俺の向かいに、レビルとゴップの2人も並んで座っている。
もしこの状況を誰かが見たら、有り得ないような光景に大きく目を見開くだろう。
「そう言って貰えると、俺も頑張った甲斐があるよ。……美味いな、この紅茶」
レビルとゴップにそう言葉を返しながら、テーブルの上に用意された紅茶を飲むと、その紅茶は予想外に美味く、俺の口からそんな声が出る。
ちなみにこの紅茶、レビルが淹れたものだ。
……レビルも、何気に結構多才だな。
「おや、喜んで貰えたようで何より」
美味いという言葉を聞いたレビルが、嬉しそうに笑い、自分も紅茶を飲む。
これなら、レビルを紅茶派に入れてもいいのでは?
一瞬そんな事を思ったが、その件は後でいいだろう。
「紅茶の件はともあれ……これで俺が請け負った依頼は全て完了した。そういう認識で構わないな?」
このまま紅茶についての話をしてもよかったのだが、今はまずそれよりも先にやるべき事があった。
それが、依頼についての話。
取りあえずオデッサ攻略までに協力してきた諸々、またエルランの関係で被った被害。
それらについての報酬については、しっかりと話しておく必要があった。
レビルとゴップの2人も、俺のその言葉には誤魔化すような態度も見せず、素直に頷く。
「紅茶の話もしたかったが、まずは本題を済ませた方がいいようだな。……まず、ホワイトベースが死人の1人も出さず、無事にジャブローに到着出来たのは、アクセル代表の力が大きい。もしアクセル代表がホワイトベースに乗っていなければ、恐らくホワイトベースが無事にジャブローに到着する事は出来なかったであろう。もしくは、到着しても大勢の死人を出していた可能性もある」
「そう言って貰えるのは嬉しいな」
「うむ。それで、報酬だが……まず、第一の報酬として、これを用意してある」
そうレビルが言うと、ゴップがこちらに紙の資料を渡してくる。
電子データの類でもいいと思うんだが、それを用意していないのは……機密保持を重視してか。
実際、シャドウミラーにはルリとラピス、それに臨時雇いではあるが長谷川とか、その手の専門家は結構いるしな。
そのような相手にデータを見られないようにするには、古典的だが紙が一番いいと、そういう事なのだろう。
そして、ゴップが渡してきたこの書類は、それだけ機密度が高い機体という事なのだろう。
これは期待出来る。
そう思って、資料に目を向ける。
RX-78-7。ガンダム7号機。
というか……7号機?
この場合、アムロのガンダムが1号機でいいのか?
いや、それとも1号機は俺が入手したプロトイタイプガンダムで、アムロのは2号機という扱いか?
ともあれ、それでも6号機までのガンダムはあるという事なのは間違いないだろう。
チラリ、と視線をレビルとゴップに向けると、そこにはしてやったりといった笑みを浮かべた2人の姿があった。
ぬぅ。何だかしてやられた気分だな。
そう言えば、報酬として俺に譲渡する予定だったMSは技術的にかなり難しい内容をクリアしたとか何とか、そんな風に言ってたな。
だとすれば、このガンダム7号機はそれだけ性能が高いという事なのだろう。
ともあれ、まずは機体の説明に目を通す。
このガンダムはセカンドロットのガンダムの1機。
つまりアムロの乗っていたガンダム以降のガンダムがセカンドロットと表現されてるのか?
だとすれば、俺の乗っていたピクシーとかはどんな感じなんだ? あれもまた、セカンドロットなのか。
ただ、ピクシーは非常に極端な機体なのは間違いない。
ビームスプレーガンを使うようになってからは幾らかマシにはなったが、それでも一般的な……アムロの乗っているガンダムの系列上にある機体かと言われれば、それに頷ける者は少ないだろう。
何しろ、汎用性の高さが売りのガンダムで地上用に戦場を限定してるのだから。
ガンダムの系列としては異端なのが、ピクシーなのだろう。
ともあれ、ガンダム7号機はそういう意味ではガンダムの主流な後継機という事か。
そう判断し、書類を更に読み進めていく。
このガンダム7号機は、最初からフルアーマーを前提としているらしい。
らしいが……で、このフルアーマーって何だ?
ぱっと考えて思いつくのは、そのままの通り増加装甲だろう。
SEED世界でイザークが乗っていたデュエルが使っていたアサルトシュラウドとか、連合軍系の方でもフォルテストラとかいう、アサルトシュラウドと似たようなのがあった筈だ。
「この、フルーアーマーってのは?」
「ああ、それはフルアーマー構想だ。Full-armour System and Weapon System。通称FSWS計画。言ってみれば、ガンダムの攻撃力を戦艦と同等にまで引き上げる為の……言ってみればパワーアップユニットと言えば分かりやすいと思うが?」
「なるほど」
フルーアーマー構想というのは、俺が予想していたのと同じようなもので間違いないらしい。
ただ、レビルの説明を聞く限りではアサルトシュラウドよりもかなり徹底的に強化するような感じに思えるが。
取りあえず納得すると、文章を読み進める。
最初からフルーアーマーを前提として作られているので、素の機体にはマウントラッチやインターフェースのオプションポートが多数つけられているらしい。
また、マグネットコーティングが施され、全天周囲モニタが装備、と。
「マグネットコーティングってのは?」
「簡単に言えば、機体の反応速度を上げる技術だな」
「へぇ」
ぶっちゃけ、それは結構興味深い技術だ。
というか、それって俺だけではなくアムロが乗ってるガンダムにこそ必要とされるものなんじゃないのか?
あ、でもここはジャブローだし、ここでガンダムを改修するのか?
それと、全天周囲モニタか。
これは説明を聞かなくても分かる。
その言葉通りの効果なのだろう。
現状のMSで使われているようなものではなく、コックピット全てが映像モニタと化したかのようなものだろう。
なるほど。これは結構使い勝手がよさそうだ。
マグネットコーティングと全天周囲モニタに関しては、シャドウミラーにとっても美味しい技術と言ってもいい。
また、ルナ・ジオンのMSにとっても画期的だろう。
シャドウミラーの機体も全天周囲モニタとして全部入れ替えるとなると……何気に、かなり難しいな。
幹部の機体だけならともかく、それ以外となると……いや、量産機の場合はそれこそバッタや量産型Wを使えばいいのか。
これから作られるシャドウのような量産機は、最初から全天周囲モニタを標準装備にすればいいだけだし。
ただし、そうなると幾らか設計変更が必要になる訳で……まぁ、その辺は技術班に任せておけばいいか。
「ちなみに、本当にちなみにの話だが、このガンダムが7号機って事は、他にも6号機まであるんだよな? それらの機体は?」
「こちらで色々と使う予定があるので、そちらは渡す事が出来ない」
レビルの口から出たのは、俺の予想通りの言葉だった。
その言葉に納得し、俺は再び書類を読み進める。
基本的にフルアーマー状態を前提としているが、素の状態のままであってもその性能は高い。
外見的には、マウントラッチとかがついてるので若干違和感があるようだが。
けど……へぇ。7号機が使うビームライフルは専用に設計されたもので、ガンダムやガンキャノンが使っているビームライフルに比べると、威力も速射性も射程も上らしい。
他の武器は……ガンダムが普通に使っているのと変わらないな。
ビームサーベル、ハイパーバズーカ、頭部バルカン、シールド。……ん? あ、でも前腕部に内蔵されているグレネードランチャーってのはちょっと珍しい。これはガンダムにない武器だ。
とはいえ、それは単純にガンダムは使っていないだけで、武器があれば使えるようになっているのかもしれないが。
……そして俺は次の、言ってみれば7号機の最大の特徴たるフルアーマー状態について読み進めていく。
驚くべき事に、7号機のフルアーマー状態は2段階あるらしい。
ファーストアーマーを装備した普通の――という表現が相応しいのかどうかは分からないが――フルアーマーガンダム7号機。
そしてセカンドアーマーを装備した、フルアーマーガンダムよりも1段階上の重装フルアーマーガンダム。
フルアーマーガンダムは7号機なのに、何で重装フルアーマーガンダムは7号機という名称がないのかは疑問だが。
この書類を見ている限りでは、この重装フルアーマーガンダムというのはMSというより最早MAに近いようにすら思える。
……いや、MSをコアユニット的な扱いでMA的な存在にするということは、シャドウミラーで運用しているファブニールに近い形と言ってもいいのか?
これは、確かに興味深い機体だ。
ただ、この書類に書いてある通りの機体になったとしたら、重装フルアーマーガンダムの方がかなりごちゃごちゃとした機体になりそうだな。
少なくても、地球上での使用は無理だろう。
ミノフスキークラフトでも搭載していれば、まだ話は違ったかもしれないが。
あ、でも……いや、これはいけるか?
ミノフスキークラフトの技術では、何気にルナ・ジオンはかなり先を行っている。
それはジオン軍のアッザムや、連邦軍のホワイトベースを見れば明らかだろう。
ミノフスキークラフトがあっても運動性の低いアッザムと、高い機動力を持っていてもホワイトベースくらいの大きさに何とか乗せることが出来る連邦軍。
それに比べると、アプサラスⅢを開発したギニアスは、ミノフスキークラフトの分野だけで言えば間違いなくこのUC世界においてトップクラスの技術者と言ってもいいだろう。
少し言いすぎかもしれないが、テスラ・ドライブ第一人者たるフィリオのように。
……うん。やっぱり少し言いすぎだな、これは。
ただ、フィリオ程ではないとはいえ、ギニアスが紛れもない天才の1人なのは間違いのない事実。
このガンダム7号機の最終形態とも言える重装フルアーマーガンダムにミノフスキークラフトを装備させるという事も、不可能ではない筈。
とはいえ……当然連邦軍にしてみれば、重装フルアーマーガンダムは宇宙での使用を前提として開発されている筈で、そうなると大気圏内で飛行した場合、空力抵抗とかが問題になってくる。
これがミノフスキークラフトではなくテスラ・ドライブなら、Eフィールドによってその辺はある程度無視出来たりするんだが……ミノフスキークラフトは、まだ出来たばかりの技術だけあって、その辺はまだまだこれからといったところか。
ともあれ、その辺についてもギニアスに相談すれば、ある程度何とかなりそうだ。
「どうかね? 随分と熱心だということは、7号機は気に入って貰えたのかな?」
「ああ。かなり俺好みの機体だな」
その言葉に、レビルとゴップは見るからにほっとした表情を浮かべる。
この2人にしてみれば、俺に渡す報酬にはかなり悩んだのだろう。
俺の興味を惹けないような機体であれば、それこそまた1から機体の選定のし直しが必要だったんだろうし。
「この機体は、シャドウミラーの存在が起爆剤となって技術的な進歩を遂げた結果、何とか開発が完了した機体だ。もしシャドウミラーの存在がなければ、恐らく完成はもっと遅れていただろう。あるいは……この戦争が終わった後で、ようやく完成したという事になった可能性もある」
ゴップのその言葉に、レビルは同意するように頷く。
なるほど。実際能力的には現行の機体をかなり超えて、半ばオーバースペック気味と言ってもいい。
そんな機体だけに、シャドウミラーの存在がなければ、完成が遅れたというのは分かる話だ。
「なるほど。いい機体だな。……で、他の機体はどんなのを用意してるんだ?」
俺は笑みを浮かべて、そう尋ねるのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:955
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1570