転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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2500話

 ジオン軍の待ち伏せを上手い具合に回避した……というか、撃退したホワイトベースは、そのままジャブローに向かって移動していた。

 あの戦いだけで本当にジオン軍がこちらに対する待ち伏せをどうにかしたと、確信出来る訳ではない。

 場合によっては、それこそ第二第三の待ち伏せが待っているという可能性も否定は出来ないのだから。

 その辺の事情を考えると、やはり油断は出来ないのだが……それでも、やはり待ち伏せしていた部隊を叩く事が出来たというのは大きかった。

 ガウが1隻に、ドップが11機、水中用MAが1機と、水陸両用MSを何機か。

 何だかんだと、あの戦いでジオン軍が受けた被害は相当なものだったのは間違いない。

 だとすれば、同じような待ち伏せを再度行うかと考えると、それはそれで難しいだろう。

 ただでさえオデッサを失った事で、ジオン軍は大きな被害を受けているのだ。

 そんな中でガウとMAを失うというのは、少し洒落にならない被害と判断されるだろう。

 であれば、ホワイトベース隊を攻撃するような余力はない。……普通ならそう思う。

 あくまでも普通なら、だ。

 これがホワイトベース隊以外ならジオン軍も見逃す可能性の方が高いのだろうが、何しろホワイトベースはジオン軍にとって深い因縁がある。

 ジオン軍のトップエースたる赤い彗星に狙われてもその手から逃げ続け、更にはジオン公国の中でも高い人気を誇るガルマを殺した。

 ……実際にはガルマはまだハワイで生きてるのだが、それは知らないのだから仕方がない。

 ともあれ、ジオン軍にとってホワイトベース隊が因縁深い存在なのは間違いない。

 であれば、少々の躊躇いがあっても攻撃をしてくるのは考えられない事ではないのだ。

 

「おい、アクセル。どうしたんだ、そんなところで」

 

 格納庫でピクシーを眺めながら考えていると、そんな声が聞こえてくる。

 声のした方に視線を向けると、そこにいたのはリュウ。

 

「いや、特にこれといった理由がある訳じゃないんだけどな。ジオン軍がこれで諦めてくれればいいと考えていただけだ」

「あー……その件か。恐らく大丈夫だとは思うけどな。このまま行けば、近いうちにジャブローの防空圏内に入るだろうし。それより、俺はガンダムの方が心配だよ」

 

 リュウがそう言いながら、ガンダムの方に視線を向ける。

 その視線の先では、現在ガンダムが分解されてオーバーホール……程ではないにしろ、かなり大掛かりな整備が行われていた。

 言うまでもなく、そのような整備の理由はガンダムが海中に潜ったからだ。

 汎用機という扱いで、宇宙、地上、水中という場所を自由に移動出来るガンダムではあるが、それでもやはり海に入った以上は念の為に整備をする必要があった。

 それだけMSにとって海水というのは天敵だという事なのだろう。

 精密機械なのだから、その辺は当然なのだろうが。

 水陸両用MSであれば、最初から水中に入るのを前提としている。

 ガンダムの場合は水中に入っても問題なく動けるが、それでもどこかしらに不具合が出る可能性があった。

 汎用性の高い機体と、一つの戦場だけを想定し開発された機体の違いというところか。

 

「そう言えば、ジャブローに行ったらガンダムってどうなるんだ?」

「は? どうなるって? どういう意味だ?」

「いや、今のままホワイトベースで運用を続けるのか、それともデータ取り用の機体として保管されるのかとか、そういう意味だ」

「それなら、恐らく普通に使う事になると思うぞ。というか、オデッサ作戦が成功したとはいえ、連邦軍には戦力になる機体を放っておくような余裕はない」

 

 リュウの言葉に、そういうものかと納得する。

 ……シャドウミラーの場合は、資料用として保存されている機体は何気にかなりの数に及ぶ。

 PT、AM、KMF、MS、戦術機、VF、エステバリス……それ以外にも様々な機体が技術班で保存されている。

 俺のピクシーも、ディアナの方で一通り調べた後は魔法球で保存される事になるんだろうし。

 ちなみに、俺がこれまで入手して空間倉庫の中に入っているMSの類も、ピクシーと同じ道を辿る予定だ。

 

「なるほど、そんな感じになるのか。とはいえ、最近ではガンダムもアムロの反応速度に対応出来ていなかったりするように思えるから、改修はされるんじゃないか?」

「どうだろうな。そうなってくれるといいんだけど」

 

 機体の反応速度がパイロットに追従しきれない。

 これは、俺にしてみればもう慣れた現象だ。

 それこそ、現状ではニーズヘッグ以外の機体で俺の反応速度に完全に追従出来る機体はない。

 だからこそ、俺はそのような機体でも問題なく操縦出来るように機体を乗りこなすという……ある意味で馬鹿らしいとも言える技術が発展してきた。

 綾子も、それは同じだろう。

 半サーヴァントという身の上である以上、その身体能力は人間の限界を優に超えている。

 だからこそ、綾子もMSを操縦する際には、機体の反応速度がついてこられる程度に押さえて操縦している。

 だが、アムロはニュータイプ能力や操縦技術が高まった事によって、最近そのような状況になってしまったのだ。

 だからこそ、まだそのような状況でMSを操縦するのに慣れておらず……場合によっては、MSの方で何か問題が起こる可能性もあった。

 問題なのは、ガンダムを改修するような技術が現在の連邦軍にあるか。

 何だかんだと、技術というのは一朝一夕で出来るようなものではない。

 ガンダムの反応速度を上げるという技術は、すぐにどうにか出来るとも思えない。

 ……いやまぁ、何らかの他の技術を転用してとかなら出来るかもしれないが。

 

「そう言えば、アクセルはジャブローに行ったらホワイトベースから降りるんだよな」

「何だ、いきなり。……いやまぁ、そうだけど。俺と綾子、ミナトの3人だな。それと、シローとサンダースもジャブローで降りるんじゃなかったか?」

「ああ、そう聞いてる。それとMSパイロットじゃないが、キキとミケルの2人もだな」

 

 リュウが少しだけ残念そうな様子でそう告げる。

 まぁ、その気持ちも分からないではない。

 MSパイロットのシローはMSの指揮に関しては上手かったし、サンダースはパイロットとしての技量は平均以上だった。

 MSパイロットではないが、キキはホワイトベースの日常業務を行っていた。

 特にカツ、レツ、キッカの3人はキキにかなり懐いていた。

 その辺の事情を考えると、キキがいなくなるというのは痛い。

 ミケルは……何だろうな。色々な部署で働いていたというのは知っているが、特にこれといったようなことは印象にない。

 それでも色々と細かい仕事をしていたのは間違いなく、何ヶ所かの部署の人間が褒めているのを聞いた事がある。

 

「そっちもそっちで痛いんだよな。何だかんだと、日常業務をやってくれる者が少なくて」

「日常業務をやってくれそうな面々は、月で降りたしな」

 

 もしホワイトベースが月に寄らずに地球に向かっていれば、サイド7の避難民の中から、ホワイトベースに協力してくれる者が出て来た可能性はある。

 そんな仕事の中で専門知識等がなくても出来るのが、日常業務だ。

 ……いやまぁ、洗濯のコツだったり、配膳のコツだったりという知識は別として。

 だが、そのような手伝いをしてくれそうな面々は、ほぼ全てが月のクレイドルで降りてしまっている。

 だからこそ、こうしてホワイトベースの運用で苦労している一面もあったりする……のか?

 

「一般人が軍艦の……それも最高機密の軍艦に乗ってるってのが間違いだったんだろうけど」

 

 そう、リュウが呟く。

 普通に考えれば、それは正しい。

 だが、あの時はサイド7の避難民をホワイトベースに乗せないという選択肢はなかった。

 ……何だかSEED世界での時の事を思い出すな。

 SEED世界で俺が転移した時に到着したヘリオポリスがザフトに襲われて、アークエンジェルに乗り込んだ。

 その後、最終的にヘリオポリスの住人の一部を乗せて宇宙を移動する事になった。

 とはいえ、軍艦に乗せた民間人の数という点で考えれば、間違いなくホワイトベースの方が上だったが。

 

「どうした?」

「いや、何でもない。取りあえずホワイトベースの方はジャブローに行けばある程度の人材が補充されるんだろうし、その時に雑用とかをやってくれる相手も希望したらどうだ?」

「……そうは言ってもな。連邦軍だって、軍人が余ってる訳じゃないんだ。そう簡単にこっちの要望が聞き入られるとは思えん」

 

 苦々しげにリュウが呟く。

 まぁ、その気持ちは分からないでもない。

 ジオンの独立戦争が始まってから今まで、連邦軍の軍人は大量に死んできたのだ。

 そして人というのは死んだからといってすぐに補充出来るものではない。

 これが量産型Wの類なら、疑似記憶と疑似経験によって一定の能力を持ったまま、すぐにでも量産する事が出来るのだが。

 軍人ともなれば、連邦軍が今まで受けてきた被害がもの凄い事になっているのは間違いない。

 

「そうだな。……ホワイトベースが普通の軍艦とかなら、それこそキキのような民間人を雇うとか、そういう真似は出来るんだが」

 

 軍艦に乗るという事は、命の危機に晒される事を意味している。

 だが、ジオンと連邦の戦争が続いている以上、少しでも稼ぎたいと思う者は幾らでもいるだろう。

 そして軍艦に乗れば、取りあえず食料についての心配をしなくてもいい。

 その食事が美味いかどうか、口に合うかどうかは、また別の話だが。

 ともあれ、文字通りの意味で世界中で戦争をやっている今の状況、しっかりと食べられるという点で大きいのは間違いない。

 

「そうだな。ホワイトベースの重要性を考えると、それは少し……いや、かなり難しい」

 

 リュウもそれは分かっているのか、憂鬱そうな表情を浮かべる。

 キキとかみたいに、道中で何らかの理由によって偶然ホワイトベースに乗り込む……といった事があればいいんだが、それは難しい。

 それにキキが怪しまれずにホワイトベースに乗れたのは、何だかんだとキキが以前からシローと共に行動していた事が大きい。

 ある程度の付き合いがあるから、キキが裏切るという心配はいらなかった。

 また同時に、シローがキキの後見人的な立場になっているというのもキキがあっさりとホワイトベースに受け入れられた理由の1つだろう。

 そんな訳で、新たに誰かを……となると、色々と難しいのも事実だ。

 それこそ、その辺で困ってる人をという事は出来ないだろう。

 

「ただ、ミハルやその弟や妹もいるから、そこまで切羽詰まってはいないんじゃないか?」

 

 キキがいなくなっても、ベルファストで新しく入った3人がいる。

 ……とはいえ、ミハルはカイがいると微妙に使い物にならなくなるのだが。

 ただ、カイがいない場所ではよくキキと一緒にカツ、レツ、キッカの3人を見ていたり、逃げていくハロを捕まえたりといった事をしているのを見掛ける。

 弟と妹の面倒を見てきただけあって、ミハルは子供の扱いが上手い。

 キキもまた、自分の村で年下の子供達の面倒を見ていたらしく、子供の扱いが上手かった。

 そうなると、キキがいなくなってもミハルがいれば一応問題なく日常業務は回ると考えてもいいんじゃないだろうか。

 それにプラスして、ミハルの弟と妹がいると考えると……キキが降りても、総合的にはプラスになるんじゃ?

 いやまぁ、今の状況からキキが降りたと考えると、マイナスになるのは間違いないんだろうが。

 

「そうだな。……そうなってくれればいいんだけど」

 

 憂鬱そうな様子を見せるリュウ。

 まだ何か思うところはあるらしいが、それを俺に言わないという事は、多分それは言えない事なのだろう。

 そうなると、取りあえず話題を変えるとするか。

 

「ジャブローに到着したら、ようやく報酬として連邦軍のMSを貰える訳なんだが、一体どんな機体を貰えるのか、分かるか?」

「は? あー……いや。分からないな。大抵の情報なら結構入って来るんだが、その辺の情報は全くだ」

 

 大抵の情報が入ってくるというのは、冗談でも何でもなく、純粋な真実だ。

 下士官というのは、横の繋がりが強い。

 それだけに、普通なら入ってこないような情報が、下士官同士ではあっさりと入ってきたりもするのだ。

 軍隊という組織の中で、かなり上位に位置する情報網と言ってもいい。

 だというのに、リュウにも俺が報酬として貰うMSについての情報が入ってこないとなると、そのMSはかなり厳重に情報封鎖されているのか……もしくは、考えたくはないが、実はブラフでどこにもそんなMSは存在していないという可能性もある。

 後者だとは思いたくはない。

 レビルからも、かなり機密度の高いMSでシャドウミラーが関与したルナ・ジオンの影響によって、連邦軍の技術も上がった……とか、そんな風に言っていたし。

 もしブラフだった場合は、ルナ・ジオン……いや、シャドウミラーが敵に回ると考えれば、レビルやゴップもそんな馬鹿な真似はしない筈だった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:955
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1570

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