転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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2495話

 結局、ミハルの弟と妹は一時的にホワイトベースに乗る事になった。

 ミハルとしては出来ればベルファストの家にいるのを希望したのだが、ジオン軍と連邦軍の裏切り者が追ってくるという可能性を考えると、やはりベルファストにそのまま残るという事は出来なかったのだ。

 とはいえ、別にベルファストを捨てるという訳ではない。

 この戦争が終わった後でベルファストに戻ってくるという決意をしているらしい。

 ……その際、カイも一緒に戻ってくるのかどうかというのは俺にも分からなかったが。

 ミハルの弟と妹も無事に連れてくる事が出来たし、荷物の類も……こう言ってはなんだが貴重品は少なかったので、持ってくる物が多くて困るということはなかった。

 ちなみに、ミハルの弟と妹はともかく、ミハル本人は軍属という扱いになり……言ってみればキキと同じ仕事をするようになったので、それなりに給料も貰える事になったらしい。

 とはいえ、その給料が具体的にどれくらいなのかは俺にも分からないのだが。

 給料そのものは安くても、ホワイトベースの中に乗ってれば衣食住で困る事はないので問題ないのかもしれないけど。

 そんな訳で色々と準備が完了し……ホワイトベースは現在、ベルファスト基地を出発してジャブローに向かっていた。

 ベルファスト基地を出る時にも若干色々と問題はあったのだが、幸いにしてそこまで大きな問題とはならなかったのは日頃の行いというより、レビル直轄の部隊という名目の方が大きかったのだろう。

 ベルファスト基地の中には、ホワイトベースの戦力を利用しようと考える者もいた。

 だが、そちらは何だかんだと動いた影響によって、取りあえず誤魔化す事には成功したらしい。

 

「バズーカの用意は出来てるな! どのMSにも使えるようにしておけよ! 予備の砲弾の確認も忘れるな!」

 

 格納庫の中にメカニックの声が響き渡る。

 元々バズーカはガンダムが使う物と、陸戦型ガンダムが使えるようにと少しだけしかなかった。

 だが、ブライトがベルファスト基地に裏切り者の存在を示唆し、それで調べてみると実際に怪しい奴が見つかったという事で、その報酬として貰ったらしい。

 ……うん。ベルファスト基地にジオン軍と繋がっている奴がいるというのは、ぶっちゃけミハルを助ける為の作り話でしかなかったんだが……どうやら本当にそういう奴がいたらしい。

 何かしら怪しい奴はいるかもしれないと思っていたのだが、それが見事に当たった形だ。

 ともあれ、その報酬としてバズーカは十分に余裕が出来た。

 元々ガンダムだったり、陸戦型ガンダムだったり、ジムだったり……更には、俺のピクシーもバズーカは普通に使えたので、攻撃の手段が増えるのはいい事だ。

 相手が水陸両用MSを使ってくる可能性は非常に高いので、メカニック達は現在その準備に追われている。

 

「俺達、手伝わなくてもいいのか?」

 

 俺の隣でそんなメカニック達を眺めていたヤザンが、何となく呟く。

 現在はこうして忙しく、更にはいつ敵が襲ってくるのか分からないので、シミュレータも今は使うことが出来ない。

 シミュレータに夢中になっていて、敵が出た事に気が付かなかったりしたら洒落にならないし。

 だからこそ、いつもは熱心にシミュレータをしているヤザンも、今はこうして俺の側でメカニック達を眺めていたのだろう。

 

「手伝うって言ってもな。下手に俺達が手を出すと、向こうが混乱するだろ」

 

 ぶっちゃけた話、俺の空間倉庫を使えば……いや、空間倉庫を使わなくても、俺の身体能力を考えれば、機械とかで運んでいる今よりも圧倒的に早くバズーカとかをそれぞれの場所に移動したり出来る。

 だが、これはメカニックの仕事である以上、MSパイロットの俺達はその時が来るまでゆっくりしていて欲しいと言われてしまえば、無理に手伝うような真似も出来ない。

 

「ふーん。……なぁ、アクセル。本当にジオン軍が待ち伏せていると思うか?」

「可能性としては十分にあるな」

「けど、それはあのミハルって女が偶然話を聞いただけなんだろ? なら、それはそこまで信用出来るとは思えないんだが」

 

 そうヤザンが呟く。

 実際、ホワイトベースの中でそんな風に思っている者が多いのは、俺も知っている。

 だが、まさかミハルがジオン軍のスパイだったなんて事を言える訳がない以上、今は表向きの理由で無理矢理突っ張るしかない。

 

「ジオン軍と思しき連中に追われたって話だし、信憑性は高いと思うぞ。それに……敵がいなければいないで、別に構わないだろ。そうすれば、俺達は特に誰からも襲われたりしないままにジャブローに到着出来るんだしな」

「それは……まぁ、なるほど。言われてみればそうだな」

 

 何故か微妙に納得した様子を見せるヤザン。

 ヤザンの事だから、戦いが減るのは嫌だとか、そんな風に言うのかと思ったけどな。

 

「どうした? ヤザンらしくもない」

「いや、だって海中に入るんじゃなくて、ホワイトベースの甲板から、ただ海に向かって攻撃するだけだろ? 何だかこう……いまいち面白そうじゃないんだよな。単純作業になりそうだし」

 

 単純作業。……そう言われると、ヤザンが苦手にしている理由も分からないではない。

 ヤザンが水陸両用MSに乗っているのなら、海中での戦いという事でもっとその気になっていた可能性はある。

 だが、ホワイトベースの甲板でただ海中に向かって砲撃をするだけとなれば、それはつまらないと思ってしまうのもおかしくはなかった。

 

「それでもやらないと、下手をすればホワイトベースが沈められる可能性もあるしな」

 

 ゴッグで厄介なのは、何と言っても水中を移動出来る事と、メガ粒子砲を持っている事だろう。

 ただ、ズゴックのように腕にあるのではなく、胴体に内蔵されている形である以上、海中という最大のアドバンテージを捨てない状況でメガ粒子砲を使うとなると、海面に仰向けになった状況で浮かびながらメガ粒子砲を使うしかない。

 若干間抜けな感じに思えるが、それが一番有効である以上、ある意味で仕方がない。

 

「分かってるよ」

 

 気が乗らなさそうな様子ではあるが、ヤザンはそう告げる。

 うーん、シミュレータとかが使えるのなら、ヤザンのストレスもある程度は解消出来るんだろうが……今の状況だと、ちょっとな。

 

「取りあえず、食堂にでも行くか? ここでただメカニック達の仕事を見ているよりは、腹ごしらえでもした方がいいだろうし」

「そうだな」

 

 やる気なさそうに告げるヤザンだったが、食堂に行くのに異論はないらしい。

 そんな訳で、食堂に向かう。

 俺達が格納庫にいても、今は何の役に立たないしな。

 なら食堂で何か食べて、いざという時に備えておいた方がいい。

 腹が減っては戦は出来ぬって言うし。

 そうして俺とヤザンは食堂に来たのだが……

 

「うわぁ」

 

 食堂で広がっていた光景に、思わずといった声が出る。

 基本的には、特に何かがある訳でもない。

 ただ一ヶ所……カイとミハルのいるテーブルだけが、甘々な雰囲気を漂わせていた。

 そう感じているのは俺だけではないらしく、食堂にいる他の面々も同じような表情を浮かべている。

 カイの奴、今日……とは限らないが、いずれ確実にジオン軍がこっちを待ち受けてるって理解しているのか?

 カイもエース級の能力は持ってるんだから、そのくらいは分かっているのかもしれないが。

 

「ヤザン、どうする? 別の場所に行くか? もしくは、サンドイッチでも作って貰って、他の場所で食べるとか」

「馬鹿馬鹿しい。別にあんなのは気にしなければいいだけだろ」

 

 そう言うと、ヤザンはブラックコーヒーが飲みたくなるようなやり取りを無視して、テーブルに着く。

 ……それでも、やっぱり近くにはいたくなかったのか、カイの座っている場所から結構離れた場所に座ったが。

 俺もまた、そんなヤザンを追う。

 あ、そう言えばブラックコーヒー云々と考えたけど、俺は紅茶派だ。

 だとすれば、ここで例えるべきなのはブラックコーヒーではなく紅茶で例えるべきだったか?

 そんな風にも思うが、苦い紅茶ってないしな。

 いや、あるのかもしれないが、俺は紅茶派は紅茶派であっても、本格的な紅茶派ではない。

 缶紅茶とかでも全く問題なく飲める程度の、そんな紅茶派だ。

 

「ったく、もう少ししたら戦いがあるって分かってるのか?」

 

 俺が紅茶について考えていると、ヤザンは不意にそんな事を告げる。

 ヤザンにしてみれば、カイとミハルのやり取りは見るに堪えないのだろう。

 それでいながら、シミュレータではカイの方が勝率が上だというのも、ヤザンにとっては面白くないといったところか。

 

「そう言うなって。守るべき相手を持った場合、それで化けるってのはあるんだぞ? 今のカイにも負けているヤザンだけど、もしかしたら勝率はもっと下がるかもしれないぞ」

「ぐぬぅ」

 

 ヤザン本人も、そんな自覚はあっただろう。

 俺の言葉に、悔しそうにする。

 もっとも、勝率が上がる可能性はあるが、同時に色惚けして勝率が下がるとい可能性も否定は出来ない。

 今のカイの状態がどんな結果を招く事になるか。

 それは、ジャブローに向かう途中で待ち受けているだろうジオン軍との戦いではっきりする筈だ。

 ……ああ、でもその戦いは基本的にホワイトベースの甲板からの攻撃になるんだから、実力差はあまり出たりしないのか?

 そんな風に思いつつ、俺は注文したサンドイッチを口に運ぶ。

 ベルファストで新鮮な食材を多数仕入れた為だろう。

 そのサンドイッチは、かなり美味い。

 

「羊肉のサンドイッチか。……ちょっと珍しいけど、美味いな」

 

 ベルファストではアイリッシュシチューを代表するように、羊の肉を食べる事が多い。

 だからこそ、ホワイトベースに持ち込まれた食材も、羊の肉が多くなる。

 まぁ、羊の肉は俺も結構好きだから、問題ないが。

 日本でもジンギスカンとかは有名だし、スーパーではラム肉が売っていたりする。

 ただ、それでもやっぱり日本だと食べる事が多いのは、牛、豚、鶏といったところなんだよな。

 田舎とかに行けば、猪とか鹿とかウサギとか、いわゆるジビエの類を食べたりもするのかもしれないが。

 

「……おお。これ、美味いな」

 

 カイの一件で不機嫌だったヤザンだったが、サンドイッチを食べて若干気を取り直したのか、感心したようにサンドイッチを見る。

 取りあえず、カイには皆の前でイチャつくなと言っておいた方がいいな。

 何だかんだで、ホワイトベースの中では女よりも男の方が多い。

 それも少しじゃなくて、圧倒的なまでに。

 その辺の事情を考えれば、人前でイチャつくというのは、場合によっては相手――この場合は独り身の男――を挑発する事にもなりかねないし。

 ホワイトベースの中でも……いや、この世界においてもトップクラスの美貌を持つミナトと綾子の2人を恋人にしている俺が言っても、説得力は薄いような気がしないでもないが。

 

「だろ? ホワイトベースの食堂はこういう美味い料理を食べられるから、いいよな。軍艦の中には、ここのようにしっかりとした料理人がいないようなところもあるらしいし」

 

 考えてみれば当然なのだが、連邦軍の軍艦全てに料理人を配置するというのは、何気に結構な難題だ。

 ましてや、連邦軍は1週間戦争、ルウム戦役……それ以外でも多くの軍艦を失ってきている。

 そんな軍艦の中にも料理人がいたというのを考えると、一体今までの戦いでどれだけの料理人が死んだのやら。

 ぶっちゃけ、四葉がその辺りの事を知ったら、この世界に殴り込みに来そうな気がする。

 ……うん。何か普通にその光景が想像出来てしまうな。

 コアラのオーラ……いや、コアラのペルソナを出して、巨大なお玉を武器に戦う四葉。らしいと言えば、あまりにらしい気がする。

 

「ホワイトベースって、何気に恵まれてるんだよな」

「そうか? ……まぁ、そうか」

 

 俺の言葉に一瞬戸惑った様子を見せたヤザンだったが、すぐに納得する。

 ヤザンも、別に軍艦はホワイトベースしか知らない訳ではないのだろう。

 MSパイロットの候補生として選ばれ、ジャブローでMSパイロットの訓練を行う前には、戦闘機パイロットだったらしいし。

 

「恵まれていない軍艦って、食事がどうなってるのか分かるか?」

「俺が知ってる限りだと、自販機だけだったり、もしくは手の空いてる者や当番制で食事を作ったりとかだな」

「なるほど。その辺は普通なんだな」

「いや、普通以外にどうしろと?」

 

 呆れた様子でヤザンが返してくるが、言われてみればそうか。

 食事の用意をする方法で他に考えられるのは……と思えば、それがそんなに多い筈もなく。

 一番手っ取り早いのは、やはり自販機とかのタイプなんだろうけど……軍隊の食事というのは、士気に直結する。

 そういう意味でも、やはり可能な限りホワイトベースのように本職の料理人が作った方がいいんだよな。

 そう思いながら、俺はヤザンと腹ごしらえをするのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:905
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1561

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