転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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2471話

『MS隊、出撃準備。上層部から命令が下った。戦場で暴れ回っているドムの小隊を可能な限り倒して欲しいとの事だ』

 

 ブライトからの通信が、格納庫にいたMS隊……それとホワイトベースの甲板にいるのだろうガンタンク隊にも伝わる。

 これまでの戦いでドムは結構な数を減らしたと思うんだが、そんな状況でもまだそれなりに数が残ってるのか。

 戦場の全てを確認出来ている訳ではないが、それでも数えられる限りで戦場で派手に動き回っているドムの小隊は5つを超えている。

 ……まぁ、ぶっちゃけドムというのはジオン軍にとってはかなり使いやすいMSなのは間違いない。

 新兵とかであっても、防御力が高く、素早く、攻撃力も高いというドムは戦力として数える事が出来るようになる。

 本当に腕の立つMSパイロットなら、ドムよりもグフとかの方がその技量を活かせるんだろうが……ぶっちゃけ、そこまで腕の立つパイロットというのは本当に一握りで、殆どのパイロットはそのレベルには達していない。

 そういう意味で、ジオン軍としてドムを地上用の主力量産MSにしたというのは、決して悪い選択肢ではない。

 実際、このオデッサの戦場ではこうやってドムの小隊が連邦軍を翻弄してるんだし。

 重装甲とはいえ、アプサラスⅢの例を見れば分かるように、ビーム兵器の前に意味はない。

 連邦軍のジムの中にもビームスプレーガンを装備している機体もいるので、その攻撃が当たればドムを倒す事は出来る。……あくまでも、当たればの話だが。

 そのビームの一撃を無意味にしているのが、ドムのホバー移動だ。

 どれだけ攻撃力が高くても、その攻撃が当たらなければ意味はない。

 ドムのホバー移動は、連邦軍にとってそれだけ脅威なのだ。

 そんな訳で、火消しの部隊としてホワイトベース隊に役目が回ってきたのだろう。

 

「了解した。それで、部隊的にはどんな風に分けるんだ?」

『アクセルはいつものように1機で行動してくれ』

 

 ブライトの言葉に、俺は特に不満を感じるでもなく頷く。

 俺の乗っているピクシーは、それだけ他のMSとの性能差があるのだ。

 ブルーディスティニーやアムロのガンダムといったMSとなら、ある程度行動を共にする事も出来るかもしれない。

 だがそうなると、今度は他のMS隊の方で小隊を組むのが色々と難しくなる。

 MSの性能ではなくパイロットの技量という事なら、綾子が俺と一緒に行動出来るんだが……陸戦型ガンダムだとな。

 いや、勿論陸戦型ガンダムの性能が悪いと言ってる訳ではない。

 量産されたMSの中で考えれば、地上でしか使えないとはいえ、陸戦型ガンダムは間違いなく最高峰の機体なのだから。

 それでも、やはりピクシーのような性能を追求した機体には敵わないのだ。

 

「分かった。なら、俺はいつも通り1人で動く。……ドムの数が多いとなると、敵もこの戦いは本気で対処しようとしている事になる。かなり厄介だぞ」

『分かっている。だが、連邦軍の勝利の為には、今はとにかくドムをどうにかする方が先だ』

 

 ブライトのその言葉に、異論はない。

 ……いや、もしここでドムを倒さなくても、最終的には連邦軍が勝つとは思っている。

 しかし、そうなった場合に連邦軍が受ける被害は非常に大きなものとなる筈だった。

 そしてこのオデッサ作戦は、連邦軍にとって非常に重要な作戦であると同時に、この作戦の後には他にもまだ幾つも戦場は残っている。

 地球上だけでも、未だにジオン軍が占領している地域というのは多いし、宇宙ではソロモンやア・バオア・クーといった宇宙要塞、そしてジオン軍の本拠地たるサイド3。

 その辺りの攻略を考えれば、やはりここで無駄に戦力を消耗させるという選択肢は、連邦軍にとって自滅に等しい。

 ……アプサラスⅢがいれば、それこそマルチロックオンによって、一気に戦場にいたドムを撃破するような真似も出来ただろうけど、今となってはそれも無理だ。

 もしかして、アッザムが半ば自殺行為に等しい様子で攻撃してきたのは、それが理由でもあるのか?

 だからこそ、あのような真似をした。

 アプサラスⅢの存在については、エルランから伝わっている筈だ。

 それを思えば、アッザムを捨て駒代わりに使ってもおかしくはない。

 いや、寧ろアッザム1機でアプサラスⅢの対処を出来たとすれば、それは大きなプラスだろう。

 空中砲台……それも多数のメガ粒子砲の砲門を持っているアッザムは、連邦軍にすれば厄介な相手ではあったが、ジオン軍にとってのアプサラスⅢはそれ以上に厄介な存在だった可能性が高い。

 だからこそ、アッザムで相打ちを狙った。

 そう考えれば、十分納得は出来る。

 そんなことを考えている間に、ピクシーはカタパルトデッキの上に移動し……

 

「アクセル・アルマー、ピクシー、出るぞ!」

 

 その言葉と共に、射出されるピクシー。

 ブライトから指示された戦場に向かい、進む。

 カタパルトデッキの射出である程度の距離を詰めたところで……不意に、上空から何かが近づいてくるのを、レーダーが知らせる。

 上空、何だ? ガウかドップか……そう思っていたのだが、そちらに視線を向け、驚く。

 それはガウでもドップもなく……MS輸送機と呼ぶべき機体の、ファットアンクルだった。

 俺がジオン軍にいる時に見たデータによると、MS3機……つまりMS1個小隊を輸送可能な輸送機。

 ただし、ガウと違って攻撃性能は決して高くはなく、純粋にMS輸送機として開発された機体だ。

 一応武装はあった筈だが、機銃とかその辺しかなかったと思う。

 ガウのようなメガ粒子砲の類は言うまでもなく、ミサイルの類も装備していない。

 完全に輸送機で、このような戦場のど真ん中に突っ込んでくるような機体ではないのだが……そんな風に考えていると、そのファットアンクルから3機のザクが降下する。

 元々1小隊を運ぶのだから、その行動は予想出来ないでもなかったが……なるほど。恐らく、本当に恐らくの話だが、ジオン軍の方も戦力に余裕がなくなってきたという事なのだろう。

 だからこそ、今の状況ではこうして本来なら戦場の最前線に出すべきではない輸送機のファットアンクルもこちらに出してきたといったところか。

 問題なのは……

 

「ちっ、どのみち俺を狙ってくるか!」

 

 ザクの攻撃目標が俺なのか、それとも他の誰かなのか。

 その辺りは分からなかったが、それでもザクにしてみれば連邦軍のMSを見つければ、それに攻撃しない訳にはいかなかった。

 こちらに降下しながら、ザクマシンガンを撃ってくる3機のザク。

 ザクバズーカではなく、3機ともにザクマシンガンを装備しているのは、やはりMSや61式戦車を相手にする事を想定しているからなのだろう。

 ピクシーのデータを貰っていないのか、それとも単純にこんな状況で遭遇して忘れているのか。

 その辺りは分からなかったが、とにかく敵なのは間違いない。

 ドムを倒すよりも前に、こっちのザクを先に倒す必要があるか。

 ザクマシンガンの弾丸を回避しながら、ビームスプレーガンを構える。

 かなり低空からの落下だったので、パラシュートの類は存在しない。

 地面に着地する寸前にスラスターを全開にして、落下速度を殺すつもりなのだろう。

 だからか、パラシュートを使っているのに比べると、落下速度はかなりの速度だ。

 とはいえ……

 

「それで、狙いを外すなんて真似はしないけどな」

 

 ビームスプレーガンを収束モードにして3連射。

 収束モードにする事で、ようやく通常のビームライフルと同程度の威力となり……3本のビームは、それぞれ落下していたザクのコックピットを貫く。

 当然のようにコックピットを貫かれたザクは着地に失敗し、スラスターを噴射させるような事もなかったので、足は折れ、胴体も潰れて地面に倒れ込む。

 続けてファットアンクルの方を狙おうとすると、そのファットアンクルの護衛なのだろう。5機のルッグンがこちらに向かって爆弾を投下してくる。

 頭部バルカンと90mmサブマシンガン、拡散モードにしたビームスプレーガンで、爆弾を撃破していく。

 ルッグンというのは、基本的に偵察やパトロールに向いた機体ではあるのだが、何気に運動性が高く、爆弾やミサイルを装備していたりと攻撃力が高い。

 偵察やパトロール以外にも様々な任務をこなす事が出来る、マルチロール機と言ってもいいだろう。

 とはいえ……ドップと同様に航空機である以上、防御力の類は決して強くはない。

 爆弾を迎撃した流れで、同時に上空を飛ぶルッグンに向かってそれぞれ攻撃を行う。

 頭部バルカンは弾数も多くないし射程が短いので使うのを止めたが、90mmサブマシンガンと拡散モードによって5機のルッグン全てが撃破される。

 ファットアンクルはルッグンが戦っている間に戦場から離脱したので、護衛としての役目は十分に果たしたと言えるだろう。

 ……ただし、人的資源という意味では、ジオン軍は決して豊富ではない。

 そんな中で、ルッグンのパイロット5人と引き換えに、ファットアンクルを逃すのが割に合ってるのかと言われれば……正直、微妙な気がしないでもなかったが。

 ともあれ、これでこっちにちょっかいを出してきたザクやら何やらを一掃することに成功したので、次に俺が狙うべきはドム……なのだが……

 

「そりゃあ、いないよな」

 

 ホワイトベースのカタパルトデッキから射出される前にこの近辺にいたドムは、俺がザクやルッグンと戦っている間にこの戦場から退避してしまったらしく、姿は見えない。

 ピクシーの事を知っていて、この場から退避したのか。それとも単純に狙っていた敵を倒したので次の戦場に向かったのか。

 あのファットアンクルも、一体何故俺のいる場所にやって来たんだろうな。

 その辺りの事情は分からない以上、今は考えている暇はないか。

 

「ホワイトベース、聞こえているか? ホワイトベース」

『こちらホワイトベース。アクセルさん、どうかしましたか?』

 

 ホワイトベースから、モーリンの声が聞こえてくる。

 向こうの方では特に焦ったりといった事はないのか、動揺している様子はない。

 そうなると、俺の場所以外はそれなりに成功しているのか?

 

「ドムに攻撃するよりも前に、MSを搭載したファットアンクルが来て、ザクを投下してきた。ザクとファットアンクルの護衛をしていたルッグンは撃破したが、肝心のドムとファットアンクルは逃がしてしまった。どうすればいい?」

 

 何気に、俺としてはドップよりもルッグンの方が厄介な相手な気がする。

 偵察機としての役目もあるだけあって、偵察能力は高いし。

 もしシャドウミラーで運用するとすれば、ルッグンだろうな。

 純粋な戦闘機という意味では、それこそバッタやメギロートがいるのだから。

 しかし、偵察に特化した機体は……まぁ、バッタやメギロートでその辺をどうにか対処出来ない訳でもない以上、無理に考える必要もないか。

 

『分かりました。では……え? その、ちょっと待って下さい』

 

 モーリンが俺に何かを言うよりも前に、誰か他の者――恐らくブライトだろう――に声を掛けられたのか、一度話が終わる。

 通信の向こうでモーリンが誰かと話している光景を眺めながら、機体の状況を確認していく。

 ビームスプレーガンのエネルギーは、まだ問題なし。

 90mmサブマシンガン、推進剤ともにそこまで問題はないが、頭部バルカンは結構使ってしまっている。

 元々頭部バルカンというのは、残弾数は決して多くはない。

 それでいながら、敵への牽制やミサイルや爆弾の迎撃といったように、使い勝手は悪くない武器だ。

 頭部バルカンでの残弾を増やすには、やはり外付けにするのが一番いいのだが……その辺は今のところ開発されてはいないらしい。

 まぁ、外付けにすれば当然のように被弾面積やら、多少なりとも重量が増えたりといた事になるので、必ずしもメリットだけという訳ではないのだが。

 とはいえ、メリットとデメリットを考えると、メリットの方が多いのも事実。

 ……ディアナ辺りに指示しておくか?

 シャドウミラーの場合は基本的に実弾兵器ではなく、残弾の心配がいらないビームバルカンを使っているので、その辺は心配いらないし。

 一応グロウセイヴァーの時にバルカンポッドを開発してるので、その技術はシャドウミラーにあるんだが……UC世界の技術者で開発した場合、もしかしたらこっちの予想外のバルカンポッドを開発する可能性もある。

 

『アクセルさん、そこから少し離れた場所で連邦軍の部隊が敵に襲われているそうです。かなりの精鋭らしく、救援要請が来ているので、そちらをお願いします』

 

 モーリンからの通信と共に、向かうべき座標が送られてくる。

 なるほど。この様子を見る限りでは、確かに俺がこのまま行った方が手っ取り早いか。

 

「分かった。すぐにそちらに向かう」

 

 そう告げると通信を切り、俺は送られてきた座標に向かうのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:790
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1542

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