転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0227話

 俺の目の前に立ち塞がっているイザーク。その横には苦笑を浮かべているディアッカの姿もある。

 

「おいっ、後で俺と話をすると約束しただろうがっ!」

 

 イザークのその言葉に、確かに先程の会議の中でそんな約束をしていたのを思い出す。

 

「ああ、そう言えばそうだったな。で、話って?」

「こんな所で言えるか! と言うか、貴様はこんな所で堂々と何をしている。時と場所を弁えろ!」

 

 俺の腕を抱いているマリューを見て、イザークがそう叫ぶ。

 あれ? こいつってこんなに潔癖な性格だったか?

 まぁ、約束したのは俺なんだししょうがない。

 

「悪い、先に戻っててくれ。話が終わったら俺も追い掛ける」

「ええ。なるべく早く来てね」

 

 マリューが笑みを浮かべて、レモン達と去っていく。その後ろ姿を見送り、改めてイザークの方へと視線を向けると、ディアッカが済まなそうに声を掛けてきた。

 

「悪いね。イザークがどうしても今日のうちにあんたと話をしたいって聞かなくてさ」

「まぁ、話の流れで約束したんだからしょうがない。……出来れば、もう少し空気を読んで欲しかったがな。で、俺に話ってのは?」

「俺と戦え!」

 

 ……は?

 

「ディアッカ?」

「あー、つまりだ。イザークは今まで何度もあんたのブリッツと戦って負け続けてきただろう? 機体性能の関係もあるだろうから、一度自分と生身で戦ってくれと。そう言いたい訳だ」

 

 ディアッカの通訳を聞き、イザークの要望を理解する。確かにデュエルとブリッツでは機体性能が違うだろうし、イザークの言い分も分からないではない。だが、個人的には真っ向から戦う場合はブリッツよりもデュエルの方が有利だと思うんだが。なによりシールドと武器が一体化していないので、相手からの攻撃を防御しながら反撃出来るというのは大きな利点だろう。

 

「まぁ、お前がそれで納得するのならいいが……どこでやる?」

「確かこのドッグにも運動場があった筈だから、そこでいいんじゃないか?」

「という事だが、それでいいか?」

「ああ。問題無い」

 

 ディアッカの提案をイザークへと尋ねてみると殆ど反射的と言ってもいい速さで頷く。……俺との戦いで余程フラストレーションが溜まってたのか。

 

 

 

 

 

 メンデルという既に廃棄されたコロニーの為か、ドッグに設置されている運動施設はどこか寂寥感があった。他のメンバーは自分達のやるべき事をやっていたり、あるいは戦いの疲れを癒したりしている為、当然のようにこの運動施設にいるのは俺とイザーク。そして戦いの審判役として連れてこられたディアッカのみだった。

 

「お互いに素手で、急所に対する攻撃は無しって事でいいな?」

 

 ディアッカの言葉に頷く俺とイザーク。イザークの俺を見据える目には鋭い光が宿っている。これは最初から全開で来るな。

 

「じゃ、始め!」

 

 ディアッカが開始の合図をすると同時に、イザークは素早くこちらへと近づいて牽制にジャブを連続して放ってくる。その鋭さと速度は、さすがに士官学校のアスラン世代でNo.2のコーディネーターなだけはある。だが、当然俺の身体能力はコーディネーターと比べても既に人外の領域にあるので……

 

「何っ!?」

 

 繰り出されたジャブの全てを右手だけで弾かれた事に驚きの声を上げるイザーク。

 

「ほら、驚いている暇があるのか?」

 

 出来るだけ手加減をして、イザークの大腿部へと蹴りを入れる。いわゆるローキックという奴だ。

 足に返ってきた感触はそれなりに鍛えられた肉体のそれだったが、所詮は生身だ。俺の蹴りに耐えられる筈も無く……

 

「ぐわっ!」

 

 その場へと崩れ落ちた。だが、歯を食いしばりながらも何とか立ち上がろうとする。

 

「イザーク、まだやるのか?」

 

 ディアッカもまた心配そうな声でイザークへと声を掛ける。

 ディアッカはオーブ沖での戦いからアークエンジェルと行動を共にしている為、ある程度は俺の能力を知っている。それ故に思わず出た言葉だったのだろうが、それが今回の場合は逆効果だった。

 

「これしきの事で俺がやられてたまるか!」

 

 イザークの負けん気の強さに火を付けたのだ。足をガクガクさせながらも何とか立ち上がって俺を睨みつけてくる。

 

「いくぞ!」

 

 大きく深呼吸をし、多少は足の状態も収まったのか再び俺の懐へと向かって踏み込んでくる。少し手加減をしすぎたか? そう思いつつも、先程のお返しとばかりに俺の足を狙って放たれたローキックをバックステップで回避し、そのままイザークの足が空を蹴りバランスを崩した所でこちらも懐へと入り込んで左手をイザークの顔の前へと突きつけ、視界を遮り……

 

「はっ!」

 

 右手の掌底をイザークの顎を掠めるようにして叩き付ける

 

「っ!?」

 

 脳を揺らされる一撃を食らい、その場で意識を失うイザーク。床へ倒れ込みそうになるその身体を受け止め、ディアッカの方へと視線を向ける。

 

「俺の勝利でいいな?」

「あ、ああ。それよりイザークは大丈夫か?」

「何、脳を揺らされて脳震盪を起こしているだけだ。そのうち目を覚ます」

 

 ディアッカは俺の言葉を聞き安堵の息を吐く。

 

「にしても、何も気絶させる事はなかったんじゃないのか?」

「足に俺の蹴りを食らっても根性で立ち上がったのをお前も見ただろう? 本当ならあの一撃で試合を終わらせるつもりだったんだが……そういう意味では、こいつは確かに俺の予想以上の実力を持っていたな。イザークが負けを認めるまで付き合っても良かったんだが、後4日でヤキン・ドゥーエに攻め込むっていうのに折角の戦力が怪我をして使い物にならなくなりましたって訳にもいかないだろう」

「そりゃまぁ、確かにそうだけどよ……その説明でイザークが納得するかどうかはちょっと厳しいぜ」

 

 気を失っているイザークを受け取りながらディアッカがそう呟く。

 確かに、この負けん気の強さはカガリと良い勝負だな。……違いは能力があるかどうか、か。

 

「そうだな。目を覚ましてもまだ納得していないようなら、この戦争が終わった後にオーブへ来たらたまには相手をしてやると伝えておけ。ホワイトスターでならMSを使った戦いが出来る場所もあるしな」

「……いいのか?」

「こいつは確かに直情的だが、だからこそ裏でこそこそするような真似はしないだろうさ。……もっとも、そういう事をするのならシャドウミラーとしてもそれなりの対応が必要になるだろうがな」

「分かった。そう言っておく」

「じゃ、俺はそろそろ行かせて貰うぞ。レモン達が待ってるんでな」

「こういう時に恋人がいるってのはいいよなぁ」

 

 どこか羨ましそうに俺を見るディアッカ。その様子に思わず苦笑を浮かべてしまう。

 

「ミリアリアにはトールがいるんだから、お前もいい加減諦めればいいものを」

「ふん、そんなので諦められるんなら最初から好きにはならないさ。見てろよ、いつか振り向かせてやるからな」

「……痴情のもつれで刃傷沙汰とかは御免だぞ」

 

 それだけ言って、レモン達が待っているアークエンジェルへと向かった。

 

 

 

 

 

 イザークを伸してから4日後。アークエンジェル、クサナギ、エターナルの修理と整備も完了し、いよいよヤキン・ドゥーエへの奇襲を実行する日がやってきた。メンデルのドッグから転移したのでは転移時にメンデルの機材とかも転移フィールドに巻き込んで一緒にヤキン・ドゥーエまで持っていく可能性がある為に、現在はトリニティゲインに乗り込んで宇宙で待機している。そしてトリニティゲインの側にはアークエンジェル、クサナギ、エターナルが集まっていた。そんな中で、トリニティゲインのコックピットからそれぞれの艦のブリッジや既に搭乗済みの機体に乗っているパイロット達と通信を繋げて奇襲の最終確認をしている。

 ちなみにナタルはアークエンジェルのC.I.C.担当に復帰したが、脱出ポッドで助けられたフレイはなんとエターナルでオペレーターとして働く事になった。

 当然と言えば当然なのだが、フレイとしてはキラに対する想いがある為にキラのいるエターナルへの配属を希望したのだ。その結果、エターナルではキラ、ラクス、フレイの三角関係が勃発。アスランは神経を削ってカガリに愚痴り、バルトフェルドは面白いドラマを見るような目でそのやり取りを眺めているらしい。

 にしてもスーパーコーディネーターのキラに、プラントの歌姫ラクス、父親がブルーコスモスだったフレイの三角関係か。まさにガンダムSEEDの世界を凝縮させたような関係だな。

 チラリと通信モニタに映っているラクスへと視線を向けてから口を開く。

 

「この4日の間にも何度か話したが、一応最終確認だ。まずトリニティゲインでヤキン・ドゥーエへと転移する。その後、俺はグロウセイヴァーへと乗り換え、T-LINKシステムを使ってミラージュコロイドを用いて隠れていると思われるジェネシスを見つけ出す。その後は、まず最初に一次反射ミラーへと移動。内部に人がいるかどうかを確認して、いるようなら脱出ポッドか何かに入れて放り出した後に俺の空間倉庫に格納する。それで取りあえずの安全を確保したら次はジェネシス本体に移動し、これも一次反射ミラーと同様に作業員やオペレーター、軍人等を強制的に脱出させてから空間倉庫へと格納。俺がジェネシスに掛かりきりになっている間は、ヤキン・ドゥーエの戦力をなるべく減らしておいてくれ。その際の指揮に関してはコーネリアに任せる」

 

 俺の言葉に、全員が頷くのを確認して再び口を開く。

 

「ジェネシスを確保した後は、本格的にヤキン・ドゥーエの攻略に取り掛かる事になる。尚、ヤキン・ドゥーエにはアイリーン・カナーバがクライン派の兵士と共に潜んでいて、タイミングを合わせてパトリック・ザラを確保してくれる手筈になっている。クライン派の兵士が操っている機体は俺達に攻撃を仕掛けてこないので、攻撃を仕掛けて来る機体相手には特に手加減をしなくても構わない。俺達の仕事はヤキン・ドゥーエにいるタカ派の戦力を削ってクライン派のクーデターを成功させる援護射撃だ」

 

 攻撃を仕掛けて来る相手に手加減をする必要はないという所でラクスが悲しそうな顔をしたが、残念ながらその辺は諦めて貰うしかない。

 

「何か質問は?」

 

 そう尋ねるも、誰も声を上げる者はいない。

 

「このくだらない戦争を終わらせる為の最後の戦いだ。……そうそう、この戦いが終わったら、ここにいる全員をホワイトスターに招待する事を約束しよう。戦勝パーティはホワイトスターでやるからな」

 

 公式的な戦勝パーティはオーブでやるのだろうが、実際に戦ったここにいる面子だけでパーティを開くくらいは構わないだろう。

 

「……じゃあ始めるぞ。システムXN起動。転移座標入力、転移フィールド生成開始」

 

 システムXNを起動し、光の繭のような転移フィールドが作り出される。その光の繭はトリニティゲインを包み、アークエンジェルを包み、続いてクサナギやエターナルを包み込む。さすがにオリジナルのアギュイエウスだけあってグロウセイヴァーに積んでいる量産型とは違い、転移フィールドの生成速度がかなり速い。

 

「転移フィールド生成完了……転移!」

 

 その言葉と同時にアギュイエウスが起動し……次の瞬間には転移が完了し、目の前にはTの字やYの字にも見えるヤキン・ドゥーエが存在していた。




名前:アクセル・アルマー
LV:37
PP:540
格闘:258
射撃:278
技量:268
防御:268
回避:298
命中:318
SP:454
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:361

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